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毛様体神経成長因子(ciliary neurotrophic factor : CNTF)は、in vitroにおける、神経細胞に関わるその多彩な生物活性にも関わらず、これまでのところラットの胎児期においては中枢神経系では発現が見られないと報告されてきた。本研究において、異なる2つの場所に設定したCNTFのアンチセンスプローブを用いたIn situ ハイブリダイゼーション、抗CNTFモノクローナル及びポリクローナル抗体を用いた免疫染色によって、CNTFが胎児期のラット中枢神経系では、松果体のみに特異的に発現していることを発見した。松果体とは全ての脊椎動物において、重要な生物時計の構成要素の一つとされている器官である。CNTFの松果体での発現は松果体の発生の初期から観察され、松果体の発生途中では非常に強いが、誕生のころまでにほぼ消失する。また、調査した限りでは、ラット胎児期の頭部におけるCNTFの発現は光受容(痕跡)器(松果体と目)に限定される。 In vivoでは、胎児ラット松果体におけるCNTFの発現は誕生のころにはほぼ消失すること、松果体細胞の分化(多分化能を保持している未成熟細胞からセロトニン、メラトニン産生細胞への分化)が生後数日後に起こることから、新生児ラット松果体(CNTFの発現は低下しているが多分化能は保持している状態)の組織培養法を用いて、in vitroにおける発生期松果体細胞に及ぼすCNTFの効果を検討したところ、培養液に添加したCNTFは培養松果体細胞のセロトニンの産生、セロトニン代謝酵素の一つであるトリプトファンヒドロキシラーゼの発現、及びロドプシンの発現を押さえることから、CNTFは発生期松果体に発現し、松果体細胞の分化を抑制していることが示唆された。  網膜細胞培養において、視細胞分化に対してCNTFの及ぼす効果がラットとトリでは逆である(ラットでは視細胞分化に抑制的であるが、ニワトリでは促進的)ことから、このメカニズムが松果体でも保存されていることを期待して、ニワトリの松果体の視細胞発生期におけるCNTFの発現をRT-PCR法で検討したが、発現は観察されなかった。また、私信によると、CNTFの培養ウズラ松果体細胞の視細胞分化に対する影響は特に認められなかった。  CNTFノックアウトマウスにおいて、組織学的観察法、抗体染色法を用いて発生期と成体マウスにおける松果体と目の発生、及びそこへの神経投射を検討したところ、(現在進行中)。