ほらふきだんしゃくてきぐこーろく

割れたLPはアロンアルファで修正できても、CDの反射膜は直せませぬワイ。※

 

2007年04月28日

 

さて、『 ディジタル回帰 』 の巻

(指定BGM:  ジョージ・ハリスン / オ・ラ・イ・ナ・エ )

 

 

さ るにても、今回吾が輩が用意いたしましたアナログ盤の面々。ドーナツ盤はともかくもLPもさほど厳に保管しておりました訳ではございませんでしたが、そ れでいて意外と盤の反りや歪みもございませんでしたのはまず見上げましたもの。こちらに比しましてきちんとラックに収納しておりましても、時の過ぎゆくまま〜に〜反射膜の確実な劣化が免れませんCDの “現代っ子” ぶりを思うにつけまして、『テクノロジーとはなんぞや?』 と、宇宙戦艦ヤマト真田技師長よろしく疑念を抱かざるを得ませんでしたワイ。

 

昨年中にかのタモリ倶楽部にて、現在国内唯一という触れ込みのアナログ盤製造工場直結の録音スタジオ
(注1)を訪われました際、CD音源の効果音を別途アナログ盤にプレスして聴き比べてみましたところ、臨場感や音の奥行きならびに広がりが断然異なって聴こえますのだとか。

『不可聴周波数域とは言うけど、たぶんそこで倍音みたいな作用が働いているんじゃないか』

とは、森田一義氏の憶測でございますが、けだし当たらずとも遠からじではございませんかと。

 

――そのような音響効果を期待しつつ、吾が輩がまず針を落としてみましたのは、肝心の泯比沙子&クリナメン 『LOVE&WAR』 でございますが、まず “LOVE SIDE” 一曲目の 『肉体の天使』 は音圧がCD (NEWWAVE愚連隊2) に比べますとやや低めで、音も鮮明感に欠けますのは致し方ございませんが、意外でしたのは曲全体の印象そのものよりも部分々々の展開にて耳に入って参ります楽器の印象がCDとは異なります点。

『CDではギターが強うございましたのに、EPではベースが前に出ておりますナ』

という感じにございますワイ。
二曲目の 『HAGOROMO』 も原マスミ氏によります作詞・作曲になりまして、『肉〜』 ほどの強烈なインパクトはございませなんだがマァ佳作かと。

 

して、“WAR SIDE” の 『LIKE A ALIEN』 『I LOVE WAR』 はクリナメンのオリジナル・プロデュースとなりますが、ちょいドイツのバンド、“アインシュテルツェンデ・ノイバウテン” を感じさせますアヴァンギャルドな楽曲。泯女史は終始シャウトされておりますが、そちらからは戸川純女史のエピゴーネンと申しますよりは、英国のクラス・レコード系女性アーティストを彷彿とさせられました次第。


やはり 『博多の戸川純』 はメディアの貼付けました近視眼的なレッテルのようでございますが、マスコミの無責任さは大東亜戦争以前からの分別なき扇動記事にも
(注2)明白でございますゆえ、いま殊更に申し上げますこともございますまい。


と は申しましても、楽曲としてのクオリティはやはり原マスミ氏のセンスには遠く及びませず、パンクスでした昔でしたらいざ知らず今後しばらくは “LOVE SIDE” がへヴィー・ローテーションとなります事でございましょう……幾つかのサイトでも、『昔はWAR SIDEばっかり聴いてたけど』  というお話は多うございましたナァ。やはり若き感性に訴えかけます鋭角的な刺激を内包しておりますことの証左ということでございましょうか。





ちなみにこちら 『肉体の天使』。“NEW WAVE愚連隊2” 選者のロマン優光氏はリアル当時ならびに当コンピレーション・CDにクレジットされますにあたりまして、如何なる感慨とご面相をもちまして耳にされておられましたのてございましょうや――結構おセンチになられてたりして。
 

ち なみに泯比沙子&クリナメンのCD  『猿の宝石』  も後日落札いたしましたのでございますが、こちらは全編がいわゆる当時の“元気印”っぽい楽曲と歌唱にまとめられておりまして、ぶっちゃけ  『可もございませず不可もございませず 』 といった凡庸なアルバムとなっておるのでございますが、逆にそれ故にイージー・リスニングには持ってこいな感じでもございますワイ。
 

マァ 『聴いてみたら意外にダークな歌詞が多くて愚耳もションボリ』 でした、“天井裏から愛をこめて”のイメージにすっかりダマされましたアンジーよりはずっと素直に拝聴できましょう。

 
サテそんな泯女史一味。吾が家の “ロワイヤル・天袋 アーカイブ” から当時のインディーズ系雑誌を引っ張り出してみますれば、コンタクト・レンズのパンフレット大のとてもで雑誌とは思えませぬ小冊子が。その名を “IN’s (インズ)と申しまして、あの時分はメジャー・デビュー直後の有頂天が特集されておりましたのを目当てに購入いたしました次第。
 

フロント・マンのケラ氏のロング・インタビューに始まりましてCoCo もとい個々のメンバーのインタビューから構成人員の変遷や活動履歴
(注3)、さらにはナゴム・レコードそのものを網羅されましたディスコグラフィーが掲載されておりますという、まるで幕ノ内弁当にうまい棒全種類パックが付きましたようなヒジョ〜に豪華!(注4)内容。そんな中に、

『たしか“きどりっこ”のインタビューもございましたよナァ』

 と、いくつか他の連中の記事も載っておりました記憶を頼りにページをめくりますと……なんとそこにはマサコさん もとい泯比沙子&クリナメンのインタビュー記事が。
 

吾が輩こちらの邂逅にただなりませぬめぐり合わせ感を禁じ得ませず、
 
『もしかしますれば、泯女史こそ吾が輩の運命の女性!?……されど年上なご様子ですのでパス(注5)
 
と、 取り敢えず気持ちを落ち着けまして記事に目を通してみますれば、どうやらくだんの “LOVE&WAR” 発表直後らしくメディアの扱いに戸惑われいらっ しゃるのが如実に見て取れました次第。またEPのコンセプトとしまして、『愛と戦争それぞれが孕んでいるエネルギーを表現したかった』 そうなのでございますが、サテその成否はいかがなものでございましょうや。





また、他に今回用意いたしましたアルバム&ドーナツ盤でございますが、舘ひろし氏小林麻美女史は吾が輩の養叔母からいただきました当初より、さほど保管に気を 配っておりませんでしたためか盤面に疵も少なくなく、再生にもやノイズが目立ちますが、音質的には申し分ございませぬ状態にございました次第。


舘氏のエロティックかつダンディズム溢れます歌唱法に つきましては殊更に申し上げますまでもございませんが、小林麻美女史はあらためて拝聴いたしますればそれほどお歌はお上手ではございませず、やはり原曲の 素晴らしさと元歌詞の 『AWAY』 の部分を切ない吐息に換えました演出が効を奏したものと思われますナ。


有頂天の 『心の旅』 は  『LOVE&WAR』 と同じキャプテン・レコードからのリリースになりまして、かのチューリップの名曲をパンキッシュなアレンジにて歌い上げまして、有頂天の名を一躍全国区に拡げました作品。やや 他のアナログ盤よりも音量が少ないのが録音していて (波形にも出るので) 如実に判りましたが、B面の 『カイカイデー』 は平均的な波長でしたのを愚考いたし ますと、音量抑えめの理由には何らかの意図がございますのでしょうか。


故・ジョージ・ハリスン氏の 『オ・ラ・イ・ナ・エ(ドリーム・アウェイ)』  は、氏の肝煎りにてテリー・ギリアム氏を監督に迎えて制作されました映画 『バンディットQ』 のエンディング・テーマ。公開は角川映画第一回アニメ作品 『幻 魔大戦』 との併映となりまして、吾が輩は 『幻魔〜』 の金田伊巧氏の手腕によります流麗見事な“溶岩龍”の攻撃シーンとともに、英国製歴史オムニバス・ファンタ ジーを堪能いたしましたもの。こちらのEPも掛値なしに一日は拝聴いたしておりましたほどのへヴィー・ローテーションとなりまして、吾が輩をのちの洋楽フリー クへ導きます良い手引き書となりました一枚と申せましょう。


また、前回リストに載せ忘れました一枚がございまして、こちらは坂本龍一氏のソロ・シングル。“Stepp
in’ to Asia”。当時坂本氏のオリジナル・レーベルとして知られておりました MIDI からリリースされましたピクチャー・EP――こうしてみますと、先の泯女史と併せて考えますれば、よほどあの時期は絵入りレコードが流行っていた、という事実の証左ではございますまいか。

 
ただこちらのEP、坂本氏の “いくらか修正されましたナ” 観の強うございます凛々しきご尊顔をサンドウィッチされましたからか、購買当時は盤が少々プレス方向にふくらんでおりました
、ファンには複雑な感情を抱かせますお品ではございましたが、20年を経ました今日ではすっかり平面に平されておりましたのが不思議(笑)。

 


 
一方のアルバムのほうでは DEVO
(注6)の 1st、2nd がございますが、こちらが針を落としまして仰天のノイズの少なさとクオリティ高きサウンドを再現できまして、その音の広がり様と響く様は正直気味が悪いくらいで、吾が輩をしまして、


『ワーナー・パイオニア・レコードは振動性ディジタル録音技術(注7)を開発されておりましたのか?』


と シャポーを脱がざるを得ませんほど。まさに、


『ワーナーのォォォ、技術力はァァ、世界一ィィィ!』


にございますが、いま聴き直しましても奇抜な楽曲の数々に はあらためて感心させられますとともに、その追随者 “ポリシックス” のヒネりも遊びゴコロも本家に及びませんチャチな模倣っぷりに呆れ返る次第にございま すワイ。



また、高橋幸宏氏の 『Once A Fool』 は YMO散解後に発表されましたいわゆる “歌謡曲” な作りのアルバムでございますが、それぞれの歌詞から察 しまするに対象年齢とおぼしき層は20代以降とされておりますご様子
(注8)と、“心優しく清らかなオトナの恋愛” という、柴門ふみ女史の真逆ベクトルをいきますようなコンセプトが気に入っ ておりましたワイ。


――されどこの後に続きます、氏の“かわいいおじさん” 路線の皮切りでもございますところが要注意なアルバムでもございます。このあ との12インチ・シングル 『Stay Close』 は元ジャパンのメンバーにしてリーダーのデヴィッド・シルヴィアン氏の実弟でもございますスティーヴ・ジャンセン氏との共作で、ノリもメロ ディーもよろしい出来ではございましたが、そのまた次のアルバム 『Only When I Laugh』 はかなりヒドく、

『やられた!あいつスリだったか!』

的な印象の作品でござい ましたワイ。


先の 『Once 〜 』 は “哀しみに独り堪える男” や “彼女の気持ちを汲んで身を引く男” など共感できます部分は多々ございましたが、 『Only 〜』 ではそちらを電子顕微鏡的な極端過ぎます拡大ぶりで展開されておりますのがかなり イタ”く、その惰弱さ加減にはかの伊集院光氏でございま しょうとも、


『お前そんなんじゃ死んでも童貞だ!もちろん来世もね!』


と吐き捨てんばかりのドワイト・アイゼンハワー  もといアウトぶり。さらに以後の高橋氏の活動たるや推して知るべし……吾が輩が完全に氏を見限りましたことは申し上げますまでもございますまい。







こ れらすべてをMP3ファイルに変換いたしますのは以前の“テープ音源ディジタル保存大作戦”のプロセスとまったく同じにございますが、今回はWAVE取り込み時に 44,100khz、MP3圧縮時にそれぞれ192kbp(メディア・プレイヤー用、320kbps(デスクトップ用)を作成いたしましたゾ!


マァMP3まで行き着きますれば、あとはファイルの使い勝手ならびにサイズの問題からWAVEファイルは用済みと相成りますのでございますが、まとめて削除いたします直前にふと気付きましたのが、


『このファイルがございますれば、吾が輩オリジナルのCDが焼けますナァ』


という事実。


こちらを 『いけない!ルナ先生』 風フローチャートで未来予測してみますれば、


特製CDを焼く

たいていの車の中で聴ける

助手席のあのコもうっとり

めでたく結婚

子供ができて何かと入り用

教育費が家計を圧迫し、徐々にワーキング・プアに



というシビアな現実を 垣間見ることが叶いますが、ノイズの入りますCDと申しますのも全体いかがなものか……と申しますより、ハードコア・パンクのCDなどには  『どんなマスターから起こしてんでございますんだよ!』 というソーゼツなお品がケッコウございますし――ただ、DEVO の1stと2nd を一枚のCDに組み合わせますのにお客様がたも異存はございませんでしょうが、幸宏氏の 『Once 〜』 と 『
Cada Dia 〜』 をカップリングさせますのも、サテいかがなものでございましょう。



……そんなこんなで結局廻りまわりまして“ディジタル・メディア”に戻ってしまいましたが、マァ所詮は、


『手軽であればよかろう、なのだァッ!』


こちらの一言に尽きましょう。

 

 

 

注1:逆でしたかナ?

注2:どうやら “部数を上げるため“ のみに勇ましい記事をある事ない事掲載していたという、ナチスの “宣伝省” よりもタチが悪いお話。

注3:対バンも記載!

注4:当然財津一郎氏風に。

注5:年上はけっこうな美人さんでもなぜかダメ。

注6:吾が輩をテクノ少年からパンクスにシフトさせました張本人。

注7:なにそれ。

注8:『仕事を終えたぼくたちは』 『素晴らしき幻想』 『泣きたい気持ち』 がオススメ!

 

※:CMで使われてましたのはおそらくSP盤。

 

 

 

 

おいおい、そっちじゃないぜ!

 

 

2007.04.28 (C)Mephistopheles von Münchhausen

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