文金高島田への道
file.3 結納まで
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 そんなある日、仕事から帰ると支社から連絡があった。アドバイザーさんからで、なんと、近県の人で会わせたい人がいるのだと言う。これが噂に聞いていたハンドマッチング!当然お断りした。それにしても、どういうことなのだろうか。本紹介書を返却したから、書類の上ではE氏との交際は終わっていることになっている。だが、アドバイザーさんにE氏は退会の手続きや返金の相談をしているから、私たちのことはわかっているはずなのだけれども。

 さて、結納の日取りはわりと簡単に決まった。11月最後の日曜日ということで私たち、双方の両親は合意した。

 結納用品のほうは、あまり派手でないものということでごく安価なセットを選ぶことにした。婚約指輪については、仕事の空いた日曜日に二人で宝石店を見てまわることにした。といっても二人ともふだんそんなところに行きつけていない。そこでショッピングセンターの中に、宝石店のテナントが入っていたので、そこを参考にのぞいてみることにした。 
 予算は10万。それ以上はE氏には出せないことがわかっていた。なにしろふだんはめないからと結婚指輪も必要ないと決めたのである。少しはその予算内でいいものを買いたいので、目を皿のようにしてショーケースをのぞいた。
 で、結局、天然ダイヤの入った指輪を見つけた。中央には大きめの石、それを取り囲む脇石はほんとに小さいけど、なかなか凝ったデザインだった。指のサイズは平均なので、直しも必要なかった。ただし、払う時にサイフの所持金が足らずに、あわててショッピングセンターの中にあるATMに走ることになってしまった。

 後日送られてきた鑑別書には、0.2カラット、F SI1、Gdクラスとあった。これがどれくらいのものなのかはわからないが、私は気に入っている。

 さて、活動は休会に入っていたが、私は休会に入る前にフレンドパークを提案し、出席するつもりでいた。結納の前の週だったので、行くつもりでいた。ところが、そうはいかなくなった。
 結納の2週間ほど前になって、問題が生じたのだ。E氏の通う武道の昇級試験が結納予定の日に行われることになってしまったのだ。師範の先生の都合らしいが、半年に一回しかない昇級試験でE氏はこれを励みに身体のあちこちに痣をこさえながらも頑張ってきていた。伸ばすか、早くするか、ということで、結局一週間早めることにした。

 さあ、うちの親たちはびっくりである。幸いに仕事が入っていなかったので、できることになったが、早める理由が昇級試験だと聞いて、なんだかあきれ顔だったような・・・
 無論、フレンドパークにはお断りの連絡を入れた。自分で提案したのに申し訳なかった。

 前日に私は実家に帰った。当日の早朝、E氏は両親を連れて家に来ることになっていた。
 だがハプニングが起きた。遅れると電話が入ったのだ。

                                
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