ほらふきだんしゃくてきぐこーろく

民族の主権がどれだけ大切か、こちらの映画を観てよぅくお考えあれ!

 

2010年01月23日

 

『 まぼろしの名画発掘 』

(指定BGM:映画 『The 25th Hours』 / メインテーマ

 

 

最近毒ばかり吐きまして、本来のエンターテインメント魂をおろそかにしておりました吾が輩。今回は初心に立ち返りまして、先日少しくご紹介いたしました eBay にて入手いたしましたDVDにつきましてお話を進めさせていただきますワイ。


その題名こそはかの名優、故アンソニー・クィン氏主演によります 『25時』 にございます。


こちらの作品は現在は20世紀フォックス社傘下となっておりますMGMこと メトロ・ゴールデン・マイヤー社制作となりまして、1963年に公開されております。当作品を吾が輩がはじめて拝見いたしましたのは …… おそらくは15年くらい前のお話になると思われますワイ。


―― 遅い牛乳風呂を使いまして体を拭いておりましたある夜、点けっ放しにしておりましたテレヴィジョンではなにやら古めかしい映画が流れておりましたのでござ います。最初のうちは歯を磨きましたり就寝の用意をいたしましたりと、とくに気にも留めずにいたのでございますが、するうちに劇中にて食堂に置かれました ラジオから恐ろしげな怒鳴り声が流れ出します。

『すわ戦争ものか!』

と、遠からずそのお声が故アドルフ・ヒトラー総統の演説にございましょうことに俄然興味を引かれました吾が輩はテレヴィジョンの前にソファを戻し、さっそくポテチの封をば開けたのでございます
(注1)





はたして吾が輩の予感は的中いたしまして、次なるシーンは村を占領しに参りましたドイツ軍の行進に切り替わり、役場にはルーマニア国旗ならぬハーケン・クロイツがはためきます。


ここでお話を簡単に整理しますと、舞台はルーマニア国内のとある素朴な村で、クィン氏は楽天的で人のよい農夫・ヨハンを演じられます。妻役の女優さんもどうやら有名人らしいのですが、申し訳なくも吾が輩は彼女のほかの代表作をば検索してみたのでございますが、いずれも拝見した憶えのございませぬ作品ばかりでございました次第。


さらにDVDに従いまして作品を最初から順序だてて解説いたしますと、まずヨハンの産まれたばかりの第二子が教会で洗礼を受ける場面から始まり、そこにヨハンの弟が駆けつけます。そこから彼の家で祝宴が催さ れ、弟は船乗りになり、アメリカヘ行くと告げます。宴には小説家の先生
(注2)と、村の憲兵隊長も顔を出し、その休憩中にヒトラー総統の演説が流れてくる、と相成るわけでございます。


ドイツ軍の占領後、ヨハンの妻に横恋慕している憲兵隊長は彼ら夫婦の仲を文字どおり裂くために、ヨハンがユダヤ人であると嘘の密告をします。そのためヨハンは村のユダヤ人いとしの マックスと一緒に連行されますも、彼は移送途中で運河開削の土木人夫として選り分けられ、マックスとは別れ別れになります。


現 場を監督しているのはドイツ軍ではなくルーマニア軍の兵隊で、扱いはもちろん悪いですが家族への手紙だけは受け付けます ―― もちろん、受け取ったそばから手紙はゴミ箱行きではございますが。一方の残された妻は憲兵隊長の姦計を見抜き、夫が戻るまで必ず家を守ると宣言し、猟銃まで持ち出して隊長をいっかな寄せ付けません。


し かしルーマニアにもユダヤ人の私有財産没収の法が敷かれ、このままではヨハンを待つ家すら取り上げられてしまいますので、妻は身を切る思いで離婚届を提出 します。その一方で街に出て役所に夫にかけられた誣告を訴え、身柄の拘束を解くよう願い出るのでございますが、当のお役人は熱心に訴えを書き留めるふりをしながらも、手元の紙に 花の絵を落書きしていると申します不実さ加減。


また、過酷な就労状況下に耐えかねたユダヤ人の一人 ―― かつて連行途中でヨハンが鞄を持ってあげた ―― に脱出を誘われた彼は、ほか二人を加えました計四人でキャンプの隊長を
買収し、その彼が運転するトラックで国境を越え、ハンガリーはブダペストに逃れます。





当地のユダヤ人の家に匿われたヨハンは、貧困のため職を求めて移住してきたギリシャ人のメイドと知り合います。そして特にギリシャのメイドとはロマンスに花咲かせることございませず、『アメリカに逃げよう』 と言うユダヤ人の誘いを蹴ってルーマニアに帰るべく駅で別れます。しかしその直後にヨハンは職務質問にあい、もちろんパスポートなど持ち合わせておりませぬ彼はそのまま入国管理局の局員に逮捕(!?)されます。


捕まったヨハンはスパイ行為を疑われ、殴る蹴るの特別高等警察なみの拷問を受けますが、あくまで身の潔白と不正を行いに来たのではない旨しかしゃべりませぬ。元よりこれまで彼が辿りました経緯を話しましたところで、役人たちに頭から信じてもらえるはずはございませぬ。


それでも入獄は免じられました代わりに、“ハンガリー人労働者” としてドイツ国内に送り込まれます。その列車中で


「お前、どこから来た?」


と、かなり風変わりな民族衣装をまとった男にヨハンは出自を尋ねられらます。


ヨハンの生まれが判るとその男は 『やはり』 と目の色を変えてまわりの男たちの出身を尋ねます。それぞれが口々に答えるのはいずれもハンガリー国外の民族でした。すると急に列車が止まり、『花を摘んで窓を飾れ!』 と護衛の兵士から命令が下ります。その列車の窓の下には “ドイツへの友情
のための労働協力者”(注3)と書かれており、彼らは先のハンガリー役人が 『同胞の被害は少ないほうが良い』 として偽装手続きをして送り込んだ、まさしく “犠牲(いけにえ)” だったのです。


ドイツ国内の収容所で、ベレー帽に白黒の横ストライプのシャツと申します、これ以上なく判りやすいステレオ・タイプなフランス人の同僚(!?)と 働くようになりましたヨハン。ある日 『私語をするな!』 と監督員に怒鳴り散らされている姿が、視察に来たナチス親衛隊の将校の目に留まります。将校はヨハンの頬の高さや眉間の幅などを、おのれの拳をタテヨコに 駆使した奇妙な方法で測ると、『彼は我々の仲間だ!』 と言って工場から連れ去ります。


佐官級の将校が集まった会議室にて、くだんの将校は写真サンプルや鼻の形
(注4)を証左とし、ヨハンを 『アーリアの系譜に連なる英雄族 として紹介し、反駁する将校をも論破してヨハンを戦時英雄に仕立て上げ、ポスターやら戦時情報誌“ジグナル” のやらせ写真のモデルに使い、彼自身は親衛隊の初年兵(襟章に星がない)に任じられ、収容所の衛兵として使われます。


そのうちに戦争はドイツの敗色が濃くなり、ヨハンの故郷ルーマニアはソヴィエト赤軍に解放されます。15年前にテレヴィジョンで拝見した際には “解放” でしたと記憶しておりましたが、英語では “INVADED” つまり “侵略” されたと書かれておりました次第 ―― マァ実際はソヴィェトの衛星国にされてしまったのでございますから侵略には間違いございませぬが、こうもあからさまに表現が違いますと、いかにテレヴィジョン屋が左寄りでございますかが目に見えて判りますナ。


と もあれ赤軍の到来とともに憲兵隊長を見舞いましたのは、ユダヤ人であるが故に連行されていったマックスです。「俺の顔を覚えていたようだな。今度はこっち の番だ!」  というような事を言いつつ隊長を警察署裏に連れて行くシーンから転じまして、米軍の空襲が激しくなりましたドイツでは、囚人の移送を行ないます。ヨハンは 相変わらず初年兵扱いの護衛ですが、空襲の激しい道路から避難するためにヨハンと囚人らは茂みに隠れます。


囚人らはそのまま逃げ ようとしますが、射殺の危険があるためか、あるいはヨハンの顔を立てたのか取り敢えずトラックに戻りますが、空爆のなか荷台に乗るのに手間取る囚人らを脱走と誤認 した別の護衛兵がMP−38を構えたため、ヨハンは反射的にシュマイザーをぶっ放って殺してしまいます。結局なりゆき上トラックをジャックし、ヨハンらは米 軍の前線司令部に逃げ込みます。


フランス人の同僚は 「こいつも仲間だ。本物のドイツ兵じゃない」 とヨハンを囲む米兵に口添えしますが、やはり二人は別々の方向へ連れて行かれます。数々のポスターや雑誌のグラビアが仇となり、ヨハンは戦時協力者として戦犯の扱いを受け、裁判にもかけられます。そして逃げ出したもとの収容所にまた送り込まれ、そこであの小説家の先生と再会します。


先 生は思想犯として捕らえられており、ちなみにこの映画の題名 『25時』 は、冒頭のパーテイーでヨハンらに告げた、脱稿したての彼の新作のタイトルから来ています。確か 『人生の不可解さを織り込んだ …… 』 という様なことをおっしゃっていたように記憶しております。


その先生は進展しない裁判と犯罪者扱いの境遇に甘んじることができず、抗議文を手に収容所の安全地帯を越え鉄条網まで近づきます。監視塔からあがる止まれの声を無視して進む先生を機関銃が見舞い、抗議文を天に差し伸べる姿で小説家の先生は息絶えます。


その後ようやくにしてヨハンのもとに彼の消息を尋ねる妻からの身分証明と無実をしたためた訴状が届き、晴れてヨハンは残酷な運命にもてあそばれた善良なる一市民である旨をあきらかにされ、放免となります ―― が、その訴状には彼女自身がたどりました容易ならざる日々の生活の様子も書き添えられており、弁護人に読み上げられますおのれの妻に降りかかりました労苦に、ヨハンは一縷の涙を流す以外になす術はございませなんだ。


満州国侵攻時も、さらにはアフガニスタン侵攻時も同様でございましたが、露助
(注5がやって来てまず何をするかと申しますれば女性には強姦男性には並べて戦車で轢殺(注6)いつの世におきましてもデフォルトのご様子。ヨハンの妻も例に漏れず赤軍兵士の毒牙にかかり、父親の判りませぬ男子を一児孕まされたのでございます。


そ の後、ドイツのいかにも片田舎の駅で、ヨハンら夫婦と親子、そして無垢な笑顔の戦争の申し子が落ち合います。さしもの陽気で人のよいヨハンも何を言ってい いか、またお互いに何から話していいかなど思いつくはずも無く、言葉少なにとりあえず明日からの生活へともに踏み出そうと告げ、駅を去ろうとします。


そこへ別の有名人だか誰か、何やら特ダネを聞きつけたものの一足違いで撮り逃した様子の新聞記者が、ふとホームの片隅にさびしげに立つ一家に目を止めます。そうしてやおら、『おや、あなたは裁判で無罪になったヨハンさんですね!』 と、ジャーナリスト特有の馴れ馴れしさと厚かましさで声をかけますと、『こりゃあ感動の家族の対面だ!記念に写真を撮らなきゃ』 と気乗りしないヨハンー家を強引に並ばせます。


この横柄極まりませぬ無礼ぶりに、苦笑いで接せずにはおられませぬヨハンー家。そんな家族の複雑な背景など知る由もなくと申しますかまったく空気を読む気すらごさいませぬ記者はお構いなしに 『さあ、笑って!』 などと無理な注文を押し付けます。


いかな気のよいヨハンすらも、この状況下では愛想笑いすらできますまい。それどころか記者の不躾を非難してもまず至当でございましょう。ですがやはり彼は強いられるままに笑顔をつくり、この上っ面だけの報道写真に応えてあげます。それに対し記者はさらに図に乗り、『もっと笑って!』『心の底から!』『弾けるような!』 などとフラッシュを焚きつつ鬼畜の要求をヨハンに突きつけます。


そしてフラッシュが繰り返されますごとに驚愕、そして恐怖をあらわに両腕を翳してそれを避けだしたヨハンの姿でエンドを迎えますラスト・シーンは、鮮烈かつ切なさで身を切られる思いでいっぱいにございました次第。





まさしく平和ボケ極まりませぬ民主党員・議員ならびに小銭に目が眩んで彼奴らへ票を投じました低能邦人どもに見せてやりたい反戦名作映画なのでございますが、吾が輩の記億では記者に乞われてどうにか笑顔を取り繕ったヨハンのアップが白黒写真に転じて終劇だとばかり思っておりましたのが、斯様に暴力的なラストでございましたのには正直ショックを禁じえませんでしたワイ。


ときに、こちらのDVDはじつはアメリカ本国ではリリースされておりませず、現在版権はスペインのメーカーが所持されておりますご様子。そのためパッケージもスペイン語となっておりますし、もちろん字幕もスペイン語のみのガチンコ・英語ヒアリング仕様となっております。


いかに吾が輩の米語力が上がりましたかを物語らせていただきますようなお話ではございますが、実際視聴中に聞き取れましたのは全体の三分の一ほどで、あとは殆どが初見当時の記憶でカバーと申しますから、いかにこちらの映画の印象が、かの 『ピンク・フラミンゴ』 ばりに強烈でしたかをも他方で物語っておりますナァ。


と は申しましても、いかにアンソニー・クィン氏が国際的名優でございましょうとも、氏のご出身はメキシコでございますのとあの独特のしゃがれ声でございま す。セリフが聞き取りにくくてもマァ致し方ございますまい。また、ともすればエスニック風味あふれます氏の独特の風貌には、どのくらいドイツ軍の制服が似合 いませんかは想像に難くはございませぬかと(笑)。こちらもお亡くなりになられました故チャールズ・ブロンソン氏のソヴィエト赤軍高級将校服姿とまこといい勝負にございましょう。


さるにても、ワン・シーンすら余さず記憶しておりましたこちらの名画、ある程度リマスターは施されておりましたが、なにゆえに現MGMの大手株主にございます20世紀フォックス社からアメリカ国内版が販売されませぬのかが不思議。


ちなみに細かいところでシリアスな空気を弛めますための小さなギャグが鏤められておりますのでございますが、テーマの重さを考えますとその軽薄さにかなりイラッさせられますのが珠に暇と申せましょう。例を挙げますとおなじ囚人同士であったフランス人と、親衛隊の初年兵に立場が変わりましたヨハンが収容所の窓越しに会話し、


『ほら見てくれ、おれ雑誌の表紙に載ったんだぜ!』


と面白げにジグナル誌を取り出すシーンは、
先の妻の哀訴を平気な顔で聞き流しますルーマニアのお役人のシーンともども笑ってよろしいものかどうか、正直判別がつきませぬワイ。



して、このたび当DVDを購入いたしましたサイトはこちらにございます。こちらの販売メーカーは先進国中もっとも活力に欠けますともっぱら評判の悪いスペイン共和国にしましては、注文からおよそ10日ほどで到着いたしましたのでオススメでございますワイ。お値段も内容に比しまして決して損はいたしませぬものと吾が輩が太鼓判を押してもようございますクオリティでございますので、ご興味が湧かれましたならば皆さま是非ご覧いただけますよう …… 

  

 

 

注1:だから太るんだよ。

注2:氏名未詳。劇中ずっと “Auther,Auther (先生、先生)” と読んでいましたはず ―― まさかArther ではないと思いますが。

注3:意訳

注4:各民族ごとにアタッチメントが分類されておりましたワイ

注5:もともとはロシア語におけます “ルースキー” に漢字を直接当てたのが始まり。もちろん “支那” もおなじ

注6:映画 『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』 でも言及されておりましたナァ



 We must to protest every huge tyrant.

 We must to protect every Human Right!
 
 
 

 新彊ウイグルの母・ラビア・カーディル女史

 蹂躙される東トルキスタン

おいお い、そっちじゃないぜ!

 

 

2010.01.23 (C)Mephistopheles von Münchhausen

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