ほらふきだんしゃくてきぐこーろく

ようやく整理がつきましたワイ。どうぞご覧あれ!

 

2010年01月31日

 

『 米語で渡仏 (壱)

(指定BGM:藤吉晴美(CV:松来未祐) / 羽ペンの魔法

 

 

そろそろ咋年の仏蘭西旅行に触れてもよろしい時期かと存じまして、こちらに吾がミュンヒハウゼン家ならではの珍道中をば披露させていただきましょうかと存じ上げます次第。


さるにても、数年前に “英語表記の使用禁止” が出ましたくらい自国文化の継承と保全に心血を注いでおりますかのお国に、その禁止対象でございます英語 ―― それも 『ヨーロッパ中の食い詰め者の吹き溜まり』 国家でおなじみのギャング・イングリッシュにて観光を企てようと申しますのですから、吾が血筋に脈々と受け継がれます豪胆さもまたフランス共和国におけます自国愛に比しましても決して遜色はございませぬかと。


―― ともあれ、今回は足掛け一週間にてフランスはパリ市内の名所に限定しまして東奔西走いたしました次第。さるにても何よりも残念でございましたのは、念願でございましたモン・サン・ミシェル城を 訪いますことが叶いませんでしたこと。あすこは地図上で確認しましても、パリからはロンドンといずれが近いか判別がつきませぬほど離れておりまして、さら に数年前にパリ観光がてらバスツアーを申し込んでみましたと申します義妹から、高速バス
(注1)を基盤にした強行スケジュールのうえに見所は場内の施設以外に は大西洋と牧羊地が果てしなく広がりますばかりで、よほど執着がない限りはオススメできない、との情報を入手いたしました次第。


しかして、『モン・サン・ミシェル城 観光は …… 断念するしかないッ!』 と往年のジャイアント馬場氏よろしく未練を振り切った次第にございます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(C)小学館/梶原一騎・原田久仁信



今年は同地域の 主要都市にして、吾が輩が尊敬して止みませぬかのベルトラン・デュ・ゲクラン将軍の生まれ故郷にございますディナールを中心に、百年戦争の古戦場をめぐり 歩こうかナ、などと愚考しておりますワイ。なにしろモン・サン・ミシェル城は東京観光で当て嵌めてみますれば、東名高速道路を使いまして小田原に下り立ち、そ して小田原城とその城下町を歩いて日帰りするか、あるいは泊りがけで訪れ、二日がかりで警察のガサ入れよろしく思う存分城内を調べ尽くすかのどちらかしか 選択の余地がございませず、パリ観光のついでといたしますにはとてもリスキーな所在位置なのでございます。


ちなみに義妹が申して おりました、『英語はパリ市内ならほとんど通じる』 なる言葉は偽りではございませず、史跡や美術館をはじめとします公共施設はまず問題はございませぬ。とくに観光名所でしたら言わずともがなにございまし て、モンマルトルの丘の下にございますクレープ屋さんでは気さくなお兄さんが向こうから英語で、『二つで十分ですよ! 何にします?』と訊いてきましたくらいにございますワイ。


モンマルトルと申さば、映画 『アメリ』 で一躍国際的スターダムに躍り出ました女優、“まだずいぶんと若いくせに、たまに30過ぎにも観える乾燥肌残念 でおなじみのオドレイ・トトゥ女史が 劇中でウェイトレスを勤めておりましたカフェーでも有名でございますが、丘の上の教会や画家さんたちが集います一角が元来の名所でございます。やはり国際 観光都市パリでございますので、平日と申しますのに物見遊山の老若男女でひしめき合い、写真撮影はともかく画家さんたちのそれぞれの個性あふれる作品を じっくり鑑賞しております余裕がございませんでしたのはマァ致し方ございますまい。


こちらでお一人、吾が輩の心の琴線に触れます 画家さんがいらっしゃいまして、およそ10cm×15cmの手ごろな大きさのキャンバスに、パリの夜景をほどよく抽象化した作品とめぐり合い ましたのでございます。お値段たしか20ユー口。日本円にしましておよそ2,660円強でございますが、その際に吾が輩は愚かにも、

『迷いが生じますのは、 心から欲しておりませぬ何よりの証左』

と無理矢理に未練を振り切りましてモンマルトルを後にしたのでございますが、結局帰国の前日におみやげ探しついでに足を伸ばしてみましたものの、その画家 さんは店開きをしておりませず
(注2)、未練が後悔として残りました次第。今年ももし時間がございましたら、必ずやまたぞろ足を運びまして再開を果たしたく存じ上 げたきものにございます。





パリ観光におきましては、『これなん国際観光都市たる面目躍如!』 と吾が輩をしまして驚嘆せしめましたのは、パリ市交通公団で発行しております外国人観光客向け一週間乗り放題パス “カルト・オランジュ・エブドマデール” と申します、簡便かつリーズナブルな非接触型デポジット式 ICカードがございます点に尽きましょう。こちらを30ユー口にて購入いたしますれば、パリ市内限定でメトロからバス、ケーブルカーなどを思うがまま、車 内マナーさえ厳守いたしますれば平清盛氏の絶頂期並みに乗ったり降りたりが可能になるのでございます。





そのうえ期限が切れまして も、またぞろチャージしますれば一週間使用可能と申しますユーザーフレンドリーな仕様は、『アッラーにかけて!吾が輩はもうパリ以外の首都で観光なんぞす ることは未来永劫ございますまい!』 と俄かムスリムに改宗して宣誓してしまうほどの使い勝手の好さにございます。いかに本邦のデポジット式 ICカードがシワいか臭いますほどに判りますお話にございますが、その代わりこちらを使用いたしますに際しては本人の記名と顔写真の貼り付けが必要になり ます。


ですのでそれこそ 『アメリ』 よろしく駅の証明写真機を使い、緊急(携帯用)裁縫セット
(注3)のちいさなハサミを使用してパス用に加工しました次第。ちなみに糊までは持ち合わせておりませんでしたが、 シートに折り返しの透明セロファン・シートがついておりましたので、そちらを被せるかたちで写真を固定できるのでございますワイ。





さ て、ここまでで出発日から今回利用しました航空会杜、旅程や名所紹介などの順逆がなにやらてんでバラバラでございますが、このネット万能時代にわざわざ個人を特定で きます情報を自ら無料で提供するのはいかがなものかと愚考いたしますようになりました咋今。旅行中の面白おかしいお話やお客様がたの豆知識にでもなりそう な実体験を開陳いたしますのはやぶさかではございませぬものの、一方で中共政府の公安をも敵に回しております(!?)吾が輩といたしましては、無分別なプ ライヴェートの切り売りはお金になりませぬ限りは控えさせていただきたく存じ上げますワイ ―― まあ、“尾張の地にて金嬉老みたいな格好で歩いている” などと書いております時点でまず吾が輩自身どうかと思いますが(笑)。


ですので宿泊したホテル名や土地、メトロのどこからどこまで乗ったかなども話が長くなりますので割愛とさせていただきます次第。皆さまどうかご了承のほどを …… 。


と もあれシャルル・ド・ゴール国際空港に到着いたしましてから宿に参りますのにはまず地下にアクセスしておりますRERRéseau express régional d'Île-de-France/ルイ・ド・フランス = フランス地域圏急行鉄道網の略)のチケットを買わねばならないのでございます。くだんの “一週間パス” はパリ郊外にございますド・ゴール空港は圏外となりますので後日の購入手続きとなりまして、本邦の鉄道よろしく券売機にならんでおりますと、その間に何やらフランス語でアナ ウンスがございました次第。


吾が輩胸を張ってでもフランス語はチンプンカンプンでございますゆえ、『こちらが故・秋山好古陸軍大 将でございますればすぐにでも対処できるのでございましょうなあ』  と官費留学生ならぬ個人の道楽で渡仏して参りました身。その境遇の恵まれておりますことを喜ぶべきでございましょうか、はたまたおのれの浅学を叱咤すべ きでございましょうか。


そんなこんなでフランス語のアナウンスはその後も何度か繰り返され、当の列車は空港地下のロワシー・アエ ロポールC.D.G2駅に吾が輩が立ちましてから30分は経とうかと申しますのに未だ到着せず、ダイヤ通りに動かない交通網には慣れっこの
(注4)パリジャ ン・パリジェンヌたち痒れを切らしだしております。そのうちのハタチ前後の学生旅行っぽい男女7人夏物語 らが交わしている英語に耳をそば立たせますと、『移民が線路に何か悪いことをしたらしい(直訳)』などと話しております。


あ とで宿に着いてからチェックインする際に、『不運にも列車の遅れに遭ったようですね(直訳)』 とお兄さんがおっしゃいますので、『本当に。でも よくあるんですか?』 と吾が輩が訊き返しますと、『たびたびね。あの線はよく移民が面倒ごとを起こすんだ』 とのこと。


吾 が輩が乗車いたしましたRERはB線の沿線には移民など低所得者層が大勢住んでいる地区がございまして、そこの連中がかなり悪質なイタズラをするのだそう でございます。それも施設を破壊したり置石をしたりと申します、本邦でございますれば数千万円クラスの賠償請求がなされますレヴェルのタチの悪さらしく、海外からの 旅行者の足にも影響が出ますし、なによりフランスの表玄関と申しますド・ゴール空港直通線たります面子もございますので、大きな社会問題となっているそうなのでございます。


そ のためか、パリ北駅で乗り換え中にブルパップ方式突撃銃を構えた兵士二名を従えましたコワモテの軍人さんに遭遇し、

『ああ、こちらがいわゆる “憲兵” さん でございますナ』

と、当国がEUきっての軍事大国である事実にじかに触れました次第。本邦も “外国人参政権” などと申します毒にしかなりません頭の悪い寝言をホザいており ますくらいなら、国軍の整備と警察官の優遇および権力強化にお金を回すべきでございましょうに。


―― ともあれ、いずれ先進国は不法移民を相手に頭を悩ませざるを得ませんのが宿命なのでございましょうか …… 明日の観光プランを練りつつ寝支度を整える吾が輩に直 接に関わりがあると申しませば、スリや強盗の類いでございましょう。彼奴らが犬を食べているような連中でございますれば尚のこと危険極まりませぬが。





翌日は朝から雨もよいで、正直観光には不向きな天候に愚顔もションボリ。されどその重量と税関通過の面倒、ないしは移動途中での破損が怖くてノートPC “座頭市” は持ってまいりませんでしたので、宿に引きこもっておりましても時間のつぶしようがございませぬ。


あ とで考えますれば、この日に朝一番からルーブル美術館に行くという選択肢がひらめきませんでしたのが悔やまれますが、吾が輩どうしても凱旋門とエッフェル 塔に行きたくて堪(こら)えられませず、身支度も早々に朝イチに駅にて一週間パスの手続きを終え、その帰りの足で駅前のパン屋さんにて焼きたてのバケット(本邦の 物よりも細くて短い)一本とカスタードのタルト三つを購入。ところがこちらのお店では誰も英語が理解できず、かと申しまして吾が輩もドイツ語ならともかく も
(注5)フランス語表記はまったく読めも発音もできませぬので、詮方なしに肉体言語 もといジェスチュアにて意思の疎通をはかると申します、信用通貨による仲立ち以前の段階にもおぼつきません局部的に退化いたしました貨幣経済を体現いたしました次第。


おいしい朝食をいただきます間にも空模様はすぐれませず、宿に到 着後閉店間際に駆け込みましたスーパーで購入しましたミネラル・ウォーターで喉を潤します …… さてこちらのミネラル・ウォーター。フランスにはヴォルヴィック をはじめとします高名な名水が多々ございますが、チェックイン後に夕飯を求めまして街に出まして、付近のスーパーにて見つけましたお品にございます。


吾 が輩せっかく渡仏したものですから、本邦ではあまりお目にかかりませぬご当地ものを手に入れましょうかとつらつら棚を眺めておりますと、ペットボトル全身濃い青の見慣れませぬ銘柄 “ROZANA” が目に付いたのでございます。その日はセールでもございますのか、他の銘柄の10本パックに比しましてこちらだけ格安でしたのに目が眩みまして、ついはず みで購入してしまったのでございます。


明日の観光計画を練りますため、夕食には持ち帰りの出来ます靴のように長いケバブのサンド ウィッチとフライド・ポテトのセットをお肉屋さんで購入し、さて部屋に戻りましてアツアツのところを頬張り、くだんのROZANAのキャップをひねります れば、その口元から 『プシュッ』  と不可思議な音が噴き出すではございませぬか!いま大流行のギャグで申さば、『おならじゃないのよ、おならじゃないのよ!』
(注6)が至当というところでござ いましょうが、果たしてコップに注いでみますれば液全体でネッガーネッガー シュワシュワ泡立っておりますことから、『さては忍法炭酸の術でございますか!』 と、おのれの浅はかさとともに飲み下したのでございますワイ。


伊 集院光氏の海外旅行の楽しみ方のひとつとしまして、現地のネイティヴな方々が独自に解釈ならびにアレンジを加えましたダメ寿司』  探訪という氏のライフ・ワークがございますが、そのうちでイギリスで入りましたダメ寿司ショップではお味噌汁とお吸い物の代替品としてペリエがセツテイン グされておりまして、


『いくら食べ物がまずいイギリスとは言ってもさ、炭酸水で寿司食うなんてバッカじゃねえの!』


とマイナスなベクトルに激賞されておりましたのを吾が輩記憶しておりますが、そちらを自らの選択で疑似体験してしまいましょうとは。


さ るにても、炭酸入りのミネラル・ウォーターは吾が輩初体験でございますが、無味無臭のはずなのでしょうが明らかに塩辛くかんじてしまいますのは仕様でございましょうか。 『ヨーロッパは硬水なので飲むとお腹を下す』 のでおそるおそる水道水をチビりとなめてみますれば、やはり違和感などはございませぬ。仕方はなしにジャンク・フード気分で夕飯を片付けましたものの、あ と9本と半分も残りましたROZANAの束を目にするにつけまして、この先の旅程に暗潜たる不安を覚えずにはおられませんでしたワイ。


そ のくせ案外寝付きも良く、目覚めもアラーム通りに(J−
SH53 を目覚まし時計として利用)迎えられました翌朝、パンに炭酸はさほど拒絶感はございませぬが、飲んでいきますうちに意 外と抵抗が無くなって参りますのは、まさしく “郷こ入らば郷に従え” でございましょうか。ないしは 『包丁人味平』 におけます鼻田カレーのような何かが、成分に入っておるのでございましょうか。


さて朝食を済ませましてメトロの乗り換えを確認し つつ、窓の外に目をやりますれば空模様は一向に機嫌をなおす様子は見られませず、さらには部屋据え置きのテレヴィジョンにて天気予報を確認しますと、パリを 含みます北フランスは午後にかけて大雨の予測となっております。もちろんお天気お兄さんはフランス語でしゃべっておりますが、お天気マークはおおよそ万国 共通でございます …… 吾が輩はたして、無事パリ観光の口火を切ることが可能なのでございましょうか。その詳細は次回にて

 

 

 

注1:そのため高速道路の渋滞に観光時間、帰りの電車の時間がかなり左右されますのだとか。

注2:出店にはいわゆる “ショバ代” が必要のご様子。

注3:木枯し紋次郎も持っていた旅の必須アイテム。その他にも腕を切ったり腹が割けた場合の応急処置にも必要となりましょう。

注4:交通機関がダイヤ通りに走るのはドイツくらいらしいです。また会社もフレックス制がほとんどのため、駆け込み乗車などはまず遭遇しませんでしたワイ

注5:むかし本気で習っておりましたので、買い物レヴェルの会話は頭に浮かべられます

注6:アレはテレヴィジョンでやってよろしいギャグではございませんでしたよね



 We must to protest every huge tyrant.

 We must to protect every Human Right!
 
 
 

 新彊ウイグルの母・ラビア・カーディル女史

 蹂躙される東トルキスタン

おいお い、そっちじゃないぜ!

 

 

2010.01.31 (C)Mephistopheles von Münchhausen

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