プリント基板作成例

1.試作用回路図

ニッカド電池2本で動作する白色LED用のDC to DCコンバータを作ってみました。
最初は白色LED用ICを探してみたのですが、動作電圧が2.7V以上ないと動作しないようですので、ディスクリートで作ることにしました。
一般的にはトロイダルコイルを用いて弛張発振させる回路を使っているようですが、ちょっと違った回路で昇圧させることにしました。一見すると、キャパシタを用いたマルチバイブレータ発振にも似ている回路ですが、ちょっと違う回路です。トランジスタが飽和することで、スイッチングを繰り返す回路を作ってみました。


蛇の目基板で製作してみたところちゃんと動いているようです。
かすかに「キーン」という発振音が聞こえて、ニッカド電池1本でもLED(直列2個、緑VF=2V)が点灯しています。
白色でも問題なく点灯することができると思います。(白色LEDの在庫がなかったのでVf=2VのLEDを直列で動作確認しております)
消費電力、変換効率等はまだ実測していないので不明です。(近いうちに測定して報告しますm(_ _)m)

この電子回路をもとに基板を起こしてみることにします。

2.プリント基板CAD

プリント基板CADはPCBE(フリーソフト)を使用してみます。
このソフトはガーバーデータを出力することができますので、自分で回路基板を設計して、基板会社に発注することができます。
基板会社によってはこの基板CADのデータfileをそのまま受け取ってくれますので、規模の小さい基板を作る機会の多い人にはとても便利です。

インストールのはダウンロードしたファイルを実行し、ソフトの指示に従うだけです。頻繁に使用される方はウィンドウズのスタートメニューに追加しておくと良いでしょう。
トランジスタ技術2002年11月号に詳しい使用方法が掲載されています。是非ご一読されることをお勧めします。

3.プリント基板用語

このホームページ上で使用するプリント基板用語の定義を行います。

・「部品面」「はんだ面」

基板CADの種類によって、基板の面の呼び方が異なることがあります。1面、2面と呼んだり、表面、裏面と呼んだりすることがあるようです。私は上の写真のとおり、電子部品が搭載されている側を「部品面」、その裏側を「はんだ面」と呼ぶのが、イメージしやすのでそう呼ぶことにしております。しかし、最近では表面実装技術のおかげで、表も裏も電子部品が搭載されているので、「部品面」「はんだ面」と呼ぶこともできないようなプリント基板にもお目にかかります。

・レジスト

正式にはソルダ・レジストと呼びます。プリント基板全体に塗られている緑色の塗料です。一般にはシルクスクリーン印刷でプリント基板に塗布します。感光レジストで焼き付ける方法もあります。

・シルク

部品面に電子部品の配置を示すために、白い塗料で電子部品記号や部品番号が印刷されています。

・スルーホール

銅によってめっきされた穴を指します。
主に二つの目的があります。@部品面とはんだ面の導通させるA電子部品実装の信頼性を高める

4.試作プリント基板仕様

まずは、ここで作るプリント基板の仕様を簡単に決めておきます。

項目
内容
備考
材質 フェノール基板 安い方がイイ!
板厚 1.6t 1.6tが一般的
銅箔 片面35μ 18μ、35μ、70μの3種が一般的
外形 約20mm×30mm 部品が乗る大きさで小さく、でたとこ勝負
スルーホール なし 片面基板なので必要なし
シルク、レジスト ない 安くするためにしない

5.設計

試作用プリント基板(片面)を作るためにはパターン、穴、外形の3つを記入できれば作成することができます。
今回、プリント基板にはシルクを入れませんが、それだけですと部品実装のとき不便ですので図面用としてシルクを記入します。
まずはpcbeを起動して、アイコンをクリックします。デフォルトの場合は次のような画面が出ます。

パターン1 半田面のパターン
シルク2 部品面のシルク
外形 外形

ドリル孔

ラジオボタンを選択し、「決定」をクリックするとその項目が有効となり、描くことができます。

次にグリッドの設定をしておきます。アイコンでグリッドのピッチを設定します。

作業しやすい大きさにセットします。私は1.27mmにセットし、必要に応じてこの値を変更しながら描いております。
PCBEは部品面から半田面を見た図を表示しております。透明なプリント基板に描く要領パターンを記入していきます。
ドリル孔、外形、シルクも同様に記入できます。

記入する順番は気にする必要はありません。修正もアイコンで簡単にできますので、気にせずパターンを書き込んでいきます。

できあがったら、「ファイル」->「保存」で保存して終了です。
LEDの取付部分の基板も作ってみました。LEDを4個取り付けられるようにしてあります。

基板データ(zip)

6.基板発注

サンハヤトの感光基板でつくりたいところですが、時間節約のため外注します。
今回はシルク、レジスト等を使わないのでミーリングで基板加工しているとこに発注しました。
発注方法は電子メールにPCBEの基板データファイルを添付して送付するだけです。
PCBEのCADデータをもとに、装置でプリント基板を削りだすようです。少量で、スルーホール、レジストが不要、かつ小さいプリント基板の場合は安いようです。見積りはウェッブページ上でパッド数、基板の大きさを入力すると見積もることができます。

7.基板入荷

発注後、3日目にプリント基板が到着しました。

(ピンボケ写真ですみませんm(_ _)m)

製造方法上、一部に銅箔が残るそうです。使用上邪魔になる銅箔部分はないようです。

8.部品実装

蛇の目基板だったら放り出してしまうところですが、指先が不器用な私でも簡単に実装できました。プリント基板ですと、間違いも少なく、簡単にアセンブリできるのでイライラせず精神衛生上もイイ!みたい。

手持ちの緑色LEDで実験してみました。ニッカド電池(1.2V)でも緑色LED(VF=2V)が点灯しています。今後、基板はあるので、いろんなメーカーのLED、トランジスタで実験する予定です。

9.まとめ

感光基板を使用した場合と比べると、すごく楽になりますし、早いですね。エッチング液の処理も必要ないし、自分で穴あけする必要もない。PCBEに書くだけですから。FA関連などで簡単なプリント基板を数枚だけつくる人にはPCBEはとても使いやすいと思います。プリント基板CADを使ったことのない人でも、実に簡単に作れるようになります。

10.謝辞

PCBEをフリーウェアーとして提供されている高戸谷 隆氏に感謝したい。

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