Candle Flame Oscillator
ロウソク振動子などいろいろな火炎振動

ろうそく振動子

昨年、私はI氏から奇妙な報告を受けた。俎の上にバースーデーケーキ用のろうそくを数本円形状に並べ、点火すると全てのろうそくの炎が足並みをそろえて大きくなったり小さくなったりするというのである。そこで私はI氏の協力を得ながら追実験を行ってみた。

[実験1]
直径
6.0mm、長さ45mmのろうそく(MARUSANSEIZO)を次の5通りの並べ方をして炎の様子を観察した。

(1)  1
(2)  芯の距離を7.0mmにした2本。
(3)  芯の距離を7.0mmにした3本と1.5mmにした1本。
(4)  芯の距離を7.0mmにした2本を2組。各組の距離は芯間距離で15mm
(5)  直径25mmの円周上に等間隔で配列した6本と円の中心から40mm離れた1本。

[結果1]

(1)  炎の大きさは多少のゆらぎはあるが、ほぼ定常的な大きさを保つ。
(2)  ふたつの炎の大きさに同位相同期振動が観察された。
(3)  接近した3本では振幅(炎の高さの変化幅)の大きな同位相同期振動が観察され、離れた1本でも、接近した3本に同期する振幅の小さい振動が観察された。
(4)  4本とも同位相同期振動を行い、振幅は(2)の場合よりも大きくなることが観察された。
(5)  円形状に並べた6本は大きな振幅で同位相同期振動を行い、離れた1本はこの6本の振動に同期する小さな振幅の振動を行った。

(全体)複数個のろうそくを一定間隔より接近して置くと、同一周期同一振幅で炎が振動した。この振動は1本だけのろうそくでは観察されない。さらにこの振動の際立った特徴のひとつは、振動の出現が3つの状態から構成されていることである。即ち、振動をしていない状態、小さな振幅の状態、および大きな振幅の状態が構成単位となり、これが繰り返し現れるのである。

[実験2]
実験
1で用いたろうそくと同じものに点火しガスマッチ(UCHIDA)の炎を接近させる。

[結果2]
炎がある程度接近したところで両方の炎が同期振動を行った。

[実験3]
ガスマッチの代わりに、マッチの炎を用いて実験2と同様の実験を行った。

[結果3]
結果2と同様な結果を得た。

(原田新一郎1995「曙光」)




さらなる実験

次表のような火炎についてその光、熱放射、対流を調べた。

洋ロウソク1本 洋ロウソク2本
洋ロウソク6本 洋ロウソク10本
洋ロウソク20本 洋ロウソク6本対1本
洋ロウソク3本対3本 マッチ2本
マッチ対アルコールランプ マッチ対ガスマッチ
マッチ対ガスバーナー ガスバーナー1個
アルコールランプ1個 アルコールランプ2個
洋ロウソク段差付き2本 洋ロウソク段差付き6本
和ロウソク1本 和ロウソク2本
和ロウソク3本三角形 履歴現象
和ロウソク3本三角形 デスモード






結果
 ロウソク火炎の挙動として、定常火炎、単体振動、同位相振動、逆位相振動、履歴現象デスモードが出現した。

詳細はしばらくお待ち下さい。

(高橋哲2008)

文献

石田隆宏、原田新一郎、“炎の光の振動”、化学と教育、47(10)716(1999)
高橋哲ら、“炎の振動現象”、第51回日本学生科学賞作品集、読売新聞社(2008)p.19
Hiroyuki Kitahata et al., "Oscillation and Synchronization in the Combustion of Candles", J. Phys. Chem. A 2009,113, 8164-8168
北畑裕之、“広辞苑を3倍楽しむ(第28回)ろうそく”、科学、80(5)、p.476(2010)
長山雅晴、“現象の数理モデルを作ろう”、数学セミナー、51(8)、p.14(2012)
蔵本由紀、「非線形科学 同期する世界」、集英社新書(2014)p.46

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