〜学級集団・教育評価〜


<集団>
◎集団=何らかの目標を持っており、互いに影響を及ぼしあうような関係の人々の集まり。
   特徴・・・成員にそれぞれの役割があり、組織としてのまとまりがある。
        仲間意識や一体感がある。成員の行動についての規範がみられる。
◎集団の分類
 (1)クーリー(アメリカ)・・・集団内での成員の相互作用の仕方に注目。
     ・一次的集団=いつも顔をあわせているような関係の人々、家族、遊び仲間、近隣の集団など。
     ・二次的集団=意識的に組織され、成員が間接的な接触をすることを特徴とする集団。
               会社、学校、政党、国家など。
 (2)メーヨー(オーストラリア)・・・集団の成立の仕方に注目。
     ・インフォーマル集団=自然発生的にできた集団。仲良しグループなど。
     ・フォーマル集団=目標達成のために人為的に構成され、組織体系を備えた集団。
◎集団の機能
 (1)集団維持機能=集団における団結力や忠誠心などの側面を強める機能。
 (2)目標達成機能=集団の目標達成のために努力すること。 ◎リーダーの指示、命令など

<学級集団>
◎コメニウス:『大教授法』・・・一斉授業の原理を提唱。
◎ベル、ランカスター:助教法として開花。
@学級集団の形成と発達
  田中態次郎・・・学級の人間関係を五つに分類。(「多数分離型」「分団分離型」「一部集中型」「分団結合型」「統一統合型」)
  学級集団の形成過程
    ・孤立探索期=成員同士の結びつきはあまり強くなく、それぞれが孤立している。
    ・水平的分化型=席が近い、家が近いなど、物理的要因によって仲良くなり、横の関係ができる。
    ・垂直的分化型=同列的な横の関係が変化して、優秀な成員と服従的な成員といった上下関係ができる。
    ・部分集団形成=成員同士の理解を深め、目的が同じといった類似要因による小集団。
    ・集団統合期=いくつかの小集団が変化、発展していき、一つの学級集団として統合される。
A小集団の形成
  ・日本=バズ学習   ・アメリカ=協同学習
 (1)ホワイトとリピットの研究・・・リーダーの行動を3つに分類し、比較。
    ・民主的リーダー・・・追従者が討論で方針や手順を決め、リーダーはその意見を聞き、助言を与える。
    ・専制的リーダー・・・強力なリーダーシップで集団の方針の一切を決め、成員を権威的な命令でまとめようとする。
    ・自由放任的リーダー・・・リーダーシップは発揮しない。成員もバラバラに行動する。
  →民主的>専制的>放任的
 (2)三隈二不二(にすみにふじ?)
     リーダーの機能を二次元に分け、集団の生産性やモラール(士気)を比較。

<学級集団の理解と測定>
◎集団の測定…主観的な方法+客観的なテスト法
@ソシオメトリック・テスト…モレノ(精神科医)が考案。
    ・個人の好きな相手、嫌いな相手を書かせたり、尋ねることで集団の構造を客観的に明らかにする方法。
    ・学級内の児童生徒間の選択、排斥関係(好き・嫌い)、孤立、下位集団の存在などの様相を明らかにし、
     学級集団の構造を図式的に表現。
    ・ソシオグラム=できあがった構図。
    ・ソシオマトリックス=子どもたちの回答を一覧表にしたもの。
Aゲス・フー・テスト・・・ハーツホーンらが考案。
  ある特性に関して具体的な場面を提示し、該当する児童生徒を書かせたりする。
  集団成員の相互評価、教師の児童生徒についての評価をより客観的に把握できる。


〜教育評価〜


<測定と評価>
◎測定=測る対象に、一定のルールにしたがって数をわりふること。
      1900年〜1920年頃、知能や学力等の心理的測定が積極的に開発される。
◎評価=教育評価=指導の結果が目的、目標に達しているかを判断すること。
      測定も評価に含まれ、その測定結果の意味を考えるという判断が加わる。
@評価の機能
 (1)目標への到達度や学習の進み具合を診断する。
 (2)教師が指導を振り返って反省し、以後の指導の改善に役立てる。
 (3)児童生徒が自己評価し、確認するのを助けて学習を動機付ける。
 (4)学校の学力水準を明らかにし、父母や社会の批判に答え、その協力を得る。
◎教育評価=学習と指導を改善するための手続き
Aスリーパー効果=信憑性の低い情報源からもたらされた情報でも、時間がたつに連れて信憑性の高い情報源から
             もたらされた情報との魅力度の差が狭まるという現象。
Bブーメラン効果=説得によって相手の態度を変えようと試みた時に、相手の態度に説得とは逆方向の説得されまいと
            する抵抗が働くこと。

<評価の種類>
@比較の基準による分類
 (1)相対評価=集団内の相対的な位置を示す方法。集団内の他の人たちと比較して個人の位置を示す。
           通知表の五段階評価など。
 (2)絶対評価=他の人たちの成績とは無関係に、あらかじめ定められた目標や基準を、個人が満たしているかどうかで
           評価する。絶対的な評価基準がある。
 (3)個人内評価=特定の個人がどのような特徴を持っているのか、また以前よりも前進したかどうか、という観点で
             評価する。
A実施の時期による分類…ブルーム(アメリカ、完全習得学習で有名)らの分類。
 (1)診断的評価=指導計画を立てる際に、事前に児童生徒のレディネスを把握するために用いる評価。
 (2)形成的評価=学習活動の途中で、児童生徒の実態を捉え、それに基づいて指導計画を変えたり、
            補充的指導を行う評価。目標への到達状況をつかみ、以後の学習活動を調整する。
 (3)総括的評価=一連の学習活動の終わりに、成果を確かめるために行われる評価。
◎レディネス=ある学習を行うための発達の準備状態。 readiness →(形)ready

<テストの備えるべき条件>
@妥当性:測定しようと意図したものを、正しく捉えている程度のこと。
       内容的妥当制、経験的妥当制、統計的妥当性など。
A信頼性:測定誤差が少なく、何度試しても同じ結果が得られるかどうかということ。
 (1)再検査法=同じ生徒を対象にして、期間をおいて同じテストを二回くりかえして、二回のテスト得点の間の
           相関係数を求める方法。
 (2)平行検査法=同じ領域をカバーするテストを二つ作り、両者を実施して相関係数を求める方法。
 (3)折半法=一つのテストを二つに分けて、二つのテスト得点、の間の相関係数を求める方法。
Bその他:客観性・選別製・実用性など。

<適正な評価を阻害するもの>
@ハロー効果(光背効果)
  児童生徒が一つの長所(短所)を持っていると、他の面までも良く(悪く)見えてしまうこと。
Aピグマリオン効果(教師期待効果)
  教師がある児童生徒に期待を持つと、その児童生徒は教師の期待するように変化すること。

<学力の評価>
◎学力・・・絶対的な定義はない。現在では、より広く学力を捉えようという傾向に。
       「新しい学力観」・・・児童生徒の意慾や思考力、判断力、表現力などを含めたちからを重視。
@学力の示し方・・・学力テストが用いられる。
 (1)学力偏差値=標準学力テストの結果をもとに、個人の学力を客観的に示そうとするもの。
 (2)成就指数=学力偏差値を知能偏差値で割って100をかけたもの。

<知能と知能テスト>
◎知能
 (1)抽象的な精神的能力としての知能
 (2)環境への適応能力としての知能
 (3)学習する能力としての知能
◎知能テスト(知能検査)・・・今日のテスト文化の基盤。
 (1)ビネー式知能テスト・・・ビネーによる
    判断や推理力を必要とする問題状況を含んだ知能テスト
 (2)スタンフォード・ビネー・テスト・・・ターマンによるビネー検査のスタンフォード改訂版。
    精神年齢と生活年齢との比による知能指数(IQ)という表示方法。
 (3)ウェスクラー式知能検査・・・ウェクスラー
    言語性の検査と作業検査との組合せで構成。
    成人用(WAIS−R)、児童用(WISK−R)、幼児用(WPPSI)

<知能の構造>
@スピアマンの2因子説・・・因子分析を導入。
    一般因子と特殊因子の2因子で知能を説明する考え方。
Aギルフォードの立体モデル
    情報の内容、操作、所産の3次元の組合せで知能を説明。
Bサーストンの多因子説
    知能は少なくとも10の独立した因子からなると考える。
    空間知覚、知覚の速さ、数、言語理解、言語の流暢さ、記憶、推理の7因子+α
◎知能の発達・・・知能の恒常性を唱える説もある。


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