トンネルの老婆


これは、昔ラジオで聞いた話です。
実話かどうかは不明です。

 ある、飲み屋で大変心霊好きな主人がいて、客に自分の撮った
自慢の心霊写真を見せたり、心霊体験を話したりしていたそうです。

 しかし、ある日からパッタリと心霊関係の話をしなくなったのです。

 不思議に思って「ねえ最近、心霊の話しないけど何で?」と聞きました
そしたら主人は「いやちょっとね」と言葉をにごしたそうです。
しつこく聞いていると、その理由を話し始めたのです。

 こんな内容でした。

 あるトンネルで幽霊が出ると聞いて、主人は友人と2人で撮影に
出かけたそうです。 問題の場所に着いてカメラとマイクを用意して
車の中で待っていたそうです。

 しかし、何時間待っても出てきません。
 「今日はあきらめるか」と帰ろうとした時です。

 「お〜」

 ほら貝のような音が聞こえてきました。 トンネルの中から聞こえました。
「何の音だろう?」

 「お〜」

 音はだんだん近づいてきます。

 「出た!」
友人はマイクのスイッチをいれて窓から外に出しました。 主人はカメラの
用意をします。

 「お〜」

 音は大きくなっています。 そして、音の発信元の姿が見えました。
白い影が、トンネルから近づいてくるのが見えました。

 ものすごい形相の老婆でした。

 主人はカメラを取りつづけました。 
「どうせギリギリまで近づいてきたらパッと消えるだろう」そん考えていました。
今まで、そんなことばかりだったのです。

 しかし、今度は違っていました。
老婆は車のボンネットの上に飛び乗ると車をたたきはじめました。

 「バン、バン、バン!」ものすごい音がしました。

 そして、友人の手がマイクを握って外に出ていることに老婆が気が付き
ました。 車の横に降りると友人の手を引っ張りはじめました。

 「引っ張り出される。 助けてくれ!」友人は必死に抵抗しました。 
すごい力です。

 主人は車を発信させると何とかその場から逃げ出しました。
友人の手は血まみれになっていました、、、

 こんな話だったそうです。
そして、その写真を見せてもらうことになりました。
そこには、狼のような大きな口をした恐ろしい老婆の写真でした。

 主人は、今でも心霊の話はしていません。