レポート用紙(青)

          裁判の最終報告   2003年12月

              ライベックス被害救済弁護団最終報告


原告の皆さんへ弁護団より最終のご報告をします。
ライベックス事件の東京高等裁判所の控訴棄却判決が、2002年9月4日に出され、その後 
最高裁判所への上告を考えた方も少数おられましたが、上告審の性格、現在の裁判所の
姿勢などを考え、中止することにしました。

〔 判決に対する弁護団のコメント 〕
 さて、裁判を始めてから約7年余り、原告団、弁護団共に奮闘してきましたが、一審、二審とも
各金融機関の責任を認めなかったことについては、金融機関や大企業の責任を容易に
認めようとしない現在の裁判所の体質を糾弾せざるをえません。
仮に高利貸しが、悪徳業者と手を組み、本件のような詐偽商法と結んで借り手を大募集したとき、
裁判所は果たして、金融機関は金を貸しただけで責任がないなどと判決できるでしょうか。
高利貸しと悪徳業者が互いに意を通じ合って、一般消費者を騙す仕組みを作ったことに
具体的メスを入れることは不可避であったはずです。それを稟議書の取り寄せもしない、
実際に決済権限を有してライベックスとの交渉にあたった者も調べない、個人別の貸し出し
判断資料を明らかにさせない、などなどでは、裁判の名が泣きます。

 現在進められている司法改革で、官僚裁判官ノーの声(市民裁判官の多数参加、
裁判官以外の経験重視など)を挙げ、また、裁判を受けることさえ躊躇させる敗訴者への
弁護士費用転化制度導入反対を、強く訴える必要性を痛感します。

    非常識と独断に満ちた控訴判決
          各方面から指摘される数々の問題点!!
@ 詐偽認定とその共同についての原審認定からの後退
  「開業当初は稼働率が低い」(どこで証明されたのか!)、「他に収入源を見こんでいた」
(どこにあるというのか!)、などと言う千葉弁明をそのまま採用する非常識、購入者に
支払われるべき賃料の確保はライベックスの財務状況に依存するのだから、このリスクを購入者は
「考慮して購入していたはずだ」等と言う独断(有名金融機関が、ライベックスをして、賃料支払いを
返済原資として無担保で90%も購入資金を貸してもらえると宣伝させるからこそ、借りて買ったのが
判らない頭の硬さ!)。

 ライベックスの破綻は、「折からの経済不況下での行き詰まりだ」という思い込み
(バブルの絶頂期に自転車操業を行っていたというのが破産管財人も認定した事実である)。
A 金銭貸借の錯誤無効
 返済プランにより確実な賃料支払いと返済の容易さを誤診したことは、認めても、この動機の
錯誤は、法的な意味の錯誤ではなく、「購入決定とこれによる代価の支払いの必要性」だけが
法的な錯誤に値する、と断じる。しかし、通常、このような錯誤(間違って買う気になった、代価は
必要でないと思ったなど)は生ずるはずがなく、日弁連の平成8年人権シンポでも批判されている
最悪の判例にならったものと言える。売り手と買い手の関係、売買契約と消費者契約との関係、
倫理的・政策的配慮などを総合すべきであると、学者も批判的である。「ライベックス社員が
そのように説明して勧誘しても、金融機関が同社員を通じて表示したとは言えないし、そのことを
金融機関が認識していたとは言えない。」と言うに至っては、パンフレットに公然と明記し最重視して
宣伝している事実すら金融機関は知らないはずだ、と言うことになり、非常識な金融機関擁護論の
見本である。

B 過失による共同不法行為
 ライベックス商品に見合った提携ローンを用意したことが、商品購入に決定的な原因を
与えたものとは評価できないと切り捨てるが、千葉隆の証言でも、いかに提携ローンを組んで
もらうことに必死であったかは明らかにされており、共同持分ローンや節税効果も含めて
提携ローンがどれほど重要かは、疑う余地はない。
 また、借りる側が申し込んだ結果だと言うが、その前に大宣伝、マンツウマン勧誘があることを
看過している。
C 知りすぎる程知っていた 金融機関のライベックスの内情
 ライベックスの財務内容につき、金融機関は、不適法意見を記載した監査結果を
見せられていないし、千葉隆が「金融機関とは、なあなあの関係」と明言したように、
法の求めた会計監査を現に行っている事実は金融機関にとり常識であろうし、受領した
決算書だけからも散見される不健全な会計処理を、知らないと言うのは、それを
受領する目的を忘れた、暴論であろう。
D 金融機関の主張を丸呑みし、見逃した貸し手の責任
 顧客の返済能力等につき、総合判断やチェックを怠り、基準外融資も含めて、フリーパスの
融資をしていたことについては、ある程度それを認めたが、金融機関側証人の
「逐次個別審査した」と言う具体性の無い証言を丸呑みし、「そのようなフリーパスの融資以上の
審査がなされなかったことは断定できない」と逃げている。
 融資基準違反があること、安易にライベックスの賃料支払いを返済原資としたことなどの
あることはしぶしぶ認めたが、それは融資者の責任ではなく、顧客の自己責任であるから、
貸し手責任はない、と断ずる。ライベックスの賃料支払いを返済原資として過剰融資や
フリーパス融資をしたことがあることを認める以上、自己責任をとるだけの情報をおよそ得る術のない
借り手の立場を考慮し、ライベックスに対し絶対優位にあり必要なだけ情報を入手できる
金融機関が、賃料支払いを返済原資にすることを宣伝して借り手を勧誘したとき、
なぜ貸し手責任が問題とならないのか不思議と言うほかはない。

 以上のとおり、高裁判決も一審からの後退もありますが、控訴審で新たに問題点と指摘した
ところは、苦慮しつつ否定している面もあります。
 であるならば、なぜ、被害者の立場をもっと尊重し和解等を適切に粘り強く進めなかったのか、
極めて遺憾と言わざるを得ず、高裁の伊藤瑩子裁判長が、9月に定年を迎える前の判決実績を作る、
と言う、誠に自分本位の訴訟指揮であった、と批判せざるを得ません。

今日の世相は、ともすれば人を踏みつけにして利益を追求することがはやる状況にあります。
このような世の中を、あたりまえの道理とあたりまえの判断が通用するようにしたいものです。




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