練習方法紹介

このページは、中学校女子のソフトテニス部の練習内容と方法を紹介するものです。 


ソフトテニスを通して育てたいちから

ここでは,普段どんなことを考えて女子中学生を指導しているか,またいろんな方に教えていただいた指導方法などを交流したいと
思います。主として初心者指導をどう進めたらよいかを考えてきたもので,段階的に述べてあるが,一つの段階を完璧に習得しなけ
れば次へ進めないというものではない。むしろ段階をすすめるにしたがって,前の段階の練習の意味がわかっていくものです。そう
いうつもりで先へ進めていき,折りを見ては少し前の段階の練習に戻って復習するとよいと思います。(本校では,テスト期間など
休みが続いた次に前の段階の復習をするようにしている。)また、当面、顧問が少しずつ練習方法を教えていきますが、その練習の
目的や方法・手順を生徒自ら身につけて、自分達でその段階に合った練習計画をたてて練習をすることを理想としています。

練習にのぞむ心構えを伝える。

指導者(特に人格形成の大事な時期である中学生を指導する者)がどのような選手(人間)を育てようとしているのかをしっかりも
つ。テニスプレイヤーとして、人間として期待される人格像をもつことで指導の方向性が見えてくる。
私はソフトテニスに誠実に取り組んでいる人に悪い人はいないと思っている。それは,ソフトテニスを通して,人格を磨いていくこ
とができると思っているからである。勝利至上主義とは無縁である。勝ち負けを争うスポーツである以上,勝つことを目標にして日
々の練習に取り組むし,生徒にも○○大会優勝をめざそうなどと言うが,それは,目標であって,目的ではない。チームが一つにな
るには,個々人の目標とは別にチームとしての目標が必要である。勝つことはその手段である。では目的とは何か。それは,ソフト
テニスを通して,自分があるいは仲間が人間的に成長することではないか。だから,負けた試合からも学ぶことはできるし,試合に
出場できなくても学ぶことができる。

では,私はソフトテニスを通してどんな人格をめざしているか。
 @目標をめざして自分を高めようとする向上心
 A困難に負けず粘り強く努力する前向きさ
 B相手のことを考える思いやり、礼儀正しさ
 C自分の個性を主張しようとする自己顕示性
 D自分の感情を抑制する自律性
 Eチームのことを考える協調性
他にもあるだろうが,普段の練習の中では,不十分ながらこういった観点で声掛けをしている。技術のみの指導でも根性のみの指導
でもない,技術の中に人格形成の芽があり,人格が高まることで技術の習得も確実になるような指導をめざしたいと考えている。
 例えば,後衛がセンターにつないだボールを相手が返球し,それを味方の前衛がポーチに出てポイントした場合は,前衛よりも後
衛をほめてもいいのではないか。自分一人ではなく,「2人で1本」というチームプレイ(協調性)ができたことをほめるのである。


目的別練習方法 こんな力や技術をつけたいけれどもどうしたらいいか。初めてソフトテニスの指導をしたときからずっと手探りしながら,やってき ている。いろんな方にアドバイスをいただいて,そのときどきの子どもの状況を考えて指導にあたっている。ここで,今まで学んで きたことをまとめてみる。いろんな方からご意見がいただければ幸いである。 <第1段階〜初心者への初めの指導> 1.ボールに慣れさせる ソフトテニスのボールの弾力性をつかませる。2人1組でキャッチボールさせる。特に女子はオーバースローが苦手なので,上から 投げるよう指示。これがサービスやスマッシュにつながる。できれば,サイドスローもやらせてみるといいが,やらせっぱなしだと ,腕だけでふってしまい,腰の回転を使わないので注意。 空気の入れ方を教える。ボールの空気の入れ方はしっかり教えておかないとへそ以外のところに穴をあけてしまう。さらに空気圧に も気を配らせたい。自分の頭の高さから地面に落として,ひざから腰の高さくらいにはずむようにと指示。特に試合などでは,2つ のボールが同じ空気圧になるように注意させる。そういうボール感覚やボールへのこだわりを教えたい。そのなかにはボールの数の 管理や手入れも含む。 2.ラケットに慣れさせる ア、グリップを教える グリップははじめはウエスタングリップで。人差し指を伸ばして地面に置いてあるラケットを持ち上げ人差し指をはずして軽く握っ た状態で人差し指と親指の内側がVの字を描くようにさせる。ラケットのグリップエンド(小指側)のみ力を入れ,他の指は軽く握 る。 イースタングリップについては,サービスやスマッシュを本格的に指導するようになってから順次教えていくとよい。 そのグリップで空中ボールつきをやってみる。ひじを伸ばして面を表裏交互にして打たせてみて,続けてうてるようにする。ウエス タングリップになっていなければ,面が合わずに続かないはず。 この段階で,空中でボールをついたり,地面でドリブルしたりしてリレー形式で走らせるなど,自然とグリップになじませるように する。 また,玉拾いをしながら,地面に置いてあるボールを2、3回ポンポンとラケットで上からたたきつけることで浮かび上がらせてつ かむようなことも有効である。 イ、ラケット感覚を身につけさせる 何といってもラケットを自分の手のように自由自在に使いこなせることが,その後のプレーにとって決定的である。学年があがって も,どうもラケットさばきがぎこちない人がいるが,その感覚をどういう方法でつかませるかというのは中学校で女子を指導する者 の永遠の課題とも言えるかもしれない。 この段階では,ラケットだけをふるのでなく身体全体の動きの中で手と同様にラケットが出るような感覚を身につけさせたい。でき るだけ思い切って打って(とりあえずフォームは気にせず)ボールを遠くに飛ばす競争をさせたり,的に当てる競争をさせたりする ことで動機づけするとよい。 ウ、ラケット面をつくる ボレーボレーと言って地面にワンバウンドさせて相手と打ち合わせる。そのことで正しい面をつくらせる。その関連で片足けんけん, 両足跳び,かけ足跳び,空中一回転などでもやらせてみる。また,ノー(バウンド)ボレーと言ってノーバウンドで相手と打ち合う ことで正しい面を作らせる。ともに連続何回という記録を意識させて何回でも続くようにさせる。 さらに慣れてきたら,セミイースタングリップで一人でボールの下をカットして連続何回か空中で打たせて,ボールをスライスする (切る)感覚もつかませたい。 エ、ボールとの距離感をつかませる 正確な打点で打つには,ボールとの距離感がしっかりしている必要がある。慣れるまではどうしてもボールに対して前後あるいは左 右の距離が近付きすぎる傾向がある。遠すぎてもいけないが,初めのうちはボールから離れて打つという意識をつけさせたい。その ために,ボールがどこで弾むとどこまで伸びてくるのかということをコートの大きさの感覚と合わせてつかませたい。 3.フットワークを身につけさせる 基本的な体力トレーニング(ランニング・ダッシュ・腕立て伏せ・腹筋・馬跳びなど)に加えて,サイドステップとクロスステップ を教えたい。サイドステップは近いボールを追うときに有効である。左右の足が重ならないことと頭(目)が上下に動かないこと自 分の影が上下に揺れているようではだめ。できるだけ姿勢を低くする。クロスステップでは,ロブを遠くまで追うときなどに有効で ある。前足が後足を追い越すように足を運ぶ。上半身を左右にふってバランスをとらせる。 また,最近の子どもはリズム感が育っていないことがある。大きくスキップをさせてみるとそのリズム感がよくわかる。テニスにと ってリズム感は大切である。ボールをとらえるときには,そのタイミングをとらせるために,1・2・3あるいは1・2の3と言わ せたり,声を1・2・ハーイと出させるとかボレーボレーで続いた数を数えさせていくなど,自然と軽やかなリズム感が身につくよ うにしていきたい。 地面に星の形を描いてその上を走らせたり,波線の上を走らせたりするなど真っすぐでない走り方をしたときもリズム感を崩さずに ペースを保てるようにしたい。 付け加えるならば,ランニングの時に水入りのペットボトルを両手に持たせて両腕を振らせて走らせることで握力・腕力をつけさせ ることができる。
<第2段階> 初心者への指導は継続しつつも,単調な練習ではあきてしまう。できるだけ早い段階で「打つ」練習を導入したい。以前は「新入生 は玉拾いのみ」という指導がなされていたこともあったらしいが,できればソフトテニス本来の楽しさを早く知らせてあげるよう指 導がなされるとよいと思っている。そういう考えで私は,新入生が入ってきて1週間以内で(本校では1週間仮入部期間がある) 「打つ」練習を一部取り入れていっている。 1.フォアハンドストロークを教える ア、初めにフォームを教えるために〜1本打ち(その1) この段階では,軽く素振りを教える。私は,以前は1年生に素振りばかりやらせていたが,最近では,素振りはボールを打たない分 自分なりにボールをとらえるイメージをもっていないとただ振っているだけになってしまうと考えるようになった。だから素振りの イメージもその段階によって(本人のレベルによって)かわってくるし,フォームも初めから形を固定せず,本人の個性(身体の柔 らかさや握力など)に合わせて,少しずつ手を加えていこうという発想になった。 そういうことをふまえて,まず最初の段階では,アンダーストロークでできるだけ遠くに飛ばすことを主眼においてラケットの振り 方を教えている。 @スタンスは肩幅くらい(やや広めにとった方が体重移動が教えやすい場合もあるが,その後で前足を踏み込むようにさせるなら, 狭いスタンスでもよいと思われる。)ネットに対して半身になる。後ろ足(軸足)はボールを飛ばす方向に対して90°前足は45° から60°くらいにおく。 A利き手をひいて構える。その時逆手はななめ前方のボールをキャッチするように親指を下にしてかまえる。そのことで,肩が入り ,上半身をひねる形ができる。ボールを飛ばす原理として,腕の力で飛ばすのでなく,前足を固定して上半身をひねりかえす遠心力 で飛ばすことを身体でつかませる。利き手を右肩と左肩を結んだ線より後にひきすぎないことを注意させる。 B前足のななめ前にボールを落としてやる。それを1・2・3のリズムで打たせる。(1で構え,2でボールを落とし,3で打つ) 同時に練習者は「ハーイ!」と声を出す。声を出すことはただ元気を出すだけでなく,打つ瞬間に余分な力を抜くという意味もある。 過度に大きな声を出させる必要はないが,ボールをとらえるリズムをつくる上でも大切なことである。 Cラケットのスイングは,その軌道が円盤を描くようにする。アンダーストロークなら,頭と足を結んだ軸に対してななめの円盤が できることになる。(スイングプレーン)そのためには,ラケットを最後まで振り切るようにさせたい。利き手の甲が自然に首に巻 き付くまで振りぬく。同時に身体をスムーズに回転させるために,利き手と逆の手を上に振り上げるようにさせるとよい。もう少し 段階が進んでサイドストロークで打たせてみたときに,スコートが遠心力で跳ね上がるかどうかでもわかる。(男子は無理ですね。) Dあまり堅苦しくなってもいけないが,およそ利き手のひじと手首が90°くらい曲がったリラックスした状態でスイングできるよ うにする。感じとしてはグリップエンドを打つ方向に向けて打ち始め,ラケットヘッドが振り遅れて振られるようなイメージを持つ とよい。他人に後ろからラケットヘッドを持ってもらい,腰の回転だけでラケットを持った手を振りほどくようにするとイメージが わくだろう。 Eさらに体重を前に移動させるために,軸足のつま先を蹴らせる。(親指のつけねでたばこの火をもみ消すように)そのかかとが上 を向いているかどうかチェックさせる。ななめになっていたり,かかとが地面についているときは,あまり体重が移動していない可 能性がある。 Fこの段階である程度低いボールに慣らせておきたい。ともするとアンダーストロークが手だけの打ち方ですくいあげになってしま うが,それを防ぐ意味でも低いボールをひざをまげ,腰を落として打たせたい。 イ、軸足に体重を乗せて,ボールを押し出す感覚を身につけるために〜1本打ち(その2)軸足一本で1本打ちをさせてみる。振り おわった後で軸足と逆の足を上に蹴り上げるようにしてバランスを保つ。ボールを押し出すようにして打たないと飛ばない。できるだ け遠くに打たせるようにする。 ウ、体重移動した後のバランスを保つためにー1本打ち(その3) 前足一本で1本打ちをさせてみる。上半身を回転させるように意識させる。 エ、前足を踏み込む感覚を身につけさせるためにー1本打ち(その4) 基本的にはアの1本打ちと同じことを行なう。ただ意識して前足を半歩踏み込むようにさせることで体重移動をスムーズにさせる。 慣れてきたら踏み込む方向を左右に変えさせてボールを飛ばす方向を変えるようにする。 2.待球姿勢を教えるために これまでは,その場で落としたボールを動かずに打っていたが,ここからは移動して打つ技術を教えていく。そのための基礎となる のがステップ(足の運び方)である。 まずは,待球姿勢である。待球と書くとボールが来るのをじっと待っているような静的な姿勢をイメージするかもしれないが,実際 は頭のなかは次に打たれるボールのコース・高さ・玉の回転を予想しているのであり,(自分の打つボールで大方予想がつくはず) 身体もそれに向けて準備していなくてはならない。その準備ができているかどうかで,最初の一歩の踏み出す速度がかわってくる。 待球姿勢はまず,ボールが飛んでくる方向に正対して,肩幅くらい足を開いて(あまり大股にならない)つま先立ちになり,ひざを 軽くまげ,肩の力を抜いて構える。あまり前かがみになりすぎない。利き手のグリップは軽く握り,逆手は胸の前で軽くネックにそ えるくらいとする。握らないで親指は浮かせた状態で。 軽くその場でジャンプして,着地した時の姿勢が力が入っていない状態である。あとはそのプレイヤーの個性でもあるが,身体を軽 く上下や左右に振ってリズムをとったり,足踏みをしたりするとよい。繰り返すが待球とはじっと止まって(ベタ足で)待つのでな く,リズムをとりながら動いて待つことを心がけたい。 待球姿勢前待球姿勢として、注目したいのは、リラックスしたひざである。
           待球姿勢横横から見ると、上半身もリラックスしていることがわかる。
テイクバック前テイクバックを大きくゆったりと構えている。最初は、もう少し引き方を小さめにして、面を狂わせないように するとよい。
  テイクバック横
横から見ると、軸足(右足)への体重のかけ方と左手の構える方向が分かる。左右の
腕がほぼ一直線上にくる。






インパクト1インパクト2
   
左右の写真と比べると、右の写真の方が右足がしっかりけることができていることがわかる。
軸足のかかとが上を向くかどうかチェックしてみるとよい。








インパクト3 前から見ると打点がかなり身体から遠いことがわかる。初心者は近いところでボールをとらえようとするので注意。
インパクト4 左足のつま先がコートに向かっていないことに注目。打つ方向に対して、45度から60度く らいななめにむけ、左ひざで「壁」をつくるようにすると腰の回転が鋭くなる。
フォロースルー横 フォロースルーは大きめに。右腕が首に巻き付くように。ただしそのことだけを強調すると、振り方が小さくなっ てしまうので、遠くにラケットをほおり出すように回して、自然に首に巻き付くようにする。
フォロースルー前 最後は、へそが打球の方向を向いているくらいがよい。これができない子には、左ひじを上の方に上げさせ、左 手でラケットをにぎった右手を押すようにさせるとよい。
3.ボールが来る方向に対して半身の構えをとるためのステップを教えるために    ー1本打ち(その5) この段階では,前方向に移動してフォアハンドストロークの構えに入るステップを身につけさせたい。まず,ボールが来る方向に正 対して待球姿勢をとる。玉出しの人は下手投げで軽く山なりボールを投げ(ボールに順回転を与えるため)練習者の利き手側のなな め前方2mくらいに落とす。そこでボールのバウンドを予想して,距離をとって前に小刻みにステップをふむ。ステップは1で軽く 身体を弾ませる。2で軸足を決め,(ボールが来る方向に対して90°)利き手をひいてためをつくる。(この間に細かいステップ を踏む。 軸足をかかとを中心にずらし,前足を半歩軸足の方向に踏み出し,軸足を前足の後側からさらに追い越して両足がクロスするように 前に軽く踏み込み,軸足に体重を乗せる。この瞬間とボールが弾む瞬間はほぼ同時である。)3で前足を踏み出しながらインパクト。 リズムとしては1・2の3という具合に2と3の間に細かいステップを踏む分,長めにとることになる。後のフォロースルーは他の 1本打ちと同じ。 4.利き手方向への移動をさせるー1本打ち(その6) 基本的には3と同じだが,利き手方向に移動するステップの踏み方が少し違う。少し大きめの弧を描くように移動しないと真っすぐ ボールに向かっていくとひっぱり切れず流し打ちになってしまう。イメージとしては,いったん少し後に下がるようにして前に踏み 込んで打つようにさせる。 5.利き手と逆方向への回りこみをさせる。ー1本打ち(その7) 利き手の逆方向に飛んできたボールをバックハンドストロークでなく,フォアハンドストロークに回り込んで打つ。これも弧を描く ようにして,一度後を向いて下がるようにしてから回り込んで前に踏み込んで打つ。弧を描くようにしないと打ち切れずに当てるだ けになってしまう。初めはバックハンドで打とうとしたが,余裕があるから,フォアで回り込もうと言うイメージを持つとよい。 6.回り込みのステップを定着させるためにー回り込み練習 ベースラインの後方に半円を描き,先の4と5を組合せて連続して10本打つ。(左右5本ずつ)回り込む際にサイドステップで移 動せずに一度移動する方向に向き合うことが大事。玉出しは半円の中心の少し前方から手投げで出す。打つ方向は最初はそれぞれス トレートへ。慣れてきたら右からクロスへ左から逆クロスへ打たせるとしっかり回り込むくせがつく。 7.早めのボールを打つー1本打ち(その8) 3の練習をネット前からしゃがんでラケットで玉出しする。ラケットで打つ分,玉出しのスピードが手投げに比べて早くなる。低く 早いボールでも安定した構えで打てるようにする。また,玉出しの人にぶつけないようにという意識が働くために自然とラケットを 振り上げるアンダーストロークが身につく。 8.前後の移動をスムーズにするためにー前後振り回し ベースライン後方とサービスライン前方のボールを交互に連続10本打つ。(前後5本ずつ)後方のボールはロブ気味で長めにつな ぎ,前方のボールは短めに入れる。後方のボールを打つときのテイクバックは大きめに,前方のボールは小さめのテイクバックで。 「長いボールは長く,短いボールは短く返す」が原則。慣れてきたら短いボールは当てて返すだけでなくドライブをかけて角度をつ けて引っ張らせる(ツイスト)。玉出しは,ネットを挟んでラケットでボレーのように打って出す。球だしは初期のセカンドサービ スの練習も兼ねている。 9.テイクバックを早くするためにー連続10本打ち 7の練習を10本連続で行なう。ただし,練習者がボールを打つ音と玉出しが次のボールを打つ音を同時にする。テンポが早いため テイクバックを早くするくせがつく。テイクバックが早くなると,スイングが波打たなくなる。ただし雑な手打ちにならないように 注意する。 10.フォアハンドストローク第2段階の仕上げのためにー1本打ち(その9) 玉出しをラケットでドライブをかけて出す。移動距離が大きいので早い判断と正しい距離感覚を持つことが要求される。コースをク ロス・逆クロス・ストレートとそれぞれ行なう。ストレートは距離が短いことと正確なコントロールが要求されることとその後のゲ ーム展開でストレート中心の作戦パターンを考えているなどで,指導者によってはストレート中心で練習することもある。
<第3段階> この段階では,フォアハンドストローク以外に打法の幅を広げることを主眼とする。サービス・レシーブ・ボレー・スマッシュ・バ ックハンドストロークなどの基本的な打法を身につけさせる。 1.サービスの基本を身につけさせるために ア、上から打つイメージをつけさせるために オーバースローのキャッチボールを行う。ネットをはさんでサービスラインでキャッチボールを行う。慣れてきたらベースライン同 士まで下がらせる。手首のスナップを使い,なるべく山なりでなく,低く遠くに届かせるようにする。 イ、初期のセカンドサービスを身につけさせるために 1本打ちの玉出しの要領で,ネットからでなく,ベースラインからネットを越して,サービスラインの深いところめがけて打ってみ る。初期のセカンドサービスならこれで十分である。 ウ、トスの上げ方を教えるために 利き手の逆手でボールを持ち,できれば2個持って,女子の場合は1個で。スタンスは軽く肩幅くらい開いて,ひざのバネとうでの 振りあげで手のひらの真上(頭の真上でなく,やや前にあげるように)にトスアップする。その時にボールになるべく回転がかから ないように気をつける。(ボールの文字が止まって見えるように)慣れてくると多少逆回転気味の方があげやすいかもしれない。あ げたボールが落ちてきたときにそのままキャッチできるような位置に落ちてくると真っすぐ上がったことになる。また,地面に直径 15センチくらいの円を描かせてそこに10回入ったらOKなどとやらせてみる。その際トスの高さは自分がラケットを振り上げた 高さよりもやや高めにしておかないと,低いトスで円に入れることが目的になってしまう。 トスアップの要領がつかめてきたら,同時に利き手でラケットをかつがせてみる。下から引くか上から引くかはどちらでもよいが, 私は最初のうちは上からかつがせている。(トスアップの直前に)これは好みといおうか本人のリズム感の問題なので,レベルが上 がるにつれて変えていけばよいと思っている。 エ、フラットサービスのラケットの振り方を教えるために イのラケットの振り方とフラットサービスの振り方の大きな違いは,ラケットの面を残して押し出すように振るか,手首を使ってラ ケットを巻き込み,下にたたきつけるように振るかということである。イの打ち方を徐々に上にトスを上げるようにしてたたきつけ るように変えさせてもよいと思うが,私は両者は別の打ち方として教えている。 まず,1でラケットをかつぐ。2で軽くひざを曲げて沈みこみ,3で伸び上がって一番高いところのボールのさらに上の部分をたた いて真下に落とすように打つ。この際,練習者はネットに向かって1メートルくらい離れて立ち,玉出しの人がその横でトスをあげ てやる。(両者とも練習になる)練習者は,手首のスナップを利かせて少なくともサービスラインの手前にボールをたたきつけるよ うにする。押し出すように打ってしまうとネットにラケットをたたきつけてしまうことになる。またラケットを振り切った後は逆手 側のわきの下を自然に通るように振りぬく。この練習はのちにスマッシュの練習としても有効である。あと,ラケットの面を安定さ せるために当初は面のボール当たる方と反対の面を背中にぴったりつけるようにして構えさせるとフラットな面でボールをとらえる ことができる。 オ、ラケットの振り方がわかってきたら,実際のコートの大きさやななめに打つ感覚を身につけさせたい。最初はサービスラインに 立って打たせてみて,徐々にベースラインまで下がるようにさせる。スタンスはクローズド気味で,肩が自然に回転するようにする。 カ、これは考え方が分かれるところかもしれないが,ファーストサービスを教える時に,私は初めはウエスタングリップで,フラッ トな面で打つことを教えて,やがて(半年ー1年後くらい)トップスライスサービスを教える時に,セミイースタングリップを教えて いる。しかし,どうせ教えるなら初めからイースタンでという考え方もわかる。(ここらへんは実質2年という短い期間しか指導期 間がない中学校での実情を考えて) 2.レシーブの打ち方を教えるために レシーブと言っても,1本打ちと同じである。ただし,普通の1本打ちがベースラインから打つのに対して,レシーブはサービスラ イン付近から打つために距離が短いので長く打つとバックアウトしてしまう。また,距離が短いということは早くボールが近付いて くるということなので,テイクバックを小さく早くする必要がある。利き手のわきをしめて,相手がサービスを打つ音に反応してラ ケットを一瞬で引くくせをつけさせたい。サービスはバウンドが低いのが一般的であるので,余計に早い判断が必要である。さらに ,レシーブはコースをねらって打てるようにしたいので,1本打ち以上にコースをねらうくせをつけさせたい。初めはクロス・セン ター・逆クロスという大ざっぱなコースでよい。ねらうコースが違えば,フットワークも変わることを教えたい。 3.ボレーの打ち方の基本を教えるために(後衛にも必要な技術) ア、待球姿勢を身につけるために 肩幅くらいのスタンスでネットに正対して立ち,軽くひざをまげる。上体が前かがみになるすぎないようにして起こす。その際へそ を前に出すような姿勢をとる。感じとしては,上体を後にそらすようにする。グリップは利き手は小指とくすり指のみ力を入れて, あとは軽く握る(ラケットから浮気味で握る)。逆の手はネックのところにそえる。ラケットの重みを感じるようにする。両わき を軽くしめて,左手と右手と胸で三角形を作るようグリップの位置は自分のへその辺りにくるようにする。前衛は一瞬の判断が大切 なので,すぐに飛び出せるようにする。ややつま先立ちにして,体重の移動をスムーズにできる姿勢を保つ。 イ、テイクバックを身につけるために ボレーのテイクバックはほとんどラケットを引かない。身体を利き手側にひねり,利き手のわきをしっかりしめるだけでテイクバッ クとなる。その際も左手と右手と胸で三角形ができているかどうかを確認させる。 ウ、フットワークを身につけるために 試合では前衛が待っているところにわざわざ打ってきてくれるわけではないので,足を運んでボールを取りに行く必要がある。でき るだけ早い段階で,ボールを追いながらボレーできるようなフットワークを身につけさせたい。そのためには,基本のフットワーク として,右ななめ前へ一歩,左ななめ前へ一歩,後へ一歩,この3種類の動き方を初めに教えておきたい。その後は出る距離を長く したり,方向を変えたり,出るタイミングを変えるようにしていく。この段階でネットにつめてボールを返すことと,1・2・3の リズムでボールをとらえることを教えたい。 エ、ボールをしっかりととらえるために ボレーのミスでよくあるものは,ネットにつめきれなかったり,面が下向きになっていたりして,ネットアウトしてしまうことであ る。それを防ぐためにもネットに早くつめることに加えて,ボールをしっかりと面でとらえてベースラインを目標にできるだけ長い 玉足のボレーを心がけるようにしたい。ひじを伸ばすようにしてひざの屈伸で押し出すようにする。足を軽く前に踏み込むようにす るとラケットがスムーズに出る。 オ、面の角度を意識させるために 慣れてきたら面を左右それぞれななめ45°に向けて打ってみる。コートのコーナーに目標物を置いて,それをボールではじき飛ば すくらい打てと言うと軌道を真っすぐに意識させることができる。女子の場合はボレーが山なりになってしまうことがあるので,打 つボレーを心がけさせたい。打てるようになれば逆につなぐボレーもできるものであるが,初めからつなぎのボレーを覚えてしまう となかなか勢いよく打とうとしなくなってしまう。 4.スマッシュの打ち方の基本を教えるために ア、構えにはいるまでのフットワークを身につけるために スマッシュは,相手の甘いロビングをフットワークで追って,上からたたきつける打ち方である。打ち切れずにつなぐ場合もあるが ,一発でポイントを得る攻撃力の高い打ち方である。その分,ミスも多くなりがちなので,確実にミートできる打点まで足をスムー ズに運ぶことが,まずは求められる。 大きく分けると,短い距離のボールをとらえるためのサイドステップと,長い距離のボールをとらえるクロスステップがある。避け たいのは,真後ろにそのまま下がるステップ(私は機関車バックと呼んでいる)である。というのも,距離感がつかめなく,半身の 姿勢がとれないために,ラケットを振り切れないからである。 サイドステップは,軸足に逆足(前足)を引き付けて引きずるように少しずつ下がっていく方法である。利き手側をななめ後に持っ ていくので,すぐ打ちにいく姿勢をとりやすい。スキップを横に引きずるような下がり方になるが,頭(目)の高さをなるべく変え ないようにして下がらないと,ボールを見失う可能性がある。 クロスステップは,軸足を前から追い越すように逆足を下げる下がり方である。上半身をひねるようにするので,肩を入れた姿勢を 作りやすく,破壊力のあるスマッシュが期待できる。いずれのステップにしても細かく足を踏み変えることと目の高さを変えないこ とが大切である。 イ、スマッシュ直前の構えを身につけるために 破壊力のあるスマッシュのためには,下がるだけではだめである。後に下がった後で,一瞬ためをつくって,前に一歩踏み込んで打 つようにする必要がある。そのためには相手が打った音に反応して下がり始めてから1で前足を引き,2で軸足を引き,3で前足を 引き,4で軸足を決めて,ためをつくり,5で踏み込んで打つというリズムを身につける。 大切なのは,4のためをつくることである。利き手はグリップを肩にそえるようにして構え,逆手はひじを高く上げるようにする。 逆手のひじが高く上がれば,利き手も高く振り上げることができる。この原理はサービスでも同じである。だから,初心者には逆手 でボールをつかむようにしろという指示をする。また,最初は打つ方と反対側の面を背中にぴったりとつけて構えさせるが,慣れて きたら,利き手のグリップを内側に巻き込むようにする(打つ面を身体の外側に向ける)と面をそろえやすい。 ウ、ボールをとらえるポイントをつかむために フットワークをつかってボールをとらえるポイントをつかむ練習として,玉出し(サービスラインの手前に落ちるくらいのボール) のボールを半身になっておでこでキャッチする方法と逆手でキャッチする方法がある。 エ、スマッシュの基本練習                              コート1面でストレートに2〜3コース設定し,ベースラインからネットを越してサービスラインの手前くらいに上げボールをして,フッ トワークを使ってネットから下がり,相手のベースラインに向けて長めにスマッシュする。徐々に角度をつけて左右に打ち分けがで きるようにするとよい。 5.バックハンドストロークの打ち方を教えるために 単純に言えば,フォアハンドストロークの逆であるが,身体のひねり方やフットワークがやや異なるので,自然と身につくというわ けにはいかず,特別に練習が必要である。 ア、構え方を身につけるために ラケットを引く際には,軸足(後足)をボールがくる方向と垂直に向け,逆足(前足)はその軸足を越して前に踏み込むようにクロ スさせる。感じとしては,お尻と背中を前の方に向け,背中ごしにななめ前のボールをのぞきこむようにする。利き手はグリップエ ンドを前に向ける。逆手は手のひらを上にして身体の前で利き手とクロスさせるようにする。 イ、ラケットの振り方を身につけるために アの構えから体重を前に乗せながら腰を回転させる。腰の回転から少し遅れるようにして腕を振り出し,さらに遅れて手首,ラケッ トが振り出される。その際グリップエンドでボールを打ちにいくようにして押し出すように打ち,フィニッシュはラケットを上の方 に振り上げるようにする。(富士山の裾野から頂上に向けての弧を描くように) ウ、体重移動と回転軸を教えるために ラケットを持たずに,利き手でボールを持ち,親指を下に向けて軽く握り,アのように構えて上半身をひねり,前足に体重をのせて ,回転軸としながら,遠心力をつかってボールを飛ばす。ベースラインから投げて,まっすぐネットを越えるくらいまで投げる。 (女子の場合)ボールを放すタイミングを間違うと真っすぐ飛んでいかないので,同時にボールをとらえるタイミングをつかむこと ができる。 エ、バックハンドストロークの1本打ち フォアハンドストロークのバリェーションをそのまま当てはめることはできるが,まずは基本的な1本打ちとして,その場でボール を落とす1本打ちとサービスライン付近から手投げで玉出しする1本打ちを充分やらせたい。ある程度打てるようになってきたら, フォアハンドストロークと組合せてフットワークを使って2本セットで打つようにと進めていく。 バックハンド横バックハンドストロークの一本打ち
バックハンドストロークの一本打ちを後ろから見たところ。
バックハンドフォロースルー前フィニッシュを前から見たところ右手と左手が一直線に伸びている。
バックハンドフォロースルー後後ろから見たところ。
6.乱打 この段階までくると,乱打と言って,打ち合いの練習ができるようになってくる。初めは続かないが,まずは,1本・2本・・・と 数えながら長く続けて打ち合えるように練習していく。バックの練習が進まなくても,フォアのみでまわり込んで打つようにさせれ ばよい。今まで身につけてきたボールのコースやバウンドを判断するセンスやフットワークが総合的に試される。 これに先立ちノーバウンドのボールをアンダーストロークで玉出しする方法をネット打ちあるいは壁打ちなどで繰り返し練習してみ る。慣れてきたら,ベースラインから2人1組で1本打ちを打ち合う。そして次に乱打へと段階的に続けるようにしていくとよい。 初めは上手な人(指導者や上級生)が乱打の相手をしてやると,続くのでよい。上級生にとっても荒れ玉をコントロールよく返すた めにフットワークの練習になる。
<第4段階> この段階では,第3段階をさらに発展させ,それぞれの打法の技術を磨くことを主眼とする。サービスのいろいろ・ボレーのいろい ろ・ストロークのいろいろなど。 1.ストロークのいろいろを身につけるために ア、ロビングの打法を身につけるために イ、ツイストの打法を身につけるために 2.いろいろなサービスを身につけるために ア、セカンドサービスのいろいろ セカンドサービスは,安全に入れることが第一で,次に攻撃されにくいことが大切である。コースをねらうこと(一般的にはセンタ ーに入れると難しいコースに攻撃されにくい)以外にサービスの種類を工夫することを考えてみる。 ネットからの玉出しのように打つことと,1本打ちのようにアンダーストロークで打つことは先に触れたが,それ以外には次のよう なものがある。 イ、ショルダーカットサービス トスを頭のななめ上くらいに低くあげて,肩の高さでボールのななめ上外側をきるようにして打つ。グリップはセミイースタンがよ い。特徴はバウンドが低く,ネットを越えてすとんと山なりに落ちるような軌道を描く。カットサービスの中では比較的ミスが少な い。ボールをカット(切る)する感覚がわかりにくければ,身体の前で空中で何回も連続で切って顔の高さまで上げるようにする。 どれくらいの角度でカットするとどういう回転がかかるのかということをつかむ。 ウ、サイドカットサービス 肩から腰の高さでボールをとらえる。セミイースタングリップでボールを身体の横からななめ前にかけて滑らせるように(面の上を 転がすように)カットする。比較的安定して打つことができ,バウンドも低いので攻撃されにくい。 エ、アンダーカットサービス ひざの高さで身体の前でカットする。セミイースタングリップでひざのバネを使ってこすりあげるようにカットする。カットサービ スの中では一番よく切ることができ,攻撃されにくいが,低い位置から打つので,安定しにくい。繰り返しの練習が必要である。 オ、トップスライスサービス ファーストサービスとしてもセカンドサービスとしても使える。先に紹介したフラットサービスのトスを上げる位置をやや利き手側 にして,ボールのななめ上をこすって切るように打つ。ショルダーカットサービスのような軌道を描いて飛んでいく。女子の身長が 低い人でも比較的入りやすい。ボールのスピードはないが,確実性のあるサービスである。どうしてもサービスを入れたい場面で有 効である。 カ、リバースサービス トップスライスの逆のカットを行なう。トスをやや逆手側にあげ,ボールの逆手側をこすって切るように打つ。はずんでからコート の向かって右の方にボールは逃げていく。 キ、アンダーカットサービス(その2) ファーストサービスとしてアンダーカットサービスを行なう。エよりも低い位置でボールをとらえ,思いきってこすり上げる。急激 な回転がかかるためバウンドも低く,弾み方も変化が大きく打ちにくい。エースをとれる確率も高いが,入る確率は低い。 3.ボレーのいろいろを身につけるために ア、ローボレーを身につけるために 先に述べたボレーはネットにつめて打つ基本ボレーであったが,ネットから離れたボールを打つことも試合の中では,ネットにつめ きれない場面が予想されるので,ローボレーでつなぐことができるかどうかが勝敗を分けることもある。 イ、ランニングボレー(ポーチ) 4.スマッシュのいろいろを身につけるために <第5段階> ある程度基本的な技術を習得することができたら,ゲームのルールを習得させて遊び感覚でゲーム練習をしたい。試合の観戦方法に ついても順次教えていけるとよい。 1.ルールの習得ーゲーム形式 ゲームのルールは,試合を見せながら教えていくが,実際にはやらせた方が理解しやすい。3ゲームマッチでやってみるとか,ファ イナルゲームだけやってみる。その中で審判のやり方(主審・副審のやり方,ジャッジペーパーのつけ方など)を理解していく。 ある程度,ルールを理解してきたら,それまでの基本技術がどこまで身についているか確認するためにゲーム形式を行なう。これは サイドのチェンジをせずに,ペアを作って繰り返し試合をやらせる。1ポイントずつで次のペアと交替していく。セカンドサービス 1本だけで行なうパターンもあれば,ファースト・セカンドサービスと2本ずつ行なうパターンといろいろなパターンが行なえる。 その段階に応じて練習方法を変えてみるとよい。ある程度基本技術が習得できたならば,戦術をたしかめるという目的に少しずつに 変更していく。 2.試合観戦の視点を教えるために 練習試合・本試合・その他の大会などと初心者でも何度も試合を観戦する機会はある。その際にどういう視点で試合を観戦するかを 教えておかないとぼーっと過ごすか,ポイントの勝ち負けのみを見て終わってしまう。自分がこの試合に出ていたらどういう試合を するか考えさせながら見させたい。そういう考えがないといつまでも指導者の指示でしか動けない指示待ちになってしまう。 ア.プレイヤーの特徴を分析させる  これは、試合前の乱打でも同じだが、それぞれがどのような特徴をもっているかを分析する練習を行う。例えば、バックハンドは 得意か、クロス展開とストレート展開とどちらが得意か、打ってくるチームかつないでくるチームか、前衛はどの場面で取りにくる かなど。それによって、闘い方もかわってくるはず。さらにそれぞれのチームが相手をどのように分析したから、どういう作戦での ぞんでいるかというところまで分析できるとよい。 イ.前衛のポジションどりを分析させる  前衛のポジション取りが速いか遅いか。厳しいか甘いかなどを考えさせる。センターラインを中心に味方の後衛がどのように配球 したときにどのようなポジションについているのかを見させる。さらにロブへの対応、ポーチへの出方、ディフェンスの判断を見さ せたい。 ウ.前衛と後衛とのコンビネーションを分析させる  後衛中心で打っていくチームか後衛はつないで前衛が決めるチームか。また、試合の場面でどう使い分けているのか。基本的には 後衛が相手の後衛と打ち合おうとしているのか、相手の後衛にストローク力でかなわないと判断して、相手の前衛にボールを集めた り、ロブで後衛を振り回そうとしているのかを考えさせる。 <第6段階> いままでの基本技術を組合せて応用練習を行なう。これはどのようなチームづくりをするか,どういう作戦でのぞむかということを 見通して,それぞれ工夫して行なう。 1.サービスを中心とした応用練習のパターン 2.レシーブを中心とした応用練習のパターン 3.ボレーを中心とした応用練習のパターン 4.スマッシュを中心とした応用練習のパターン <第7段階> この段階では,得意なゲーム展開にどのようにもっていくかということや,さまざまな作戦をどうたてて,それをどう練習していく かを考えていく。 ソフトテニス作戦パターン(前衛の動き中心) 1.正クロスの展開 ア.(味方後衛の返球が)深く早いシュートだったら、前衛はサイドをケア イ. 相手後衛のバック(センター)に深く早く食い込むシュートだったら、前衛はフォアスマッシュ。浅めのシュートであれば、 バックスマッシュ。 ウ. 相手後衛の左足付近にゆるめのロブが入り、回り込んで打ってきた時、前衛はセンターにポジションをとり,クロスポーチ。 エ. クロスのサイドラインを割るような絞り玉が入ったら、サイドをケア。その間自分(後衛)は相手の絞り玉(ショートボール) をケア。相手後衛が前進してきたらクロスポーチで逆クロスへ。相手後衛がサイドライン側に大きく走り抜けて打ってきたらサイド ケアでセンターにボレー。 オ. 正クロスから逆クロスへ相手後衛を振り回した時、前衛はセンターラインをまたぐ。相手後衛が回り込んでフォアで打つ時は ストレートポーチ。ひざを落として面を下向きにして、ロブだと判断したら、味方の逆クロス方向に下がってバックスマッシュ。 バックでそのまま打ってきたら、ひっぱってくるので、センターからバックボレー。(右ストレートは後衛がいるので、あけても よい) 2.逆クロスの展開 ア. 逆クロスコーナーへの深いボールの場合、前衛はロブに備え、スマッシュの構えに入る。相手がフォアならセンター方向に下 がってフォアスマッシュ。相手がバックで返球しようとしたら、逆クロス方向に下がってバックスマッシュ。 イ. 浅めのボールの場合、フォアなら右ストレートポーチ。バックなら逆クロスへバックボレー。 ウ. サイドラインを割るようなシュートボールなら、バックスマッシュ。 エ. ツイスト気味のショートボールなら、センターラインに立って相手の足元へボレーかフォアスマッシュ。 オ. 正クロスへのロブで振り回した時、前衛はセンターラインをまたいでからフォアスマッシュへ。ボールが浅くてシュートボー ルがきたら、フォアのクロスポーチ。 3. 右ストレートの展開 ア. センターへクロス気味にシュートが入ったら、センターからフォアスマッシュ。浅めでゆるいシュートなら回り込んで引っ張 るのでフォアのストレートポーチ。 イ. センターへまっすぐゆるいシュートが入ったら、左バックのストレートをケア。 ウ. 逆クロスにシュートがはいって、バックで返球してきたら、バックスマッシュ。浅めならバックボレー。 エ. 後衛はセンターの相手前衛を牽制しつつクロスへの絞り玉。ゆるいボールならトップ打ち。 4. 左ストレートの展開 ア. クロス気味に深いシュートが入ったら、フォアスマッシュ。浅いならセンターからフォアをケア。 イ. センターへまっすぐゆるいシュートが入ったら、センターからフォアポーチ。 ウ. クロスへのショートボール(絞り玉)が入ったら、センターに立って。フォアをケア。後衛は前をケア。 エ. 短くゆるいボールなら後衛は逆クロスかセンターへトップ打ち。 ソフトテニス作戦パターン(後衛中心の組み立て)   1. センター・絞り玉(サイド)のコンビネーション ア. レシーブなどで、センターを中心に攻め、後衛の意識をセンターに持ってこさせておいて、クロスのサイドラインを割る絞り 玉で決める。前衛がセンターに寄った場合は、右サイドを抜く。 イ. また、アの逆もある。絞り玉でサイドラインの外に出させておいて、センターを抜く。 ウ. イのパターンの応用で、逆クロスのサイドラインへ、フォアに回り込めるくらいのゆるいボールを返球し、サイドラインの外 に出て、逆クロスにロブでかえしてきたところをセンターへ。なお、この間味方前衛は右サイドをケアすること。 2.前後のコンビネーション ア. ベースライン付近の深いシュートボール(ドライブのかかったもの)で相手後衛をコートの外へ追い出し、返ってきたボール をショートで返す。(相手の返球が短ければツイストで) イ. アの逆パターン。ツイストやショートボールで相手を前に引っぱり出しておいて、その方向へ長めのシュートボールを打ち込 む。 ウ. 相手レシーブ時の前衛の出遅れ、後衛の下がり遅れの場合はそこにシュートボールを打ち込む。 エ. ウの逆で、前衛が早く前に着きすぎたら、その頭上をロブで振る。後衛が早く下がり過ぎたら、その前にショートボールを返 す。 オ. 相手を前後に振る時は、長いボールは長く(ロブ含む)短いボールは短く(ショートケア)が原則であることを頭に入れてお く。 3.左右のコンビネーション ア. いわゆる振り回しである。ロブで相手後衛のいない方向へ返球する。相手を疲れさせミスをさそう。 イ. アの応用で、コースの変更に前衛がついてこれないようなら、ポジションに着き遅れた前衛のサイドをねらう。 ウ. イの逆で前衛が早くポーチに出るなら、その後を中ロブで抜く。(必ずしもシュートボールで打ち込む必要はない)  カウント別闘い方 乱打 自分と相手の特徴や調子をチェックする。 ・グリップは厚いか薄いか。 ・ボールの回転は、ドライブかスライス気味か。 ・バックは得意か。回り込もうとするか。 ・短いボールは得意か。あげてくるか、打ってくるか。 ・左右のゆさぶりは得意か。 ・右方向のボールは流すか引っ張るか。 ・ロブ中心かシュート中心か。 乱打終了後、前後衛で情報交換し、作戦をたてる。 試合開始後のサービスの特徴もつかんでおく。長さ・回転・コース・速さ 0-0 始めの一本は自分の一番得意なボールでいく。その出来具合い、あるいは不出来具合で、その時の自分の調子もわかる。球が短い とかバックアウトするなど。ドライブのかかり具合もチェックできるといい。コースも微妙に左右にずれはないかチェックしてお く。 1-0 2-0 2-1 3-0 3-1 3-2 リードしているので一本捨ててもよいので思いきっていく。いろんな打ち方(作戦)が通用するかどうか確かめる。特にポイント の一本は気持ちを引き締めて、集中する。 1-1 2-2 3-3  平行カウントの時には、一本先手をとって、有利に運びたい。特にジュースが続く時は、前衛か後衛のどちらか一方が穴になって いることがあるので、そこを崩す必要がある。多少、奇襲作戦が必要である。例えば、ツイストとか、極端な絞り玉、サイド抜き、 前衛アタックなど。強気で勝負する。 0-1 0-2 1-2 0-3 1-3 2-3 相手にリードをゆるしているときは、挽回できるようにする。ポイントをとられている時には、弱気になって手打ちになることが おおいが、そうならないようにしっかりと振り切っていく。むちゃくちゃ打ち込むのでなく、ていねいにコースをねらって打つよ うにする。自分の得意なパターンに持ち込んで勝負できるようにする。

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