文金高島田への道
file.12 いよいよ本番
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 当日は朝8時から準備、ということで7時半には家を出た。控え室に行くと、着付けの美容師さん二人がすでに到着していた。美容師さんに心づけを渡した。すぐにメイクと着替え開始。母親と妹も朝食を終えてやって来た。前撮りの時とは違い、かなり丹念な化粧だった。他の親戚も顔を出した。9時前にはE氏も来て控え室で着替えに入った。10時過ぎに支度は出来た。
 10時半頃、司会者と簡単な打ち合わせ。前日に二人のプロフィールを渡していたので、話は簡単だった。パソコンでプロフィールを作るのは珍しいと言われてしまった。
 いよいよ式というので外に出ると、ロビーにぼつぼつ招待客の姿が見えた。職場の人達に軽く(かつらしてるから、頭下げられないけど)会釈をした。
 挙式会場前の椅子に坐っていると両親や伯父伯母達もやって来た。写真とビデオ撮影の嵐である。特に父のすぐ下の弟は「記録係」と異名をとるほどのビデオ撮影魔だったので、もう大変である。こんなに注目を浴びることはこれから先滅多にないだろう。
 時間がきた。式は厳かに行われた。二人で誓いの言葉を読み上げた時はさすがにどきどきした。

 式の後は、披露宴会場入り口の金屏風の前でお客様にご挨拶。なんだか自分でも自分でないような感じである。頭を下げすぎないようにして会釈した。

 披露宴が始まり、私は打ち掛け姿で、E氏は紋付袴姿で登場。スピーチ、乾杯と型どおりに進み、祝宴開始。食事を多少つまんだものの、和装は本当に食べにくいので、結局一皿も空にできなかった。
 すぐにお色直しで母親と退場。着物を脱ぐと、本当に楽だった。ウエディングドレスに着替え、ハイヒールに履き替えると、なんだかほっとした。しかし、ハイヒールで歩くのも大変だ。で、ケーキ入刀。生ケーキなので、なんだかどきどき。でもつつがなくケーキは切れた。ケーキは切り分けられて、後でデザートとして出ることになる。しかし、高砂にはお祝いの人がたくさん来るので花嫁はケーキどころか、ほとんど何も食べられない。それでも、空腹を感じないのは不思議だ。
 お色直しでカクテルドレスに着替え、今度はキャンドルサービス。入場前に外で待っていると、演歌が聞こえた。どこの酔っ払いかとE氏は思ったらしいが、実はE氏の同級生だった。キャンドルサービスもつつがなくといきたいが、ここでアクシデント。係の誘導でテーブルを移動したのだが、近視の私に引っ張られ、間違ったテーブルへ。後でビデオで見たら、二人で迷走していた。でも、この時のBGMは結構よかった。「やまとなでしこ」の主題歌(曲名は何だっけ)だった。
 いよいよ最後の両親への花束贈呈。だが、新郎の父親はなかなか席を立たない。なにやらぶつぶつ言っている。やっとのことで親戚の助けで立ち上がった。花をポケットに挿した後、新郎の挨拶が始まった。そう、父上は不満だったのだ。最後の挨拶がしたかったのだ。でも、私達は事前に、新郎が挨拶をするということに決めていた。20代、30代ならいざしらず、40代の花婿が親に挨拶してもらうのもなんだかおかしいし、何より、新郎の父上は酔うとしどろもどろになってしまうのだ。結納の時の二の舞はするわけにはいかない。でも、父上としては何か一言言いたかったのだ。気持ちはわかるけれど、それは無理な話である。そろそろ開宴後3時間になるし。(やはり2時間は無理なのだ)


 というわけで、宴は終わった。
 お開きの後は、外でお客様をお見送り。本当に今日一日を披露宴出席のためにつぶしてくれてありがたかった。
 考えてみるとウエディングドレスよりカクテルドレスのほうが着る時間が長い。選ぶ時はあまりカクテルドレスのことを深く考えていなかったけれど、意外と大事かもしれない。

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