ほらふきだんしゃくてきぐこーろく

もはや“赤ちゃん”と申さば、昨今では中学生私生児 出産の話ばっか。

 

2007年11月02日

 

さて、『 嗚呼、人情動画(後) の巻

(指定BGM: ママス&パパス / カリフォルニア・ドリーム )

 

 


――さてオリジナル版 『おそ松くん』  放映時と昨今では、世の中の有り様にさまざまな違いがございましょうというもの……ひじや膝にパッチの当てた衣服しかり、携帯電話しかり、ヨイトマケしか り、援助交際しかり――そんな中、いまの時代にはまず見られなくなりましたお話がございましたので、吾が輩こちらに画像をばキャプチャして掲載させていただ き、Web再録をばいたしたく存じ上げます次第。タイトルとはこれなん、『チビ太の子守唄』
 

 

かの“探偵!ナイトスクープ”の所長、西田敏行氏なればもはやこの時点でハンケチをばご用意されますでございましょう “泣かせる”お話が予感させますが、サテそのストーリーとは……。


ある朝おそ松くんが玄関に牛乳を取りに出ますと、あからさまに不審な動作をしておりますチビ太を発見します。

 

チビ太、現行犯では言い逃れも出来ますまい。

こうなりますと、他の兄弟を呼び付けてフクロにいたしますのが定番の展開ではございますが、この日のチビ太はひと味違います。まんまと六つ子を返り討ちにし、『坊やよ、パパは強かった』 と、謎めいた一言を残して去っていきます。

   

 

その後チビ太は乳母車の赤ちゃんからガラガラをちょろまかし、意気揚々と歩いておりますところへ登場いたしますはイヤミ氏。からかい半分にステッキで足を払いますと、転んだ拍子にガラガラはドブ中に。

 

 

 

 

 


 イヤミ氏、ちょいとシャレになりませんでしたナ。

 

 

『弁償しろ!』 と、もの凄い剣幕で怒りますチビ太にたじたじとなりますイヤミ氏は、機嫌を取ろうと 『おでんのほうがいいザンスよ』 と提案しますもチビ太は 『弁償しろ!』 の一点張り。

 

イ:『不思議なこともあるもんザンスねぇ…(台詞ママ)』

 

本当にガラガラで機嫌を直したチビ太を不審がるイヤミ氏がその跡をつけますと……なるヘソ(注1)、チビ太は捨て子を独力で育てる決心をしていたという訳でございますナ。

 

 

 

 

 

 

 

 

事の真相を知ったイヤミ氏。独り広場の真ん中でもの思いに耽ります。

 

 (イヤミ氏、ココロのボス 独白)

 『チビ太は捨て子の面倒をみてたザンスね。感心ザンス〜。 』

 

 

 

 


 

こちらのシーンを拝見いたしまして、『イヤミ氏、何だかカッコいいなぁ』 と思っておりましたら、今回はイヤミ氏もひと味違いました。この直後にチビ太を探しに来た六つ子に知らぬ存ぜぬを通し、町に戻りましたイヤミ氏はクスリ屋さん、洋服屋さんをまわり、昔の漫画ならではの大きな包みを抱えてチビ太のもとへやって来ます。

 

 

折しも赤ちゃんはお腹がすいて泣き叫んでおりますが、やんぬるかなチビ太にはミルクを買うお金が当然ございません。『この先大丈夫?』 と思わずブルーになりそうな展開ではございますが、そこへあらわれましたイヤミ氏。

 

『この厳しい世の中で捨て子を育てるなんておバカざんす!(台詞ママ)』

 

 





『うるさいやい!坊やはオイラが育てるんだい!(台詞ママ)

 

 
 

イ:『またからかいに来るザンス(台詞ママ)
チ:『もう来るなよ!
(台詞ママ)

そりゃごもっとも。
 

 

 

 

 『まったく、イヤミの奴!あっ!!(台詞ママ)

 

――とか何とか、さんざ憎まれ口をたたき、イヤミ氏は去っていきます。怒り心頭のチビ太がハタ と気付きますれば、なんと足元には粉ミルクの缶哺乳瓶が。 

 

チ:『イヤミの奴、いい物忘れてったぞ!(台詞ママ)

なぜか左から読みづらいミルク缶

 

 

 

 

 

 

そんなチビ太の言葉に、外で聞き耳を立てておりますイヤミ氏はいい笑顔

 

 

――して、赤ちゃんが満腹しますれば、後に来ますのはおねむの時間。されど急ごしらえのムシロの蒲団(注2)しかございません……チビ太、愛だけじゃ子供は育ちませぬぞ!

 

チ:『坊やごめんよ。これで我慢してくれよ(台詞ママ)』

―― 嗚呼、愛は貧困に打ち克てるのでございましょうか。
吾が輩には、ジョージ秋山氏著 『アシュラ
』 のワン・シーンが脳裏をよぎりますワイ。

 

 

 

 

 

 

そこへまたも顔を出したイヤミ氏。やはりひとくさりイヤミを言い、さっさと出て行ってしまいます。すると今度は、着用中の腕時計をバレずに掏摸(スリ)ますことよりも各段に難しいと思われます高等忘れ物テクニックにて、ベビー寝具一式という大物をまんまと置いていきますイヤミ氏。そのうえさらに心にくい事には、

 

『ウヒョヒョ、忘れたお蒲団を取りにきたザンス。あらこのお蒲団ヨダレがついてるザンスね。ミーはヨダレのついたお蒲団は使わないザンスよ(台詞ママ)』

 

 

 

 

 

 

 

と、持って帰ろうとしません。ここまで来ますればチビ太もイヤミ氏の真意を理解し愕然といたします。

 

チ:『イヤミさん、ホントはわざと忘れていってくれてんだね(台詞ママ)』

そちらにしましてもチビ太オドロキ過ぎ。

 

 

 

 

イヤミ氏、もっとオドロキ過ぎ。 


 

図星を突かれましたイヤミ氏。その驚きようは昨今のアニメではついぞ拝見いたしますことも少なくなりました、黎明期のアニメならではの初歩的な もといお子様がたも大喜びの画期的な手法でどハデに表現されております次第――されどイヤミ氏。それほどまでにビックリされましたのなら、ここ一番こそ 『シェー!』 ではございますまいか?『シェー!』 では?

 

――マァともかくも、何はともあれ 照れ隠しにまたぞろ悪態をつきつつあばら家をあとにしますイヤミ氏。

 
『まったく憎ったらしいガキざんす。歩行器置いていくから後で取りに来るザンス(台詞ママ)』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『だが、それがいい!!』

 

こちらは戦国時代きっての“傾き者”として名を馳せられております 『花の慶次』 こと前田慶次郎氏も、遠からずお気に入りの金ギセルをくゆらせて莞爾と笑まれるでございましょう、『イヤミ氏、天晴な男伊達ぶり』 にございますワイ。

 

 

――こうして、イヤミ氏は鼻唄まじりで帰っていき、チビ太は当座の生活用具が揃いましてひと安心というところ……のはずでしたが……アレ

 

デカパン巡査、警察手帳ではなくて定期券みたいでございますワイ。もしやIDカード?

 

しばらくしますと、今度はデカパン巡査を連れて現れましたイヤミ氏。そしておっしゃいますには、『赤ちゃんは警察に預けたほうが安心ザンスよ』 と、いまさらながらのオトナの正論をぶち撒けやがります――えっ、なにそのマッチポンプ(注2)?それでは今までの“足長おじさん”ぶりは何でございましたの?

 

……と、『イヤミ氏、東証197の男伊達ぶり』 の急落にチトがっかり。

 

もちろん強固な意志を頑として揺るがせにしませんチビ太にほうほうの態で追い返され、交番にて事後策を練りますイヤミ氏&デカパン巡査。

 

← 判りやすく薄幸なお母様。
でも今どきの親なら捨てるよりも折檻死??

 

 

 

 

 

 

 

そこへ赤ちゃんのお母様が出頭してきまして、再度チビ太のあばら家を訪います。 もちろんチビ太もお母様も、『返して』『返さない』 の押し問答を繰り返すばかりでラチがあきません。ここで演出に富野由悠季御大が噛んでおられましたら、チビ太に 『じゃあどうして捨てたりなんかしたんだよ!』 などといたずらに叫ばせまして、ちょいディープな展開に持っていきそうではございますが、本編ではそちらはナシ。

 

それでもそれなりに深刻な状況には違いませず、チビ太を探し当てました六つ子も仕返しどころではございませぬ雰囲気に。ここで “大岡裁き” よろしく赤ちゃんを両側から引っ張り合い、引きちぎれた時点でより多く身がついていた方が勝ち……などということもございませんで、歩行器に乗せました赤ちゃん自身にどちらかを選ばせましょうというストレートな方法に結果を委ねます。


←六つ子も雰囲気に飲まれまして、なんだかしんみり

 

 

 

 

 

→ やはり生みの親には敵いませぬ……としておきませぬと、話が収拾いたしませぬしナ。

 

 ……して、赤ちゃんがどちらに向かいましたかは、画像も載せましたことでございますし吾が輩が申し上げますまでもございませんが、ラストに独りぼっちで涙にくれますチビ太を見たおそ松くん曰く、

『これからはチビ太をいじめるのは止そうぜ』

と、褒めてあげてよろしいのだかよろしくないのだかビミョーな提案をなされます。これまでカジュアルに――伊集院光氏的な言い回しなれば “スナック感覚で” いじめを行っておりましたのを露呈させております発言ではございますが、取り敢えず赤ちゃん扱いでチビ太を可愛がりますというオチにてめでたしめでたし、にございますワイ。

 


 

――して、こちらは資料映像としてのオマケにございますワイ。直後のエンディングからキャプチャいたしましたが、守衛さんや密航者は出て参りませんので、キャスト的には 『チビ太のマドロス』 の回のご様子。

 

 

さるにても、おそ松くん役の加藤みどり女史をはじめと致しまして絢爛豪華、今となりましてはヴェテラン揃いの声優陣でございますナ。もはや吾が輩の年齢よりも長い芸歴ということになりますが、それでも当時は皆様もまだ若かりし頃にございましょう。おとうさん役の八奈見氏はそれなりにおとうさん々々しておりますが、最初のうちは結構ボヤッキー声でございましたナ。ちなみにしばらく後で他の声優さんに変わります。

 

ちなみに、十四巻以降はアニメーションとしましてのクオリティの変遷が気になりますところでございますが、残念ながら続きはまたいずこかで仕入れませぬ限り未詳にございますワイ。 とは言え、旧帝都高速度交通営団はよく利用させていただいてはおりますものの、旧国鉄はさほど利用いたしませぬ吾が輩。この先いずこかの駅にて続巻にまみえましてを入手が叶いましたら、マァまずは奇跡というものでございましょう。

 

――今回の追記としましては、じつはこれら本文をまずしたためましたのは今年の一月中旬になりまして、その後七月に秋葉原にて夕立に遭い、傘を差そうと軒を借りようとしましただけに立ち寄りましたヒロセDVD BANKさんにてこちら 『おそ松くん』 の第一巻ならびに第二巻と邂逅と相成りました次第。もちろん即購入して帰宅しましたことは申し上げますまでもございますまい。

   

これにてどうにかツー・クール放送分が揃ったわけでございますが、十四巻とそれ以降はヒロセDVD BANKさんにも置いてございませんでしたので、この先後続巻をいずこで入手できますかは、神のみぞご存じ褌頭巾 となりましょうかナァ……。

 

 

注1:昭和30年代表現

注2:こんなのおフトンじゃない……。

注3:盛り上げますだけ盛り上げておいて勝手に話を終わらせてしまう輩(造語)。

 

 

 

 

おいおい、そっちじゃないぜ!

 

 

2007.11.02 (C)Mephistopheles von Münchhausen

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