ほらふきだんしゃくてきぐこーろく

可聴周波数域で限られていない分、逆にCDよりクオリティが高い??

 

2007年04月13日

 

さて、『 アナログ回帰 』 の巻

(指定BGM: 泯比沙子&クリナメン / 肉体の天使 )

 

 

先日渋谷に足を運びました折り、TSUTAYAさんのレンタルCDコーナーは “ろ” の棚をばチラリとのぞいてみますれば、そちらにはなんと “DJロマンポルシェのNEW WAVE愚連隊2 邦楽篇” が!

 

実はこちらのCDは、吾が輩が昨年末に自らしたためましたるリクエスト……いわゆる のリクエスト』(注1) にて、TSUTAYAさんに不承々々リストに加えていただきましたお品。吾が輩もちろん小躍りしましてレジに列びましたのは申し上げますまでもございませんが、リクエストいたしました吾が輩が存じ上げませんうちに(注2)すでに何名かのお客様たちにレンタルされました形跡に、そこはかとございませんTSUTAYAさんサイドの 『こんなキワ物CD、入れても回転率が悪いんだよ!』 ――だからありがたがりやがれ感を禁じ得ませんでしたワイ。

 

マァ根拠なき被害妄想はサテ措きまして、『リクエストには100応えます!』 と申しますレンタル屋仁義を果たしてくださいましたTSUTAYAさんにはマジ感謝いたしますとともに、海より深きリスペクトならびにローソン(注3)脱退後もTポイントを愛顧させていただきます次第。

 


 

して、肝心のCDの内容曲でございますが、洋楽篇に比しますれば“佳作揃い”に留まりましたきらいは否めませぬナァ――そんな中でも意外に正統派な造りとなっておりました黒木香女史のシングル曲 『時からの誕生』 や、『やはり本邦にもおられましたか!』 と唸らざるを得ませんでした英国はバウハウスのフォロアー(と思われます)マダム・エドワルダの 『PRINCESS RETA』。

 

さらにはニューウエーブならずとも80年代の“顔”としましても外すことはできませぬ、吾が輩脳内ランキングにては越路吹雪女史とならびます比類なき歌姫、戸川純女史の 『さよならを教えて』。また、当時から楽曲もメディア・パフォーマンスも常に最先端を疾走されておりました立花ハジメ氏の 『REPLICANT J.B.Remix Edit Version』 をはじめとしまして、自主制作サイドからは “インディーズ” なる言葉のオーソリティ、元ナゴム・レコード主催のクラ ケラ(リーノ・サンドロビッチ)大槻モヨコ(現ケンヂ)のユニット、空手バカボンを皮切りに、当時からご尊名だけは存じ上げておりましたphew女史、そして今愚考録の指定BGMとさせていただいております泯比沙子&クリナメンをフィーチャー。

 

 

正直申し上げまして、今回の収穫はこちら泯比沙子&クリナメンと邂逅できましたことに尽きますと断じましても過言ではございませんほど他の楽曲がショボい もとい泯比沙子女史の歌唱にシ〜ビレちゃったシ〜ビレちゃった(以下略)のでございますワイ。

 

先のphew女史とも併せて申し上げられますのは、80年代におけます戸川純女史の登場はセカンド・インパクト並に凄かったという事実をひしひしと感じずにはおられませぬコト。歌唱法ばかりではなしにステージ・パフォーマンス、果てはメディアへの露出の手法まで、まさに 『はぐれミュージシャン戸川派』 と言わんばかりでございますことは、もうことさらに申し上げますまでもございますまい。

 

ただ本家の戸川女史は女優でもございますので、曲調や歌詞の世界観に合わせましての歌い分けはじつに千差万別。よってスポイルされます部分も、フォロアーそれぞれで感じられましたシンパシィによりましてしぜん多面的にならざるを得ません。そちらに各個人のスタンスが加わりますことでどうにかオリジナリティが醸し出されますのでございますが、されど泯女史がメディアに扱われだしました辺りから付けられましたニックネームとはこれなん、『博多の戸川純』 にございましたことは、彼女の音楽活動にいかなるプラスあるいはマイナスをもたらしましたものでございましょうか……と申しますか、ヒネりなさ過ぎ!。

 

当時のご様子はやはり当時購入いたしておりました雑誌記事からのちほど採取するとしまして、当の泯女史のその歌声とはこれいかに……収録曲 『肉体の天使』 とは、題名のみですと何やらインワイな響きがございますが、曲調そのものは結構メリハリの効きましたキャッチーなポップ・ミュージック。歌詞の大意は無くし物をした主人公を慰める、という他愛のございませんお話ではございますが、どうやら作詞・作曲はかの原マスミ氏のご様子。ですので吾が輩の心の琴線をジミ・ヘンドリックス氏ばり(注4)に掻き鳴らされましたのは申し上げますまでもございませんが、何にも増しまして泯女史の歌いっぷりが “まぼろしの右” よろしく吾が輩のあごを獲らえ、灰白色の脳みそをばほどよくシェイクしてくださいましたのでございますワイ。

 

舌っ足らずな幼い発声と、やや知性の及びませぬ観のございます稚拙な歌い方は、

『ああ、“肉体の天使”とは、“人と触れ合えます身体を持った天使” ないしは “天使のような無垢な心を備えた子供” の意なのでございますナ』

と、歌詞の世界をイメージさせますに十二分の力量を備えていらっしゃいますのでございます。

 

 

吾が輩こちらの楽曲を拝聴いたしましたのが帰宅途中の電車の中でございまして、そのこの世の穢れを知りませんような澄んだ声色にはマジ人目を憚りませず弩泣(注5)いたしそうになりまして、こちら激情の感涙を押し止めますには吾が左腿に肥後守(注6)をば突き立て、さらに粗塩を揉み込みませねばなりませんでしたほど。こうして、またぞろ激勉中の東大通のような顔にて落涙を堪えておりますところへ、サビ部分の

 

泣かな〜いで〜ぇェ〜

 

……オヤ失敬。こちらのダンディズム溢れます低音は舘ひろし氏でございますナ。泯女史は、

『泣か〜ない〜で〜。泣〜か〜い〜で〜(注7)

 

と、純情無垢な声色で訴えて参りますので、その哀切極まりませぬ叙情に却って涙を誘われずにはおられませず、まさに 『辛抱たまらん!』 状態にございます次第……ああ、こちらの感情には一切の下劣なる衝動は介在いたしませず、言うなれば、

 

『吾が家名と誉れにかけて!この少女を全身全霊をもって護りぬかん!!』

 

という騎士道的博愛精神の発露以外の何物でもございませんことは明言させていただきましょう(注8)

 

 

ただいかんせん付属の解説には歌詞まで転記されておりません事と、歌詞そのものが相手と自分の性別や関係、ないしは二人いるのかそれとも独白なのかが明確にされておりませんため、戸川女史同様解釈が如何様にも取れてしまいますのがちと心残りなところ。

 


 

ネットで検索いたしますれば、泯比沙子&クリナメンはシングル(いわゆるドーナツ盤!)数枚とアルバム一枚(のちにCD化)を発表されまして、90年代半ばに解散。現在女史は新バンドを率いて音楽活動を継続されていらっしゃるご様子で、くだんの “肉体の天使” はキャプテン・レコードから発表されました30aシングル。それもピクチャー・レコードと申しますからなんともゴージャスなお話にございますワイ。

 

ためしにヤフオクにて検索してみますれば、かの殺害塩化ビニールの名物バンド“猛毒”でさえも未だにまばらにしか出品されませぬのに、かのピクチャー・レコードとCDはそれぞれ2枚ずつございますのを発見。今回の眼目はレコードですので、とりあえずCDはスルーいたしましてレコードを比較してみますと、一方は1,800円からの開始となりまして 『よっ、もう一声!』 というところでございますが、片や、

私の思い出と一緒に大切にしていただけますお方にお譲りします』

なる口上とともに9,980開始というスットコドッコイ価格(注9)でしたのでこちらはとーぜんガン無視――とは申しましても、いかなる思い出でございましょうとも、買い手がつきませなんだらまさしくこの思い出、価値なし もといプライスレスにございましょうに……。

 

 

されど吾が輩さほど乗り気ではございませず、お値打ち価格のほうにも入札いたしませずにその日は泯女史の活動履歴をウェブ上に生いますに留めました次第。なにより吾が家には蓄音機はございましてもレコード・プレイヤーがございませず、かつ実家もベルトが断裂しまして久しいという有様。とてもで再生はおろかディジタル録音もカセット・テープにも落とせませんのでございます。果たして吾が輩、泯女史の30aシングルと一緒に他人の思い出 もといレコード・プレイヤーまで購入いたしますのかませぬのか……さあ、どうする?(注10)

 

 

 

注1:新手の“いやがらせ”。

注2:せめてメールにてお知らせが入りましてもよろしゅうございましょうに……。

注3:裏切り者!!

注4:原マスミ氏じゃないの??

注5:(C)吾が輩。

注6:鉛筆削りに愛用。

注7:違いの判る男なればよく判る比較例。

注8:だったら最初からそう書けよ。

注9:付録として当時のライブチラシが数枚。吾が輩相場で2,000円

注10:今回は読み切り企画にございます。

 

 

 

 

おいおい、そっちじゃないぜ!

 

 

2007.04.13 (C)Mephistopheles von Münchhausen

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