パワー半導体

1、種類

@バイポーラトランジスタ

FETが普及する以前はモータ駆動回路の主流でした。

DCモータの可逆制御では4素子

DCブラシレスモータでは6素子

をブリッジ回路にして使用します。

DCモータの非可逆制御では1素子で駆動します。

高速スイッチングトランジスタを使用して20KHZまでのスイッチング制御が可能です。

ベースドライブは電流駆動の為、大電流回路では大電流のベースドライブ回路が必要になります。

AMOS−FET

バイポーラトランジスタに置き変わり現在の主流となっています。

DCモータの可逆制御では4素子

DCブラシレスモータでは6素子

をブリッジ回路にして使用します。

DCモータの非可逆制御では1素子で駆動します。

FETは100KHZまでのスイッチング制御が可能です。但し、モータ制御ではモータコイルからの電磁音を無くす為に高周波にしており、人間が可聴な周波数は16KHZまでなので、実用上20KHZあれば問題ありません。

ゲートドライブは電圧駆動の為、大電流回路でも小電流でゲートドライブ回路が可能になります。

Bサイリスタ

大電流トランジスタが出来る前まではDCモータ制御によく使われていた電力用半導体です。

おもに1素子でのDCモータ非可逆制御に使用します。

サイリスタは交流電源周波数に比例した位相スイッチング制御を行ないます。

交流電源を整流ダイオードで直流にした回路でしか使えないという制限があります。整流した後に平滑コンデンサを挿入した回路や、バッテリー電源では電圧波形が0V電位に落ちない為、サイリスタはターンオフが出来ずに暴走状態になります。

全波整流未平滑電源の位相チョッパ制御なのでDCモータの駆動が主になります。

サイリスタは回路は比較的簡単ですが制御性能が優れない為、トランジスタやFETに移り変わり、近頃ではあまり製造されていません。

Cトライアック

大電流トランジスタが出来る前から現在までACモータ制御やランプ制御、電熱器制御によく使われています。

トライアックは交流電源周波数に比例した位相スイッチング制御を行なう電力半導体です。

交流電源を位相スイッチングして交流電圧の調整を行ないます。

交流モータは電源周波数に比例して速度が変わりますが、交流ファンモータに限っては空気摩擦が大きいため、トライアックで位相制御した電圧により速度を可変する事が出来ます。

トライアックの出力回路に整流ダイオードを入れて直流に変換するとDCモータを駆動する事も出来ます。

2、ドライブ回路

@ベースドライブ回路

前記の通り、DCモータの可逆制御では4素子、DCブラシレスモータでは6素子をブリッジ回路にして使用しています。全てのトランジスタをNPNで構成した場合は、上段のFETは1素子毎に絶縁電源が必要になります。上段をPNP、下段をNPNで構成した場合は上段に1つの絶縁電源が必要になります。

ベースドライブはプッシュプルの電流入力/電流引抜き回路から構成されます。

Aゲートドライブ回路

前記の通り、DCモータの可逆制御では4素子、DCブラシレスモータでは6素子をブリッジ回路にして使用しています。全てのFETをNチャンネルで構成した場合は、上段のFETは1素子毎に絶縁電源が必要になります。上段をPチャンネル、下段をNチャンネルで構成した場合は上段に1つの絶縁電源が必要になります。

ゲートドライブはプッシュプルの電圧入力/ゲート電荷引抜き回路から構成されます。近頃はTTL回路でも駆動出来る低電圧駆動型FETも出てきています。

Bトリガ回路

サイリスタとトライアックは同様のトリガ素子で駆動出来ます。

半導体トリガ素子にはダイアック、SBS、UJT、PUTなどがあります。UJTやPUTではパルストランスを介してサイリスタに接続することがあります。

パルストランスもサイリスタの減少と伴い生産されなくなってきています。

3、PWM回路

ドライブ回路の前段回路で周波数一定のパルス幅変調(palus width moduration)波形を作り出します。

三角波基準周波数発振回路と電圧比較回路からなり、アナログ波形をデジタル波形に変換します。最近のワンチップマイコンにもモータ制御用にPWM機能を内蔵した物ができています。

PWM周波数は20〜25kHzが一般的です。大電圧大電流回路ではFETに変わりIGBTなどを採用しており、PWM周波数も数kHzの可聴音が発生する周波数で使用する事もあります。

PWM回路はトランジスタ及びFETが飽和領域で動作する為、発熱が少なくなります。リニア出力回路ではトランジスタ及びFETが動作領域で動作する為、発熱が著しく大きくなります。

PWM回路は高周波スイッチング波形の為、ノイズを発生します。周辺機器に影響を及ぼす時はリニア出力回路が望ましいですが、モータ出力が大きくなると発熱量も大きくなるので小型モータ以外は実用的ではありません。

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モータ

1、種類

@DCモータ

(1)DCマグネットモータ

アマチュア(ローター)に電機子巻線、フィールド(ステーター)に永久磁石を用いたモータで、回転数・トルクを自由に設計出来て、制御も簡単なモータです。

回転数は印加電圧に比例します。トルクは電機子電流に比例します。

永久磁石にはフェライト、ネオ滋鉄、サマリウムコバルトがあり、特長は表の通りです。

磁束密度 温度係数 価格
フェライト 普通 高い 安価
ネオ滋鉄 高い 普通 普通
サマリウム 高い 低い 高価

整流素子にブラシとコミュテータがあり、ブラシは消耗部品の為、1000〜3000時間でメンテナンスが必要です。

(2)分巻モータ

アマチュア・フィールド共に巻線があり、並列又は独立して接続します。

フィールド側も巻線の為、フィールド電流でトルクを制御が出来ます。

フィールド側に巻線があると外形寸法が大きくなる為、近年はDCマグネットモータに切り替わっています。

整流素子にブラシとコミュテータがあり、ブラシは消耗部品の為、1000〜3000時間でメンテナンスが必要です。

(3)直巻モータ

アマチュア・フィールド共に巻線があり、直列に接続します。

分巻モータに比べ高トルクが得られます。但し、負荷が軽い時は高速状態になります。

整流素子にブラシとコミュテータがあり、ブラシは消耗部品の為、1000〜3000時間でメンテナンスが必要です。

(4)複巻モータ

アマチュア・フィールド共に巻線があり、並列と直列の両方の接続をします。

分巻モータと直巻モータの中間の特性になります。

整流素子にブラシとコミュテータがあり、ブラシは消耗部品の為、1000〜3000時間でメンテナンスが必要です。

ADCブラシレスモータ

(1)ホールモータ

モータ部はアマチュア(ローター)に永久磁石、フィールド(ステーター)に電機子巻線を用いた三相同期モータからなります。

極位置検出、速度検出にホール素子を使用して簡易的な速度制御を行なう事が出来ます。

DCマグネットモータと同じ特性が得られます。

(2)ACサーボモータ

モータ部はアマチュア(ローター)に永久磁石、フィールド(ステーター)に電機子巻線を用いた三相同期モータとアマチュア、フィールド共に電機子巻線を用いた三相誘導モータがあります。

同期モータは小型モータに、誘導モータは大型モータに使われています。

極位置検出、速度検出、位置検出をエンコーダで行ない、精密な位置制御、速度制御を行ないます。

BACモータ

(1)インダクションモータ

モータ部はアマチュア(ローター)にかご形導体、フィールド(ステーター)に電機子巻線を用いた単相誘導モータと三相誘導モータがあります。

回転数は電源周波数とモータ極数で決まります。

(2)ヒステリシスモータ

モータ部はアマチュア(ローター)にヒステリシスリング、フィールド(ステーター)に電機子巻線を用いた単相同期モータと三相同期モータがあります。

回転数は電源周波数とモータ極数で決まります。又、すべりトルクが小さい為、負荷変動があっても回転数は一定に保たれます。

(3)トルクモータ

誘導モータの巻線を変えてトルクを大きくしたモータです。

トルクモータは停止したまま起動トルクを使用します。

Cステッピングモータ

(1)ステッピングモータ

スロットごとに1ステップづつ位置を変えながら駆動するモータです。

オープンループの位置制御に使われます。

(2)リニアモータ

直線レール上をステップごとに移動するモータです。

直線での位置制御に使われます。



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