おふくろの味

新婚の頃、料理に慣れない私が、一生懸命作っても夫は
「おふくろの味」と比べて気に入らなかったようだ。
少ないレパートリーながら、本と首っ引きで同じおかずが
重ならないよう頑張る日々が1ヶ月ほど続いた頃だったか、
夫は、はじめておかわりをして「結婚して以来、今日のが
一番おいしかった」と満足げに言った。
その日のメニューは刺身でした。
ニヤニヤ聞いている子供達にも私の料理が「おふくろの
味」として語られる日がくるのだろう。

1992年9月