石の仕上げ


 「石垣と石積壁」窪田祐 著(学芸出版社)にわかりやすい石の仕上げの解説があります。 ご紹介します。

   石の仕上

   磨き仕上を除き,硬石の粗面仕上として,つぎのような種類がある。

1 野づら
   加工しない自然のままの石。節理や自然の割れ目で割れるか,または,人工的に割
  った「割り肌」のままの石。

2 荒こぶとり
   野づらの石肌の高いこぶの部分の要所だけをげんのうなどではつりとった荒っぽい
  仕上のもの。

3 こぶだし
   稜角の線,合端の線などは正確に加工するが,その他の部分は「割り肌」などの素
  材のこぶの要所をげんのうではつってととのえ,合端を「小たたき」程度に仕上げた
  もの。こぶの大小により,大こぶだし・中こぶだし・小こぶだしの3種類がある。

4 のみ切り
   こぶだし面に,さらに,のみを入れて平らな粗面としたもので,粗面の程度により,
  荒切り・中切り・上切りの3種類がある。のみの先端の尖鋭度は,打撃に際して深く
  掘りこんでくぼみを生じることがあるから,石質によって加減しなければならない。
   全面にこまかくのみ跡を残す仕上があるが,この仕上を「ぐんでら仕上」という。

5 ぴしゃん
   上切りの「のみ切り」面に,びしゃん工具によって平らな粗面をつくる仕上をいう。
  びしゃん工具の槌面に,たてよこ5列にビラミッド形の刃のついたものを25目の槌とい
  う。びしゃんたたきは,仕上の手間を省くために,「のみ切り」をしてから施工するの
  が普通であるが,びしゃん工具によって石面を打つと,石の表面組織を損傷し,石面
  が部分的に剥落する原因をつくるから,できることならびしゃん仕上を禁止し,上切り
  仕上にとどめることが望ましい。
   ぴしゃんたたきの後に「小たたき」をするときには,石質によっては,びしゃんの回数
  をへらせるように配慮する。
   びしゃんの加工は,5枚刃(25目),8杖刃(64目),10枚刃(100目)となっており,上等
  ほど密刃になる。
   機械を使ってびしゃんと同程度に仕上をするものを「機械びしゃん」という。

6 小たたき
   びしゃん100目の仕上面に,両刃をもって細密な平行線をきざんで仕上げるもので
  ある。1回たたき,2回たたき,3回たたきの3種類があり,それぞれ5cmにつき,25き
  ざみ,33きざみ,50きざみが標準となっている。
   1回たたきでは,25きざみによってのみ跡が残らないような仕上を標準とし,2回およ
  び3回たたきでは,びしゃん目も残らないような仕上を標準とする。最終の小たたきは,
  とぎ刃を使用する。
   びしゃん64目から入る小たたき1回仕上は,わずかに,びしゃん目が残る。

7 ひき肌
   石材を板状に製材するときに,ガングソーという切断機を用いるが,そのひき放し面
  をそのまま仕上面とすることがある。このひき肌仕上は,わずかに条痕が残るが,上
  等の小たたき以上に仕上る。ひき肌は,石質の硬質部分がそのまま凸部として残る粗
  面仕上であるから,表面の耐摩耗性が大きい。


石垣の用材 積み方の大分類 野石積の種類 間知石積の種類 割石積の種類
各部の呼称 役石と勾配 いけない積み方

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石垣、石積をできるだけ理解したいという一念で書いておりますが、
参考文献、引用文献は下記の通りです。また以下の図書以外にも建築士会
などの会報等も参考にしています。
「石垣と石積壁」窪田祐 著(学芸出版社)
「石垣普請」北垣聰一郎 著(法政大学出版局)
「石垣」田淵実夫 著(法政大学出版局)
「日本名建築写真選集6 姫路城」解説 内藤昌(新潮社)


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