ほらふきだんしゃくてきぐこーろく

でも、ほとんど見ていない映画ばかりなのである意味ラッキー!?

 

2004年12月31日

 

さて、『年末アニメ祭り』の巻

(指定BGM: KRAFTWERK / Space lab )

 

 

盆暮れ正月ともなりますと、あからさまに手を抜いた放送プログラムを組むことでことでおなじみの日本放送協会。この年末もご多分に漏れず、第三週あたりからBS2ではアニメ映画のオン・パレードでございますワイ。こちらは別名 “押井守週間” と銘打ってもよろしいくらいのラインナップでございまして、これなん 『機動警察パトレイバー the Movie』 の三作品(注1)にプラスしますところ、『Ghost in the Shell』 の計四本。一応はそれぞれ録画いたしまして、後日拝見させていただいたのでございますが……。

 

――正直を申し上げますと、きちんとエンドロールまで拝見いたしましたのは 『パトレイバー』 の第一作のみで、『Ghost 〜』 はモチベーションを維持できましたのは一時間が限界。して、その他二作につきましては、途中からネットサーフィンを始めてながら鑑賞となりました次第。この二作品は終わりましてから即削除いたしましたので、DVDにもDivXファイルにも残しておりませなんだ。

 

『Ghost 〜』 は一応DVDに残しましたものの、もう一度観ますかは吾ながら甚だ疑問にございますワイ。ともあれ、こちら四作品を拝見しまして、共通して吾が輩が感じました印象と申さば……『人物が気持ち悪い』。この一言に尽きますワイ。動きとかではなくて、単純にキャラクター・デザイナーの感性と相容れませんでしただけのお話でございましょうが、あれでは某田中(改めまして)中森一郎氏(特注)に 『デッサンについて』 小一時間問いつめられましても、致し方ございませんような無機質さ。なんとはなしに、吾が輩が80年代後半から世紀末にかけまして、ほとんどアニメ作品に触れていなかったのか、その何故(なぜ)が理解できましたような気がいたしますワイ。

 

それでも何かと話題になりました作品群でございますゆえ、簡単なストーリー程度は聞きかじっておりましたので、そこはかとなくは期待はしておりましたのでございますが、なんと申しますか――物語に引き込まれないと申しますか、登場人物に感情移入できないと申しますか、白々しくて馬鹿馬鹿しくなってくると申しますか――マァ言ってしまいますと空虚のカタマリでございますかナ。経過ばかりが緻密に描かれるばかりで、肝心の結果……訴えたいと盛り込んだはずのメッセージが形として認識できず、感覚として吾が輩の中に入って来なかったのでございますワイ。

 

そこで吾が輩、ひとつ愚考しますコトがございまして――さて “ジャパニメーション” なる語が海外から逆輸入されまして久しくなり、ハリウッドにて大作を手がけられます監督にも熱烈なシンパが生まれるほどになりましたが、実質的に支持している層はどのあたりになりますものか……たしかに視覚的な演出は流麗かつ斬新で、世界に誇れる水準であることは吾が輩も認めはいたしますが、ただそういった点のみばかりが その筋のギョーカイ人たち“クロウト受け” しているだけのようにしか見えないのでございますワイ。要しまするに “オタク” が生み出した “オタク文化” を受け入れますのは、何処へ行っても “オタク” だけ、なのではございますまいか。

 

『ドラゴンボール』 がフランスで、『キャプテン翼』 がイタリアで、かなり熱狂的に受け入れられているというお話を耳にしたことがございます。これらは作りのしっかりしたアニメが、単純に子供の心を捉えたという現象に留まるもので、例を挙げましたら東南アジア諸国でも同様に “和製アニメ” は好評を博しておりますとか。ではサブカルチャーとしましての “ジャパニメーション” はいかがなものかとさらに愚考しますれば、欧米におきましてもパンクスほどの市民権はないようにお見受けいたします次第。

 

何はなくともまず “映画” なのでございますから、一般人レヴェルで楽しめるエンタテインメントでありますことが肝要かと存じ上げます次第――少なくともあんなダラダラとメリハリのない展開では、普通のアメリカ人なら絶対に銀幕に向かってポップコーンを投げつけていること必定でございますナ。ちなみに吾が輩、かの有名な 『マトリックス』 シリーズにつきましては、さらにセンセーショナルに宣伝されました背をそらして弾丸をよけるシーンがあまりにもアタマ悪すぎでございましたゆえ、ここ2005年を迎えますに至りましても、劇場やDVDやTV放送であろうとも、いまだかの作品は拝見したことがございませぬ……って言うか、あの手合いの映画は馬鹿馬鹿しくて観ませぬワイ!特撮映画はそのむかし “トリック映画” などと呼ばれておりましたが、現在のCG技術はそちらを “インチキ映画” に変えてしまいました観は否めませぬナァ……。

 

 

 

それとは対照的に、懐かしいあまりについ録画しただけでしたございましたのが、思いのほか熱中して観てしまいました “長靴をはいた猫” シリーズ。こちらの主人公ペロは、長らく東映動画の商標マークとしていろんな製品に貼られていたように記憶しておりますナ。こちらは三作が放映されまして、一作目がほぼ原作どおりのストーリーを踏襲しておりまして、二作目はなぜか舞台は西部劇。そして題名が 『長靴三銃士』 とはこれいかに? さらに三作目はジュール・ベルヌ氏の “80日間世界一周” を絡めました、フレンチ文学のハイブリッド作品となっております次第。

 

とくに第一作には、お姫様をさらっていく魔王・ルシファー役になんとあの故・小池朝雄氏が!!小池氏と申さば生前は言わずと知れました 『刑事コロンボ』 の名声優さん。更に本業の俳優としましては、渋く重厚な、そして誰よりもイヤラしく憎々しい悪役として、銀幕に深い彩りを添えられておられましたのですゾ。往年の日活青春映画黄金期に、吉永小百合女史と浜田光男氏の名コンビで製作されました 『泥まみれの青春』 なる、普段なら吾が輩は観ませんようなニヤついたありがちな作品があるのでございますが、小池氏が出演されておりますと聞き及ばば観てしまったというくらい、吾が輩は氏の演技に惚れ込んでおるのでございますワイ(注2)

 

その小池氏、やはり子供向けコメディーであろうともさすがの演技でありますことは申し上げますまでもございませぬ。ただこちらのルシファー。その容貌となりますと、昨今のオカルト・ファンタジー系オタの腐女子の皆さま方が、歯ぎしりして血涙ならびに耳だれを流してしまいそうな “木こりのオヤジチック・フェイス”。そもそも悪魔の容姿に美しさを加味し始めましたのは、『女神転生』 シリーズの悪影響でございましょうカナ……まぁ吾が輩もキライではございませぬが(注3)。そう申さば、荻野真氏の 『孔雀王』 におけます “孔雀王=ルシファー” の図式って、いずれの章にて明らかになったのでございましたっけ……。

 

――ともあれ、さらに 『80日間〜』 にてペロ役をこなされましたのはなべおさみ氏。とはいえいかになべ氏が配役だからとて、裏口を使ってこっそり世界一周などはしておりませんのでご安心のほどを……してこの三作中、二作目にネズミのネイティヴ・アメリカンが、そして三作目にアザラシのイヌイットが出てくるのでございますが、ネズミの 『インディ○ン』 は音声が消されておりましたのに、アザラシの 『エ○キモー』 はOKでしたのはチト不思議。

 

こちら全編を通しまして拝見しまして感じましたのは、とくに第一作と第三作に出て参りました 『高い塔』『時計台の機械』『主人公のアクロバティックな動き』 など、どこかで拝見しましたようないくつかの記号。して第一作のエンドロールをよぉ〜く目をこらして注視しておりますと、大塚康夫氏宮崎駿氏の名が。続く二作のクレジットにはお二方のお名前はございませんでしたものの、雰囲気としましてはそこはかとない “エッセンス” の残り香を禁じ得ませんでしたワイ。

 

ちなみに何かの折りに、吾が輩こちら 『長靴をはいた猫』 の、舶来品とおぼしきエッチング版画の挿絵を拝見した記憶があるのでございますが……こちらがなんと、まんま長靴をはいただけの猫(それも編み上げ靴を!!)、二足歩行をしておりましたのでございますワイ。こちらをなぜ吾が輩が憶えておりましたかと申しますれば……そのペロの姿を一瞥しました吾が輩が、『ブルーフィルムの頃とおぼしき写真の中に、これと似たような格好をされた女性がいらっしゃいましたナァ……』(注4) と、ちょっとした男性的感慨に耽ったのを忘れておりませんでしたので――マァ良くも悪くもエロがらみな記憶なればまず齟齬ございませぬかと……ただ、本文なしの絵だけ拝見した形でございますゆえ、本当にシャルル・ペロー氏の原作にゆかりのある版画絵でありましたかどうかは、残念ながらでございますワイ(注5)。こちらのお話は、映画で使用されるとしますならば、やはり 『寅さん』 シリーズの冒頭部分となりそうな気配でございますナァ――。

 

さるにても、帽子も上着も身につけておりませぬ編み上げ靴のみの裸の猫が、向こうからタッタカ二本足で、笑顔とともに走ってきますれば、よく考えなくともかなり怖い絵面ではございますまいか。でございますれば、こちらは 『帽子をかぶった猫』 とか 『ベルトを巻いた猫』、あるいは 『手袋をはめた猫』 『マフラーをなびかせた猫』(注6) など、ヴィジュアル的に穏便なアイテムで済ませてもよろしかったような……ハテ? 『どてらを羽織った猫』 でございますか? いやはやこちらはなんともお懐かしい(笑)(注7)

 

ともあれ、思いがけなく温故知新なる言葉に思いめぐらせました年末でございましたとサ……。

 

 

 

 

 

注1:WXVは監督されてないらしいですが、面倒でございますのでひと纏めでご勘弁を。

注2:チンピラ役の浜田氏の兄貴分。これがまた貫禄のある懐の深い兄貴役を好演。ラストの一言がシビレますワイ!!

注3:むしろ大好きでございましたワイ。

注4:こちらのブーツはヒールが高く、腿まであるロング・サイズ。よく女王サマなどが履いているアレ。

注5:ちなみにネットでググりますと、上着を着ていたりアイパッチを付けていたりとヴァリエーションは多々ございますご様子。

注6:それはアントニオJr。

注7:はしもといわお氏作品。

特注:吾ながら、よく正式名称を思い出しましたワイ(笑)

 

 

 

 

 

 

おいおい、そっちじゃないぜ!

 

 

2004.12.31 (C)Mephistopheles von Münchhausen

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