ほらふきだんしゃくてきぐこーろく

吾が輩も、髪とヒゲを伸ばしましょうかナァ……。

 

2005年07月08

 

さて、 『サイケでGoGo! の巻

(指定BGM: The Seeds / Out Of The Question )

 

 

吾が輩が現在所持しますCDをばジャンル別に比べますれば、マァ文句なしのダントツが “ハードコア・パンク” でございますことは、もはや申し上げすまでもございませんが、では次点にどちらが来ますかというお話になりますと、意外にも非常に微妙。

 

おそらくはテクノ系なのでございましょうが、一時期異様なまでに血道を上げました 『サイケ』 も侮れませぬかと。そも、サイケと大括りに紹介してはおりますものの、その実は同時代を併走しておりましたソフト・ロックやガレージ・サウンドなども含めておりますゆえ、どちらかと申しますれば 『60年代サウンド』 と称しましたほうがより具体的かもしれませぬ……そちらを取り敢えずは便宜上、今回の愚考録ではやはり 『サイケ』 と総称させていただきたく存じ上げますワイ。

 

そも、サイケと申さば 『サイケデリック・ロック』 の短縮形にございますが、要しまするに “幻想的な” ロックという意。その名の通りでございますことは、一度お聴きいただきますれば得心なされますこと請け合い!ただ、紹介いたしますにかくも面倒かつ面白いのがこちらの “サイケ” にございまして、音感的には各バンドとも通底はいたしますものの、解釈や表現手法がバンドごとに千差万別いたしますのも、こちらのジャンルならではではございませんかと。

 

代表どころのバンド名を挙げますれば、やはり 『The Doors』 あるいは 『The Monkeys』 になりましょうかナァ……。ただ、こうしたビッグ・ネームは判り易く、かつ手っ取り早い “入門書” にはなりますものの、いかんせん大味かつステレオ・タイプな嫌いがございますゆえ、やや突っ込んでサイケと併せて “ガレージ・サウンド” も聴かれたいと思われますお客様がいらっしゃいましたら、是非こちらの4枚組CD-BOXセットをばお買い求めいただきますのがよろしいかと。

 

その名はこれなん“Nuggets!”(注1)。米国はRHINO社よりロング・セラーとなっておりますこちら “Nuggets!” は、現在は改められましたものの同社HPにおけます宣伝コピーがまたふるっておりまして、

 

彼らはビートルズになりたかった。また別の彼らはローリング・ストーンズになりたかった……。

だが、それは叶わなかった

 

という、思いやり指数マイナス25はあろうかという、正鵠を射りますにショット・ガンを用いましたかのような手加減なき切り口で始まる解説が、いわゆるギャング英語(注2)にて書き綴られております次第。

 

たしかに上記2バンドのようにワールド・ワイドな成功には縁がございませんでした連中ばかりを収めてはございますが、されどなべてが “どマイナー” というお話でもございませんで、お聴きいただけますれば1枚に2〜3曲は記憶の片隅に印されてございます楽曲はかならず見つかりますはず。

 

吾が輩もこちらに手解きをば受けまして、気に入りましたバンドのアルバムに手を伸ばしたのでございますが、何しろ輸入盤でございますゆえ店頭での売値にはご注意を。吾が輩は渋谷のレコファンさんにて購入いたしました故、たしか7,000円代で済みましたが、某二大有名ショップでは倍とまではいきませぬものの、レートの関係かはたまた中間マージンか、とにかく“シャレでは済みませぬ”差額が生じますのでございますゾ。

 

して、こちら “Nuggets!” から知り得ましたバンドの中で、吾が輩がもっともサイケを体現しておりますものと愚考しておりますのがこちら “The Seeds”。ジャケットに並びますこのランバー・ジャック(木こり)然としましたやたらとムサい連中の、全体どの部分から斯様な歌詞や曲のインスピレーションが湧いて出るのかがまず不思議ではございますが、楽曲のセンスは文句なしに当代随一!アルバムの一枚々々がコンセプチュアル・アルバムのような造りとなっておりまして、同じフレーズが他の曲にて異なる組み込まれ方で使われておりましたりとナカナカ面白うございますゾ。

 

お次は “Strawberry Alarm Oclock” あたりがよろしいですかナ。こちらは曲ばかりではなく歌詞もまんまサイケ一色でございますが、どちらかと申しますればコミューン生活を体現されております “ヒッピー” 御用達のスピリチュアル・ソングといった趣がございますかと。全体にソフトな曲感はイージー・リスニングにも適しておりましょう。こちらはかの 『ザ・シンプソンズ』 にて、家長ホーマーがエコライフにかぶれた回に自然食品を製造・販売しているとある団体の厄介になるのでございますが、製品を売りに行く際にカー・ステレオで流れましたのが彼らの代表曲、“Incense & Peppermints” でございました次第。

 

また、忘れてはいけませんのが “ガレージ系” バンドの面々。特におススメいたしますのは “The Sonics” をおいて他にございませぬかと。こちら “Nuggets!” に3曲も収められておりますくらいでございますゆえ、あるいは結構当時は有名だったのでございましょうか――とは申しますものの、初期の作品でございますからか演奏もヴォーカルも粗削りなところが何とも申せませぬくらいグー

 

粗削りと申しますよりかは、『みんな、本当は仲が悪いのでございますかナ?』 と勘繰ってしまいすくらい、せっかくの演奏がまるで計算したが如く見事に噛み合っていないのでございますワイ。シャウトも声の伸びもいまひとつハジけ切れてませんヴォーカルを、あたかも譜面を追いますのが精一杯と言わんばかりに “心ここにあらず” なバックの演奏に載せ、さらにそちらに 『ブブブカ、バババカ』 とシーケンサーの反復処理じみた事務的なサックスが、転校初日の子供よろしくうろうろと居心地悪そうに響きますその様は、『こちらはよくレコード会社と契約が叶いましたナァ!』 と嘆息しきり。

 

まぁ洋の東西を問わず、レコードのプレスそのものはどんなシロートさんでも、頼めばたいてい引き受けてはいただけるものでございますが、プロモートはまた別のお話。大々的なキャンペーンやイヴェントなどを開いてもらえますのは、会社のメガネに適いましたひと握りの幸運児。それ以外の大多数くはかけ出しの演歌歌手よろしく、おのれの足で全国をまわり、自らの手で一枚々々売って歩きますのが相場。現在のインターネットのように利便性の高い広域情報網などございませんから、遠からず彼らもバンド・ワゴンをば駆りまして、地道に米国全土を演奏旅行をなされていらっしゃったのでございましょう……と、こちらは飽くまで憶測なのがまことに恐縮ではございますが(笑)。

 

それでも、当時のアルバムがCDにて現在でも入手の叶いますこちら “TheSonics”。今様の言葉で申しますれば 『ヘタウマ』 路線の連中ではございますが、そんな彼らでもアルバムの枚数を重ねていきますれば嫌でも上手くなりますもので、何とは無しに 『Sonics の Sonics たるが所以』(注3) を失われてしまいましたようでガッカリ感が募りますから不思議。

 

 

ちなみにこちら “Nuggets!”。英国をメインに同じ時代に活動しておりました世界各国のバンドを集めました“U” もございまして、本邦からはかの “The Mops” が収録されております次第。ただ、前作のような精神的な高揚感や浮遊感にはおそろしく縁遠く、『なるほど、サイケが英国で試行錯誤のうえ独自解釈&発展を遂げてプログレが生まれた 事実がうなずけます内容(注4)。まぁ忌憚なく申さば 『けっこう退屈』 ですので、とくに手を伸ばされませんでもよろしいかと。

 

 

 

 

 

 

 

注1:金塊の意。内容の充実ぶりから考えますればまさに “言い得て妙”

注2:英国人が米英語を貶めた言い方。

注3:それも非道い言いぐさか(笑)

注4:ドラッグに対する規制も監視も厳しい英国では、アメリカのようには “サイケ”な感覚を簡単に体験できなかったので。

 

 

 

 

おいおい、そっちじゃないぜ!

 

 

2005.07.08 (C)Mephistopheles von Münchhausen

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