ほらふきだんしゃくてきぐこーろく

いずれは盛大なセレモニーも開きたいものでございますワイ……。

 

2005年03月04日

 

さて、『“男どん賞?”決定!』の巻

(指定BGM: ドリフターズ / ドリフのバイのバイのバイ )

 

 

前回は 『リンかけ』 のおかげをもちまして、大人げなくもかなりカリカリしてしまいまして、吾が輩まこと思い出しますだに――オホン。思い出しますだに、またぞろ眉間にシワが寄ってしまいますほらふき男爵でございます。

 

とは申しましても、他であちらの凹み具合を十二分に埋め合わせをしてくださいます諸作品群とは邂逅をきちんと重ねておりますゆえ、まぁ 『リン〜』 に関しましては野良犬に咬まれたとでも思って諦めますワイ(注1)

 

これまでにも、こちら愚考録にて吾が輩が感銘を受けましたる漫画や映画などを取り上げ、ささやかながら賛辞をばお贈りさせていただいてはおりましたが、吾が輩ふと気づくところがございまして……各作品をお創りになられましたクリエイターの方々は常人ならざる技量をお持ちとはいえ、詰まりますところやはり人の子。ただただ空虚な褒め言葉のみでは、とうてい生きてはいけますまい。そこで吾が輩、こちらに 『男どん賞?』 を創設してみました次第。

 

こちらは、とりあえず何かしらの格好がつくのではないかと思いまして――もとい、“賞” を贈らせていただきますことで、敬愛して止みませぬ諸先生方がたに、人として、さらには社会的にも最も崇高なる至宝名誉誇らかに感じていただけますことを夢見ましたのでございますワイ。もちろんそのお値打ちたるや……それは軽々しくは喩えようもないほどの、さらには日本円にも容易には換算しがたい “黄金とダイヤモンドとオリハルコンのいいとこ取り” でございますことは、吾が輩が申し上げますまでもございますまい。名誉……嗚呼、それは何よりも神々しい魂の宝!♪ボクが見た希望〜!!

 

ちなみにこちら 『男どん賞?』 とはこれいかに……内訳を申しますれば、こちらも幼き時分の吾が輩に、“漢の指標” をば示してくださいました松本零士御大が代表作 『おいどんが講談社漫画を受賞したのって、1972年だっけ』 の略ではございませんで、かつてかの 『欽ドン賞!』 が 『ちゃんのドンとやってみよう』 なる番組名そのものから採られました名称でございますことを鑑みまして、爵って、まだ博多どんたくを見に行ってないんでしょう という、吾が輩の忸怩たる思いにお約束な駄ジャレをからめました一文を縮めましての 『男どん賞?』 でございます次第。

細かいことを申すようでございますが、文章的には疑問形となりますので末尾には 『?』 が必須となりまして、かつ発音としましては語尾は上がり調子となりますのでご注意をば――さらに蛇足となりまして恐縮の極みでございますが、もちろん今後吾が輩が博多どんたくの拝見が叶いましたり、ないしは飽きて馬鹿馬鹿しくなりましたら “酒と泪と霧と夜” 作戦で無かったこととさせていただきますのでご了承のほどを。

 

 

 

して、ここ最近で吾が輩を湧かせてくださいました数々の作品と申さば、BS2の映画にてかのフランス映画 『アメリ』 が、漫画では先述の定食屋さんにて福本伸行氏の 『賭博黙示録 カイジ』 が。そちらに加えまして、馴染みのメイドさんオススメでございました、久保帯人氏の 『BLEACH』 がございました次第。

 

特筆いたしますは何を置きましても 『BLEACH』 から。この吾が輩めが、いまさらジャンプ漫画など……そうお考えになられますお客様がたも多くいらっしゃるのではないかと存じますが、じつは吾が輩自身もそのようにある意味自嘲しつつおなじみの “私設貸本漫画屋”(注2)ことスタッフのT より借り受けましたのでございますが――

 

そんなこんなでまず第一話を読み進みますれば、きれいな線でやさしくまとめてあります画風は印象もよろしく、それでいてスピード感や質感の表現力も高水準。こちらなれば男女ともども人気を博せますことはマァ至当でしょうカナ――ただ、その一方でチト気になりましたのは、以前こちら愚考録でも取り上げましたる、吾が輩史上 最も不快なまんが祭り” 第一回グランプリ受賞作(注3)『天上天下』 的な展開への危惧。だってジャンプ作品でございますし、最前にはその直接の元凶とも申せます 『リンかけ』 を拝見しておりますゆえ、吾が輩が身構えてしまいますのも無理からぬこと……されど

 

作品の世界観や舞台設定が判明してきますより先に、ちらちらと見え隠れします細かい小休止ポイント。

『……。これはギャグ?』

話の腰を折るでもなく、口がへの字になるような無理矢理さもございませんのですが、却ってそれがために画風と作品テーマとの違和感が生じてしまいまして、吾が輩 『なぜここで?』 と、その都度とまどってしまいました次第。

 

しかし読み進むにつれまして、ギャグの出現頻度と盛り込むタイミングならびにセンスの良さが、作品世界の様相がつまびらかになりますとともにジャブよろしく効いてまいりますと、『こちらの漫画は侮れませぬワイ……』 と、なぜかミョ〜にピリピリしてしまいます吾が輩(笑)。何よりも基本的にストーリー漫画という先入観がございますゆえ、シリアスな展開時にもさらっと、それも濃さも熱さも的確なさじ加減でテムポ良く投入されてしまいますと、不意のリバーブローが思いっきり入ったようなもの――真面目なお話笑ってしまいますよりも、久保氏のその巧みさへの猛烈な口惜しさが先に立ってしまうのでございますワイ。

敢えてそちらを 『美味しんぼ』 の京極さん風に申さば、“嬉しくない不意打ち(注4)でございましょう。吾が輩もアマチュアとは申しましても “喜劇至上主義” を旗印に、皆さまに笑っていただけます文章力を自負しております者。やはり高雅な技術を前にいたしますれば、敬意と同等の……いえ、それ以上の羨望を禁じ得ませんのが正直なところ。具体的にどれくらい吾が輩が口惜しく思っておりましたかを申し上げますれば、オノマトペでは 『ムキ〜〜〜!』 と。漫画で申さば、『ベルサイユのばら』 連載当時の池田理代子女史の画風にて、絹のハンケチを引きちぎらんばかりに噛みしだきますが如し、でございますワイ。

 

――そのようなジレンマに身を焦がしつつ(注5)、借り受けました三巻をアッという間に読み終えてしまいました次第。『もしハズレだったら……』 とヘタな勘繰りをして少なめにしか借りませんでした吾が身の不明を叱咤しつつ、とにもかくにも驚きと感銘と猛省を強いられました一日でございましたワイ。

 

して、以降最新刊15巻まで読み進んだのでございますが、もはや BLEACHにはシャポーを脱ぐ(注6)以外には何もできませなんだ。肝心のストーリーも惰性で同じような展開を続けることはなく、きちんとターニング・ポイントを設けて全体にメリハリを効かせているのは大いによろしいと思いますワイ。こちらは久保氏本人の構想ばかりではなく、担当編集者さんのアドバイスもよろしきを得ているものと愚考いたします次第。

 

……ただ、前半部からチト残念に感じておりましたのは、尸魂界(ソウル・ソサエティ)関連の名前や用語につきましては、極力横文字の使用を抑え、日本語・中国語で統一していたほうが、あちらの世界の様相からしますればよりしっくりいったのではございますまいか。マァ些細と申しますれば些細ではございますが。

 

登場人物も、いつかのどこぞのマンガのように低俗なチンピラに堕すことはなく、かつ分け隔てなく平均的にギャグを受け持たせますのは 『ナイスですね〜♪』 の一言に尽きますワイ。とくに尸魂界から以降はやたらと人数が増えるのでございますが、そちらも 『リンかけ』 チャンピオン・カーニバルでは勿体なくもほとんどがいわゆる “咬ませ犬” 扱いで終わっていたのに対し、各隊長副隊長それぞれに大なり小なりのエピソードと “見せ場” を設けてあげましたのは、その手間を考えますれば久保氏の情熱と思い入れのほどが知れまして、ほとほと感服つかまつりました次第。

(いま思い返しますと、『天上〜』 は 『リンかけ』 の悪しき血統にあるのでございますナァ……何かあるようで何もないストーリーと、イラストの切り貼りじみた “決めポーズ” ばかりのマンガ展開でございますし

 

ともあれ、少年誌の掲載漫画でここまで吾が輩を熱く、そしてジェラシーに駆り立ててくださいましたのは、じつに去年末に拝読いたしました、荒川弘女史(特注)『鋼の錬金術師』 以来でございますワイ。こちらも愚考録で取り上げましょうかと思っておりました漫画ではございますが、かの吉崎観音氏が作品 『ケロロ軍曹』 の直後にTより薦められました作品でございまして、それが連続してツボに嵌りましたことが吾が輩どうにもシャクでございましたゆえ、これまで沈黙を守ってきたのでございますワイ。

 

『鋼の〜』 は吾が輩が申し上げますまでもなく、先頃小学館漫画賞を受賞されましたのも至極当然ともいえる良作でございますワイ。この身をしまして久方ぶりに、『ああ、吾が輩にも絵心がありますれば!』 と、漫画家さんへの憧憬をあらためて深めましたとともに、『子供ができましたら、コ○コのプロパガンダ漫画なんかよりこっちをまず読ませましょう!』 などとも考えましたくらい。クリエイターたるもの、あれだけのメッセージを作品に内包させないことには一流とは申せませぬナァ……。

 

そのような感じで、まぁストーリーで評しますれば、僅差ではございますが 『錬金術師』 に軍配でございますカナ。されどギャグにおきましては、『ケロロ軍曹』 の面白さがパロディの妙としますれば、こちら 『BLEACH』 は本筋と併せましての総合エンタテインメントと捉えまして間違いはございませんかと(注7)。されどこちらに吉崎氏の 『宇宙X兵衛』(注8)をさらに加えましたうえで吟味をさせていただきますれば、ギャグのクオリティそのものは久保氏のほうが吾が輩ジャッジメントでは上位。左様でございますナァ……カステラ(注9)にて喩えますれば、文明堂長崎屋違いと申しますれば、皆様方も得心されるのではございますまいか!!

 

――そんなこんなで、吾が輩もかなり惚れ込んでしまいましたるこちら 『BLEACH』。それでも “ドン・観音寺” が出てきました前後ですと、盛り込まれますギャグの尋常ならざるペースとテンションの高さにマジ恐れをなしまして、『久保氏とは、リアルでは “いいお友達でいましょう” レヴェルに留めておいた方がよろしいかも……』 と、一時的にドン引き(注10)でございましたことも正直に申し上げておきましょう。

 

そして……そちらと平行しまして、吾が輩ことのほか強く感じましたのが、

『こらあんじょう気張らなアカンでェ、ピロチよ!(注11)

 

という、何ともよけいなお節介を焼いたり焼かなかったりでございました次第。

 

 

さるにても、先の 『錬金術師』 に吾が愛息に買い与えますだけの価値を見いだしましたように、それに勝るとも劣らぬ魅力を放って止みませぬこちら 『BLEACH』。画力・構想力・ギャグセンスでは総合的に 『BLEACH』 が頭ひとつ抜きん出ておりますゆえ、“第一回 男どん賞?” の最有力候補であるばかりではございませんで、併せまして 『吾が愛息への全巻プレゼント候補』 の栄誉をも担えます可能性も……マァ逆を申しますれば、吾が輩が子供をもうけませぬ限り、当分購入します予定は皆無ということになってしまいますが、それもまた人生かと。

 

……では最後に一点をば。昨今の流行りと申さば “巨乳キャラ” がどうしても外せませんようでございますが、こちら 『BLEACH』 にも主人公サイドに二名登場いたします。ですがこの二人が抜きん出て豊満なだけで、他の女性キャラは至ってフツーな感じ。その点を愚考いたしますと、読者へのサーヴィスか “縁起モノ” として出しているようにも見受けられますが――巨乳って、なにもいいコトばかりじゃございませんのに――オホン。ともあれ、久保氏はどちらかと申しますと、“朽木ルキア” のような小さくて華奢な女性がお好みのように察せられるのでございますが、サテいかに……。

 

キャラのお話が出ましたのでついでに(笑)――久保氏の画風でございますが、こちらにはどことなく絵の持つ 『雰囲気』 と申しますか、ないしは絵を構成します 『エッセンス』 と申しますか、“先達の筆致”を内在しているように見受けられます場面がいくつかございます次第。吾が輩が感じましたのは、『ゆうきまさみ氏』、『井上雄彦氏』、『岩明均氏』、『浦沢直樹氏』 なのでございますが、あるいは久保氏がいずれのお方のアシスタントをなされた経歴があるのやもしれませんし、逆に現在のアシスタント諸氏の個性(ないしは癖)が反映されただけなのかも……とくに尸魂界以降に登場キャラが増えましてより、吾が輩の目にはそう感ぜられるのでございますが――まぁ、これと申しまして箸にも棒にもかからない 『だからどうした?』 的な駄感想ではございますが。

 

 

ということで、『BLEACH』 につきましてはここまで。次回は 『賭博黙示録 カイジ』――を予定しておりましたものの、さすがにこのところ漫画談義つづきでございますゆえ、そちらは数回のインターバルを置きましてのちにいたします所存にございますワイ。

 

 

 

 

 

 

 

注1:正味な話、あんな慰め方で諦めがつくとはとうてい考えられませぬ吾が輩……。

注2:今回の交換条件本はジョージ秋山氏の “銭ゲバ”

注3:第二回受賞は 『DEATH NOTE』。基本構想と作画は悪くないのに、 程度の低いハッタリと詭弁で台無しになったご都合主義展開のIQ詐称マンガ。

注4:あるいはまんま、『久保はん、あんた何てことしてくれたんや!』 でございましょうか。

注5:作品そのものの鑑賞姿勢としてはおおいに間違ってると思われますナ(笑)

注6:久々の佐藤賢一風表現

注7:『錬金術師』も、巻末の四コマやカバー下の表紙の一コマ漫画に侮れないセンスを感じます次第。

注8:う〜ん、いかんせん “お約束” 過ぎましたかと!!

注9:早大出身のパンク(!?)バンドじゃないヨ。いま何をなされてらっしゃるやら……。

注10:ドン・観音寺だけに!?

注11:田丸浩史氏。最近の 『ラブやん』 には、『アルプス伝説』 や 『超兄貴』 当時のパワーとテムポが感じられませぬワイ……。

 

特注:まさか女性でございましたとは……ひらにご容赦のほどを。m(_ _)m

 

 

 

 

 

 

おいおい、そっちじゃないぜ!

 

 

2005.03.04 (C)Mephistopheles von Münchhausen

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