V.評価の視点
Jさんのホームページに都道府県の各評価システムの比較表が示され、都道府県により評価者が区々であることが分りました。また、Vさんからは、委員会方式を住民評価とすることの正統性について疑問が提示されました。このように、e-デモ会議室で議論されていることに触発されて、「評価の視点」について次のとおり整理してみました。
必ずしも当を得たものではないかも知れませんので、ご意見を頂戴したいと思います。

評価主体ごとの評価の視点と正統性

評価の視点 評価の視点 行政の
専門知識
正統性   記      事   
行政組織内 当該事業担当 自己(自担当) × 自己客観視の困難性克服の必要性
監査委員 組織内他者 客観性担保の困難性克服の必要性
 議  員 住民の代表者 多忙な議員のスタッフ充実の必要性
首長に任命された評価委員 組織外関係者 首長意向の影響の抑圧の必要性
当該事業の利害関係者 組織外関係者 △○ × 自己利害からの視点・当該事業の専門性
NPO・大学教員等 組織外第3者 △○ 学究的立場からの中立性担保期待
一般住民(有権者・納税者) 組織外第3者  △   ○ 個々人の評価は利害の出る傾向も考えられるが
多数参加による総意は客観性向上し住民ニーズ
が集約され民主主義的扱いが期待できる。


この表を作りながら、評価の視点の分類だけで「評価の正統性」が説明できるものだろうかと自問してみました。そして、真に利害関係がなく中立的な主体はあり得るだろうかという疑問を持ちました。評価者が何処に帰属していても最後は個人の判断になります。もちろん、行政組織や委員会にあっては上司・同僚等の合意が必要なので個人だけの利害が働くことはないでしょう。
「個人」は例えば、自分を含めて親族に失業者が居たり就職難に直面している人が居れば、「雇用対策」事業の評価に厳しくなる傾向が出るでしょうし、幼児を持つ働く女性が、託児に困っていれば託児所の事業に疑問を持った評価になる可能性があります。
そういう意味では、すべての人が何らかの「利害関係者」と言えなくもないと思います。「利害関係者による評価の弊害」を低減させるためには、できるだけ多くの人に評価してもらうことだと思います。その集積された傾向は「住民ニーズ」に近いものであり、「正統性」を高めることになるだろうと思います。しかし、現実にはなかなか難しいので、次善の代替方法がとられているのだろうと考えています。