ほらふきだんしゃくてきぐこーろく

なんのかんのでお手軽な娯楽の王様。

 

2009年06月21日

 

さ て『 漫画事情昨今 』 の巻

(指定BGM: 猛毒 / ポタコール

 

 

さて、フランス行きの航空券も予約し、そのための米語学習(注1)にさらに熱が入ろうと申します昨今の吾が輩。現在は毎日の発音練習と併せまして、テキストに故・トーベ・ヤンソン女史の名作、『ムーミン』 シリーズの英訳本を使用しております次第。ロケンローラー風に申さば “英語 or Die な日々を過ごしておりますほらふき男爵めにございます ―― 決して 『ムウミイン!』 のほうではございませんのでご注意をば。


ヤンソン女史はフィンランドご出身のアーティストでございますゆえ、母国語はもちろんフィンランド語にございます。そのためでございますものか、あるいは版権でもめましたものか、シリーズ第一巻、“ムーミン谷の大洪水” のみ英訳版はフィンランド国内のみで発売されておりますと申します変則的なラインナップとなっておりまして、仕方なしに第二巻 “ムーミン谷の彗星” から読み始めておりますワイ。


昨 今の英英辞典にはPCへのインストール用CD−ROM、ないしは最新版でしたらDVD−ROMが付いておりまして、こちらの辞書ソフトは単語検索の簡便さ は申し上げますまでもございませず、英米いずれの発音を拝聴できましたり、文法学習の手引きやそのほか多彩な機能が搭載されておりまして、かなり贅沢な造 り。先の発音練習の甲斐もございましてか、今では単語の 字面 もといスペルでおおよその発音が予想できますまでになり、確認しました単語が辞書の発音と一致いたしました際には、

『この調子なら、現地でも 食い詰め者の イタリア移民か ヒスパニック系 の不法労働者 並みにはしゃべれますカモ』


などとほくそ笑んでおります次第。あるいはいずれビジネス会話まで話術の水準を上げて、海外支社勤務もよろしいかもしれませぬナァ …… もはや本邦の政治や経済には望みは持てませぬし。なによりも真木よう子女史の電撃できちゃった婚は “つうこんのいちげきをうけた!” にございましたワイ ―― マァ海外支社と申しましてもヨーロッパだけではございませぬから、南米や中国でございますと治安的にやはりキビシイですし。危険ついでにいっそフランス外人部隊にでも入隊いたしましょうか。ベルナドット氏みたいに。



ちなみにヒアリングには米国MBCのネット・ニュースを常時流しっぱなしにしておりますが、発音の基礎の自覚とある程度の語彙を蓄積すべく猶予をおきましたうえでの開始より三ヶ月を経ましょうと申します現在でもやはり聞き取りは難しく、マァ話半分と申しますレヴェルにございましょう。されどアナウンサー諸氏のしゃべり口調よりも稀に放送されます一般人のインタヴューのほうが聞き易かったりいたします場合がございます事を鑑みますと、あちらのアナウンサーにはそれぞれ個性を
強調した独特の話術がございますやもしれませぬ …… 無論、映画などはまだまだチンプカンプンでございますワイ。





そんな文字通り “小林克也のアメリ缶” な毎日でございますが、それでもやはりサイオニクス戦士・ベガ同 様いささかの休息が必要でございますのは申し上げますまでもございませず、久方ぶりに漫画に目を通してみました次第にございます。こなた尾張は以前お話いたしました通り車が無い と何かにつけ不便な土地ではございますが、意外にも漫画喫茶・ネットカフェには事欠きませんので、インドアな娯楽はお手軽なのでございますワイ …… 革パンを
置いてございますジーンズ屋/衣料品店は一店たりともございませんでしたが。



このところご無沙汰でしたのが、田丸浩史氏の 『ラブやん』 と氷川へきる氏の  『ぱにぽに』 の10巻とそちら以降。それぞれ拝読いたしましたが、やっぱり面白うございましたワイ。ずいぶん前にいずれも “ダレてきている” みたいな妄言を吐い てしまいまして、まさしく汗顔の至りにございました次第。お二方とも、誠に申し訳ございませんでした ―― さるにても、主人公/カズフサ氏ももう30代に突入されたのでございますナ。本邦のの将来は、一体 どうなるのでございましょう ―― やはり吾が輩、さよならニッポンいたしませねばなりませのでございましょうか?斯様な輩は、現在ではゴマンじゃ済みませぬくらいの数で存在するのですからナァ
(注2)……。


あと、某ジョーク・グッズのシリコン(でございましょうかナ?)とは、その素材って鍋で煮て溶かし、再利用することが可能なのでございますか ―― って申しますか筒の内部の柔突起構造は、どのような仕組みで再生できますのやら、ヒデヒコ氏?
(注3)



一 方の 『ぱにぽに』  も、やはりはユルさが売りなのは相変わらずでございますが、あれだけ無闇やたらと登場人物をつくり、かつその相関関係さえも忘れておられませぬと申します のは結構驚異。あの “箱庭的狭窄化環境”“伏線はおろか推理の予断” すら含ませず、まるでいちばん最初のドラクエより稚劣な一方通行ストーリーにてボロ儲けしてけつかられました 『DEATH NOTE』
(注4)が、氷川氏にかかればどんだけ話が膨らませれるかと愚考いたしまして止みませんでしたワイ。


愚 考と申さば、板垣恵介氏のBAKIシリーズの最終章、“範馬刃牙” もかなり …… 彼がカマキリを相手にイメージ格闘され始められましたあたりから、吾が輩の目が白黒いたしますどころか単行本の紙面そのものがポケモンショック級の明滅をしてしまう事しばしでございましたが、“塩漬けの原人” だの “マッハ 拳” だの出されてしまいますと、さすがに吾が輩も ―― 板垣氏は格闘漫画界の辻正信
(注5)となられますのか、あるいは故・アルバート・アインシュタイン博士となられますのか、そちらは吾 が輩ではなく、後世の格闘家たちが決める事なのかもしれませぬナ。


マァ、好意的に考えますれば板垣氏も中島徳弘先生以来 の “アストロ魂(ガッツ) を所持されていらっしゃいますからこその、かの壮大かつ無限の想像力を画筆により具現されましたとも申せましょう。現在の板垣氏に光子力エンジンの開発をご依頼 いたしましたら、基礎理論と設計図の青写真くらいなんとかひねり出してくれそうな気がいたしますワイ。





ついでなので久保帯人氏の 『BLEACH』  もなんのかんので拝読してはおりますが、戦闘シーンのマッチポンプとシーソーゲームが読んでおりまして辛いです。切ないです。あと、『この市丸ギンとは違う関西弁のおかっぱ男ってどなたでしたっけ?』 と、 登場人物が多いうえに因果関係が複雑になり すぎて、もはや話が進んでおります感じが致しませぬ。


もちろん戦闘シーンのインフレーションは週刊少年ジャンプ一流の悪癖の賜物で ございますことは申し上 げますまでもございませんが、主人公の一護が何のために戦い、強くなっていくその必然性が希薄になりつつありますのが非常に危険だと愚考いたします。もは やたまに織り込まれますギャグのみが救いで、脇役などの 『実はこんな過去があった』 的な豹変も食傷しておりますし、正直、『久保氏の新しい漫画が読みとうございます』 と申しますところが吾が輩の素直な意見にございますワイ。


もはやキリ の好いところで思い切って三巻分くらいラブコメにシフトしますとか、あるいは一護に内在しますもうひとつの “顔” との葛藤にのみ焦点を当ててみますとか、それこそカラーページで最終回を迎えさせ、新作を展開させるなどの英断がございませぬと、あれだけ面白 うございました『BLEACH』 自体が見る見る“虚(ホロウ)”化していきますだけの展開は、もう読んでおりまして忍びないと申しますより、『そんな安易な仕事でよろしいのでしたら、いずこかの編集プロダクションに丸投 げ
(注6)しちまいなされませい!』 と、週刊少年ジャンプ編集部の愚直極まりませぬ “ヒット作方程式”への依存が許せないのでございますワイ。


久保氏のもう一つの名作、 『ZOMBIEPOWDER』 のブッタ斬り連載終了も非道いものがございましたが、折角の作者の個性と創意を活かす気がさらさらもございませんのでしたら、いっそ原作者と作画担当まで分業を広げて雑誌そのものを一大プロダクション化してしまえばよろしい様にも思えてきます吾が輩。


この様子でしたら、往年のとりいかずよし氏の 『トイレット博士』 や江口寿史氏の 『ストップ!ひばりくん』 なども、長期連載を見越しまして対立対抗戦形式に持って行きかねませぬと申し上げましても過言ではございますまい。こうした編集部の極端な傾向に果敢にも作中で
(注7)苦言を呈されておられましたのが、“土佐の暴れん坊” こと徳弘正也氏の 『新・ジャングルの王者ターちゃん』 でございましたが、その都度いろいろなエピソードを織り込んで行かざるを得ませんでしたため、結果ターちゃんの生い立ちは謎のままに終わってしまいましたナァ。


どのみち週刊少年ジャンプ掲載作品は、短くても長くても待ちかまえておりますのは
突然死のみというがその運命(さだめ)のようでございますナ。



ともあれ気を取り直しまして、ようよう十年目にして10巻を最終巻に迎え、完結を果たされました平野耕太氏の 『HELSING』。吾が輩はてっきりアーカード氏の圧倒的強さをこれでもか、これでもかと観せつけてラストに向かうものかと考えておりましたらさにあ らず。良くも悪くも肩透かしを食らわせ、“理” でもってお話を締めくくりましたのは、けだし平野氏におけますこの作品への“情熱” よりも、“こだわり” のほうが数段上まわっておられましたからこその終結だったのだと思われますワイ。平野氏もあちらで本望でございましたでしょうし、これまでの漫画家家業の いい 『ひと区切り』 になったのではございませぬかと存じ上げます次第にございますワイ。


次回作はいま少し舞台設定にミリタリー色を強めていただきたい
(注8)ものでございますが、『以下略』 みたいな色合いが強くなっていくのでございますかナァ ……。


ちなみに現在の英語テキストにございます 『ムーミンパパの自叙伝』 には、どうやら柴田ヨクサル氏のお名前の根源と思われますヨクサル(Joxter)
(注9)が 登場しております。その柴田ヨクサル氏のTVドラマにもなりました作品、『ハチワンダイバー』 も 『エアマスター』  に引き続き拝読しておりますが、その作中に登場されます女性受け師 ―― さよう、よく表紙になっておりますメイド姿の彼女のでございますが、彼女を作中では “ポッチャリキューティー” と表されておりますが、あれだけのヴォリュームがございますれば、さすがのムチムチ好みの吾が輩にも デーブ大久保 −大久保=” にしか拝見できませぬワイ。あれでは次の日どれだけ左肩が痛むか もとい、マァ人の好みはそれぞれでございますゆえ、吾が輩がどうこう申せます筋ではございますまい。


そのヨクサル氏。デビュー作の 『谷仮面』
(注10)の劇中にて、 “シズナマスク” と申しますオタク少女・笠原静菜嬢お手製の格闘スーツが登場するのでございますが、最終巻近くのおまけマンガにて、『誰かどこかの会場でコスプレしてくれないかナァ』  的なメッセージを発せられておられましたが、吾が輩が存じます限りでは邂逅いたしました記憶はございませぬ次第。気になりついでに昨日6月20日に Cureにて検索しておりましたが …… その結果は私の口からはとてもで申し上げますことが叶いませぬワイ。コスプレと着ぐるみは意味合いが異なってきますから、レイヤーさんの食指も伸びにくか ろう事は想像に難くございませぬ。


さるにても、『HELLSING』 も 『鋼の錬金術師』 も、知識量ばかりではなしに構成力と申しますか説得力と申しますか、とにかく “絵が上手” なだけでは事足りませぬクオリティまで上昇しておりますニッポンの “漫画” 文化。お国が税金をかけてまで保護育成に努められますのは如何なものかと存じますが、一方で人気作家のお一人と思っておりましたら、さほどの収益にはなら ずに台所事情がよろしくなく、利益率を上げるべくネットに掲載して作家活動を模索されます方もいらっしゃいますのも現状。いずれは単行本も無くなってケー タイで拝見いたしますようになりますのかしらん?


そんなところに、『大魔法峠』 や 『機動戦士ガンダムさん』 シリーズなどでご存じの大和田秀樹氏の最新刊が発刊されましたとかで、氏とゆかりがございます出版社がこぞって販促キャンペーンを開始しております旨が単行本の帯に記されておりましたが、このような例がたしか 『ユーベルブラッド』 の塩野干支郎次氏の時も同様に日独伊三国同盟的な販促をなさっておられましたように記憶しております次第。


不 況という名詞ももはや珍しくもございません昨今、そのうちで出版界もかなりの冷え込みぶりと拝聴しておりますので、もはや各出版社間で競争するよりは減益 と共闘していく方向へ転換を図っておられますものと存じ上げますが、一方では漫画家諸氏が握れますイニシアティヴの比率が高まり、仕事の展開を容易にして いけます明るい兆しとも拝見できそうに愚考いたしますが、サテいかが。



作 品のネット販売および電子化は出版におけます中間諸経費の削減が望めますので、作者への収益増加のみならず、読者への安価な供給を実現できますが、他方読 みますための場所と条件が制限されますので、理容店や食堂など、不特定多数の顧客を相手としております商店などのニーズを満たせなくなります嫌いもござい ます。いずれ漫画家諸氏の収入源を単行本の印税と考えますれば、直接販売の方が利があると思われますが
(注11)、いかんせん単行本のような “収得感” とでも申しますか、全巻コンプリート時に得られますような一種の “征服欲” にも似ました満足感が無くなりますのは、物理的に存在し得ませぬ電子文書では致し方ございますまい。


では締め括りといたしまして、吾が輩が近年もっとも 『こいつァ凄い!』 とつくづく感じ入りまして憚りませんのが、先にも弊愚考録でも取り上げました、吉崎観音氏の 『ケロロ軍曹』 にございます。なにが凄いと申しましてお客様、かの漫画は対象年齢こそティーンエイジャーの様でございますが、単行本の巻末の広告を拝見いたしますれば、幼児向け雑誌や絵本、知育トイなどが目白押しでございますゾ。漫画のネタはそれこそ吾らが40歳前後の 『ルチャマスター世代』 直撃のガンダムやエヴァなどあまたのサブカルチャーのパロディに彩られておりますので、いち読者としてそして親としての財布の紐も弛みましょうと言うものでございます。いわんや 『孫がそんなに大好きなのなら……』 と、ご祖父母の財布をや、にございますワイ。


つまり、およそ殆どの世代を向こうにまわして収益を上げておりますと申します、『いったいどれほどの預貯金がございますのやら』 という驚異的な事実がここにございますのでございますワイ。往年のカール・マルクス氏がご存命でしたら、人目も憚らずに地べたに転がってだだを捏ねかねませぬブルジョアジーっぷりにございますことは想像に難くございませぬナァ。



…… そんなこんなで休憩もおしまいにございます。さて米語学習の再開にございますが、ムーミンシリーズはなべて執筆時期が50年以上前となりまして、文体的にいささか古めかしい節がございますので、先日 “ザ・シンプソンズ”のペーパーバック版コミックをアマゾンに注文したのですが、以降ウンともスンとも言ってきませぬナァ。そういや 『HELSING』 の英訳版って日本で手にはいるのかしらん? ちょいと検索してみましょうか …… ああ、でもかの作品の独特の言い回し ―― いわゆる “平野節” は英訳そのものが難しそうでございますから、まったく別の内容に意訳されておりますカモ!?


 

 

 

注1:義妹曰く 『パリならたいてい通じる』 そうでございますが ……。

注2:わざわざ大学院にまで通い、そのままニートになった輩が一万人もおりますのって本当でございますか!?

注3:かなり初期に、カズフサ氏が内部構造をナイス・テイストに魔改造した話がございましたような

注4:ジャンプ読者層には適度な “なぞなぞ” でしたという事にございましょうか。

注5:敬称なんか付けるかバーカ

注6:あるいは丸投げ “だからこそ” ?

注7:単行本カバー折り込み部分のコメントにもございましたが。

注8:石原莞爾大佐登場キボンヌ。

注9:ミムラ姉さんと契ってスナフキンが生まれましたご様子。

注10:谷仮面やエアマスターにて時折顔を出します、氏の周囲への絶対的な孤独感と拒絶感、断絶感の根源は計り知れないものがございますナ。

注11:インターネットが普及してまだ間もございませぬ頃、かの坂本龍一氏も 『ネット販売がもっともアーティストとファンのニーズに適った方法だ』 と語られておりましたワイ。


 

おいお い、そっちじゃないぜ!

 

 

2009.06.21 (C)Mephistopheles von Münchhausen

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