Doctor Ichamon Laboratory



ひざの痛み

学会病

DNA 50th anniversary

研究員が集まらん


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ひざの痛み
 タバコをやめた。別に将来の癌が恐いからという訳ではなく、小遣いが減ったからという訳でもない。そういえば、日本癌学会の雑誌Jpn. J. Cancer Res.の今年の9月号の表紙に、酒とタバコと癌のリスクのグラフが出てたっけ。何の癌だったっけ?酒もあったから、胃癌かもしれない。ああ、Stomach Cancerと書いてある。タバコは量に比例して癌になるリスクが上がってたけど、酒は全く飲まないよりは少し飲んでいる方が癌のリスクが低かったなぁ。ある値をこえると、やっぱり酒も量に比例して、癌のリスクは上がってたけど。つまり、タバコを止めて酒は少し飲んでいる、というのが癌にリスクが低いというワケ。
Kikuchi S et al. (2002) U-shaped Effect of Drinking and Linear Effect of Smoking on Risk for Stomach Cancer in Japan. Jpn J Cancer Res. 93 (9): 953-959.

 いや、それで、なんでタバコをやめた、というか止めているかというと、癌よりもっと直接的なリスク関係を見つけたから。Ichamonは、これでも博士(理学)を持っているから、実験的に操作して因果関係を見つけた訳じゃないから、タバコを吸うことイコールという証拠を見つけた、とはいいませんが、止めたり再開したりして気付きました。それは、ひざ関節が痛くなることだったのです。

 最初は、学会発表の出張に行くと必ずなるから、とくに長距離の飛行機の移動の後になるから、エコノミークラス症候群の類いかと思ってた。ずっと座りっぱなしだとなるというあれ。正確にいうと、原因と考えられることが一つ見つかったから、それ以外は否定できるという訳ではないので、長時間、ひざを曲げていることや腿の裏側を椅子で圧迫し続けることにより血行が悪くなって痛みがくとという可能性は捨てきれないですが。(学会病も見てなぁ)

 学会でどんなことをしているかということは、おいおいお話するとして、学会はたいてい4日くらい有り、午前中9時から12時まで座りっぱなしでスクリーンを見ながら発表を聞いて、午後も1時半とか2時くらいから5時くらいまで午前中と同じ様に座りっぱなしで、5時くらいからポスターセッション。ポスターセッションというのは、実験データをまとめて壁新聞みたいなやつに仕上げて発表すること。だから、これは立ったまま見て回る。大抵はその後夕食で一日が終わりだけど、いつも行くアメリカのCold Spring Harbor Laboratory のミーティングだと、夜の部(飲みじゃないよ)が有り、8時から10時過ぎまでまた座りっぱなし。飛行機に乗っているよりは足が伸びるけど、時間は長い。それに、由緒正しい会場であり、座席のクッションはくたびれ気味。

 とにかく痛いんです、ひざが。階段を昇るのは大丈夫だけど、降りるのは辛い。降りる時にひざを曲げると、痛いから、手すりをもちながら、ひざを延ばしたまま降りました。幸いにも、両方のひざとも激痛が走るわけではないので、両足を延ばしたおにんぎょさん(関西では延ばした音が消えるので、これはお人形さんの意味)みたいにはなりませんでしたけど。関節の痛みに効くかと思って、風呂でなるべく温めようとか、インドメタシン配合剤を塗るとか、低周波治療器を使ったりとか、いろいろしたけど根治には至りません。そもそも、真夏でした。冷えたためになったとは考えにくい。

あんまり痛みが有るので、総合病院にいきました。X線で見てもらっても異常は見えないし、そもそも関節の痛みはX線で写らないことが原因の場合があるから見たことろでしょうがないけど。それから、もっと詳しくということでNMRじゃなくって、似たような名前の人間の断面図を見る機械で、5000円も払って見てもらって、結局、原因はつかめなくて、「食事に気を付けてください」ということと痛み止めの薬を飲むことをいわれたけど、お魚はおさかなてんごくがはやる前からずっと好きだし、鶏の手羽は軟骨もちゃんと食べてるし。痛み止めの薬は、激痛は治まるけど、完全に痛みがなくなるわけじゃ無いから、途中でやめました。

 ところが、こんなことから原因の発見に至りました。風邪をひいた時までタバコが必要という程のヘビースモーカーではないですから、風邪をひくたびにタバコをお休みしてました。それで、風邪がよくなってタバコを再開したら、ひざが痛くなる。ひざが痛いのは持病であったか、学会に行くまでもなくいつでもなるやん。それでも痛みは長続きするわけでなく、少しずつおさまってくる。また風邪をひいてタバコをお休み。タバコを再開すると、またひざが痛み出す。

 こんなことを繰返していて、もしや、と思って、風邪ではないけどタバコをお休みしてみた。ひざの痛みも、タバコを続けていても、有ったり無かったりだから、休んだところで、別に何も変わることはなく。それでも、タバコを再開すると、とたんに激痛が。

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学会病
 今回は、横浜に行きました。分生は大きいから、全国いろんなところで、とはいきません。来年は神戸らしい。
 あっちにも書いたんやけど、学会に行ったら、ヒザと腰が痛とうなるっちゅうのが困りもんです。まぁ、ふだん歩かんさかいに、ポスター見て回ったり講演会場を探したり、けっこう歩く負担が掛かっとるんかもしれへんし、座りっぱなしでヒザの血行が悪なるかもしれへんし、慣れてないベットで寝とるから腰にくるんかもしれへん。電車にも慣れてへんから、きつい姿勢があかんのかもしれへん。うちは、職場から歩いても15分位やから、電車に乗ることなんてありません。都会でやってる人にはうらやましいかもしれへんね。
 タバコはやめたと書きました。普段のヒザの痛みは治まったと書きました。それでもやっぱり、学会に行ってたら、ヒザ痛になりました。あかんねぇ。エアー・サロンパスしたり、風呂を長めにしてあっためたりしてたけど、ちょっと痛い。
 まさか酒のせいやなんやろか。タバコはやめてみる実験をしたけど、酒でそれをやるのは嫌やで。やりとないわ。別に、飲まんとあかんというわけでないし、日本酒にして一合くらいしか晩酌はしてへんけど。酒は好きですけど、銘柄がどうとか種類がどうとか言うのはありません。詳しくないし、詳しくなりたいとも思わへん。高校生の頃からのうんちくはあるけど、深くはないし、それを振り回してなにしたいということもない。飲むのが好きやから、飲めたらそれでええんです。学会で飲みに行くことがありますが、というか、一日終わって、飲みに行かないことはないんですが、顔つなぎみたいなもんで、なるべくなら行かないようにしています。それより、ホテルでひとりポテチとチーズでビールを飲んでる方が気楽やし、金も使わへんし、気も使わへんし。騒ぐのが好きな人もおるけど、おいしい料理と酒があったら、それでええやん。
 たしかに、みんなと飲みに行ったら、ふだんよりたくさん飲むさかい、それがあかんのかもしれへん。それやったら、ちょっとだけにしたらええだけやし、普段はヒザはなんでもないさかい、一合くらいならええんかなぁ?
 ああ、酒飲みの言い訳になってるわ。

030614
 ひざの痛みはなくなったけど、やっぱり 腰は痛い。重い荷物を背負ってたくさん歩くからかしらん。初日に宿に到着して、湯につかろうとしてしゃがんだとたんにグキッときた。学生の頃から腰の痛みは時々くるし、そのころから水泳をやっていたし、年令とか運動不足では理由になりません。根本的になんかある。
 あまり痛いと、靴下ははけないし、和便で用をたせないし、モノが落ちても拾えないし。とにかく、しゃがむということができないわけです。それと、荷物を背負って歩いていても、ちょっとバランスが崩れると、腰に痛みがはしります。辛いよ。
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 アメリカ西海岸のとあるところへ出張してきました。やっぱりひざは痛くなりました。長く座って、血行が悪くなるからかしらん。
 ホテルで「USA TODAY」という有名な新聞を見ました。二月二四日月曜朝刊。Lifeセクションのページを見て、ちょっとびっくり。ど真ん中には「The 45th Grammy Awards」と、いかにも生活面の記事があったけど、その隣に「DNA 50th anniversary」のタイトル。Grammy awardsは表紙半分と中2面。それに対してDNAは表紙1/4と中2面。ほとんど同じ分量を使っていました。
 表紙の記事は「Double helix unlocked key to life; But DNA's secrets remain a mystery」Dr. James WatsonとDr. Francis Crickの顔写真付きで紹介しています。
以下、次のような内容が続きます。
How DNA works
Timeline: The winding histry of the double helix
The humble beginnings og momentous discovery
Gene therapy's wondrous but unfulfilled promise
例えばこれを高校の理科の教材として使っても、十分耐えうる中身のある記事となっています。日本の新聞では、「DNA 50th anniversary」をどのように伝えたでしょうか?

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 じつはうちの部屋で研究員募集とポスドク募集をしているけど、全然集まらん
 なんでだろ〜か分からんが、とにかく問い合わせすら来ない。ポスドクはともかく、研究員は正規採用なのに。今どきパーマネントの職なんで珍しいはずなのに。しかも、あてがないから、完全公募なのに。なんでだろ〜
 という話をとなりの研究員としていたら、「やっぱ、うちは過酷かな?って思われてるんじゃないんかな?ぼくにしてもボスにしても、朝8時に来て、帰るのは夜の11時か12時。昼食時の1時間くらいと夕食時は2時間くらいはいないけど、ほとんど研究室で過ごしてる。「え〜、そんなに働いてるの?」といわれたけど、分子生物の分野じゃ、それくらい普通じゃん?でもって、「土曜にふとんに入ってから日曜の夕食が終わるまでが週末だよ」って言ったら、ダメ押しだったみたい。「研究者の生き方としては正しいけど、職業としてはどうかな?」と言われてしまった。
 学生は学位を取るために必死で実験をして寝る間もなく働き、ポスドクは論文を出すため、ひいては就職のためにやっぱり働く。でも、最近はそれも「むかし話」のようで、学生もポスドクも働かないね。ボスより遅く来てボスより早く帰るし、土日は来ないのが当たり前。それで学位をとってしまうんだから、大したもんだよ。立派な論文が書けているわけでもないのに。
 「実験」と「研究」の区別がついていないやからも多いし。実験してれば研究しているような錯角をしている。ほんとに信じられないけど、博士過程にまで進学したにも関わらず、その区別ができていない。
 たとえば言語学者や民俗学者が研究していないか、といって「していない」という人はそんなにいないと思うけど、実験しているか、といって「している」という人もそんなにいないだろう。実験がなくても研究という行為は成り立つのである。一方で、小学校でやる「実験」が研究だと思う人もそんなにいないと思う。もっとも、「研究」という言葉を子供のアニメ番組でも良く見かけるようになってきたので、理科の実験を「研究」とおもっている小学生はいるかも知れない。
 研究室の現場にいると、手を動かして操作をしているだけで「実験」しているような錯角を起こすのは確かだ。分量と時間と温度と手順を守って薬品を混ぜ合わせているだけで、実験しているように見える。でも、分量と時間と温度と手順だけなら、料理も同じことなのだ。周りのセッティングのちがいだけで、同じことをしていても、実験と料理を混同しているのだ。もっとも、実験的な料理を作る方がいるので、テレビのお助け番組が成り立っているのだが。
 それにしても、「研究者の生き方としては正しいけど、職業としてはどうかな?」というのは納得いかないね。ぼくは研ぎ究める者です。
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2003.05.10