石積の各部の呼称、役石と勾配など

石垣各部の名称

石垣の役石

石垣の勾配


石垣各部の名称
 石垣の各部の名前について、わかりやすいものをご紹介します。
本の記載に忠実に再現すると、これらの名前の漢字が違いますが、
それもまた、感じ方が違うので面白いと思い、そのまま写しています。




友飼石(ともがいいし)
外口に飼うもので、2,3個使用する。


迫飼石(せりがいいし)
左右の積石の間に飼うもの。


裏込石(うらごめいし)
石積みの裏面に通水をよくするためにつめるもの。


胴飼石(どうかいいし)
石の胴の間の奥に飼い込むもの。 1個の飼石を平らに飼って積石を固定し、空隙は小石で胴込め、または、コンクリートを 充填する。







穴太積み(あのうづみ)模式図
「合端(あいば)」合せと
「二番(にばん)」。
破線は後述の間知積みの場合で
穴太積みとの相違を示したもの。


石組みの構造模式図
@根石
A一番角石
B二番角石
C三番角石
D一番平石
E二番平石
F二番角脇石
G四番角脇石
H角尻石

石垣の役石

石垣の役石の種類の代表的なものを次に説明します。

天端石(てんばいし)
切天端
(きりてんば)
隅天端
(すみてんば)
巻天端
(まきてんば)
五角天端 三角天端 夫婦天端

根 石(ねいし)
布 積 矢羽積 亀甲積
うってがえし積 玉石積

隅 石(すみいし)


@菱 隅(ひしずみ)
A本 隅(ほんずみ)
B丸 隅(まるずみ)
C槍 隅(やりずみ)

出隅・入角・輪取り・シノギ角


  @輪取り(わどり)(弧状)
  A入 角(いりずみ)
  Bシノギ角(しのぎずみ)(鈍角)
  C出 隅(ですみ)(稜線部算木積み)

長間(50〜60間、90〜100m)に及ぶ石垣の崩壊防止措置
算木積み 横 面(よこづら)
小 面(こづら)



石垣の勾配

 萩生徂徠のツ録(けんろく)による矩(のり)(=傾斜角)を定める3種類の 方法について、次のように分類されると各書で紹介されています。
 @精加工した切石(割石)を「接(は)ぎ」合わせた切込みハギ(矧)
 A粗加工した切石(割石)を「接(は)ぎ」合わせた打込みハギ(矧)
 B自然石を積んだ野面



野面


打込みハギ


切込みハギ
野面・打込みハギ・切込みハギ石垣模式図
(伊藤ていじ「城」所収第7図「雨落のとり方−ツ録による−」より)


建築大辞典には次のような説明があります。

うちこみはぎ(打込み矧ぎ)
 石垣積み形式の一。主として近世城郭の石垣に対して使われ、「ツ録」にこの名称が出ている。 金槌で積石の角を少々叩き、石の合端(あいば)が幾らかかみ合うように 3側面を整えた積み方。近世城郭の石垣に最も多く見られる形式である。切込み矧ぎより目地が大 きく隙間ができるので、そこに友飼石(ともがいいし)または栗石を詰め込む。 水平の目地は通すのをよしとする。

きりこみはぎ(切込み矧ぎ)
 石垣積み形式の一。主として近世の城郭の石垣に対して使われ、「ツ録」にこの名称が出ている。 鑿(のみ)や鏨(たがね)で積石を加工し、石と石と を密着させた積み方。石垣の出隅や入隅、城門の近くでよく使われている。


 また、別の言葉に暦(れき)の矩(かね)というの があります。
切込みハギを円を12等分した勾配により定めたことからそう呼ばれているようです。
360度÷12=30度となり、その2等辺3角形の斜線の角度を勾配として採用したようです。


切込みハギ 12等分 → 勾配75度
打込みハギ 10等分 → 勾配72度
野  面   8等分 → 勾配67.5度

宮勾配と寺勾配
宮勾配
(扇の勾配)

寺勾配


石垣の用材 積み方の大分類 野石積の種類 間知石積の種類 割石積の種類
いけない積み方 石の仕上げ

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石垣、石積をできるだけ理解したいという一念で書いておりますが、
参考文献、引用文献は下記の通りです。また以下の図書以外にも建築士会
などの会報等も参考にしています。
「石垣と石積壁」窪田祐 著(学芸出版社)
「石垣普請」北垣聰一郎 著(法政大学出版局)
「石垣」田淵実夫 著(法政大学出版局)
「日本名建築写真選集6 姫路城」解説 内藤昌(新潮社)


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