順天堂大学医学部衛生学講座の歴史と活動
順天堂の歴史 160年にわたって健康を追求 順天堂の歴史は、学祖・佐藤泰然が1839年(天保9年)江戸にオランダ医学塾を開設したことに始まる。以来160年にわたって人間の生命と健康のために絶えざる前進を続けてきた。
1938年 順天堂医学塾創立
1873年 順天堂医院開設      
1944年 順天堂医学専門学校開設
1946年 順天堂医科大学と改称
1951年 順天堂大学と改称 体育学部創設
1952年 順天堂大学医学部と改称
1989年 順天堂医療短期大学開学
1993年 医学部とスポーツ健康学部へ

順天堂大学医学部衛生学教室50年の歴史
1947年 小宮義孝予防衛生研究所寄生虫部長が非常勤講師として衛生学の講義を担当。 1951年 東京大学大学院を了えた阿部温男が講師に就任、同年助教授に昇任。教室員 の配置や専用の研究室使用開始の面から見て、講座としての形を整えた。 1956年 阿部温男助教授が教授に昇任。 1959年 阿部温男教授肺がんのため夭逝。後任の衛生学教授として菊池正一群馬大学 助教授が着任。環境衛生の分野として温熱環境の生体に及ぼす影響について 多大な業績を挙げられ、また公衆衛生学雑誌の編集委員長や生気象学会や衛生学会の会長、さらには国際生気象学会の会長として種々の学会会員より推挙され活躍された。教育面においても2期8年にわたり医学部長として学生の指導に尽力された。
1988年3月定年により退任。 1988年 稲葉裕助教授が教授に昇任。以降がん、難病、生活習慣病の疫学研究分野において少 なからぬ業績を挙げつつある。さらに稲葉教授は1999年からは厚生科学特定疾患の疫学の関する研究班の班長を任じられ、また同年より衛生学会幹事長を務めている。環境衛生分野の研究については千葉助教授に受け継がれた。近年ではカザフスタン共和国にてエコロジカル・ディジーズの解明に関する研究等地球環境に関してグローバルな業績も挙げている。また生体試料中微量金属測定のラボとしてはわが国随一の規模を誇っているほか作業環境測定の労働省指定機関になっている。



 実験室の風景         疫学データの分析中 教室紹介 

現在の研究内容 当教室の研究は「疫学」と「環境衛生」を2本の柱としている。現在行われている研究テーマとして主なものを紹介する。
1、文部省の「特定領域研究:ヒトがんの環境・宿主要因に関する疫学的研究:大規模コホート運営委員会では10年間保存した4万件の血清を測定するため測定検体数、項目、手順などを検討し整備。
2、 大規模コホートの一環として「コホート内症例対照研究による胆道がん、膵がんの血清を利用した発生要因の解明」、生活習慣病の予防に関する研究として、10年以上フォローアップしている山梨県のフィールドで「東山梨コホート研究における生活習慣と死因の関連性」等について研究を進める。 
3、 タイ東北部に多発する突然死(SUDS)の要因の解明。

教育活動
医学部卒前教育
保健医療論  医学部2年生対象。医学を学び医療を行う医師となる心構えと倫理観を学習し、統合的思考能力を養成することを目的とする。  
医学と統計学 医学部2年生対象。医学における統計学の意義について理解し、基本的な統計処理の手技を身に付け、臨床の現場や研究論文に使用されている統計資料を批判的に読むことができるようになることを目的とする。  
衛 生 学  医学部3年生対象。われわれを取り巻く環境や個人の生活習慣が疾病発症の原因となるとを理解する。健康現象の法則性を人間集団の観察から得られるころを認識し、その技法としての疫学の基本を理解することを目的とする。  
基礎ゼミナール  医学部3年生対象。環境測定やフィールド調査手法について5週間にわたり学習する。
医学部卒後教育 稲葉教授就任以降すでに3名が大学院博士課程を修了し学位が授与されている。 現在4名の大学院生が在籍している。その他看護学、保健学、体育学等さまざま な分野の研者が研究生や専攻生として在籍している。 大学院生や研究生、専攻生の中には中国、ネパール等海外からの留学生 も多く在籍している。     


基礎ゼミナールの学生(タイ)     稲葉教授、千葉助教授と留学生