ほらふきだんしゃくてきぐこーろく

いわゆる ”踊る阿○に観る○呆” ?

 

2009年04月30日

 

さ て『どっちもどっち!?』 の巻

(指定BGM: 猛毒 / 別所

 

 

さてその昔 ―― かれこれ40年ほど前にまで遡りますお話でまことに恐縮でございますが、いずこかの即席麺メーカーさんのコマーシャルにて、『ボク食べるヒト、キミ作るヒト』 なるコピーが使用されておりました事は、弊愚考録をご覧いただかれておりますご賢明なるお客様は必ずやご記憶されておりますことと(注1)存じ上げます次第にございます。


当キャッチ・コピーは当時まだ幼少時の吾が輩が憶えております
(注2)くらいにございますので、かなり人唇に膾炙したものと愚考いたしますが、その後こちらの設定におけます位置関係が “差別的” でございますと思い込みの激しい御仁がクレームを付け、しばらく後に取り止めになりましたとかというよもやま話も耳にしてございますワイ。


―― ともあれ斯様な糜爛なお話はサテ措きまして、昨今はなにやら “新”エヴァンゲリオンの劇場版第二弾におけます情報が小出しにされ、ファンはいかさま喜んでおりますのか嘆息しておりますのやら、依然見当が付きかねます今日このごろ。


前シリーズの劇場版最終作品にてあれだけ明確なネガティヴ・メッセージをすべての支持者になすり付けて憚られませんでした庵野監督のコトでございますから、いずれダークな意図でもって製作に臨まれておられましょう事は安易に想像を結びますのに難くはございませぬ …… ですが、もし吾が輩のこのように邪な妄想が正しいと仮定させていただけますれば、庵野監督の面影とと重なります人物がひとり存在するのでございます。


その御仁のお名前こそ、ジョニー・ロットン ―― さよう、かの “ジョニー・ライデンってどんなキャラだよ?” の彼ではなくて現ジョン・ライドン氏、元Public Image Ltd.(通称PiL)の主要メンバーにして現行Sex Pistols のヴォーカリストでもございます彼にございますワイ。


こちらにて今更ピストルズにつきましてくだくだしい説明はいたしませぬが、連中が再結成されましたのが確か彼奴(きゃつ)らのお膝元、英国の故・ダイアナ元皇太子妃が事故死
(注3)されました前後と記憶しております。こちらにつきましては全世界ツアー前のインタビューにて、ライドン氏が彼女を指しまして “もう一人のメンバー” と皮肉られておりましたのを鮮明に憶えておりますのでまずは間違いがないと申し上げられましょう。


そ の “ピストルズ再結成” におけます国内外のパンクス、ないしはパンク愛好者の反応は明確に二極化し、一方は 『やった!まさかこの目で “本物の” ピストルズが観れるなんて』 と、故・シド・ヴィシャス氏があの世に召されまして久しいのにお目出度くも手放しで喜びます連中と、片や 『いまさらなにが再結成だ!』 と厳しい批判と拒絶を表明する連中とにまさしく見目鮮やかに色分けされたものでございますワイ。





再結成 “享受派” は、兎にも角にもあの伝説のオリジナル・パンク・バンドの生ライヴが観られるだけでも感動モノと、なるほど10代はパンクスを以て自負しておりました吾が輩にも判りませぬでもございませぬ理由が挙がっておりましたが、他方 “反対派” はいくらオリジナルでももはや中年太り+ビールっ腹の締まりのございませんオッサン連中が、文字通り老醜を恥ずかしげもなく晒しながら、自ら築いた “伝説” を世界中叩き壊してまわりますことに耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶことが叶わなかった様子にございます。


とくに色付きモヒカンに定番の鋲付きライダースを着込みますほどコアなパンクスなればそれだけ思い入れの傾向が強く、またライドン氏の 『再結成のきっかけは?』 の問いに対します 『もちろんカネだよ!』 というあけすけな回答が現役パンクスらを刺激し、『あいつらは終わった!』、『あいつらは自分たちが築いた伝説を忘れたのか?』 などと唾を吐きかけんばかりの糾弾の声を上げて止まなかったものでございます。


―― そちらで結局それぞれが観に参られましたのかどうかは吾が輩の存じ上げますところではございませぬが、では吾が輩自身の当時の感想は、と問われますれば、いずれかと申さば “反対派” に近いのではございましょうが、マァ有り体に申さば “中核 中立派” にございましょう。


こちらは吾が輩べつに答えをはぐらかして申しております訳ではございませず、正直に申し上げますところ 『相変わらずだなぁ』 とおくびが出ますほど連中のアクの強さを得心いたしますとともに、逆に 『パンクスも幻想を抱くもんなんだナァ』 と、“ピストルズ伝説” に微塵の輝きを失わせたくない若きパンクスらを愛おしく感じたものにございます。


されど、皆様お考えをいま少し一歩進めていただけますれば、中年ピストルズが行おうとしておりました …… そして現在に至りますまで続けられております “濡れ手に粟” の興行は、彼らが活動を始めた当初の’70年半ば当時にやらかしておりましたコトと
寸分違いません“愉快犯” 的行動ではございますまいか。


『もちろんカネだよ!』  というライドン氏のお返事も照れ隠しや諧謔ではなく、素直な彼らの本音であり、また彼ら一流の “挑発” であったことは疑いようもございますまい。そして彼らがかつて既存の大物アーティストたちと、その栄誉と名声を向こうにまわして毒舌と嘲罵のかぎりを尽く しましたように、そんな自分らの過去の悪行と併せて現役パンクスが神だ伝説だと崇めている己らを道化にし、かつそんな小遣い稼ぎ程度の三文芝居を大枚はた いてまで馬鹿面さげてわざわざ観劇に来ている酔狂な客を嘲弄するのも、とくにライドン氏ならたくらみかねない事だと思われますワイ。


いずれ 『ボク観に行かないヒト、キミ観に行くヒト』 ということでそれぞれが判断して愉しむなり見限るなりすれば収まりがつきましたお話でございますが、以上のように吾が輩はいかさまライドン氏の底知れませぬヒトの悪さには舌を巻きますばかりにございました次第。


そ のピストルズも、再結成以後は結構な頻度にて夏フェスに来日していらっしゃるとかいらっしゃらないとか耳にしておりますが、その姿が現在の庵野監督に重な る、という訳にございます。もともと存在したキャラクターの名前が変わったり、新規に考案されたキャラクターを如何様にご使用なされますかは、神のみぞご 存じと申しますよりやはり庵野監督の胸中いかばかりかと想像を逞しくなされます他はございませぬが、どのみち監督が意図されておりますことと、劇場に足を 運びます観客に注がれます視線の温度は、ライドン氏のそれと変わりませんように考えて仕方がございませんのは、ハテ吾が輩のみでございましょうか……?

 

 

 

注1:根拠なき断言。

注2:あるいは “懐かしのCM特集” 的なバラエティ番組で拝見したのでございましょうか

注3:このあたりの真偽はさいとうたかを氏の 『ゴルゴ13』 にても扱われておりましたナ。 


 

おいお い、そっちじゃないぜ!

 

 

2009.04.30 (C)Mephistopheles von Münchhausen

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