縄文の顔 [土器づくり 1]


 「土器づくり」を造形的なねらいで始めると、子どもは喜んで集中するが美術の学習(粘土遊び)の要素が強くなってしまう。生活用具としての土器を学ぶのであれば、むしろ複製土器を使っての調理から入った方がよい。

 「ものをつくる」学習の本質は、「実物の観察」と「ものへの執着」にある。その意味で、第1歩は土面や土偶の顔を作らせるのがよい。造形的に単純なものも多く、のめりこめばのめりこむほど表情が変わってくるのだ。また、造形が単純でも仕上げは繊細で奥が深い。

【小学3年生「縄文の3つの顔」】



 岩手県の御所野遺跡調査会で実物に触れさせてもらい「これなら作ってみたい」ときっかけとなった鼻曲がり土面である。

 初めての作品であることと、造形より磨きに重点を持たせるために、細かい表情についてはうるさく指導しなかった。

 面白いもので、執着を持って磨けば磨くほど表情は本人に似る。しかし、実物の質感は子どもが作ったとは思えない輝きがある。(自然土+テラコッタ40%)



 2作目は、思いきって複雑なもの(晩期・秋田県麻生遺跡)に挑戦させた。文様のレイアウトは大人が手伝う。実物より若干、彫りが深くなってしまったが細かな部分の磨きは子どもの指でなければできない。焼成の燻しは常緑樹を使ったが、松が使えればさらに良かったと思う。

 施文の最中に落として鼻がつぶれてしまったそうだが、かえって愛嬌がある。


 
さすがに3作目ともなると大人顔負けである。ほとんど指導することはなかった。

 泥ダンゴを光らせる要領で磨きを行うと、日に日に表情が生きてくる。滑らかさを出すためにテラコッタが6割を占めるが、一般の大人だと、本物との見分けがつかないだろう。

 (モデル:中期・山梨県釈迦堂遺跡)

 【小学校高学年「縄文シャーマンになってみる」】

           11月上旬に焼成予定

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