<TUDOR PRINCE OYSTER DATE 7966>

これが問題の取れたローター。
自動巻きAssyのブリッジを上から真ん中のローターが付くところになんと3箇所ハンダ付けの跡が。ちなみにこのブリッジ、今の2824とほとんど同じ。
裏側(ムーブメント側)から見たところ。こちらは比較的奇麗。当時のETAの仕上げはこんなもん。というか仕上げてない・・・
ムーブメント
ETA2462(?) 5振動 平ヒゲ
ちらねじテンプ・自動巻き
サイズ
34mm
材質
SS
ダイヤル
チャコールグレイのアプライドインデックス。リダンもので出来はまあまあ。
ブレス
茶の革 ラグ幅19mm、
尾錠側16mm(尾錠は非純正)
その他
センターセコンド,デイト付き
ハック無し

「Tudor Prince Oyster Date 7966」〜 初心者向き機械式時計(?)

・Introduction
 Tudorはまず機械式に興味を持った人が、Rolexより安いしそんなに有名じゃないからなんかマニアックな感じがして買う、みたいなパターンで入手されることが多いのではないか。薔薇チューは値段も5〜10万(3針)程度で手ごろである。私も、まさにこのパターンで入手したのが8年前。ところがこれが機械式時計好きへの呼び水となってしまった運命の時計である。
 購入はJ店。今思えば初心者丸出しで(今もあまり変わっていないが)この店に行き、見た目で買ったのがこれであった。もちろん自分は細腕であることを十分認識しており、直径34.5mmのこの時計はぴったりのサイズだと思ったものである。しかし、機械式2本目でいきなり50年前のOldを入手とは今考えてみればかなりヤヴァイ。冒頭初心者向き(?)と書いたが、これはただ単に値段の面からだけであって多少経験を積んでからのほうがベターと思われる、というのは今の意見である。

・Outside
 ダイヤルはリフィニッシュされており、黒ではなくチャコールグレイである。純正でこんな感じの色が存在したかどうかは定かではない。トリチウムをどこにも使っていないのにT SWISS Tとあるのはご愛嬌で、多分オリジナルのハンドには夜光があったのではないか。ということでハンドは取り替えられている可能性があり、形状は大好きなDauphineだがペラペラで薄い。センセコは、ごく当たり前の出来で高級感は無い。
 ダイヤルとハンドがこの調子なのでどこまでガッチャなのかはもはや全く分からないが、取れてしまったローターは少なくともTUDORの刻印があるのでETAそのものではあるが純正である。
 ケースは磨かれているがRolex系の常で形状の変化がほとんどわからない。ケースバックも含め程度はまあまあである。竜頭もカエルの手は残っている。しかしチューブがそこそこ削れており、実用上問題は無いが防水性は期待できない。
 全体的な外観は、リフィニッシュされたダイヤルのせいもあって単純に綺麗である。アプライドインデックスのこの時計はダイヤルリフィニッシュということでは最も簡単な部類に入るのであろう。薔薇はこの時計のハイライトで、合わせてリーフ型のインデックスも綺麗である。すこし塗料が薄い感じもするが文字書きは下手なレベルではない。

・Inside
 さて曰くのついてしまった機械について。ローターが一度取れたと書いたが、まさにその通りであり、購入後一年経つか経たないかで自動巻きでは巻き上がらなくなり、振ると音がするようになっていた。そして空けたらもろにローターが取れていた、というものである。ローターは半田のようなもので芋付けされたような状態であり、完全に素人の仕事である。またブリッジはギヤが擦れて削られていたりと、相当酷いものであった。私は幸い良い時計修理屋さんに持って行ったことでローター周りAssyをデッドストック(半年近く探してもらった)に組み替えてもらい復活したわけであるが、パーツが無ければ手巻きとしてのみ存在することになった可能性が高い。こういう状態のものを外見だけまともにして売っているのが事実であったわけで、中野のJ店は本当に酷い店である。本来は買った店に面倒を見てもらうのが道理であろうが、このような商売をしているのでは復活するものもしなくなってしまうと思われ、御徒町のA店にお願いして正解であった。
 個人的には余計な授業料を払う形になってしまったが、あえて書けば教訓としては大きいものを得た。複数の時計店と付き合っていくと、どのような店こそが優良店かわかるようになってくる。
 さてそういう意味で言えば、やはりOldは機械を見せてもらえないようではとても買えないし、ウィッチにかけて姿勢差くらいはチェックしたい。天真のアガキまでチェックできれば最高なのだが。

・Summary
 この時計はあまり蘊蓄を語れる時計ではないが、個人的には色々勉強させてもらったという意味で思い入れのある時計である。大きさ、文字盤の色などから実際に使用する場面では合わせを選ばないオールラウンダーで、その点でも好ましい。現行品でこのような時計を探すと意外なほど見つからないことに気づく。そんなことからも私にとっては貴重な時計である。

09.Jun.2005