インドを放浪したから狂ったのかそれとも?

 ああ、ようやく着いたか。いつのまにか眠ってしまったようだ。
とてもいやな夢をみた気がする
内容がよく思い出せない。なにか怪物みたいな生き物に襲われてたような曖昧な記憶が
ぼんやりと浮かんでくるだけだ。
俺は不機嫌に空港ロビーを歩いていた。 なぜか不安と焦燥感が雑じったようないやな感じだ。

(さあ、まずは両替してリムジンバスのチケットだな)
俺はカウンターでバスのチケットを手にいれ、
それを片手でヒラヒラさせながら空港を出ようとした。
と、その時10代後半とおぼしきインド人の少年が駆け寄り、チケットをひったくっていった。
少年は軽く走りながら俺に「カモン!! カムヒヤ!!」と叫んでいる。
俺は(もうバスの出る時間なのかな?)とのんきに少年の後を追いかけた。
しかし俺は、ふと誰かの視線を感じ立ち止まった。
視線の先を見ると空港警備員が俺のことをじっと見ている。

だが視線があった途端、警備員はすぐに目をそらした。
俺は違和感を感じたが、特に気にもとめず少年のあとを 追いかけていた。
少年はなぜかバスを通り過ぎ、白い乗用車 の前で立ち止まり手招いている。
「カムヒヤ!! ノープロブレム!!」
(ハハ〜ン 白タクだな。まーいいか。)
俺は その車の後部座席のドアを開け,車に乗り込んだ。

(何だ?何でコイツは 俺の隣に座ってるんだ?)
俺 は 走りだした車の中で少年を じっと見ていた。
少年は美しい顔立ちをしていた。しかしその眼には妖しい光が宿っていた。

少年は 俺の眼の中をのぞき込むようにして話し掛けてきた。
「どこに行きたい?」
「あ・・・ああ メインバザールまで行ってくれ」
「日本人かい?」
「そうだ日本人だ」
「どこから? トーキョー? オーサカー?」
「東京から来た」
「インドは 何回目だい?」
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