ほらふきだんしゃくてきぐこーろく

よほどおヒマでございませぬ限りは、皆さまはお手を出されませぬよう……。

 

2005年05月27日

 

さて、 『こわかった“映画”』 の巻

(指定BGM: The Dwarves / The Creeps )

 

 

昨年末、こちら愚考録 『年末アニメ祭り』 にて、CGをふんだんに用いられました映画は吾が輩拝見いたしませぬ旨をば明言させていただきましたが、こちらにてかの 『少林サッカー』 をすっかり失念しておりましたことを先日思い出しましたワイ。かの映画なればレンタルしてまで拝見いたし、ギャグも演出もまったく期待を裏切りませんでしたそのクオリティにはすっかりシャポーを脱がさせていただきました次第。CG もああいった方向性にて有効活用されますのはもちろん大推奨でございますゆえ、あとはやり過ぎにならない程度の匙加減にて、さらなる作品の制作にいそしんでいただきたいモノ――して、“マトリックス” シリーズにおきましてはもちろん相変わらず

 

そんなこんなで、世に映画はあまたございますれど、吾が輩は恐怖ものやホラーはまず拝見いたしませぬナァ……まぁSFがらみでございますればいくつかははタイトルを挙げられましょうが、基本としましては食指が動きませぬジャンル。首が飛んだり血が噴き出したりは絵画でございますればまだ許容範囲でございますものの、実写ともなりますと正直苦手にございますワイ。ですので13日の金曜日シリーズなども、おそらくは二作品ほどしか拝見しておりませぬはず。

 

ですが、つい興味本位で観てしまい、後味の悪い思いをいたしましたことは幾度かございます次第。その中でもダントツ(注1)『観なきゃようございました』 というトホホ指数が高うございましたのがこれなん、ジョン・ウォーターズ監督、ディヴァイン嬢主演によります“ピンク・フラミンゴ”でございますワイ(注2)

 

 

こちらの映画は資金的な必要性からでございましょうか、ないしは監督の意図そのままなのでございましょうか、とにかく画質の悪うございますこと視聴覚教室のスライドのごとし、にございます次第。まさか8_フィルムということはありますまいが、遠からず標準の映画用サイズではございませんことは確か(注3)

 

さらには秒間のコマ数も少ないようでして、それがために人物も物体も景観も、どちらもこちらもブヨブヨふやけたように目に映りますうえに、生き物としましての意思や生命力というものが伝わって参りませぬ独特のスローモーな動きに変換されておりますのがなんとも不気味。また、こちらも効果を狙っておりますのかどうか、開始から終了までの徹頭徹尾、画面が結構ブレますために、不安感もいやましに募らされます次第。

 

さらには音声の録音状態もバックにかかっております楽曲も、まるでスピーカーに幾重にもさらしを巻いて流しているかのように妙にくぐもっており、なお悪いことに音の強弱も不安定と来ますからには、もはや嫌がらせとしか考えられませぬワイ。

 

そうして……こちらの映画の内容と申しますのがまた非道く、世界最低最悪の俗悪ナンバー・ワンをディヴァイン一家と争っておりますもう一組のマーブル夫妻が、双方の家族を巻き込みあっての “品性下劣合戦” を繰り広げますという、カバーの解説であらましを知ったらまず視聴しませんのが普通の人というあんまりなストーリー。

 

――それでも、若さゆえの過ちと申しますか、持ち前の旺盛なる好奇心のなせます業(わざ)と申しますか、勢いにまかせまして観てしまいましたのが運の尽き。その文字通り比類なき下品さ加減から、さすがにストーリーまでを追いますのは憚られます気もいたしますが、こちらをネット検索いたしましすと、大雑把な見どころ紹介程度の記事しかございませんという意外な結果から、折角でございますゆえ、吾が輩が記憶しております限りのあらすじをば、ざっくばらんに挙げ連ねてみますと……。

 

 

 

変態社交界(注4)におけます 『お下劣』 王座奪還に執念を燃やすマーブル夫妻は、潜伏のためバブス・ジョンソンなる偽名を使ってトレーラー・ハウス住まいをしているディヴァイン家の内情を探るべく、自分らの娘をその息子・クラッカーに近づけます。するとこのクラッカー、娘にニワトリ小屋でのセックスを強要。

 

こやつはただ汚くて喧(かまびす)しい只中にあればこそ劣情をたぎらせるというレヴェルに留まりませず、なんと互いの体にニワトリをはさんで圧殺する(注5)ことで真の愉悦を感じるという、そちらがまるで演技とも見えませぬほどの、“並” を優に飛び越えた変態ぶりを披露。ちなみに家族構成とはこれなん、タマゴしか口にしない精神遅滞ぎみの母親・イーディや、何か活躍があったかいまひとつ記憶に乏しい娘・コットンとの四人暮らし。

 

さて一方のマーブル夫妻の “変態度合い” とはこれなん、誘拐してきた女性を地下室に監禁し、独自の 『変態マーケット』 に卸します赤ん坊を産ませますべく、夫妻には唯々諾々と従うばかりの惰弱な下男に定期的にレイプさせるという、どちらかと申しますと “鬼畜” な部類の連中。以後もなんのかんのとディヴァイン一家にちょっかいを出しますものの、身を隠している弱みからか、あるいは “変態王者” の風格か、一家はなかなか夫妻の挑発に乗りませんのでございますが、ついに業を煮やした夫妻は彼女のシンパが主催します “ディヴァイン誕生日パーティー” に出席して不在となりましたトレーラー・ハウスに焼き討ちを決行いたします始末。

 

その頃パーティーではシンパらが披露します、もう脱力のあまり顔面の筋繊維すら弛緩してしまいます数々の “精神的フリーク・ショウ”(注6)が展開され、和気藹々ゲラゲラと笑いあうディヴァインたち。されど住処に帰ってみますればハウスは大炎上。これにはディヴァインも堪忍袋の緒を切り、ようやく逆襲を決意。夫妻宅に乗り込んで二人を射殺し、監禁されていた女性を解放。縛(いまし)めがありましてこそ強気でした下男も、怒れる女性には太刀打ちならずされるがままに殴殺され、サテ物語はいちおうめでたし、めでたし……なラストを迎えますのでございますが、ここでダメ押しとばかりに、こちらの映画中もっとも知られておりますシーンが映し出されるのでございますが――。

 

まぁどちらのサイトにも取り上げられております有名事でございますし、吾が愚考録にてもここまで申し述べておきまして画龍点睛を欠くのもなんでございますゆえ、〆として書き記しますが、俗悪賞賛映画最後の最後を飾ります “キッチュ” な行いとはこれなん。

 

――歩道の行く手にて、小型犬が糞をばひりだしておりますのを見つけましたディヴァイン。こちらにほくそ笑みつつ近寄りますとやおらしゃがみ込み、嬉々として口に含むのでございますワイ。ただ、さすがに飲み下しはいたししませず、たしか三口めくらいに顔をしかめて吐き出したように記憶しておりますが、ハテ……。

 

 

――と、以上に申しましたがごとく、腐りに腐って糸を引きそうなお話が、先述の奇っ怪極まりございませぬ画質にて眼前に迫って来(きた)るのでございますから、視聴後のどんより具合と申しますれば、それはそれは並大抵ではございませぬ次第……もう吾が輩が小学校中学年くらいの年齢でございましたら、部屋の真ん中にてひとりぼっちでシクシク泣いている以外になにもできませんでしょうことはまず請け合いでございますナ。

 

そちらでなくとも、兎にも角にも何も考えずに横になりたくなりますダウナー系映画でございますことは間違いございませぬはず。観ておりまして全身を走ります戦慄もさることながら、映画そのものの全体に織り込まれております、ネガティヴの極地をきわめてポジティヴに描き出しておりますその創造センスこそ、よりおぞましく吾が輩には感じられました次第。

 

ちなみに主演のディヴァイン嬢は体重150`の巨漢にしまして、性別はオトコにございますワイ。

 

されど嘔吐をもよおしますほど劣悪でもなく、かと申しますも感銘として得るところなど一つだにございませぬ、こちら 『ピンク・フラミンゴ』。独りで観ますには終了後に襲い来たりますションボリ&ガッカリを堪えますのに厳しく、さりとて家族や友人恋人と一緒に観ますことは、人生におけます大きな賭となりましょうし……。まぁ無難なところでは、観ませんのが一番、でありましょうがナ。

 

 

もちろん吾が輩、『もう二度と観たくなぞございませぬワイ!』 と思い知りましたことは、もはや申し上げますまでもございませんでしょうが、それもこれも十年以上も前に一度観たきりなのにこれだけ憶えておりますれば、そりゃあ再度観ます必要などございませぬワイ。そうしますとインパクトの点では超A級と申し上げませんといけませぬナァ……。

 

ちなみにこちらジョン・ウォーターズ監督とディヴァイン嬢のコンビ作品は、他にもいくつかございますご様子。いえなに、吾が輩べつに探して観てみますれば、などとは決して申し上げませぬゆえ――。

 

 

 

 

 

 

注1:水島新司先生の野球漫画にあらず。

注2:それもレンタルしてまで……

注3:ネット検索によりますと16_フィルムでございましたとか。

注4:純にいつの世のどこの社会にもありそうではございますが……。

注5:何羽か引きちぎってブン投げてもおりましたようにも記憶しておりますワイ

注6:中でも最も有名なのは、とある男性の披露します “肛門ダンス” (←ボカシ修正)

 

 

 

 

 

おいおい、そっちじゃないぜ!

 

 

2005.05.27 (C)Mephistopheles von Münchhausen

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