粗   品

胸と背中にブランド名が大きく書かれたトレーナーを着ている
二人に、母が  「せっかくの新婚旅行なのに、どうして粗品の
服を着ていくの?」 と聞く。銀行名の入ったタオルなどと同じよう
に考えていたらしい。ほかのより、よっぽど高いお金を出して
買ったものだというと  「街で見かけてもタダでもらったものだと
ばかり思っていた。わざわざお金出して、宣伝してあげてる
わけ?」 と驚いていた。
母の意見は特別としても、私も誰が見ても値段のわかるブランド
物は値札をぶらさげて歩いているみたいで恥ずかしい。
事実、知人には  「あのイヤリングは○○円、あのバッグは○○
円」 と、他人の持ち物の値段をみな知っている人がいる。

1992年2月