ほらふきだんしゃくてきぐこーろく

だけど静電気だけはカンベンな!

 

2005年05月20日

 

さて、 『電気でGo! の巻

(指定BGM: 電気Groove / 富士山 )

 

 

なべて現代におきましては、何をいたしますにも電気がございませんことには始まりませんのが実状。まぁ吾が輩の生活にてはテレヴィジョンの使わなさ加減はサテ置きまして、こちらインターネットしかり、シリコン(だけに限りませぬが)・オーディオしかり、もっとも頻度の高い分野では各種照明など、もはや欠かしますことなど考えられませぬのは、遠からずお客様がたも同じではございませぬかと。

 

その電気。まず取得しますにはダイナモ(注1)を回転させます必要があるのでございますが、その手段としましては現在でも “火力発電” が高いパーセンテージを占めておりますご様子。1970年代末より原子力発電におけます安全性への懸念がひろがり、80年代に入りますれば米国はスリーマイル島にて、さらには80年代の末に世界最悪規模の事故が旧ソ連はチェルノブイリにて発生しましたのを契機に、国際的に原子力発電の国内依存率を縮小されます傾向にございますことは、もはや申し上げますまでもございませんかと。

 

それこそ原子力が未来の発電手段として期待を集めましたのは、化石燃料の枯渇ならびに使用後に排出されますCO2大気中濃度の上昇。さらには折りからの大気汚染によります副産物、深刻な酸性雨の被害が挙げられますが、少しく穿(うが)ちまして愚考してみますれば、先進国におけます原子力の “平和的利用” の最右翼として、要しまするに核兵器の残忍なイメージを軽減させますための国家的アッピールだったようにもお見受けいたします次第――ないしは、プルトニウムを合理的に製造いたします施設としては恰好の隠れ蓑でもございましたかと(注2)

 

されど、火力発電でございましても原子力発電でございましても、とどのつまりは巨大な “発電タービン” を、蒸気の圧力をもってしまして回転させておりますという、けっこうなアナログさ。イメージでは “核燃料” と呼ばれますくらいでございますゆえ、よく資料映像などに観られます燃料棒から直接電力が得られますように想像しがちでございますが、どちらもまずは莫大な熱量にて高圧蒸気をばこさえまして、タービンをぐるぐるに回すのでございますナ。

 

でございますゆえ、かのアトムが原子力にて動きますためには、マァ現時点の科学技術の粋を集めましても発電所大のサイズがまず必要、というコトでございますナ。ここは単純に内蔵蓄電池にての駆動のほうが機構的にも簡便がございますかと――ともあれ、電気の利点は大出力を得たい場合にも効果がございまして、電車や電気機関車が蒸気機関を圧倒、ほとんどの路線から駆逐できましたのはまさにそちらの点。

 

むかし拝読いたしました鉄道の読物(注3)では、各路線に電化が浸透していきましたその図解としまして、『蒸気機関車は一定の区間で水と石炭を補給しないといけないので、施設も大規模になる』 と、何やら的を射ているんだかいないんだかビミョーなことが書かれておりましたが、ハテ……まぁ保守面ばかりではなく、環境やコスト的なお話もございましたのでしょうが。

 

さるにても、かの新幹線があれだけの高速で走れますのも、全車両がモートル車でございますゆえ。さらには高層ビルディングにおけますエレベーターも、やはり電気モートルでございますしナ。また、モートルでございますれば制御も存外容易で、第二次世界大戦中もっとも重たい戦車こと、独逸軍の “エレファント” がございますが、こちらはかの高名なるポルシェ博士の設計によりまして、なんと動力は内燃エンジンで発電機を回して動くという、いわゆる “ハイブリッド方式” を採用しました、まさにヒトラーという巨大なパトロンを得ましたマッド・エンジニアならではの放恣な仕様。

 

年少時の吾が輩なれば、『何ゆえに斯様なまわりくどい機関を採用なされたのでございましょう?』 と、首を捻りますことしきりでございましたが、実際65dもございますエレファントの巨体を動かしますには、現行の内燃機関では限界間近でもあったのでございましょう。こちらがモートルでございますれば大出力もさることながら、あたかもオートマ車よろしく無段階変速もできますからナ(注4)。さるにても、WWU当時の戦車は、クラッチ操作がことのほか難しそうでございますナァ。ちなみにこちらは、先のエレベーターにも申せますな。あちらがオペレーターによりますマニュアル駆動などでございますれば、シフト・チェンジの都度軽く上昇速度にブレが出たりして三半器官に悪そう……ウェ〜。

 

斯様に使い勝手のよろしい電気ではございますものの、先に挙げました諸々の理由によりまして、やがてはその生産量の減衰が危惧されますところでございますが、一方で昨今におけます電化製品の技術革新にはまさに手放しにて、『素ん晴らしい!』 と賞賛できます成果がございまして、消費電力が10年前の同種製品と比しまするにおよそ三分の二から三分の一まで下がりましたとか。

 

このように、電化製品の個数こそ大に少に増えましても、総体的な電気消費量さえ軽減しつづけられましたら、なんとか火力、原子力の代替となります発電……例にとりますれば風力、波力、太陽電池等々、ちいさいながらもローカルに賄(まかな)えます電力を増やしていきますれば、やがて化石燃料が枯渇いたしましたとて、狼狽するには足りませぬと愚考いたします次第。その点で気になりますのは調理機器になりますが、煮炊きに必要な熱量の短時間での取得ならびにやや低めの温度での長時間使用などには、もう対応できておるのでございましょうや……?(注5)

 

さらには電力駆動でございますれば、当然のこと排気ガスが出ませんので環境にも優しくございますゆえ、ヨーロッパにて路面電車が公共の交通機関として大きな役割を果たしておりますのは、お客様がたもご存知のことと思われますナ。それこそ現代の科学技術なれば、電気自動車の普及も難しくはありませんように愚考いたしますが……こちらには現行の自動車メーカーさんよりは、どちらかと申しますと石油会社の意向が強く反映されておりますようにお見受けいたしますが……石油製品も、各分野にわたりまして幅ひろく社会に浸透しておりますからナァ(注6)……オヤ?(電話の呼び出し音:Guns&Roses = Welcome To The Jungle )

 

『アロー。――ああこれはフラウ・デンコ。ええ、謝礼のほうはスイス銀行の口座に……』

 

……オホン、これは失礼をば。ともあれ、電力獲得の計画の中には、軌道上に “太陽電池衛星” をば飛ばしまして、充分溜まりましたら地上へマイクロ波にて送信するというお話もございますので、人類の未来はさほど悲観せずともよろしいような……ただ、それでも生産量が追い付きませぬ場合、価格の高騰は必定。

 

引いては経済の二極化同様、電気が使えます区域と使えませぬ区域という、まるで銀河鉄道999・第一話のごとき地球が現出してしまいますのかも……それでいて、電気を使えませぬ区域の人々が、“人力発電所” の地下にございます巨大ダイナモを、『北斗の拳』 におけます凶悪なザコキャラよろしき監視員たちにしばかれつつ、エッチラオッチラまわすという皮肉な労働に身をやつされたりとか、ブルル……。

 

 

――されどそうしますと、その頃には吾が輩の顔の真ん中に意味不明なメーターが開き、機械の体となって “時間城” に住まいしておりますのカモ!?

 

 

 

 

 

 

注1:発電機のコトですナ。

注2:ウラニウムよりもずっと効率的な原子爆弾に加工しやすい。

注3:書名と出版社は失念。

注4:されど現実は機構が複雑で、クラッチ式より故障が多かったご様子。

注5:鈴木京香女史が出演されておりますCMがそれっぽいとは思われますが……ハテ?

注6:の蛍光灯も、開発そのものは意外に早かったらしいのでございますが、電球メーカーの牽制によりまして世に出ますのが大変に遅れましたとか

 

 

 

 

 

おいおい、そっちじゃないぜ!

 

 

2005.05.20 (C)Mephistopheles von Münchhausen

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