田園コロシアム

 

 

ガチンコ BASEBALL 〜某月刊誌に連載中のコラム

 



#85 長嶋茂雄という宝物 

友よ、今こそ長嶋茂雄(74)について語ろうではないか。ある時、元・日テレアナウンサーの徳光和夫がなじみの蕎麦屋に長嶋を連れて行った。長嶋の大ファンだった蕎麦屋の主人は、事前に連絡を受けたので、腕によりをかけ特上の蕎麦を打って長嶋を待った。徳光と共に店に入った長嶋はこういった。「色々あるね。ぼく、かつ丼」。元阪神の掛布雅之(55)がスランプになった時、長嶋に電話で相談した。長嶋はこういった。「スイングの時はピャッピャッと振るんだ。シャッシャッだぞ。「じゃあちょっと振ってみて」驚く掛布。しかし、受話器をそばに寝かせてバットを振る。「どうですか?」と問う掛布。「いや違う。シャッシャッと振るんだ」と長嶋。もう一度、バットを振る掛布。長嶋がいう。「オッケー。それでいい!」。現役時代キャッチャーだった野村克也(74)は、「お前の奥さん、銀座で誰それと歩いとったらしいぞ」というような打者の嫌がるネタを囁き、集中力を削いでいたが、長嶋は「へぇよく知ってるね〜」といって平然としていた。ちなみに、同じことをやられた張本勲(69)は、激怒のあまり「次の打席で大振りするフリしてヤツの頭をバットでぶん殴ってやった」と語る。長嶋茂雄。1936年、2月20日生まれ。キャンプの時にバースデーケーキを渡され、「おかしいな。いつもキャンプの時にバースデーなんだよな」とのたまった。現役17年。終身打率3割5厘。MVP5回、首位打者6回、ホームラン王2回、打点王5回。監督生活15年。リーグ優勝5回(そのうち、日本一は2回)。現在、読売巨人軍終身名誉監督。いうまでもなく日本の宝だ。(2010.06)


#84 君は赤ヘル軍団を知っているか?

友よ、今こそ広島東洋カープについて語ろうではないか。アラフォー世代のみなさんには、あの赤ヘル軍団の印象が強いと思う。時は1975年。ルーツ監督の提案でチームカラーを「赤」にした途端のセ・リーグ初制覇。シーズン途中で監督は古葉竹識に変わったものの、エース外木場義郎(64)は最多勝、山本浩二(63)は首位打者、大下剛史(65)は盗塁王を獲得。衣笠祥雄(63)もいたし、ホプキンスとシェーンもいた。高橋慶彦(53)もいた。一方の読売巨人軍は球団創設以来、初の最下位。明暗くっきりのシーズンだった。助っ人のホプキンスとシェーンがライトルとギャレットに変わり、1979年と1980年には日本一に輝いた。ストッパー江夏豊(61)を擁し、黄金時代を築いたかに見えた。しかし、1991年の日本一を最後にカープの優勝はなくなった。カープで優勝を経験したの現役選手は前田智徳(38)だけになってしまった。なんせ資金力がない。年棒が安いからどんどん選手が出て行く。金本知憲(42)も新井貴浩(33)も阪神に行ってしまった。助っ人外人を物色しに行くにしても、他球団はメジャーを見てから3Aのゲームを見る。広島は最初から3Aの試合しか見ない。契約更改でオーナーは「広島の物価が安いからこんなもんでいいだろ」と毎年選手にいう。その代わり、広島は試合の直前でも猛練習をする。高校野球かっつーぐらいに練習する。ブラウンで影を潜めていた広島名物・猛練習も野村謙二郎新監督(43)によっても復活した。あとは、ネオ赤ヘル軍団が大暴れするだけ。まずは3位を目指せ。(2010.05)


#83 オレ流って何!?

友よ、今こそ中日ドラゴンズ監督・落合博満(56)を語ろう。現役時代は3度の三冠王。ただし、日本ハムでの最後の2シーズンで、5本のホームランしか打っていない(何億も貰っててね)。まさにオレ流だ。そして、三冠王(首位打者)を取るために気にしていたのはフォアボールの数。フォアボールをふやせば打率が上る。ヒット数を気にするイチロー(36)との決定的な違いはそこだ。中日の監督としての6シーズンのうち、リーグ優勝が2回。日本一が1回。ただし、日本一になったシーズンはリーグ2位。このとき、山井(31)が8回までノーヒットノーランを続けていたのに、9回からマウンドに岩瀬(35)を送って物議を醸した。山井がノーヒットノーランを達成できたかどうか、見たかったよね、プロ野球ファンは!  サインを頼まれると色紙の白い面ではなく、金色の模様が描かれている方に書く。本来、色紙の表は金色の模様がついている方だからだ。確かに、色紙は金色の模様が描かれている方が表だけれど、人々がそんな綺麗なところに自分の字を書くのは忍びないと考え、白い面に書くことが慣習化した。いわば日本人の美質だ。その奥ゆかしさが決定的に欠けているのがオレ流ということだ。大のガンダム好きで、部屋にはガンプラやらポスターがある。結婚は2度目。奥方は元ホステスの信子夫人。長男の福嗣くんは国士館中学で野球部に入っていたものの、いつの間にか辞めてしまった。落合監督は名古屋の企業人と付き合わない。日本代表にも選手を出さない。そんなチームが勝ったところで何が面白い!?(2010.04)


#82 球春到来!!

さぁ、いよいよプロ野球開幕。海の向こうのメジャーリーグも開幕を迎える。ということで、日本人メジャーリーガー情報。昨季はワイルドカードでディビジョンシリーズ進出を果たしたものの優勝のなかったボストン・レッドソックスには、松坂大輔(29)、岡島秀樹(34)、田沢純一(23)という3人の日本人投手がいる。昨季は故障者リスト入りしてわずか4勝に終わった松坂の復活に期待だ。そのレッドソックスから斎藤隆(39)が移籍したため、アトランタ・ブレーブスにも斎藤と川上憲伸(34)の2人の日本人投手が在籍している。昨季7勝を挙げた川上は何とか10勝以上したいところだ。 川上とともにメジャーリーガーになった上原浩治(34=オリオールズ)も昨季はケガに苦しんだ。まずは先発ローテ入りだ。それから、ヤクルトからメッツ入りした五十嵐亮太(30)はドジャーズの2シーズンで17勝を挙げた黒田博樹(34)を超える活躍を期待したいがどうか。野手陣はというと、10年連続の200本安打を目指すイチロー(36=マリナーズ)、新天地で4番に座りたい松井秀喜(35=エンジェルス)の2人は今季もやってくれそうだ。特に松井は守備機会を求めてエンジェルスに移籍しただけに、走攻守と3拍子揃った選手であることを証明してほしいものだ。そして、岩村明憲(30=パイレーツ)、松井稼頭央(34=アストロズ)、福留孝介(32=カブス)の3人も地味ながらしっかりとメジャーにアジャストしている。元阪神の井川慶(30)はヤンキーズとマイナー契約。日本球界復帰の噂もある中、がけっぷちから踏みとどまれるか。(2010.03)


#81 追悼!小林繁

小林繁が亡くなった。享年57歳。巨人と阪神のエースとして活躍したサイドスローの投手だ。そして、小林といえば江川事件。78年、ドラフト会議前日に江川卓(54)が巨人と入団契約を交わしたという例の事件だ。コミッショナーの強い要望で江川が阪神に入団し、すぐに小林とのトレードで巨人に入団した。20年くらいあとに生まれていれば、大学希望選択枠(現在は廃止)ですんなり巨人に入っていた程度のことなのに……。これにより、小林は悲劇のエースとして江川はダーティヒーローとしてのイメージが定着した。小林と江川はそれ以来、言葉を交わすことはなかったが、清酒黄桜のCMで数十年ぶりに和解した。小林はプロ通算11年で139勝95敗。17セーブ。最多勝1回(阪神に移籍した79年に22勝を挙げた)、沢村賞2回。一方の江川は、プロ通算9年で135勝72敗3セーブ。最多勝2回、最優秀防御率1回、MVP1回(ただし、江川は高校時代にノーヒットノーラン9回、完全試合2回を記録しているので潜在的な能力の差は歴然)。通算勝利数は江川より小林の方が4勝多い。江川は広島の小早川(48)に渾身のストレートをホームランされ引退を決意したといわれているが、むしろ通算勝利数で小林を上回ることをよしとしなかったのではないか。野球以外のプロスポーツでは選手は契約したいチームと契約する権利を持っている。アメリカの合理主義がメジャーリーグのドラフト制度を生み、日本がそれを猿マネした。その安易なドラフト制度は「職業選択の自由」に抵触する。そうゆう意味では、江川も小林もドラフト制度の犠牲者なのかもしれない。(2010.02)


#80 新監督勢ぞろい

今季の新監督5人を考えたい。横浜の尾花高夫監督(52)は監督として初采配ながら、97年には投手コーチとしてヤクルトの日本一に貢献。99年からはダイエーに投手コーチとして移り、2度の日本一に導いた。06年からは巨人の投手コーチになり、リーグ3連覇(昨季は日本一)に貢献。いわゆる、優勝請負人である。今季、彼が掲げるのは「アナライズ・ベースボール」(分析する野球)。きっちりと投手力を整備し、打線とのバランスを取れれば優勝には手が届かなくとも、クライマックス・シリーズ進出は期待できそうだ。広島はOBの野村謙二郎監督(43)が就任したことで、練習時間が高校野球並みに長い「熱血根性野球」に逆戻りするという噂もある。せっかくブラウン前監督がMLB流の近代化を、広島にもたらしたというのに。その広島を退団したマーティー・ブラウン(46)は野村克也(74)のあとを受けて、東北楽天を率いる。昨季はリーグ2位で終えた楽天だが、打線の高齢化、中継ぎ陣の整備など課題は山ほどある。コーチ人を一新し、野村色を排するなど人事面でも大ナタを振るったブラウンだが彼の戦略が浸透するまでには、少々時間がかかりそうだ。大石大二郎(51)が退団したオリックスは前阪神監督の岡田彰布(51)を迎えた。ただ、岡田が関西のチームを渡り歩いているという印象が強く、オリックスそのものに新鮮味はない。千葉ロッテは西村徳文ヘッドコーチ(49)が監督に昇格した。こちらもバレンタイン政権が長かったため、西村色を出すのには時間が必要。日替わり4番ではなく、じっくりと長距離砲を育ててほしいものだ。(2010.01)


#79 工藤が西武に復帰!

工藤公康(46)が古巣・西武ライオンズに戻った。復帰するにあたって、背番号「47」をつけていた帆足投手が「先輩にお返しします」と申し出たが「若い選手に気を使わせたくない」といって断ったという。巨人と戦った87年の日本シリーズで清原(42)が号泣した。あの時マウンドにいた工藤は、左バッターの篠塚(52)が引っぱって清原の所へ打球が飛ばないように、アウトコースばかり投げた。工藤は優しい男なのだ。現監督の渡辺久信(44)も、80年代の西武黄金時代を支えたチームメート。グランドの上だけではなく、夜の六本木でもブイブイいわせていた仲間だ。  渡辺は現役時代、自分のことしか考えない典型的な天才肌の選手だった。それが、現役引退後に台湾で監督をつとめ、人の気持ちを慮れるようになった。それが奏功し、昨シーズンは監督就任1年目で日本一になった。今シーズン、巨人軍を日本一に導いた原辰徳(51)も彼らと同世代の天才ホームランバッターだった。だがここ数年、若手をきっちり育てて日本一を勝ち取ったのは天晴れである。日本シリーズ第6戦、先発の東野(23)が打球を受けてのケガで途中降板したあとを受けて、急遽登板した内海(27)が4回3分の2を無失点に抑えて巨人を日本一に導いた。これには深イイ話があって、原は内海に「本来なら先発はお前で行きたいところだが、我慢してくれ。でも、日本シリーズで勝つにはお前の力が必要だ」といったのだ。内海はいつ登板の機会があってもいいように、準備を整えていた。かつての悪ガキたちも、すっかり大人になったもんだ。(2009.12)


#78 嗚呼!阪急ブレーブス

シーズン終了前、オリックスの後任監督に山田久志(61)の名前が挙がった。この報道で、かつて阪急ブレーブスのファンたちが色めきたった(かくいう筆者もその1人)。阪急ブレーブス消滅以来の阪急OBの起用だったからである。mixiの「阪急ブレーブス」コミュニティでも「しばらくぶりに応援できる球団ができそうで嬉しい」という書き込みが多数あった。しかし、オリックスの宮内義彦オーナー(74)は、元阪神の岡田彰布(51)を監督に迎えた。      球団を買収するときも「球団を持っていれば、あのNHKまでもが連日スポーツニュース等でオリックスの名を出してくれる。それだけで球団を所有する意味がある」と発言した男だ。そして、「ブレーブスという名前は残してくれ」という上田利治・元監督(72)との約束を1年で反故にした。さらには、土井正三(元・巨人)、仰木彬(元・近鉄)、 石毛宏典(元・西武)、 レオン・リー(元・ロッテ)、伊原春樹(元・西武)、中村勝広(元・阪神) と外様監督ばかりをチームに迎え、徹底気的に「阪急色」を払拭。死者に鞭打つのは趣味ではないが、土井・元監督は新人時代のイチロー(36=マリナーズ)の才能を見抜けず2軍に落としたし、同じく新人時代の田口壮(40=カブス)を練習過多で精神的に追い詰めた。そんな監督を選ぶオーナーの見識を疑う。神戸出身の宮内オーナーにしてみれば、「阪急」は関西の大財閥・小林一族の象徴である。宮内個人が私怨を持っていてもおかしくないが、たかだが「阪急」が持っていたプロ野球の一球団をわがものにした所で、小林一族の足元にも及ぶまい。(2009.11)


#77 個人タイトルの行方

ペナントレースの行方とともに気になるのが、個人タイトル。まずはセ・リーグの投手部門。最多勝は吉見(24=中日)と館山(27=ヤクルト)にゴンザレス(31=巨人)がからんでくる模様で、20勝挙げればほぼ確実になるだろう。最優秀防御率は吉見とチェン(24=中日)の一騎打ち。打者部門のホームラン王はブランコ(28=中日)が頭ひとつリード。首位打者はラミレス(35=巨人)と内川(27=横浜)の一騎討ちか。前半飛ばした坂本(20=巨人)もチャンスあり。打点王は、森野(31=中日)、ブランコ、小笠原(35=巨人)、ラミレスあたりだが、ブランコ、ラミレスといった馬力のある外人勢がホームラン王と併せて打点王をかっさらっていく可能性が高そうだ。もし、小笠原が無冠ならMVPをあげたいところだ。一方のパ・リーグ。投手部門の最多勝は、ダルビッシュ(23=日ハム)、杉内(28=ソフトバンク)、岩隈(28=楽天)、田中マー君(21=楽天)とWBC日本代表でおなじみの面々がしのぎを削っていて、誰がタイトルを取ってもおかしくない。最優秀防御率もこの4人の戦い。打者部門のホームラン王は、おかわり君・中村(26=西武)でほぼ決まりだろう。ベテラン山崎(40=楽天)も40本に届けば立派なものだ。中村は打点王もほぼ手中に収めて2冠王の誕生だ。首位打者は、鉄平(26=楽天)のうれしい初タイトル獲得が有力。MVPはダルビッシュが取りそうだ。今シーズンは、楽天勢のがんばりが目立った。こうしてみると、セ・リーグよりもパ・リーグの方が。スター選手・個性的な選手が多い。セ・リーグは外人に頼りすぎ。(2009.0810)


#76 首位・日ハムを新型インフルが襲った

日本ハム独走かと思われた夏場、なんと新型インフルが日ハムナインを襲った。感染が確認された福良ヘッドコーチ(49)をはじめ宮西投手(24)、菊地投手(27)、金森投手(24)、小谷野内野手(28)、糸井外野手(28)、スレッジ外野手(32)らが一気に戦線離脱。直後のゲームに5連敗してしまった(運の悪いことに2位のソフトバンクに3連敗を含む)。ケガは本人の体調管理の甘さだといわれるが、インフルエンザはどうなんだろう。やはり自己責任か。これで、パ・リーグがいっそう面白くなったことも確かだ。日ハムとソフトバンクの優勝争いに、西武と楽天の3位争い。楽天がクライマックスシリーズに進出すれば岩隈(28)と田中マー君(21)で第1ステージを勝ち上がることだって不可能じゃない。短期決戦は怖いのだ。一方のセ・リーグは、巨人が首位の座を死守しているが(9月上旬現在)、クライマックスシリーズ進出は、巨人、中日、ヤクルトでほぼ決まりだろう。そうなると、中日の防御率1位&2位コンビ「吉見(24)&チェン(24)」とヤクルトのフレッシュコンビ「石川(28)&館山(27)」の対決になるだろう。ただ、落合博満(56)は、ノーヒットノーラン寸前だった山井(31)をあっさり岩瀬(35)に交代させた男だ。何をするか分からない。第2ステージのために吉見もチェンも温存して、朝倉(28)あたりが先発してくれたらヤクルトにも勝機がある。4位の阪神タイガースにクライマックスシリーズ進出の可能性はないのか。阪神はチーム防御率がセ・リーグ3位(9月上旬現在)。新井(32)さえ復活してくれれば……。(2009.09)


#75 クライマックスシリーズ進出はどのチーム?

オールスターをを終え、そろそろクライマックスシリーズに進出するチームが見えてきた。セ・リーグは巨人、中日、ヤクルトの3チームだろう。ただ、坂本(20)が腰痛でベンチを外れるなど、開幕からトップスピードで首位を突っ走ってきた巨人もそろそろ息切れ。一方、石川(28)、館山(27)といった若手投手がひっぱるヤクルトは、勢いに乗れば昨季の西武のように一気に日本シリーズまで駆け上がる可能性もある。それにしても不気味なのは、中日の存在だ。防御率1点台を誇る吉見(24)&チェン(24)の両エースも脅威だし、何よりも落合監督(55)はクライマックスシリーズの戦い方を熟知している。去年もペナントレース2位通過の阪神が中日に3連敗し、優勝目前だったシーズンを3位で終えているのだ。パ・リーグは日ハム、ソフトバンク、西武の3チームだろう。ダルビッシュ(23)という絶対的なエースと糸井(28)、稲葉(37)、金子誠(33)、小谷野(28)、高橋(31)といった3割打者をずらっと揃えた強力打線を擁する日ハムは、やはり1位通過の最有力。日ハムを追うソフトバンクも、もともと地力がある上、投打が噛み合っていてエース杉内(28)も好調。西武にも涌井(23)というエースがいて、どのチームも必ずこの投手で連敗を止められるという大黒柱がいるのが強み。最後に悲しい話題。長嶋一茂(43)が『長嶋茂雄』を勝手に商標登録して、父親から絶縁宣言されていたというのだ。元大関貴ノ花(二子山親方)のところもドロドロだったけれど、スーパースターの家庭はかくも荒廃するものなのか!?(2009.08)


#74 交流戦はソフトバンクがV2!

ソフトバンクが交流戦を制し2連覇を成し遂げた。18勝5敗1分けの圧倒的な成績。交流戦MVPの杉内(28)を中心とした球界随一を誇る投手陣はもちろんのこと、長谷川(24)と田上(29)が成長。ケガから復帰の多村(32)、村松(36)、松田(26)が加わった打線は秋山監督(47)が「どこからでも点が取れる」と自慢する。今季3番に座っている新外人オーティズ(32)の加入が一番の勝因だ。そして、交流戦3位につけたのが、新球場のマツダスタジアムで暴れまわる広島だ。交流戦は「同一カード2連戦」を基本として日程が組まれる。そこで広島は大竹(26)、前田(21)、ルイス(29)、斎藤(22)の4人で先発ローテを回し好成績を残した。「同一カード3連戦」が基本のペナントレースはあと2枚先発が必要になるが……。そんな広島を尻目に阪神タイガースが虫の息だ。6月末現在で3割打者がひとりもいないし、防御率2割台の先発投手もいない。宿敵巨人からペナントを奪い返すどころか、最下位横浜につぐ5位。真弓新監督(55)の采配がうまくいっていないのか、選手が悪いのか。新監督といえば、千葉ロッテが今季限りで契約が切れるのバレンタインの後任に、元巨人の江川卓(54)をリストアップした。江川は次期巨人軍監督が有力視されていたが、原政権が長期政権になりそうな今、当分、監督要請の話は舞い込んできそうもない。でもそろそろユニホームが恋しくなっていることも事実。こうなったら千葉ロッテを鍛え上げ、日本シリーズで原巨人と対決するのも面白い。ヘッドコーチは千葉県出身の掛布(54)で決まり!(2009.07)


#73 巨人の強さの秘密は……

巨人が強い。交流戦でも強い。WBCを優勝に導いた勢いだけではなく、原辰徳(50)はいよいよ名監督への道を歩き始めたのかもしれない。「おれはV9を超える!」という本人の弁は眉唾だとしても……だ。まずは、05年秋に就任した尾花投手コーチ(51)のおかげで、投手陣がすこぶるいい。現在、先発ローテをグライシンガー(33)、高橋尚(34)、内海(27)、東野(23)、福田(25)の5人で回しているが、他球団に比べて力が突出しているわけではない。むしろ、越智(26)、山口(25)、クルーン(36)、豊田(38)、M・中村(32)、といった中継ぎ+ストッパー陣が充実している。特に東野、福田、越智、山口といった若手投手が戦力になっているのは、尾花コーチの手腕に負うところが大きい。攻撃陣では、なんといっても坂本(20)がいい。昨季も二岡(33)を日ハムに追いやる成長を見せたが、今季はなんと首位打者(5月末現在)を突っ走っている。この坂本、実は田中マー君(20=楽天)と小・中学校(兵庫県伊丹市)の同級生だ。小学校時代は同じチームでバッテリー(坂本がキャッチャー)を組んでいたのだから面白い。高校は坂本が光星学院(青森県)、田中が駒大苫小牧(北海道)へそれぞれ進んだため、離れ離れになったが、日本シリーズでこの2人の“幼馴染対決”を見てみたいものだ。打撃ベストテン2位につけているのはベテラン小笠原(45)。これに亀井(26)、脇谷(27)、李(32)、ラミレス(34)と若手とベテランがうまくマッチして、攻撃陣もグッドバランス。巨人の日本一奪還は青信号だ。(2009.06)


#72 イチロー最多安打・日本記録更新!

今季、海を渡った上原(34=オリオールズ)と川上(34=ブレーブス)が、4月中に揃って1勝目をあげるなど幸先よいスタートを切った。巨人をクビになってメジャーに挑戦していた門倉(35)は、カブスとマイナー契約をしていたが、韓国のワイバーンズに移籍(そして横浜に復帰か!?)。その一方でイチロー(35=マリナーズ)は胃潰瘍、松坂(28=レッドソックス)が右肩痛でメジャーリーグの故障者リスト入りするなど、WBCの後遺症が目立つ。国内でも、ダルビッシュ(22=日ハム)や小松(27=オリックス)といったエース級投手、昨季の首位打者・青木(27=ヤクルト)など不調にあえぐ選手が多いが、ここに来て村田(28=横浜)がケガから復活するなど、徐々に調子を戻している様子。そんな中、イチローが張本勲(68)の持つ最多安打・日本記録3085安打を更新した。イチローが新記録を打ち立てたゲームを現地で見ていた張本氏も、「大あっぱれ」などとイチローを絶賛していたが、当日の日本のラジオに電話出演した際は、「でも、日本の記録は私が持ってますからね」と発言。彼は、以前から「イチロー選手が3086本目を打っても参考記録ですから」とあくまで自分が記録保持者であることを譲らなかった。陸上なら、追い風参考記録ってのがあるんだけどね……。さあ、今年も5年目に突入した交流戦の季節がやってきた。期間は5/19〜6/21の34日間。全144試合。05年06年と千葉ロッテ、07年は日ハム、去年はソフトバンクが栄冠を勝ち取ったこのシリーズ。今年はどのチームが賞金5千万を手にするか。(2009.05)


#71 WBC連覇!!

未だ興奮冷めやらないWBC連覇。原辰徳監督(50)をして、「イチローのセンター前というのは生涯忘れないでしょう」といわしめた、決勝・韓国戦での決勝タイムリーは見事だった。「イチローをオーダーから外すべきだ」といい続けていた楽天野村克也(73)監督よ、見たか。結果論だが、イチロー(35=マリナーズ)がいなかったら世界一にはなれなかったぞ。「僕はやはり持っていますね」そう、イチローは「持っている」男なのだ。そして「神がおりてくる」男だ。十回表・一死一塁三塁で凡フライを打ち上げちゃった川崎(27=ソフトB)にしろ、三回表・一死満塁で併殺打を打っちゃった栗原(26=広島)にしろ、日本代表に選ばれるくらいの選手なのにヒットが出なかった。世界大会の決勝の重圧は常人には計り知れない。ただ、いくら緊急招集したとはいえ、栗原のスタメンは無理があった。一死満塁できっちりヒットが打てるような強心臓を持っていたら、最初からメンバーに選ばれている(栗原を責めてはいけない)。むしろ決勝は川崎スタメンでいくべきだったし、九回裏もダルビッシュ(22=日本ハム)ではなく、そのまま杉内(28=ソフトB)続投ならあっさり九回で日本が優勝を決めていたかもしれない。ただ、そうなると我々国民はイチローの決勝打のカタルシスは味わえなかった。あの場面で韓国のストッパー林(32=ヤクルト)がイチローとの勝負を避けていたら、中島(26=西武)が国民的ヒーローになっていたかもしれない。監督の采配ひとつがまた別のドラマを生み出す。ほんとうに野球は面白いスポーツである。(2009.04)


#70 サムライJAPAN、2連覇なるか!?

この号が出る頃には第2ラウンド(米サンディエゴ、マイアミ)を戦っているはずの侍JAPAN。楽天・野村監督(74)が、「おれが監督だったら4番は松中、キャッチャーは細川」と明言していたその2人をあっさり落選させた原監督(50)。そんな彼が率いる侍JAPANのメンバーを今一度、確認してみたい。■投手■涌井(22=西武)、小松(27=オリックス)、ダルビッシュ(22=日本ハム)、渡辺俊(32=ロッテ)、田中(20=楽天)、岩隈(27=楽天)、馬原(27=ソフトB)、杉内(28=ソフトB)、内海(26=巨人)、山口(25=巨人)藤川(28=阪神)、岩田(25=阪神)、松坂(28=レッドソックス)捕手■阿部(29=巨人)、石原(29=広島)、城島(32=マリナーズ)■内野手■中島(26=西武)、片岡(26=西武)、川崎(27=ソフトB)、小笠原(35=巨人)、村田(28=横浜)、岩村(30=レイズ)■外野手■稲葉(36=日本ハム)、亀井(26=巨人)、青木(27=ヤクルト)、内川(26=横浜)、イチロー(35=マリナーズ)、福留(31=カブス)  メジャーリーガーが5人を含め、岩隈、ダルビッシュ、涌井といったメジャーがすぐにでもほしがる若手投手を揃え、何だか北京五輪を戦った星野JAPANよりも豪華なメンバーだ。星野が情でメンバーを選んだのに対し、原はコンディション不良を理由に松中を落とすなど、勝利に対するこだわりは強い。準決勝(3/21と3/22)と決勝(3/23)はLAのドジャーズ・スタジアムで行われる。侍JAPANの2連覇なるか!?(2009.03)


#69 上原&憲伸がいよいよ渡米!!

セ・リーグのペナント・レースを盛り上げた2人のエースが相次いでメジャーと契約した。巨人の上原(33)と中日の川上(33)である。上原はボルチモア・オリオールズ。70年代には強豪チームとして来日してこともあるが、松井秀喜(34)のいるニューヨーク・ヤンキーズ、松坂(28)や岡島(33)のいるボストン・レッドソックス、岩村(30)のいるタンパベイ・レイズと同じア・リーグ東地区。近年は万年最下位に甘んじているが、上原は先発の2番手を任されそうだ。とすると、レッドソックスで先発2番手の松坂と投げ合うこともあれば、元同僚・松井との対決も見られる。サブプライム不況で契約金はしょっぱい状況となったが、なかなか面白い、やりがいのあるチームに上原は入った。雑草魂、復活である。一方の川上憲伸はアトランタ・ブレーブス。かつて世界のホームラン王ハンク・アーロンがいたチームで、現在はニューヨーク・メッツやフロリダ・マーリンズと同じナ・リーグ東地区。イチロー(35)や城島(32)のいるシアトル・マリナーズ(ナ・リーグ西地区)や黒田(34)のいるロサンゼルス・ドジャーズ(ナ・リーグ西地区)とは同じナ・リーグながらインター・リーグ(交流戦)かディビジョン・シリーズ(プレーオフ)でしか対戦することはなさそう。妙に気になるのは、サンフランシスコ・ジャイアンツ(ナ・リーグ西地区)の藪(39)、シカゴ・カブス(ナ・リーグ中地区)とマイナー契約をした門倉(35)、カブスのピネラ監督に「もう福留を使う意味がない」といわれた福留(31)の3人。がんばれ、崖っぷちトリオ(2009.02)


#68 いざ、サムライJAPAN!!

まずは、3月に迫ったWBC日本代表チームの第1次候補。■投手/松坂(レッドソックス=28)/斎藤隆(ドジャース=38)/岩隈(楽天=27)/ダルビッシュ(日ハム=22)/涌井(西武=22)/岸(西武=24)/渡辺俊(ロッテ=32)/小松(オリックス=27)/杉内(ソフトバンク=28)/和田(ソフトバンク=27)/馬原(ソフトバンク=27)/田中将(楽天=20)/内海(巨人=26)/山口(巨人=25)/藤川(阪神=28)■捕手/城島(マリナーズ=32)/ 細川(西武=28)/阿部(巨人=29)/石原(広島=29)■内野手/岩村(レイズ=29)/中島(西武=26)/ 片岡(西武=25)/ 松中(ソフトバンク=34)/川崎(ソフトバンク=27)/ 小笠原(巨人=35)/ 栗原(広島=26)/村田(横浜=27)■外野手/イチロー(マリナーズ=35)/福留(カブス=31)/稲葉(日ハム=36)/ 亀井(巨人=26)/ 青木(ヤクルト=26)/内川(横浜=26)このように、中日勢がすっぽり抜け落ちている中、イチロー、松坂らメジャーリーガーの名前は心強い。ただ、「45日以上故障者リストに入った選手のWBC出場については所属球団の許可が必要」という規定があり、松井(ヤンキーズ=34)は不出場が決定。ゴジラが4番に座ればサムライJAPANも鬼に金棒というところだったが、ま、2年連続の本塁打王の村田、ベテラン松中あたりがその穴を埋めてくれることだろう。あとは、剛腕セットアッパー(中継ぎ投手)が2〜3人ほしいところ。こちらは追加招集でカバーできそうだが、ケガ等の理由を含め数人の入れ替えはありそうだ。(2009.01)

 


#67 ヤング・ライオンズが日本一に!

今年の日本シリーズで優勝した西武の選手はかっこよかった。みんな帽子の後ろから茶髪の長い後ろ髪が出ていて、それがライトブルーを基調としたライオンズのユニフォームに似合ってた。大きな構えからブンブン振り回す中島(26)や中村(25)ら中心打者にしろ、気持ちいいテンポでビュンビュン投げ込んでくる涌井(22)や岸(24)ら投手陣にしろだ。同じ若手でも、鈴木尚(30)や坂本(20)など巨人の若手はちょっと地味め。かつては巨人もイケメン選手が揃っていてヨシノブ・ギャルやニオカ・ギャルがジャイアンツ球場を賑わせていた。だが、高橋由伸(33)は今季2割3分6厘の絶不調、二岡(32)に至ってはモナ問題もあって日ハムに放出。かつての新人王・清水(35)も西武に放出。巨人も一時代が終わった感じだ。さて、今年もFA宣言した選手が揃った。権利を行使するのは全部で7選手。上原投手(33=巨人)、川上投手(33=中日)、高橋健投手(39=広島)、相川捕手(32=横浜)はメジャー入りを希望。ハマの番長・三浦投手(34=横浜)、中村紀内野手(35=中日)、野口捕手(37=阪神)は国内に移籍先を探す。すでに、ハマの番長は阪神、中村ノリは楽天入りの濃厚だが、メジャーを目指す選手はこれからが正念場だ。そして、サムライJAPANというニックネームが決まったWBC日本代表チームだが、あのダルビッシュ(22=日ハム)や青木宣親(26=ヤクルト)が「選ばれれば喜んで出ます!」と発言する中、中日勢が全員チーム入りを拒否を表明。かつて中日の禄を食んだ山田、依田両コーチの面目丸つぶれである。(2008.12)

 


#66 WBC監督は原辰徳

紆余曲折あったWBCの監督だが、巨人監督の原辰徳(50)に決まった。WBC体制検討会議では星野仙一(61)に一本化したに見えたが、マリナーズのイチロー(35)が「WBCは北京のリベンジではない」と発言。さらに体制検討会議のメンバーである楽天・野村監督(73)が「できレースだ」と発言するのを受けて、当の星野が監督就任を固辞。そこで若大将にお鉢がまわってきたという訳だ。実はナベツネは、北京五輪で金メダルを取った星野をそのまま来季の巨人監督に据える考えだった。阪神が優勝したら今季限りで原のクビを切る腹だったのだ。そんな事情を百も承知でWBCの監督要請を快諾した原辰徳は男だね。横からグダグダいっていたノムさんはWBCの監督は不適格。集金能力がない(スポンサーがつかない)。さて、阪神の真弓監督(55)、注目の大田内野手(東海大相模=18)はソフトバンクと巨人と競合し原監督が見事交渉権を得た。松本外野手(早大=22)は横浜と阪神が重複して横浜が、野本外野手(日本通運=24)は楽天と中日の2球団が重複して中日が交渉権を得た。そのほかの球団は1位単独指名。ヤクルトは赤川投手(宮崎商=18)、広島は岩本外野手(亜大=22)、ロッテは木村投手(東京ガス=22)、日本ハムは大野捕手(東洋大=22)、オリックスは甲斐投手(東海大三=18)、西武は中崎投手(日南学園=18)をそれぞれ指名。メジャー挑戦を表明していた田沢投手(新日本石油=22)は指名なし。(2008.11)

 


#65 疑問の残るクライマックスシリーズ

 今年もポストシーズン(クライマックスシリーズ→日本シリーズ)が盛り上がった。クライマックスシリーズのおかげで消化試合が圧倒的に少なくなり、秋口までプロ野球を楽しめるのはいいが「セとパの優勝者同士が日本シリーズを戦う」というスタイルに慣れている我々から見れば、楽しいけれどスッキリしないのがクライマックスシリーズである。だってリーグ3位のチームが日本一になる可能性があるなんておかしいでしょ。MLBは約30チームあるからプレーオフも整合性がある。ワイルドカードで残ったチームがワールドシリーズで勝っても誰も文句はいわない。ならばだ、日本もリーグそのものを再分割すればいいのだ。今2つあるリーグを、東地区(イースト・ディヴィジョン)、中地区(ミッド・ディヴィジョン)、西地区(ウエスト・ディヴィジョン)に再構築するのだ。東地区→北海道日ハム、東北楽天、埼玉西武、千葉ロッテ、中地区→巨人、東京ヤクルト、横浜、中日、西地区→阪神、オリックス、広島、ソフトバンク。それぞれの優勝チームは文句なしにプレーオフへ進出、3地区の2位チームの中で最高勝率のチームがワイルドカードを獲得してプレーオフに出場するのだ。選手のみならず敵地に乗り込むファンの移動距離も短くなってコストダウンもはかれるし、地域間の交流も期待できる。ただ、ひとつの地区が4チームなのでマンネリを防ぐために交流戦の数をふやす必要があり(伝統の巨人―阪神戦は交流戦でしか見られなくなる)さらには、ホームラン王や最多勝利投手が3人になったりする弊害もあるけれど……。多分、阪神が嫌がる以外、各チームとも賛成してくれるんじゃないだろうか。(2008.10)

 


#64 星野仙一の功罪

 よもやの4位に終わった北京五輪の星野JAPAN。楽天・野村監督(73)の「投手出身の監督は視野が狭い」など星野批判がスポーツ紙上を賑わせたが、ここでよく考えてもらいたい。星野仙一(61)はあまりにも情に厚かっただけなのだ。多くの監督の場合、前の試合で2度も落球をしたGG佐藤(30)を使わない。ここで星野は佐藤に名誉挽回のチャンスを与えた。そのチャンスをものにしなかったのは佐藤の個人責任である。韓国やキューバは思いのほか強かった。ダルビッシュ(22)や上原(33)を投入して打たれでもしたら、メジャーリーグ入りを視野に入れている彼らの商品価値が下がってしまう。彼らは野球で飯を喰ってるプロの選手だ。口では「金メダル以外はいらない」と発言するものの、その実、各選手の生活を考えた。だからこそ、岩瀬(33)、川上(33)など自分の息のかかった選手に辛い仕事を担わせた。準決勝(韓国戦)にしろ3位決定戦(アメリカ戦)にしろ、本気で勝つ気になったら勝てない相手ではなかった。片っぱしからベンチにいる投手陣を使えばいいのだ。プロ野球の世界には、WBCだの五輪だの世間は騒ぐが、自分たちの職場はペナントレースという空気がある。WBCや五輪はただのお祭りなのだ。星野仙一という男は、そのことをちゃんと分かっている。分かっていて「金メダル以外はいらない」と発言した。経済効果もきちんと見据えてである。来年春のWBCで、星野のリベンジを期待したい。ただ、今度は本気で勝てるチームを編成してきっちり勝ってもらい、マスコミを黙らせてほしい。本人も多分、そのつもりだろうけど。(2008.09)

 


 #63 阪神、独走態勢!!

 

阪神がセ・リーグで独走態勢に入ったが、やはり金本(40)&新井(31)の元広島コンビの活躍が大きい。「阪神が強いんは広島のおかげじゃき」という広島ファンの言葉もうなづける。さらに「西武が強いんも広島におった江藤のおかげゃ」と広島ファンは気炎をあげる。何でも黙々と猛練習に励む江藤(38)の姿を見て、GG佐藤(29)や中島(25)が奮起したという。ちなみに、広島市民球場の三塁側(ビジター)のプルペンは、投手の投げた音がビシビシ響くようにセッティングされているらしい。こりゃあ調子がいいと思ってマウンドに上がると意外にも球が走っておらず、広島打線につかまってしまうらしい。ただ、当の広島は交流戦でこそ6位(13勝11敗)と健闘したが、ペナント・レースでは5位。後半戦の巻き返しはあるのか!?  その広島の下にいるのが横浜。首位阪神に30ゲーム近い差をつけられているが、個人成績は意外にいい。内川(26)が3割6分の高アヴェレージをキープし、ヤクルトの青木(26)を抑えて首位打者を狙う勢いだ。昨年度のホームラン王・村田(27)も巨人のラミレス(33)と激しいホームラン王争いを演じていて、久々に50本を越えるホームランキングの誕生が期待できる。 さて、ちょっと前に世間を騒がせた二岡問題。元中日の板東英二(68)は「二岡のような状況でホテルに行かないスーパスターはひとりもいなかった」と擁護。ただ、ソフトバンクの王監督(68)は「9800円のホテルはいかんだろう」といってた。問題は山本モナ(32)をホテルに連れ込んだことではなく、ホテル代をケチったところにあるようだ。(2008.08)



#62 いよいよ北京五輪!

 

05年にスタートして以来もっともドラマチックな展開となったセ・パ交流戦。ソフトバンク、阪神、日ハム、巨人の4チームが14勝9敗で並んで迎えた最後戦で、阪神が日ハムを破り、ソフトバンクが巨人を破って15勝目を挙げた。勝率で並んだ場合、昨季の成績がひとつでも上のチームが優勝するという規定に基づき、ソフトバンクの交流戦・初優勝が決まった。そして、北京五輪で悲願の金メダルを目指す星野JAPANの代表選手も発表された。メンバーは次のとおり。■投手■上原(33=巨人)、川上(33=中日)、岩瀬(33=中日)、藤川(27=阪神)、ダルビッシュ(21=日ハム)、成瀬(22=千葉ロッテ)、和田(27=ソフトバンク)、杉内(27=ソフトバンク)、田中(19=楽天)、涌井(22=西武)■捕手■阿部(29=巨人)、矢野(39=阪神)、里崎(32=千葉ロッテ)■内野手■新井(31=阪神)、荒木(30=中日)、村田(27=横浜)、宮本(37=ヤクルト)、西岡(23=千葉ロッテ)、川崎(27=ソフトバンク)、中島(25=西武)■外野手■青木(26=ヤクルト)、森野(30=中日)、稲葉(35=日ハム)、GG佐藤(29=西武) 星野監督が直接電話を入れて調子を訊いたという巨人の上原は、果たして北京に間に合うのか!?(2008.07)


#61 大石オリックス、始動!

「機動力を使った野球がしたい」。辞任したオリックスのテリー・コリンズ監督(58)がそういってるそばから、西武からカブレラ(36)、阪神から濱中(29)、横浜から古木(27)と長距離砲ばかりを補強したオリックスのフロント。精進料理を作りたいといってる料理人にすき焼きの材料を買い与えてどうするのだ。ま、これでは、情熱が冷めた、といわれても仕方がない。後任の大石大二郎(49)監督代行は先発投手の100球降板の廃止、休日でも練習しろなどコリンズ色一掃を宣言。大石といえば「野武士野球」華やかなりし近鉄バファローズで活躍した選手。84年のオールスター戦で江川の9連続三振を阻んだ男といった方が分かり易いか(セカンドゴロ)。そして、フロントは清原(40)に来季の監督を要請したというが宮内オーナーは否定。投手交代の際、清原監督が長渕の歌をバックにベンチから登場なんてシーン見てみたい気がする。オリックスに負けず劣らず、長距離砲を並べているのが中日。気がつけば、4番ウッズ(元・横浜)、5番和田(元・西武)、6番中村紀洋(元・近鉄)という他球団のスラッガーを並べたラインナップ。荒木(30)&井端(33)という球界屈指の1・2番コンビで引っ掻き回すという印象が強いが、結局のところ長距離砲でどかんということか。そんな中がんばっているのは、FAの人的保障といういう形で他球団に移った選手たち。中日の和田(35)の代わりに西武に移籍したセットアッパーの岡本(33)、阪神の新井(31)の代わりに広島に行った赤松(25)、そして、西武の石井(34)の代わりにヤクルトに移籍した福地(32)ともに活躍中。(2008.06)



#60 今年も交流戦の季節がやってくる

昨季のセ・リーグ覇者・読売巨人軍が絶不調だ(日本一になった中日はペナントレースは2位)。開幕16試合で10敗は球団ワーストタイ記録。昨季の最優秀防御率投手・高橋尚成(33)、4番李スンヨプ(31)ともにボロボロ。今季終了後のメジャー挑戦を宣言した上原(33)も心ここにあらず……。チームリーダー阿部慎之介(29)もなんだか元気がない。やっと勝ったと思ったら元ヤクルトのグライシンガー(32)→元横浜のクルーン(35)という継投で零封しての勝利。巨人の得点は高橋由伸(33)のソロホームランのみ。ま、投手陣がよければ貧打でも勝てるという証拠。ある程度まで投手陣ががんばって、打線に火がつくのを待つしかない。坂本(19)、亀井(25)といった若手の台頭もある。戦力が整えばまだまだいける!!そしてまた今年も「日本生命セ・パ交流戦」全114試合が5/20(火)〜6/22(日)の約一ヶ月に渡って開催される。このシリーズ期間、勝率1位になった優勝チームには賞金5千万円、優勝チームから選出される「日本生命セ・パ交流戦MVP」には賞金200万円が贈られる。セ・リーグの選手にしてみれば、札幌だの仙台だの福岡だのと慣れない土地でのゲームが多かったわけだが、今年で3年目。そろそろ慣れてもいい頃である。スタートダッシュにつまずいたチームには、いい気分転換になる。MLBでは野茂英雄(39)がロイヤルズで久しぶりにメジャーのマウンドに上がった。が、ほどなくマイナーに降格した。いよいよ引退か。現役続行か。この不滅のヒーローの引き際はどんなふうになるのだろう。(2008.05)

 


 
#59 四国・北信越、そして関西にも独立リーグ!

元・西武の石毛宏典氏(51)が立ち上げた「四国アイランドリーグ」(愛媛マンダリンパイレーツ、高知ファイティングドッグス、徳島インディゴソックス、香川オリーブガイナーズ)に九州から福岡レッドワーブラーズと長崎セインツ2チームが加わり、「四国・九州アイランドリーグ」となった。香川が阪神の2軍と、九州の2チームがソフトバンクの2軍とそれぞれオープン戦を行うなど、プロ野球との交流も盛んになってきた。昨季には北信越エリアで「BCリーグ」(新潟アルビレックスBC、石川ミリオンスターズ、富山サンダーバーズ、福井ミラクルエレファンツ、信濃グランセローズ、群馬ダイヤモンドペガサス)が発足。地方の野球熱を支える一方、選手たちをプロ野球に供給する装置として地方に定着できるかどうか。そして、昨季で四国アイランドリーグのコミッショナーを退いた石毛氏が、今度は関西独立リーグを立ち上げる計画を発表。兵庫に2球団、大阪と和歌山に1球団ずつ計4球団でスタートの予定。ただ、四国や北信越とは違い、関西にはNPBの球団も多い。どうせやるなら、NOMOベースボールクラブの加入も検討してはいかがだろうか。さて、日本がディフェンディング・チャンプとなる第2回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)第1ラウンドの日程と組み合せが発表された。期間は2009年の3月、組み合せは、A組〜日本、韓国、台湾、中国/B組〜オーストラリア、キューバ、メキシコ、南アフリカ/C組〜カナダ、イタリア、アメリカ、ベネズエラ/D組〜ドミニカ、オランダ、パナマ、プエルトリコ。(2008.04)


 

#58 パウエル投手の二重契約問題

元巨人のパウエル投手(31)の二重契約問題。興味深いのはオリックス、ソフトバンクという両球団の親会社。金融商品からタクシーの車両まであらゆるものを売り(リース)しまくり支払いが滞ったときにふんだくる「延滞金」で儲けるオリックスと、採算を度外視した携帯電話の割引プランでユーザーをがんじがらめにして解約したときの「違約金」で儲けるソフトバンク。両者のキモはユーザーから取り付けた「契約書」である。こと契約書には手抜かりのないはずの両球団がパウエルくんに一杯喰わされちゃったわけだ。ソフトバンクとの契約を有効としたパ・リーグ裁定をオリックスは当然のごとく不服とした。いっそのこと、パウエルくん自身を日本球界から締め出すのがいちばん手っ取り早い方法だと思うのだが、いかがだろうか。さて、いよいよプロ野球開幕。注目の新人選手をざっと挙げてみよう。高卒ルーキー(大阪桐蔭)の中田翔内野手(18=日ハム)はキャンプやオープン戦でも人気抜群。150m弾を放つなど連日スポーツ紙を賑わせた。ファンのサインに応じて「受験がんばれって書いてください」と頼まれ「受験ってどう書くの?」といってのけた底抜けに大物ぶりが楽しい。そんな中田のライバルは、仙台育英高出身の由規投手(18=ヤクルト)だ。彼も154キロの速球を武器に先発ローテ入りの呼び声も高い。日本代表左腕のルーキー長谷部投手(22=楽天)も10勝を期待できるほどの逸材だ。さて、メジャーリーグで気になるのがロイヤルズのキャンプに参加した野茂英雄投手(39)だ。野茂がメジャーのマウンドに立つ日はもう一度来るのか!?(2008.03)

 


#57 福留、黒田……MLBへの流出止まらず

また露呈してしまった巨人のおねだり体質。昨季の最多勝利投手&防御率2位のグライシンガー(32=元ヤクルト)、打点王&最多安打のラミレス(33=元ヤクルト)、昨季31セーブをあげた浜の守護神クルーン(34=元横浜)を次々に獲得。ここまでタイトルホルダーを集めて今シーズン勝てなかったら、いったいどうするつもりなのだ。パ・リーグにも巨人的な体質のチームがいた。オリックスである。阪神から濱中(29)、西武からカブレラ(36)を獲得。ま、広い大阪ドームで戦うためには飛距離のある打者を集めるのが手っ取り早いのは分からないでもないが、ローズ(39)もいればラロッカ(35)もいる。何より、清原(40)の処遇はどうするのだ。長距離砲はもういらない。中村勝広(58)球団本部長よ、投手陣を整備せよ!それに比べて適材適所といえる補強を行ったのが、日ハムから金村暁(31)、広島から新井(31)を獲得した阪神だろう。日本から太平洋を渡った日本人選手もまだまだいる。中日からFAでカブスへ移籍した福留(30)は4年契約で約55億円という厚遇ぶり。広島のエース黒田(32)も3年契約の約40億円でドジャーズへ、千葉ロッテからは抑えの小林雅(33)がインディアンズへ、セットアッパーの薮田(34)ロイヤルズへそれぞれ移籍した。2人とも仲よく2年契約で約6億円。日本人投手(特にセットアッパー)はよほど信頼性が高いらしく、楽天の福盛(31)までレンジャーズへ移っていった。彼の契約は2年で約3億円と価格はリーズナブルだけれど……。桑田(39)も再びパイレーツとマイナー契約。昇格はあるのかいな!?(2008.02)


#56 伝説!! 昭和43年秋ドラフト会議

昨年末の北京五輪アジア予選で見事に出場権を得た星野ジャパン。あの試合をTVで見ていて、懐かしくなった人も多いのではないだろうか。監督に星野仙一(60)、コーチに田淵幸一(61)と山本浩二(61)。それぞれ、中日のエース、阪神と広島の4番打者として昭和40年代の常勝・巨人を倒すべく戦っていた男たちだ。実に彼らは同学年で、東京六大学リーグでしのぎを削っていたのである。星野は明大、田淵と山本は法大でこの2人に富田勝(61)を加えて“法政三羽烏”と呼ばれていた。昭和43年秋のドラフト会議では、それぞれが1位指名で中日、阪神、広島に入団した。富田も南海から1位指名された。この年はとてつもない豊作で西鉄には東尾修(57)、阪急には山田久志(59)、ロッテには有藤道世(61)といったのちに名球界入りする選手が続々と1位指名されてプロ野球入りした。ほかにも阪急の2位に加藤秀司(59)、同7位に福本豊(60)、中日の3位に大島康徳(57)がそれぞれ指名され、プロ野球の世界に足を踏み入れている。阪急の12位に指名された門田博光(59)はこの指名を拒否し、翌年2位指名された南海に入団している。彼らのほとんどは昭和21年〜25年生まれ。いわゆる、“団塊の世代”というやつだ。この年、巨人から1位指名された島野修(57)はさして活躍せず引退後は阪急のマスコット、ブレービー君として愛さた。一方、巨人に指名を約束されながら裏切られた星野は中日に指名されてエースになり、監督として中日と阪神を優勝に導き、とうとう日本代表を五輪に連れて行く大仕事を果たし。運命とはげに恐ろしいものだ。(2008.01)


#55 ドラフト会議にくじ引きが復活!

ドラフト会議のウキウキ感が戻ってきた。西武の栄養費問題の反省も踏まえ、大学生・社会人ドラフトの「希望入団」枠が撤廃されたのである。これにより有力選手には氏名球団が重複しあの「くじ引き」が復活した。かつては自分「もくじ引き」で巨人軍に入団した原監督(49)が当たりくじを逃してしかめっ面をする写真がスポーツ紙面を飾ったが、本来あるべき姿に戻ってきた感じだ。できれば、高校生ドラフトと大学生・社会人ドラフトを再統合、一本化してほしいものだ。 さて、大学生・社会人ドラフトの目玉・大場投手(東洋大=22)は、横浜、阪神、巨人、オリックス、ソフトバンク、日ハムの6球団が競合。見事ソフトバンクが当たりくじを引いた。さらには、明大のエース・久米(22)の指名権も獲得して選択を終了。広島、中日、西武、東北楽天、千葉ロッテが競合した長谷部投手(愛工大=22)は東北楽天が交渉権を獲得。高校生ドラフトでは、注目の中田外野手(大阪桐蔭=18)に阪神、日ハム、ソフトバンク、オリックスが獲得に名乗りを上げ、日ハムが交渉権を獲得した。中田を上回る5球団(ヤクルト、横浜、中日、巨人、楽天)が競合した佐藤投手(仙台育英=18)はヤクルトが交渉権を獲得。 面白いところでは、日ハムが3Aサクラメントの多田野投手(27)を指名。阪神が指名した黒田投手(22)は、昨年暮れに駒大を中退してシャンソン化粧品の契約社員をしていた変り種。まさに隠し玉というやつだ。(2007.12)


#54 新監督に思う 

先月予想した西武の監督には二軍監督の渡辺久信(42)が昇格した。東京ヤクルトの監督には日ハムの元GM高田繁(62)が就任。今季限りで日ハムの監督を退いたヒルマン(44)はMLBのロイヤルズの監督に就任した。問題はその日ハムの後任監督に元・近鉄監督の梨田昌孝(54)が就任したことである。この起用で思い出すのが、悪名高い宮内オーナー率いるオリックス球団である。90年、阪急から球団を買い取ったオリックスは、「ブレーブスという名前は残してくれ」という当時の上田利治監督(70)の要望を1年で反古にした。そして、元・巨人の土井正三(65)や元近鉄の故・抑木彬といった外様を次々に監督に据え、一方で阪急色の強い選手をズバっと切り捨てた。その結果、元・本塁打王の長池徳士(徳二=63)は西武に、盗塁世界記録を樹立したことのある福本豊(60)は阪神に、1シーズン26勝を挙げた元エースの山田久志(59)は中日に、それぞれコーチとして散って行った(山田は中日監督も務めた)。現オリックスが彼ら阪急OBを監督として受け入れる気配は依然としてない。オールドファンを無視し続けるオリックスほどではないが、日ハムに梨田は似合わない。東京には高田のプレイを神宮で見たことのあるヤクルトファンはたくさんいるが、関西のマイナー球団の捕手だった現役時代の梨田を知るファンが北海道に何人いるだろう!? 同様に中日がどれだけ強くなっても落合博満監督(53)に不信感を抱くファンが名古屋に多いと聞く。やはり、生え抜きのスター選手が監督としてチームの指揮を執るというのがファンにとっての理想なのではないか。(2007.11)


#53 古田退団そして…… 

今シーズンのプロ野球は面白かった。阪神、中日とともに、巨人が数年ぶりに優勝争いにからんだことが大きい。そして、そんな表舞台から去る者もいる。東京ヤクルトの古田監督・捕手(41)は久しぶりに誕生したプレーイング・マネージャーだったが今季限りでの退団を発表した。実に2年での短い政権だった。シーズン前、古田は路頭に迷っていた中村紀洋(34)の獲得をフロントにオーダーした。MJBデビルレイズに移籍した岩村(28)の後釜(三塁手)に適任だったからだ。しかし、フロントは中村のよからぬ人物評を嫌ってGOを出さなかった。古田の真の敵はフロントだったということらしい。もしこれが、日ハムの高田GM(62)だったら、古田を信じて中村を獲得していたに違いない。その高田も今季で日ハムを去る。そして、26年もの長い間Aクラスを保っていた西武がBクラスに転落した。プロ野球に1部2部はないが、サッカーでいえばJ2落ちくらいの衝撃だろう。伊東監督(45)の責任も大きいが、このチームもフロントに問題がある。昨シーズンのプレーオフで松坂(26)をMLBに高く売るため、あえて涌井(21)の登板を回避したようなチームである。涌井で勝って次に進めばまた松坂を使わざるをえない。そこでもし打たれでもしたら、評価が下がる(=ポスティングの金額が下がる)と考えたのだ。西武球団は反省の意味を込めて、現投手コーチの荒木大輔(43)をそのまま監督に昇格させよ。彼をヤクルトに返してはいけない。ヤクルトの監督には栗山英樹(46)がいるではないか。神宮でまた、『大きな栗の木の下で』が聴ける日が来るといいな。(2007.10


#52 クライマックスシリーズ始動

桑田真澄(39)がパイレーツを解雇された。今季19試合に登板、0勝1敗、防御率9・43。メジャーリーガーとしては惨憺たる成績だったわけだが、昨シーズン巨人を解雇された投手にしては上出来だろう。なんせ今後の肩書きは「元巨人のエース」にして「元メジャーリーガー」。パイレーツでは若手投手の厚い信頼を得て、みんながクワタの話を聞きたがったなどというトピックスが新聞紙上を賑わせた。パイレーツにコーチとして残ってほしいというコメントの真偽は定かでないが、ま、ここまで好印象を残せば桑田本人としては大満足だろう。ただ、「巨人の監督候補」という記事まで出たばっかりに原辰徳監督(49)の采配がぶれまくって困る。また読売グループ内の人事異動かよ、という元若大将の独り言が聞こえてきそうだ。さて、今シーズンからプレーオフの呼称が「クライマックスシリーズ」に変った。それぞれ「クライマックス・セ」「クライマックス・パ」と呼び、各リーグの上位3チームによって争われる。まずは3位チームと2位チームによる準決勝(3回戦/2勝で勝ち上がり)を行い、その勝者と1位チームによる決勝(5回戦/3勝で勝ち上がり)で日本シリーズ出場権を争う。ただし、昨シーズンのように1位チームにあらかじめ1勝が与えられるようなアドヴァンテージはなくなった。リーグ優勝はレギュラーシーズン1位チームとし、ドラフトの指名順位もこの順位に準拠する。セは巨人、中日、阪神、パは日ハム、ソフトバンク、ロッテのクライマックス進出が濃厚。この秋は、札幌から福岡まで日本中がプロ野球で盛りあがるぞ〜。(2007.09


#51 新聞社が切り開いたプロ野球

先日、プロ野球のオーナー会議で、「NHKはメジャーばっかし中継しないでくれよ〜」という内容の要望書を提出した。笑止千万である。 そもそも、日本のプロ野球はメジャーをお手本にしてできた。夏の高校野球を主催した朝日新聞、春の高校野球と都市対抗野球を主催した毎日新聞はそれぞれの情報を載せることで部数を伸ばした。ここに目をつけた読売新聞オーナーの正力松太郎は、野球が人気なら本場の野球を連れてきちゃえばいいんだとばかりに1934年、日米野球を開催。ベーブ・ルースやルー・ゲーリックが日本のアマチュア選手を相手にプレイした。調子に乗った正力は1935年、大日本東京野球倶楽部(巨人)を立ち上げ全米を転戦した。同年末には、阪神電鉄が大阪タイガース(阪神)を設立。翌36年には、阪急電鉄が阪急、名古屋新聞が名古屋金鯱などを次々に誕生させ、プロ野球のリーグ戦がスタートした。戦時中の中断を経て、戦後日本野球連盟が復活。読売新聞はプロ野球人気で部数を伸ばした。そして、1949年には正力がメジャーリーグにならって2リーグ制を提案。新規参入を表明した毎日オリオンズ(毎日新聞)が同じリーグに入るのを嫌がった巨人は阪神や大洋とともにセントラル・リーグを、毎日は鉄道系球団(阪急、南海、近鉄)や映画系球団(東映、大映)らと太平洋野球連盟(パシフィック・リーグ)を設立。鉄道系の阪神は当初パ・リーグ入りを決めていたものの、巨人戦という黄金カードを失うのを恐れ、土壇場になってセ・リーグに入った。もし、予定通り阪神がパ・リーグに入っていたら……。(2007.08


#50 07交流戦は日ハムがV

今年で3年目を迎えたセパ交流戦は、昨季日本一に輝いた日ハムが優勝を飾った。これで、3年連続で外国人監督が交流戦を制したことになる。新庄(引退)と小笠原(巨人にFA移籍)がチームを去った今季の日ハムは、先発投手陣の八木(24)と金村(31)をケガで欠くという満身創痍の状態で交流戦に突入した。しかし、先発投手陣の穴は、高卒2年目の木下(20)と高卒ルーキーの吉川(19)が埋め、打線でも小谷野(27)ら若手が奮闘。ベテラン金子誠(32)らとチーム一丸となって優勝を勝ち取った。そもそもの日ハムというチーム、「うちは潤沢な資金があるわけではないので小粒な戦力でやりくりするしかない」と高田GM(61)がいうとおり、湯水のごとく裏金が使えるどこかのチームとは台所事情が異なる。資金力がないので大学生・社会人有力選手からの逆指名が期待できない。ならば逆指名権のない高校生選手を指名するしかないが、有力選手はすでに他球団の手が伸びていて、入団拒否というリスクを背負う可能性もある。いきおい、全国を歩きまわって素質のある無名選手を探すしかないのだ。高田GMは、「だからこそ面白い」と言い切る。実に天晴れなチームだ。交流戦2位になったのは巨人。好調投手陣を支える尾花ピッチング・コーチ(49)の存在が大きい。それに、高橋由伸(32)を1番で使い続けたり、エース上原(32)をクローサーに定着させ、選手に“非常事態”を自覚させる原監督(49)の作戦も成功している。何より4番打者ではなく2番打者(谷)や3番打者(小笠原)を獲得した所がいい。やっとそこに気づいたか。(2007.07


#49 新理論セイバーメトリクス

メジャーリーグに「セイバーメトリクス」が浸透している。これは、統計学に基づく野球分析理論のことで、ウォール街の知恵をメジャーリーグに持ち込んだものだ。そのロジックをいくつかあげると、「打者にとって最も大事なのは選球眼」「出塁率は打者を評価する上で最大の指標」「守備がうまいかヘタかは主観による」「防御率で投手の能力を正確には査定できない」「犠牲バントは無意味であることは多い」といったもの。アスレチックスがこの理論を用いて好成績を収めたほか、松坂(26)が所属するレッドソックスのGMもこの理論の信奉者。日本でこの理論を応用したのが千葉ロッテのバレンタイン監督(57)。05年には、彼が契約する統計アナリストのデータ分析により実に125通りの先発オーダーを組んで優勝した。日本でID野球といえば楽天野村監督(71)が思い浮かぶが、彼の愛弟子であるヤクルト古田監督(41)も新理論を導入しつつある。05年のシーズンにヤクルトはチーム打率がリーグ1位なのに成績は4位に甘んじた。この反省点を活かし、昨季の秋のキャンプでOPS(出塁率+長打率)のデータを重視する方針を選手たちに伝えたのだ。野球ファンも若返り、データで野球を楽しむ世代になったということだが、かつて我々は、凡庸なゴロを華麗にさばいて見せた長嶋茂雄(71)に歓喜し、今シーズンでは自らの判断で送りバントを敢行しチームの士気を高めた李スンヨプ(30)に男気を感じた。どちらも「セイバーメトリクス」とは逆行するプレイだが、日本の野球にもそれなりに美質があるってことを忘れないでほしい。特に古田。(2007.06


#48 上原がクローザー!?

セ・リーグは巨人と中日が、いいスタートを切った。巨人は、内海(25)、高橋尚(32)、木佐貫(27)、そして大卒ルーキーの金刃(23)と先発投手陣がきっちり揃ったのが好調の要因だ。調子に乗り切れない門倉(34)の代わりに先発ローテに入った久保(27)もいいピッチングを披露。そんな先発陣とは対照的に、クローザーの豊田(36)に今ひとつ安定感がない。そこで浮上しているのが、上原(32)をクローザーとして起用するアイディアだ。先発完投にこだわる上原がケガから復帰したときにどんな決断をするか。中日は主軸のウッズ(38)、エースの川上(32)、クローザーの岩瀬(33)がともに好調。投打の柱がしっかりしバランスが取れている。中日に喰らいついていけるのはどのチームか。パ・リーグは、西武が頭ひとつリード。開幕から連勝を続けた涌井(21)が松坂に代わるエースに成長したのが大きい。面白い存在といえば野村監督(72)率いる楽天だ。頼みの岩隈(26)がケガで離脱。一場(25)も二軍で調整中という非常事態の中、高卒ルーキー田中(19)があのソフトバンク打線を沈黙させてプロ入り初勝利をあげれば、2年目の青山(24)や大卒ルーキーの永井(23)が先発ローテで踏んばっている。フェルナンデス(33)、磯部(33)、山崎武(39)を中心とした打線が波に乗り、岩隈と一場が完全復活すればプレーオフも視界に入ってくるだろう。今季、海を渡った松坂(レッドソックス)、岡島(レッドソックス)、そして岩村(デビルレイズ)は、3人ともメジャーリーガーとして活躍中! 井川(ヤンキース)もがんばれ。(2007.05


#47 裏金問題で思い出すあの人……

西武ライオンズがアマチュア選手に栄養費の名目で金銭を渡していたという事件が発覚した。この裏金事件で思い出すのは、1位指名した選手に拒否されてスカウトが自殺した事件である。あのケースも実は、沖縄の高校生が家族ぐるみで九州の球団から裏金を貰っていたことに端を発する。すんなりその球団に入れると思ったらいきなり神戸の球団が一位指名。拒否された神戸の球団のスカウトが自殺した。裏金を渡す九州の球団が悪いのか、受け取る高校の野球部長や親が悪いのか、ロクに裏金も用意しないでその高校生を指名した神戸の球団が悪いのか。くだんの高校生は、今や投手王国たる九州の球団の投手陣を支える存在となり、悲願の選手権(日本シリーズ)出場へ向けて好スタートを切ったが、脛に傷を持つ選手は彼だけではない。さて、今シーズンもGW明けには、日本生命セ・パ交流戦が行われる。今年で3年目を迎える交流戦だが、各チームともにホーム12試合、ビジター12試合の計24試合で争われる。日程は5/22(火)〜6/24(日)。1年目、2年目と千葉ロッテが賞金5000円を手にしたが、彼らのV3はあるのか。今シーズンから両リーグともに3位以上のチームによるプレーオフが待っている。全球団と戦う交流戦もある。ということは、長いシーズンを1位で駆け抜けるスタイルは時代に合わなくなってきているということだ。むしろ、短期決戦とリーグ戦をうまく戦い分けるスキルが必要になる(カギは投手陣)。ともかく、楽天のルーキー・田中投手(18)が、東京ドームや神宮に登場するのを、楽しみに待つことにしよう。(2007.04


#46 近鉄を支えた2人が今季はテスト生に……

球春到来! 今季いちばんの注目は、野村監督をして「松坂の後継者」といわしめた楽天の田中(19)だろう。日ハムのダルビッシュ(21)や西武の涌井(21)との投げ合いが今から楽しみだ。楽天には、エース岩隈(26)、一場(25)、田中と若くてイキのいい先発陣が揃った。彼ら3本柱がうまく成長すれば、楽天のプレーオフ進出も見えてくる。新庄が引退しFAで小笠原(34)を失った日ハム、大黒柱の松坂(27)が渡米した西武の戦力ダウンにより、パ・リーグはどのチームがプレーオフに進出してもおかしくないような戦国時代を迎えようとしている。そんな中、かつて近鉄が01年にリーグ制覇をしたときの主力打者2人が、テスト生となって復活を期している。中日のテストを受けていた中村紀洋(35)とオリックスのテストを受けていたローズ(38)である。いわゆる“いてまえ打線”の中軸として君臨していた2人は、近鉄球団の崩壊と運命を共にするように数奇な運命に翻弄された。プロスポーツの世界の厳しさが窺い知れるエピソードだ。オープン戦直前まで契約を渋っていた選手も2人いる。中日の福留(30)とヤクルトの高津(39)だ。福留は昨季、リーグMVPや首位打者を獲得。4億円の大台を希望していたが、結局3億8500万円(推定)でサイン。高津も5000万円+出来高払い(推定)でサイン。2人とも開幕を控えた時期なので、妥協したのだという。自らのパフォーマンスに対する正当な対価を要求するのは決して間違いではない。間違いではないが、まずはファンあってのプロ野球選手だということを忘れてほしくはない。(2007.03


#45 ベテラン選手三人三様

3人のベテラン選手について書く。ひとりは戦力外通告を受けアメリカに旅立ち、ひとりはFAで獲得した選手の人的補償で他球団へ移籍した。そして、もうひとりは球団の年棒提示を不服として自由契約になった。それは桑田真澄(38)、工藤公康(43)、中村紀洋(33)の3人だ。プロ野球で一時代を築いた誰でも知っているスター選手たちだが、生き様は三者三様。桑田が巨人入りするときの騒動を覚えているだろうか。PL学園卒業後は早大進学を表明しながら巨人がドラフトで1位指名して物議を醸し出した。この一件で密約が取り沙汰された。現役のプロ野球選手でありながら不動産に手を出し、多くの負債を抱えたこともある。そんな汚れたエースが海を渡ってパイレーツの3Aと契約した。果たしてメジャー昇格はあるのか!?工藤は、西武→ダイエー→巨人と渡り歩き、通算215勝をマークしている。西武では清原(39)とともに黄金時代を支え、ダイエー時代は城島(30=マリナーズ)をピッチャーの立場で育てた。今季は2億円減俸の年棒9千万円(推定)で横浜のマウンドに立つ。きっとこのチームにも何かを残すに違いない。そして中村は、1億2千万円減の年棒8千万円(推定)を拒否して路頭に迷う羽目になった。思えばこの男、近鉄消滅の危機の折には苦悩するチームメートを尻目に、おれ知らね〜とアメリカへ渡った。ドジャーズでもさして使い物にならずに帰国した彼を拾ってくれたオリックスに「命をかけてこのチームのためにプレーしようという気持ちにはなれないと思いました」という言葉を吐いて、今は浪人。あなたは誰を応援しますか。(2007.02


#44 松坂、そして井川もMLB

西武の松坂投手(26)と日ハムの岡島投手(31)がともにレッドソックスに入り、阪神の井川投手(27)がライバルのヤンキーズの入った。松坂と井川の投げ合い、松坂と松井(32)の対決など今年もMLB中継はますます見逃せない。ヤクルトの岩村内野手(27)もデビルレイズに入り、日本人メジャーリーガーは10人を超えた。そんな中、巨人で使い物にならなかった桑田投手(38)は、結局パイレーツとマイナー契約。メジャー昇格を目指すというが、世の中そう甘くはないだろう。国内の移籍情報を見てみると、日ハムの小笠原内野手(33)やオリックスの谷外野手(33)を獲得した巨人は、横浜の門倉投手(33)もFAで獲得。そして、FAでソフトバンク入りした小久保内野手(35)の人的補償として吉武投手(31)も獲得した。さらにはこの人的補償のほか、金銭保証として小久保の昨季の年棒の80%に相当する2億4千万円(推定)を得た。いくら野球協約に基づく措置だとはいえ、無償トレードで獲得した選手を無償で返さず、その上、人的保証+金銭保証まで要求するとは……。企業倫理というものがないのかね、あのチームには。同様に企業利益を先行させたケースとして、ソフトバンクの寺原投手(23)と横浜の多村外野手(29)のトレードがある。寺原は宮崎生まれ、多村は神奈川生まれ。お互い地元のチームを離れて新天地でのシーズンを迎えることになる。そういえば、巨人入りした吉武も大分の国東(くにさき)高出身。特にソフトバンクの前身であるダイエー球団は地元・九州出身の選手を大切にしていただけに、こうした心ないトレードは残念。(2007.01


#43 西武という企業のしたこと

松坂大輔のポスティング・システムによるMBL移籍がほぼ決まりそうだ。落札したのはボストン・レッドソックス。落札金額は約60億円。この約60億円のために、西武ライオンズはファンを蔑ろにしてしまった。今季最後の登板(9/26)で松坂は序盤にロッテ打線に打ち込まれて敗戦(4失点)。プレーオフ・第1ステージの第1戦(ソフトバンク戦)では見事に復活して勝利投手(自責点0)になったが、西武は第2戦に松永(22)、第3戦に西口(34)を先発させて連敗。ポストシーズンを終えた。では、なぜ涌井(20)の先発はなかったのか。ずばり、西武はプレーオフの第2ステージに進みたくなかったのだ。そこで松坂が日ハムに打ち込まれたら、商品価値が下がってしまう。それを避けるためわざと負けた。優勝を願って声を嗄らすファンの声援に応えるより、松坂を高く売ることを優先させたのだ。60億円は手にしたが、失ったものも大きい。さて、ストーブリーグも盛り上がってきた。巨人からFA宣言した小久保(35)が古巣ソフトバンクへ帰り、入れ替わりに日ハムから小笠原(33)が来た。小笠原は3年前に千葉に家を建て、完成直前に日ハムの北海道移転が発表された。3年間ガマンしたんだから東京に帰って来てもバチは当たるまい。巨人には、トレードでオリックスから谷(33)も来た。彼らに、複数年契約を結んだ主砲・李(30)や高橋由伸(31)が絡めば、清原やローズというスラッガーが並んだ数年前とは違い、足も絡めた面白い打線が組めそうだ。これで3位にでも入ってポスシーズンを戦ってくれれば、少しは視聴率も回復するかも!?2006.12


#42 プレーオフの意義

来季からセ・リーグもパ・リーグ同様、プレーオフ制を導入する。それは邪道、セ・リーグには入れさせんと息巻いていた巨人も一転してプレーオフ導入に積極論を唱え出したのが決め手になった。何せ、4年間優勝から遠ざかってしまったのだから仕方がない(これは球団創設以来初めての屈辱らしい)。そもそも、6チームしかないリーグで3位になったチームに日本一になる可能性を残す現行のプレーオフ制度は、著しく整合性に欠ける。MLBにだってワイルドカードがあるじゃないかという向きもあるが、今季、アメリカン・リーグでワイルドカードを得てポストシーズンを戦ったデトロイト・タイガースのレギュラーシーズンの成績は9567敗。西地区1位のオークランド・アスレチックスの9369敗を2勝上回っているのだ。仮に、セ・リーグがパ・リーグと同じプレーオフ制度を採用したとしよう。すると、セパともに3位のチーム同士が日本シリーズに出場する可能性だってでてくる。そんなチームが日本選手権を争っていいのか。実行委員会は、Jリーグがステージ制をやめて1シーズン制に戻した理由をよく考えるべきである。さて、北海道初の日本シリーズで日本一に輝いた日ハムの快進撃は、いよいよプロ野球も地方の時代に入ったことを実感させた。この際、「一都市/一球団」の原則でも作って読売巨人軍は宮崎あたりに移転してもらい、さらに、将来的に両リーグにそれぞれ2チーム程度増やすのはどうだろう。2リーグ全16球団、それぞれに「西地区/東地区」を設けたディビジョン制にすれば、プレーオフの必然性も出てくる。(2006.11


#41 タイトル大予想

この号が出る頃にはすべての個人タイトルが決まっているが、あえて9月末現在でタイトルの行方を予想してみた。まずはセ・リーグの打撃部門。首位打者は3割5分台をキープしている中日の福留(29)で決まりだろう。ホームラン王は40本を超えた巨人の李(30)だ。ヤクルトのリグス(34)、中日のウッズ(37)は一歩及ばず。打点王は中日のウッズ。横浜の村田(26)、ヤクルトのラミレス(32)は残念でした。続いて投手部門。最多勝は勢いのある中日の川上(31)で決まり。広島の黒田(31)は勝ち星が少し足りなかった。最優秀防御率は、リーグで唯一1点台をキープしての広島の黒田。セーブ王は中日の岩瀬(32)で間違いない。MVPも中日勢(福留、川上、岩瀬)のいづれかで間違いなし。一方、パ・リーグの打者部門。ソフトバンクの松中(33)の首位打者は固い。ホームラン王は、日ハムの小笠原(33)、西武のカブレラ(35)、ソフトバンクのズレータ(31)が同数で並んでいたら面白い。打点王は西武のカブレラだろう。続いて投手部門。ソフトバンクの斎藤(29)が最多勝・最優秀防御率の二冠に輝きそう。西武の松坂(26)は二部門ともに届かず。だが、ふたりとも20勝に手が届く勝ち星を挙げ、防御率も1点台なのは立派。セーブ王には好調・日ハムのマイケル中村(30)が確定。日本人の父親とオーストラリア人の母親を持つ彼の初タイトルは、日本ハムの勢いをも象徴している。MVPは、優勝チームというより、プレイオフを制したチームから出そう。日ハムから小笠原、ソフトバンクなら松中!?2006.10


#40 ハンカチ王子、夏を制す

セ・リーグは中日、パ・リーグは西武、ソフトバンク、日本ハムにそれぞれマジックが点灯した。ポストシーズンの主役はほぼこの4チームに絞られた。中でも、中日の強さは心憎いほどだ。投打のバランス、ベンチワークすべてが◎。プレイオフ〜日本シリーズまで、札幌、福岡、所沢、名古屋のファンは、まだまだプロ野球が楽しめるということだが、つまらないのは関西のファンだろう。なんせ夏の甲子園大会が面白すぎた。近年まれに見る熱戦が続いた高校野球中継は、プロ野球中継を遥かに上回る視聴率を記録した。同点で延長戦に入り結局、翌日再試合になった決勝「早実−駒大苫小牧」戦も面白かったが、激しい逆転劇を演じた「智弁和歌山−帝京」戦をベストゲームに挙げる人も多い。そして、今大会はドラフト候補も多い。優勝投手の“ハンカチ王子”こと早実・斎藤投手は早大進学濃厚。早実・王先輩のいるソフトバンクの指名はなさそうだ。一方の駒大苫小牧・田中投手は地元北海道の日本ハムが1位指名を決めているほか、数球団が上位指名を検討中。ほかにも、埼玉栄・木村投手、PL学園・前田投手、八重山商工・大嶺投手、鷺宮・増渕投手など高校生に好投手が揃った。打者では、何といってもイチローの後輩でもある愛工大名電・堂上内野手が注目だろう。甲子園のヒーローは観客動員(視聴率アップ)につながるのでどの球団もほしいところだが、あの球団は田中投手と斎藤投手の2人ともご所望らしい。江川問題、桑田問題と前科のあるあの球団が、もし「密約→強行指名」なんてことをしたら、それこそプロ野球衰退は必至!?2006.09


#39 後半戦展望

早くも今シーズンの半分の日程が終了。セ・リーグは中日が2年ぶりの首位リターン。前回(2004年)首位で折り返した年は優勝しているだけに、落合監督(52)の鼻息も荒い。その中日に1・5ゲーム差で2位につけたのは阪神。この2チームはそのままチーム防御率でも1位と2位(中日が2.91、阪神が2.92)。中日には、首位打者(3割4分9厘)の福留(29)、10勝を挙げ防御率も1.81(1位)のエース川上(31)、クローサーには23セーブの岩瀬(31)がいて、まさに磐石。阪神にも藤川(26)という絶好調クローサーがいて「勝利の方程式」(長嶋茂雄c)が確立している。この2チームに連勝するのはなかなか大変だ。首位と8・5ゲーム差ながら勝率5割で3位につけたヤクルトも立派。逆に長いトンネルから抜けられないのが5位で折り返した巨人。4番・李(30)が打率3割2分9厘、ホームラン29本でひとり気を吐くものの、エースの上原(31)が3勝6敗(防御率2.77)という体たらくじゃあ仕方がない。ナベツネは早くも「来年がんばってくれればいい」などと暢気なことをいっているが……。一方のパ・リーグは、西武が首位、ソフトバンク、日本ハムと続いて王者・ロッテが4位。王監督休養中のソフトバンク、主力に故障者(ベニー、福浦)が出たロッテは現有勢力でどこまで戦えるか。逆に、若手の台頭著しい西武(涌井、小野寺、赤田)と日ハム(ダルビッシュ、森本、田中賢)は、どこまで勢いを伸ばせるか。いずれにしろ、5位のオリックス、6位の楽天以外はプレイオフ進出のチャンスを残す面白い展開だ。(2006.08


#38 交流戦総括

2年目を迎えたセパ交流戦は2年連続で千葉ロッテが優勝。成績は2313敗。WBCの影響でスタートダッシュこそ叶わなかったものの、地力にまさるこのチーム、投打が噛み合うとやはり強い。交流戦優勝に加え、交流戦直前にはパ・リーグ5位だったポジションも首位に浮上。惜しくも2位に終わったのはソフトバンクでも阪神でもなく2214敗のヤクルトだった。古田監督(41)あっぱれである。俊足巧打の青木外野手(24)から始まり、ほとんどの打者が3割前後を打つ強力打線は他チームには脅威である。これに投手陣がうまく整ってくれば(カギを握るのは藤井と木田)充分に優勝を狙える存在になるだろう。そして、この交流戦で最も調子を上げたのが古田の師匠・野村克也(71)率いる楽天である。交流戦の成績は1719敗の7位。日ごろ野村が口にする「エースと4番がいなければチームは強くならない」という言葉どおり、まずは4番のフェルナンデス内野手(32)とクローサーの福盛投手(30)が安定感を見せ、勝ちパターンを作ったのが大きい。これで、エース一場投手(24)がピリッとすれば、プレイオフもおぼろげながら見えてくる。一方、交流戦に入って貯金を10減らしたのが原巨人。交流戦前まで7割の勝率を誇っていたものの、ロッテに6戦全敗、ソフトバンク、楽天にも負け越しと来た。小久保内野手(35)、高橋由伸外野手(31)という主力選手が次々に怪我で離脱し、西武から小関外野手(30)、広島から木村拓也外野手(34)を急遽補強したものの、急場凌ぎの感は否めない。今度は元阪神のアリアス(34)を獲得。ど〜するど〜なる巨人軍!?2006.07


#37 プロ野球選手のブログ事情

今月はブログから見えるプロ野球の裏側を考察してみたい。プロ野球選手のブログでもっとも有名なのが「古田敦也のブログ」(http://sns.yakult-swallows.co.jp/furuta)。一昨年のドタバタのときは、このブログを武器に世論を動かし、プロ野球改革を成功させた。しかし、最近では監督業が忙しいせいか、更新はさほど頻繁ではないのが玉に瑕か。ヤクルト勢では「五十嵐亮太公式サイト」(http://ryo-ta.way-nifty.com/igarashi/message)や「岩村明憲オフィシャルサイト」(http://sports.cocolog-nifty.com/gun1)があるが古田ほどまめに更新はしていない。そんな中、筆マメな選手が多いのは、アジア王者千葉ロッテである。ほぼ毎日更新している「里崎智也公式ブログ」(http://blog.so-net.ne.jp/satozaki22)を手はじめに、「今江主義〜頂点を目指して」(http://ameblo.jp/imae)や「渡辺俊介公式サイト」(http://www.daisuke18.com/blog)、バレンタイン監督の「ボビーズウェイ」(http://www.bobbysway.jp)まである。最下位の楽天と横浜もブログが盛んで、「福盛和男ブログ」(http://plaza.rakuten.co.jp/fukumori15)、多村仁内野手の「6TOOLS」(http://www.hitoshitamura.com/)、「三浦大輔オフィシャルサイト」(http://www.daisuke18.com/blog)などがある。“ハマの番長”のブログは本人の写真が中心で芸能人と見まごうばかりだ。一方、巨人・阪神という人気チーム勢では、「高橋尚成公式ブログ」(http://hisanori.exblog.jp)、赤星外野手の「REDSTAR53.com」(http://www.redstar53.com)があるくらい。(2006.06


#36 交流戦、真っ只中

この号が出る頃は、交流戦の真っ只中。全国各地で熱戦が繰り広げられているに違いない。今季、スタートダッシュに成功したのは巨人と西武。巨人は20試合を消化した時点で15勝4敗1分け。2番小阪、3番ニ岡、4番李という打線は昨季よりも小粒に見えるが、裏を返せば3番打者でもバントができるしっかり繋がった打線だ。一方の西武も世代交代に成功してシーズンに突入。なんといっても炭谷銀仁郎(19)である。高卒ルーキーがキャッチャーのポジションで開幕スタメンを飾るのは実に数十年ぶり。これに中島(24)、GG佐藤(28)が打線を盛り上げ、涌井(20)が松坂(26)、西口(34)に続く先発の柱に成長した。西武にソフトバンクと千葉ロッテが絡み、プレイオフにどのチームが進出するか楽しみは尽きない。さて、われらが新庄(34)がまたやらかしてくれた。ヒーロー・インタビューでの引退宣言である。日ハムファンの間でも賛否両論あった引退宣言だが、世間の注目をグッと自分に引き寄せるあたりやはりスターである。これで、広島や名古屋などのファンも交流戦で新庄のプレイを見ることができる。これでプレイオフ進出かタイトルのひとつでも取ってくれれば面白い。今季も辛酸を嘗めているのが野村新監督(71)率いる楽天だ。著書『巨人軍論』での精神論も分からないでもないが、ID野球が通用したのはかつてのヤクルトの選手(古田、宮本)まで。今どきの選手たちは、バレンタイン(56=ロッテ監督)のように気分よくプレイさせなければ笛を吹いても踊らないことに気づくべきだ。まずは岩隈(25)の復活を待つことにしよう。(2006.05


#35 WBC優勝!

ふたを開けてみれば、日本が初代ワールドチャンピオンに輝いたWBC。アメリカが有利になる組合せ、分配金、ボブ・デービッドソンによる誤審など課題の残る大会ではあったが、日本球界には多くの実が結んだ1ヶ月だった。いちばんの収穫は全国区のスターが誕生したこと。MLBで最もホームランが出にくいペトコパークで豪快な一発を放った多村(29=横浜)、決勝でファインプレイと2失策という目立つ活躍をした川崎(23=ソフトバンク)など、もはやローカルなスターではなくなった。渡辺俊(29)をはじめとする薮田(32)、里崎(29)、西岡(21)、今江(22)のロッテ勢の知名度もグッと上がった。ペナントレースだけではなく、国民的な注目が集まるポストシーズンや国際試合でこそスターが生まれるのだ。そして、こうした活きのいい選手たちがそれぞれのチームに戻ってペナントレースが活性化する。そういう意味でもWBCに出場する意味はあったのではないだろうか。決勝のキューバ戦を前に野村克也・楽天監督(71)は「里崎はコースに構えが寄るのが早過ぎるので気をつけろ」とコメント。あのノムさんまでもが同リーグの敵に塩を送る発言をあえてしたというのも興味深い。そして、もっとも株を上げたのはチームリーダーに徹したイチロー(32)だろう。「向こう30年、日本には手を出せないと思うくらい完全に勝ちたい」と発言して迎えた1次リーグで韓国戦に破れ、その直後ベンチで悔しさを露にした。この姿を見てナインが発奮したのはいうまでもない。そして、王貞治は、再び“世界の王”になった。(2006.04


#35 2006年シーズン開幕!

さぁ今月末からいよいよプロ野球が開幕する。今シーズンもセ・リーグよりひと足早くパ・リーグは3/25(土)に開幕戦を行う。カードは北海道日本ハム−東北楽天(札幌ドーム)、西武−オリックス(インボイス西武ドーム)、福岡ソフトバンク−千葉ロッテ(福岡ヤフードーム)。清原(38)が久しぶりにパの打席に立つ西武−オリックス戦、WBCに多くの選手を派遣している福岡ソフトバンク―千葉ロッテ戦など見所もいっぱい。すべてドーム型球場での開催なためどのチームの開幕投手も天候に左右されずにこの日に合わせて調整できるので、白熱した投手戦が期待できそうだ。今季から導入された二段モーション禁止という新ルールにどのような対応をするかにも注目したい。翌26(日)も同カードで行われる(二連戦)。一方のセ・リーグは、3/31(金)に巨人−横浜(東京ドーム)、ヤクルト−阪神(神宮球場)、中日−広島(ナゴヤドーム)の三試合で開幕する。翌4/1(土)と2(日)の三連戦。特に新人監督の古田ヤクルト、ブラウン広島、久しぶりにユニフォームを着た原監督(47)率いる巨人はスタートダッシュで勢いをつけたいところ。逆に開幕三連戦でつまづくとリカバリーに苦労するので、どのチームも連敗だけは避けたい。そして、5/9(火)〜6/18(日)の日程で、「日本生命セ・パ交流戦」も行われる。交流戦を制する者はペナントを制す、とは大袈裟だが、昨季の阪神や千葉ロッテも、この交流戦で勢いに乗ったというのも事実。逆に昨季、交流戦前まで好調だった中日は、いかにしてこのシリーズを戦うかがカギだ。(2006.03


#34 パ・リーグにNK砲が誕生!

今シーズンの目玉といえば、清原(38)、中村紀洋(32)が相次いで入団したオリックスだろう。なんせ大阪出身の2人が大阪でプレイするのだ。盛り上がらないはずはない。このNK砲に谷(32)、村松(33)、北川(33)が加われば、あのブルーサンダー打線も復活。昭和の頃のパ・リーグを彷彿とさせるような豪快な野球を見せてくれるはずだ。昨季のアジア王者・ロッテとの対戦をはじめ、野村ID野球の楽天戦、新ブルーサンダー打線と松坂(25)とのガチンコ勝負が見られる西武戦、和田(24)や新垣(25)が立ちはだかるソフトバンク戦など、どのカードをとっても見所いっぱいである。一方のセ・リーグは、古田捕手(40)がプレイングマネージャーとなったヤクルトと原監督(47)が復帰した巨人が注目!ヤクルトはメッツから石井投手(32)、Wソックスから高津投手(37)がそれぞれ復帰した。五十嵐投手(26)や青木外野手(23)ら若手とベテランの歯車がかみ合えば、面白い存在になりそうだ。巨人は清原、ローズ(37)、江藤(35)といった大砲を次々に放出。キャプテンに指名された小久保内野手(34)や今年こそ初タイトルの期待が高い高橋由伸内野手(30)を中心にスピーディな野球を目指す。さて、先月お伝えしたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)だが、巨人の阿部捕手(26)とWソックス井口内野手(30)が出場辞退し、代わりに中日の福留外野手(28)とヤクルトの宮本内野手(35)がメンバーに加わった。初代王者を目指してのアジア・ラウンドは3/3から、アメリカでの2次リーグは3/12から。(2006.02


#33 WBC日本代表、決まる

WBC。世界ボクシング評議会ではない。ワールド・ベースボール・クラシックの略称だ。今年3月、アメリカで行われる野球の世界大会である。ここに参戦する日本チームのメンバー29人が発表されたので、列挙してみたい。投手→清水、渡辺俊、小林宏、藤田、薮田(千葉ロッテ)、和田、杉内(ソフトバンク)、松坂(西武)、上原(巨人)、黒田(広島)、藤川(阪神)、石井(ヤクルト)、大塚(パドレス)。捕手→里崎(千葉ロッテ)、谷繁(横浜)、阿部(巨人)。内野手→西岡、今江(千葉ロッテ)、松中、川崎(ソフトバンク)、小笠原(日本ハム)、岩村(ヤクルト)、新井(広島)、井口(ホワイトソックス)。外野手→和田(西武)、金城、多村(横浜)、青木(ヤクルト)、イチロー(マリナーズ)という豪華メンバー。日本チームを率いる王監督が出場を熱望する松井(ヤンキース)は参加を表明しておらず、王監督は最後の1枠を空けて松井の返事を待っている状態だ。さて、今回のWBCは野球の世界大会というだけに、すぐにアメリカで戦えるわけではない。実は日本、韓国、中国、台湾によるアジア・ラウンド(1次予選)が3/3から行われ、ここで勝ち抜いた上位2チームだけが3/1216の日程でアメリカ・アナハイムで行われる2次リーグに進むことができるのだ。この開催時期が微妙なところで、日米ともにキャンプの仕上げの時期に当たり、投手はこの時点で戦える肩を作ってしまうのはあまり得策ではない。松井が危惧するのもズバリ、シーズン目前での怪我だ。一方、大リーグ入りを目指す松坂や上原には格好のアピールの場になりそうだ。(2006.01


#32 松井に春!?

松井秀喜外野手(31)がヤンキースと4年契約を結んだ。総額60億8千万円というから凄い。月給1億3千万ってことか――。さらに、女優・戸田菜穂(31)との交際も発覚。「あ〜らショムニのみなさん」の戸田菜穂である。酒井美紀(27)はどうした、松井。「当分は独身で野球に打ち込みたい!」と本人もコメントしてるとおり今オフでの結婚はなさそうだが、この2人からは目が離せない。そして、ソフトバンクの城島健司捕手(29)もキャッチャーとして初の日本人メジャーリーガーとなりそうだ。マリナーズと3年契約で総額22億6千万円。凄い金額だ。今季7人ものキャッチャーが入れ替わりマスクを被るという異常事態が続いたマリナーズは、トレードで選手を失ったりドラフトでの指名権を温存しつつ城島を獲得できた。一方、わが国はドラフト制度が一部変更になり、高校生ドラフトと大学・社会人ドラフトが別の日程で行われた。かつての「野茂はどこへ?」「松井は誰が指名した?」というドラフト会議のドキドキ感はもはやない。巨人が甲子園で大暴れした大阪桐蔭・辻内投手(18)を、中日がNOMOベースボールクラブの柳田内野手(23)をそれぞれ指名したことくらいしか話題がないという寂しさ。大型新人を見に球場に足を運ぶ楽しみがなければ、ますますプロ野球人気は冷めていくぞ。FA市場も西武の豊田投手(34)や中日の野口投手(31)と例年になく小粒。そのふたりとも、巨人が獲得。また、来季から導入される二段モーション禁止も思えばナンセンス。国際ルールに基づくというが、五輪から野球が消えるというのに何が国際ルールだ!?2005.12


#31 楽天・TBS問題

プレイオフの第1ステージで西武の松坂(25)と西口(33)の両エースを攻略し、第2ステージでレギュラーシーズン1位のソフトバンクを蹴散らして日本シリーズに駒を進めたロッテは、勢いに乗って阪神に4連勝して日本一に輝いた。Jリーグのようなサポーターの応援と相まって、新しい日本チャンピオンの誕生を見た気がした。そんなポストシーズンが幕を閉じた途端、風雲急を告げ、またまたプロ野球再編問題が再燃してしまった。事の発端は村上ファンドの阪神電鉄株取得である。村上氏(46)は、さっそく阪神タイガース株の上場を示唆し「ファンの意見を聞きたい」など発言。その一方でオリックスが村上ファンドへ出資しているところから、阪神とオリックスの合併もあるのではという噂にファンも戦々恐々である。そして、三木谷社長(40)率いる楽天が、TBSの筆頭株主に踊り出た。これにより、TBSが筆頭株主である横浜ベイスターズの売却話が再燃。ナベツネ御大(79)が「ひとつのキャピタルでふたつの球団は持てない。三木谷クンにもそういってあるんだが」と発言して「横浜売却やむなし」という空気を作り、三木谷は既にITバブルの象徴・六本木ヒルズに事務所を構えるYUSENにベイスターズを売る算段をつけたらしい。さらには、今夏の衆議院選で広島六区から出馬したホリエモン(32)率いるライブドアが、自民党・武部幹事長のあと押しで広島カープ買収という情報をナベツネ御大がリークした。広島の場合は経営が脆弱な市民球団なのでホリエモンが手に入れる公算大だが、どちらにしろ1リーグ制だけはやめてほしい。(2005.11


#30 ポストシーズン突入

いよいよ、ポストシーズンに突入するプロ野球。セ・リーグは2年ぶりに優勝した岡田阪神が日本シリーズ出場権を得た。ソフトバンク、千葉ロッテ、西武の3チームでプレーオフを争うパ・リーグも、この号が出る頃には勝者が決まっているはず。一方、早くもストーブリーグが盛り上がっている。かつての球界の盟主巨人は、星野阪神SD(58)にフラれ、原前巨人監督(47)の再登板が決定した。さっそく元木内野手(33)と後藤内野手(36)の生え抜き2人の戦力外通告が発表された。大粛清のスタートである。当然のことながら、今季未勝利に終わった桑田投手(37)、複数年契約が切れる清原内野手(38)もリストラの対象になる可能性大。ローズ内野手(37)も退団が決定的。若手中心のメンバー&巨人愛で巨人は再生への道を探る。新規参入の楽天は、田尾監督(51)を早々に解任。川尻投手(36)らベテラン勢も大量解雇された。野村元阪神監督(70)を起用するなら、現有勢力でもう少し戦ってみても面白かった気もするが……。ともかく、野村再生工場でどのくらいの選手がリペアされるか楽しみだ。そんな中、数十年ぶりにプレーング・マネージャーが誕生する。ヤクルトの古田捕手(40)が現役を続行したまま、監督に就任するのだ。かつては、阪神の村山、南海の野村といったスター選手が、選手兼任監督としてフィールドを暴れ回っていた。阪神には金田監督代行(カネヤンではない)なる人物もいて、当時の野球少年たちをウキウキさせたものだ。8年連続のBクラス広島の山本監督(58)も辞意を表明。オリックスの仰木監督(70)も勇退を明らかにした。(2005.10


#29 監督たちの現役時代は……

今月は現役監督の選手時代の実績について考えてみたい。外人監督を除く10人の中で、新人王を取ったのは、堀内(巨人=57)と田尾(楽天=51)、岡田(阪神=47)の3人。意外にも世界の王(ソフトバンク=65)は新人王を取っていない。しかし、王は三冠王2回(首位打者5、ホームラン王13、打点王12)という輝かしい成績を残していて、これに対抗できるのは落合(中日=51)は三冠王を3回(首位打者5回、ホームラン王5回、打点王5回)くらいだ。ただ、二冠に終わったシーズンを比べてみると、王の12に対し落合は1。落合はチャンスを逃さないタイプといえるかもしれないが、王の場合はMVPを9回も取っていてライバル長嶋に三冠王を阻まれたケースが5回もあることを考えると、史上最大の打者だということに疑う余地はない。ちなみに若松(ヤクルト=58)は、72年と77年に王の三冠王を阻んで二度首位打者に輝いてる。山本浩二(広島=58)も三冠王こそないものの、首位打者1、ホームラン王2、打点王3という成績をおさめた。田尾は新人王と最多安打という地味なタイトルを2度取っただけ。岡田もバースと掛布の影に隠れて主なタイトルは新人王のみ。投手では堀内が最優秀防御率1、最多勝1、MVP1、沢村賞1と意外にタイトルは少なく、牛島の最多セーブ2、優秀救援投手1と大差なし。抑木(オリックス=70)と伊東(西武=43)はタイトルに縁がない。ちなみに、星野仙一(58)は最多セーブ1、沢村賞1のみ。「記録より記憶」に残る選手とは、江川(最優秀防御率1、最多勝2、MVP1=50)ではなく、男・星野仙一のことらしい。(2005.09


#28 優勝のカギは助っ人外人!

プロ野球も前半戦を終えた。セ・リーグは阪神、パ・リーグはソフトバンクがそれぞれ2位に4・5ゲームと5ゲームの差をつけて首位で折り返した。この2チームを含めて好調なチームを見ると、どこも外人補強に成功している。ソフトバンクのズレータ(30)、カブレラ(32)、バティスタ(31)、ロッテはベニー(33)、フランコ(35)、李(28)といった選手たちで、7年ぶりに貯金を持って折り返した横浜も161キロにの最速記録を持つ男、クルーン(32)の存在が大きい。一方、ミセリ(35)、キャプラ―(30)ともに解雇したセ・リーグ5位の巨人は見てのとおりの体たらく。自力優勝も消滅。パ・リーグ最下位の楽天も主砲にと期待されたロペス(31)の打率が2割1分7厘(前半戦終了時)じゃあ埒があかない。少し気が早いが、新人王レースを見てみると、セ・リーグは前半戦を3割2分8厘の首位で折り返したのがヤクルトの2年目、青木(23)が最有力。そのあとを、巨人勢の内海(23)と野間口(22)がそれぞれ4勝と3勝で追う。ただ、投手の場合最低でも1213勝しないと新人王は厳しい。一方パ・リーグは、「松坂世代最後の刺客」と異名をとるロッテの久保(25)が、しっかり先発ローティション入りして8勝を稼いでいる。日ハムのダルビッシュ(19)、西武の涌井(19)は、来年以降に望みを託す方が賢明だろう。ダークホースとしては17本塁打を記録している「おかわり君」こと西武の中村(22)が挙げられる。ライバル久保の新人王を食い止めるにはチームを3位以内に押し上げ、できればプレイオフでロッテを叩きたいところだ。(2005.08


#27 交流戦チャンプは千葉ロッテ

プロ野球史上初のセパ交流戦が終わった。優勝は千葉ロッテ。ファンの反応も概ね好意的で、収益面ではパ・リーグが「増」、セリーグが「減」。ただ、最後の方は「まだ交流戦やってるの!?」という空気もあり、試合数を半分くらいにした方がいいののではという声も多かった。千葉ロッテはペナントレースの勢いをそのまま持ち込んでの初代王者になったが、千葉ロッテファンのあのシンプルな応援の仕方も各地で話題を呼んだ。鳴り物でドンドカやるだけが野球の応援ではないのだ。しかし、オールスターを挟んでの後半戦は、自力に勝るソフトバンクが虎視眈々とパ・リーグ制覇を狙っている。迎え撃つ千葉ロッテがどこまで踏ん張れるか。この2チームに10ゲーム以上離されているものの、3位にも優勝のチャンスがあるのが面白い。一方、セ・リーグは交流戦前まで首位をキープしていた中日が交流戦で好調を維持できず、とうとう阪神に奪首された。とはいうものの、6月末の時点で首位阪神から4位横浜までゲーム差がたったの7。9・5ゲーム離された5位巨人だって可能性がないわけではない。脳梗塞で倒れた終身名誉監督の長嶋茂雄氏(69)も7/3の広島戦を観戦するなど、巨人には明るい材料もある。さらには、たった4試合で解雇されたミセリ投手(34)がロッキーズで大リーグ復帰を果たしたというニュースを尻目に、マリナーズ傘下3Aアルバカーキのミアディッチ投手(29)、台湾代表の姜建銘投手(20)を次々に獲得。資金力に物をいわせられるのも今のうちという気もするが、ま、彼らが第2のミセリ投手にならないことを祈りたい。(2005.07


#26 最速男クルーン登場!

あるデータによると、地元ファンの支持率が高い(例・福岡県民におけるダイエーファンの割合)チームは、セ・リーグでは中日、阪神、広島、パ・リーグではダイエー、日ハム、楽天だった。東京、大阪、横浜のチームは全国的に人気があるといういい方もできるが、ニューヨーカーがヤンキースやメッツを応援するようには東京人は巨人やヤクルトを応援していない。テスト入団の40歳・吉井(オリックス)に抑えられるなど5月末時点で未だ最下位を脱出できない巨人に至っては、ファンが愛想を尽かしても仕方がない。10本以上ホームランを打っている選手を4人(小久保、ローズ、清原、阿部)も抱えているのに勝てないのは、首脳陣と投手陣のせいだ。首脳陣を変えるのが定石だが堀内監督(57)はいつまで生き地獄に耐えられるか。さて、5月を終えた時点での個人成績&戦況をみてみたい。パ・リーグは既に6敗(4勝)を喫している松坂(24)、同じく6敗(3勝)の岩隈(24)という両タイトルホルダーの出遅れが、そのまま所属チームの西武(3位)、楽天(最下位)の順位に響いている。エースがピリッとしないとチームは波に乗れない。逆に、絶好調を維持する千葉ロッテはスターターに8勝を挙げている渡辺俊(28)、クローザーに16セーブの小林雅(31)というふうに投手陣の柱がしっかりしているのが強み。一方、セ・リーグは打率・本塁打ともに1位の多村(28)や最速男・クルーン(32)を擁する横浜が、5月末の時点で4位ながらダークホースになりそうな可能性大。阪神、ヤクルト、中日、そして5位の広島まで含め、優勝争いは混戦になりそうだ。(2005.06


#25 どん底・巨人は堀内監督を更迭せよ!

セ・リーグは阪神、パ・リーグはロッテとソフトバンクがスタートダッシュに成功した今シーズンだが、「フルキャストスタジアム宮城の楽天−ソフトバンクはイチバの好投で楽天が勝利!」なとど、去年までは聞いたことのない単語がズラッと並ぶスポーツニュースが新鮮でいい。今月号が店頭に並ぶころにはセ・パ交流戦が各地で行われていて、広島市民球場で松坂(西武=24)が力投したり、札幌ドームで鳥谷(阪神=23)がホームランを打つ姿が見られる……などと想像するだけで楽しい。プロ野球のTV中継も福岡のソフトバンク戦、仙台の楽天戦、名古屋の中日戦などがそれぞれ地元で高視聴率を記録。少しずつだがメジャー・リーグに近い状況(=ローカリズムの浸透)が生まれつつある。まさに「プロ野球改革元年」である。しかし、かつての球界の盟主・巨人は調子が悪い。成績は最下位(4月26日現在)、視聴率はジリ貧(連日10%前後)だし、新守護神のミセリ(34)はさっそく解雇。新助っ人のキャプラ−(29)もダメ。そこで緊急提言をしたい。まずは、堀内監督(57)を一刻も早く解任せよ。後任には江川卓(50)を大抜擢。清原内野手(37)は引退の花道を飾ってあげるとして、工藤投手(42)、桑田投手(37)は自由契約。小久保内野手(33)もホークスに無償で返してあげなさい。史上最強のダメ外人キャプラ−も即刻解雇して問題なし。ついでにローズ内野手(36)も必要なし。風通しがグッとよくなった所で高橋由伸外野手(30)とニ岡内野手(29)を中心にフレッシュで活気のある若いチームを作る。ヘッドコーチは、江川の親友・掛布雅之(50)で決まり!(2005.05


#25 プロ野球開幕〜大丈夫か楽天!?

いよいよプロ野球が開幕した。新参入の楽天イーグルスは開幕2戦目(対ロッテ戦)で、こともあろうに26−0という歴史的大敗を喫してしまった。ここでグッと現実味を帯びてきたのが「楽天の100敗」説である。開幕前、多くの評論家やファンがこの珍記録(!?)についてあれこれ語っていたが、解説者の広沢(元ヤクルト、巨人=42)は「楽天が100敗したら坊主になりますよ!」とNHKのスポーツニュースで宣言してしまった。広沢の坊主頭なんて見てもしょーがないのもあるが、東北のファンのためにも楽天の選手たちには奮起を促したい。また、日本のプロ野球で初の交流戦も楽しみだ。GWが明けた5/6(金)〜6/16(木)までの約40日の日程で、「日本生命セ・パ交流戦」という企業冠がついての開催となる。この期間に各チームが異なるリーグの6チームとそれぞれ6試合ずつ計36試合を行い、勝率1位のチームに賞金5000万円、1位のチームから1名選ばれる交流戦MVPに賞金200万円が日本生命より贈られる。一方、飛ばないボールの導入も面白い。根っからの長距離打者しかホームランを量産できなくなり、足の速い選手、肩の強い選手がクローズアップされる。出会い頭の一発(ラッキーパンチ)が少なくなるから、エース級のピッチャーが勝ち星や防御率を残せる。これによって、一流選手と中途半端な選手の差が浮き彫りになること必至だ。さらには、1110(木)〜13(日)には東京ドームで日本、韓国、台湾、中国のチャンピオンチームが集まって「アジアシリーズ2005」も行われる。秋まできっちり野球が楽しめる。(2005.04


#24 日本人メジャーリーガーいざ出陣!

上原浩治投手(29)と井川慶投手(25)という巨人&阪神の両エースが揃ってポスティング・システムによるメジャー移籍要求を球団に突きつけ、剣もほろろに夢破れて05年シーズンがスタートした。そんな彼らを尻目に太平洋を渡った日本人選手が新たに4人。阪神の元エース藪恵壹投手(36)がアスレチックス入りし、近鉄の合併問題のどさくさに紛れて中村紀洋内野手(31)もドジャーズ入り(マイナー契約)を決めた。ダイエー(現ソフトバンク)からホワイトソックス入りした井口資仁内野手(30)は現地での評価が高く早くもスタメン当確の声があがっている。また、昨季横浜を自由契約になったデニー友利投手(37)も果敢にアメリカに乗り込み、レッドソックスとマイナー契約を結んだ。果たしてメジャー昇格なるか!? 現役日本人メジャーリーガーではデビルレイズの野茂英雄投手(36)が11年目、マリナーズの長谷川滋利投手(36)が9年目のシーズンを迎えた。昨季、長谷川の同僚になった木田優夫投手(36)は一軍定着を実現したいところ。そのほか、ドジャーズの石井一久投手(31)、ホワイトソックスの高津臣吾投手(36)、エクスポズの大家友和投手(29)、パドレスの大塚昌則投手(32)、インディアンズの多田野数人投手(25)といった投手勢も順調に仕上がった。一方、マリナーズのイチロー外野手(31)を筆頭にヤンキースの松井秀喜外野手(30)、今季本格的にセカンドにコンバートされたメッツの松井稼頭央内野手(29)と野手勢も豪華なメンツが揃う中、カージナルズの田口壮内野手(35)も今季こそはと1軍の定着を目指す。(2005.03


#23 アイランド・リーグとゴールデンゴールズ

昨年のビッグバン後、アマチュア野球及びその周辺も活性化した。そのひとつは、元オリックス監督の石毛宏典(48)が提唱した四国独立リーグである。IBLJという会社(社長は石毛氏)が運営すそのリーグは、「プロを目指している若者が実力を伸ばし夢を追いかける場所」を提供するという主旨で、松山、高知、徳島、高松の4都市にそれぞれチームを設立し、4月上旬から10月下旬までに約90試合を行う。元西武の小野(42)や元ロッテの定詰(38)、元広島の西田(44)などが監督・コーチを務めるほか、元巨人軍監督の藤田(73)や元阪急監督の上田(67)らもアドバイザーとして名を連ねる。さらに、元ロッテの有藤(58)、元中日の大島(54)、元巨人の土井(62)、元ロッテの八木沢(60)などのプロ野球経験者が巡回コーチを務めるなど一見豪華な印象だがこれはスタッフ側だけで、肝心のスター選手が不在。これでいきなり約90試合は辛いのでは!?もうひとつは、プロ野球選手になるのが夢だったという萩本欽一(63)が監督を務めるクラブチーム、ゴールデンゴールス。元巨人の鹿取(47)をヘッドコーチに迎え、極楽とんぼ山本はご愛嬌としても、元オリックスのパンチ佐藤外野手(40)、常総学園で甲子園優勝を経験した仁平翔投手(19)、女子日本代表の片岡安祐美内野手(18)など戦力はまずまず。茨城県の桜川村総合運動公園を本拠地に宮崎の日向でキャンプも行い、全足利(日本チャンピオン)や野村克也監督(69)率いるシダックとも練習試合を行う予定だが、どうせなら都市対抗の常連になり、ドラフト指名選手を出すまでに化けてほしいものだ。(2005.02


#22 楽天&ソフトバンクというニューウェーブ!

昨年秋のファン感謝デーで、堀内監督(57)のあいさつにブーイングで答えた巨人ファンは、一方で「清原コール」を起こして自分たちの気持ちを表明してみせた。いくら堀内監督が“スピード野球”を標榜して新しいジャイアンツを目指したところで、ファンの心はあのデリカシーのない前オーナーと元エースから離れている。これに経営陣が気づかない限り、今季も巨人戦視聴率のジリ貧状態は続く。かつての巨人軍は、TV・新聞を中心としたメディアミックス戦略で全国的な人気球団に成長したが、“放送権料”でメシが喰える“古きよき時代”の終焉はもうそこまで来ているのだ。一方、楽天とソフトバンクというIT関連企業が球団経営に参入するパ・リーグにはセ・リーグからイニシアチブを奪取する絶好のチャンスが巡ってきた。TV・新聞ではなく、インターネットを媒介にした「スポーツエンタメ」としてのプロ野球を「新しいソフトウェア」として提供し、ファンサービスを「顧客サービス」として展開するノウハウが彼らにはある。仙台&福岡からプロ野球の勢力地図を一気に塗り替えてほしいものだ。ただし、そのためにはかつての王・長嶋のようなスター選手の存在が不可欠だが、「岩隈問題」(あくまで楽天入りを譲らない岩隈に小池パ・リーグ会長が「とりあえず1年はオリックスで我慢してくれ!」というおバカな話を持ちかけた)に象徴されるように“古きよき時代”の亡霊たちが目先の瑣事にとらわれ、選手を商品のように扱っているうちはまだまだダメだ。さらには、スター選手の“メジャー流出”をいかにして食い止めるかも大きな課題である。(2005.01


#21 楽天の戦力やいかに!?

甲子園を沸かせたダルビッシュ投手(東北高=18)はドラフト会議で日本ハムに指名され、阪神が指名したドラフト史上最年少の辻本投手(米マタデーハイスクール=15歳)、横浜が指名した東大生の松家投手(22)ともに入団を決めた。注目の新球団・楽天は、ドラフトで一場投手(明大=22)ら新人6人を指名したほか、オリックスとの間で行った分配ドラフトで川尻投手(35)、金田投手(35)、高村投手(35)、磯部外野手(30)といったベテラン勢を獲得。オリックスにプロテクトされた岩隈投手(23)も金銭トレードでの獲得が濃厚だ。これに加えて、無償トレードで横浜から中村捕手(37)、中日から関川外野手(37)、ヤクルトから飯田外野手(36)を次々に獲得。瞬く間にチームとしての体(てい)を整えつつある。そんな中、ひっそりと自由契約になった選手もいる。中でも巨人の李捕手(22)と野村克則捕手(31)は、それぞれ内海投手(22)と野間口投手(20)を獲得するための「約束手形」として巨人が契約していただけなので解雇は自明のことだが、それでも野村克則捕手はトライアウトでのアピールが効いて楽天入りを決めた。「腐っても鯛」という表現は適当ではないが、さすが野村克也の息子である。少なくとも、現役時代は1軍半だったくせに「元巨人軍選手」という看板だけでちゃらちゃらとタレント活動(評論家活動)をしている長嶋一茂(38)やデーブ大久保(37)よりマシだ。さても気になるのは“番長”清原内野手(37)の去就である。巨人軍残留を発表したが、余力を残して引退するのも男の道かと思うが、どうだろうか――。(2004.12


#20 楽天ゴールデンイーグルス誕生!

 

ボストン・レッドソックスと西武ライオンズ。日米ともにリーグを1位で通過していないチームがそれぞれのシリーズを制して幕を閉じた今シーズンだが、日本球界は大揺れに揺れた。オリックス・近鉄の合併→1リーグ制に移行→選手会主導のスト→2リーグ12球団維持と紆余曲折の末、ライブドアと楽天の新規参入争いが勃発。11/2の実行委員会で決定、オーナー会議で(しかも全会一致で)承認されたのは東北楽天ゴールデン・イーグルスである。新規参入が決まったとはいえ、キーナートGM(58)、田尾安志監督(50)のもと新球団の編成準備、宮城球場の修復工事など課題山積。また、ホークスの親会社ダイエーの経営権が産業再生機構の手に委ねられたことによりホークスの身売り問題も再燃した。そこへ登場したのがIT企業の真打・ソフトバンクの孫正義社長(47)。彼があっさりホークス買収に成功したら、後出しジャンケンもいいところ。楽天・三木谷浩史社長(39)、ライブドア・堀江貴文社長(32)ともに臍を噛むことになるかも!? 一方、西武ライオンズの堤義明オーナー(70)が株券の虚偽報告の件でオーナー職を辞任。日本一になったライオンズの身売り話も取り沙汰されている。くわえてナベツネを辞任に追い込んだ明大の一場投手(22)が今度は横浜、阪神両球団からそれぞれ金銭を受け取っていた事実が発覚。その煽りで横浜の砂原幸雄オーナー(67)、阪神の久松俊二郎オーナー(83)と野崎勝義球団社長(62)が辞任に追い込まれる事態となった。本人にはそのつもりはないだろうが、これは自爆テロである。(2004.11


#19 ライブドア vs 楽天

史上初のプロ野球ストライキのあと、NPBが急速に軟化して「来季も12球団維持」の方針を発表。そこで勃発したのが、来季の新規参入枠「1」を巡る「ライブドア」と「楽天」との仁義なき戦い、俗にいう「仙台戦争」である。当事者2人はともに30代でIT関連企業のカリスマ社長というのも面白い。いち早くプロ野球参入を表明した「ライブドア」の社長、ホリエモン(彼が所有する馬の名前)こと堀江貴文社長(31)は、東大在学中にベンチャー企業を立ち上げて大儲けし、別に卒業しなくていいやと東大を中退。以来、ITのカリスマとして君臨し続けている“挫折なきエリート”である。一方、「楽天」の三木谷浩史社長(39)は父親が神戸大教授、姉は医師、兄はバイオ学者というアカデミックな一家の出身。自身も一橋大から日本興業銀行に入り、ハーバード・ビジネス・スクールでMBA(経営学修士)を取得した“サラブレッド”。しかし、ひと皮むけばベンチャーひと筋のホリエモンは「朝まで生テレビ」にTシャツ姿で出演した際、政治評論家の三宅久之氏(74)に「君はどうして下着姿でこうゆうところに出て来るんだ!?」と一喝されたように“世間知らず”な一面も少なからずある。翻って三木谷社長は、大学時代にテニス部主将を務め、興銀時代には財界人たちと丁々発止やって鍛えられた経験を持つ、いわば“いっぱしの社会人”。今回の新規参入という案件でも、旧知の仲であるオリックス・宮内オーナーを通じて各オーナーのコンセンサスを得るなど根回しを怠っていない。「仙台戦争」の行方やいかに。 (2004.10


#18 ナベツネ辞任、スト決行!?

まさに電光石火。ナベツネが遂に巨人軍オーナーを辞任した。ゆきすぎたスカウト活動があったということが理由だが、どうもクーデターの匂いがしてならない。といっても読売グループ内部のクーデターという意味ではなく、プロ野球界全体のクーデターである。今回の騒動は、明大のエース一場投手(22)が巨人から「栄養費」という名目で現金を受け取っていた、という事実を掴んだ何者かが「公表するぞ!」と巨人を揺さぶった。仕方なく、先手を打つ形でオーナー以下、球団幹部が責任を取って退任した。だとすると今回の騒動の首謀者は、一場投手の「栄養費」の事実を掴み得る人物、今秋のドラフト(自由獲得枠)で一場投手を獲得できれば“トク”をする人物、ナベツネ失脚を喜ぶ人物がということになる。一場投手を狙っていたのが、巨人のほかに阪神だったことを考えると、首謀者は明大OBで阪神から給料を貰っていて、ナベツネの推進する1リーグ制に反対を表明する人物。とすれば“燃える男”星野仙一(57)しかいない。ナベツネ辞任の直後、アテネ五輪の解説者としてTVカメラの前に立った星野の晴れやかな笑顔が全てを物語っている。しかし、アテネ五輪ではオーストラリアに敗れて銅メダル。NPBドリームチームが米マイナーリーガー中心のオーストラリア(特に阪神のウイリアムス投手)に二度も負けてはいかん。さて、近鉄とオリックスが正式調印までする中、ライヴドア堀江社長(31)は公正取引委員会を巻き込んでの大騒ぎ。一方、選手会はオリックス・近鉄合併を差し止める仮処分申請するも却下。いよいよスト決行か!?2004.09


#17 合併問題その2

近鉄・オリックスの合併問題から端を発して球界再編という大きな波になった。先月号で伝えたとおり、渡辺オーナー(78=巨人)+堤オーナー(70=西武)+宮内オーナー(69=オリックス)連合が、オーナー会議で1リーグ制へ加速する道筋をつけたかに見えたが、ひとり叛旗を翻した男がいた。阪神タイガース野崎社長(62)である。彼は球界OBでいち早く「1リーグ制反対!」を表明した星野仙一SD(57)の後見人。「パ・リーグの2球団の合併すら承認されていないのに、1リーグありきの議論はおかしい。ファンのためにも来季はともかく2リーグで運営し、1リーグ制へはじっくりと議論を重ねるべきだ」と語り、セ・リーグの球団トップと個別に会談して意見をまとめるなどして“2リーグ制維持派”の旗手になった。一方、ナベツネが「たかが選手」とうそぶいた選手会も試合前にファンに署名を集めるなど地道な努力をしている。選手会とはいえ団体交渉権やストライキ権を持つ立派な労働組合。先日も古田敦也会長(38=ヤクルト)を中心に「近鉄・オリックスの合併を1年間凍結」をNPBに要求。結果はゼロ回答だったが、巨人―ヤクルト戦でストライキ権を行使したらTVのゴールデンタイムに穴が開き、スポンサー料、球場使用料などの損害を球団に与えることになる。コストを抑えるため余分なコストをかけるなんてばかなこと、プロの経営者はしちゃいかんでしょ。でも、ここでどんなに吠えても、巨人がパ・リーグに入る→九州と北海道で試合がある→読売新聞の販路拡張、と考えほくそえんでる老人がいる限り、日本のプロ野球はもうダメだ!(2004.08


#16 合併問題その1

えらいことになってしまった。オリックス、近鉄の合併問題である。近鉄が命名権を売る、といい出したときには大反対した巨人の渡辺オーナー(78)が今度は掌を返すように合併やむなしを表明。さらには、でもパ・リーグ5球団じゃ無理でしょ→じゃあもう1つ減らして10球団にすれば1リーグ制できるじゃん……となし崩し的に話を進めたが、セ・リーグの他球団が巨人戦が減るからヤダ!(=収入が減る!)とゴネ出した。そしたらば渡辺オーナーってば、じゃあ8球団が理想だななどといい出したり、有志で新リーグ作ってもいいんだよ、となだめたりすかしたり……。もうプロ野球は渡辺恒雄の私物だと思っているらしい。マスコミは連日「ロッテ+ヤクルト」だの「ロッテ+ダイエー」だのともうひとつの合併話でもちきりだ。そこへ降って沸いたのがITベンチャー企業・ライブドアによる「近鉄買ってやる!」発言である。堀江社長(31)は吠える。「1リーグ制だとプロ野球が衰退する。Jリーグだってチームがふえているのに、チーム数を減らすのは時代に逆行している」と。買収資金として10億円〜30億年の資金は用意してあるとのことだが、これに加盟料30億円も必要(加盟料30億円ってどういう根拠で算出したのだろうか!?)だが大丈夫か。一方の近鉄球団も「お断りした」といっているし、オリックス球団も不快感を示している。ナベツネなんて「おれの知らないヤツは入れてやらない」なんていってる(プロ野球はお前の仲よしクラブかよ!)。今後の展開は正直まったく予想がつかないが、この合併劇、選手もファンも蚊帳の外……(怒)。(2004.07


#15 清原の2000本、工藤の200

5月を終えたところでセ・リーグは混戦、パ・リーグは西武、ダイエーの2強が頭ひとつリードという状況になった。混セを制覇するにはやはり投手力の充実だろう。とくに強力なクローサーの存在が不可欠である。そんなところへ、巨人がわざわざ香田コーチ(38)を渡米させ、カブス傘下3Aアイオワのコーリー投手(30)を獲得。150キロの速球と切れのあるスライダーが武器でクローサーとして期待されている。そもそも巨人は阿部(25)の“月間最多本塁打”(16本=日本タイ記録)に始まり、チームの“連続本塁打記録”(33試合=セ・リーグ新記録)、そして清原(36)の2000本安打と工藤(41)の200勝……など記録ラッシュが続いたが、優勝の二文字を手にしないことには全てが台無しになる。さて、今年もオールスターゲームが近づいてきた。ファン投票の中間発表(5/31現在)を見てみるとセ・リーグは阪神勢が圧倒的に強い。福原(28)、矢野(36)、アリアス(32)、今岡(30)、藤本(27)、金本(36)、赤星(28)、桧山(35)と9つのポジションのうち8部門でトップ。さらには投手部門の中継ぎに安藤(27)、抑えにウィリアムス(32)が入り、他球団では巨人の小久保(33)が三塁手部門のトップに入った。パ・リーグで注目なのは、先発部門で西武の松坂(24)を抑えてトップに立っている近鉄の岩隈(23)、三塁手部門の日ハム・小笠原(31)、外野手部門の日ハム・新庄(32)だろう。こうしてみると、「パ・リーグの若手投手」対「阪神打線」という構図になりそうだが、今夏のヒーローは果たして誰に!?2004.06


#14 広島に赤ゴジラ誕生!

今月はお待たせのセ・リーグ。開幕3連戦(対阪神戦)で3連敗を喰らった巨人は、その後、息を吹き返して一時首位に立ち、そうかと思ったらまた連敗……強いのか弱いの分からない。ま、攻撃陣は一発頼み、先発が崩れたらそれで終わりという脆弱な投手陣とくれば勝ったり負けたりは当たり前。4/20の対横浜戦では上原に169球も投げさせ(完投)、それが裏目に出て逆転負け。単独最下位に転落。“先発完投してこそエース”という“時代遅れな幻想”を未だ捨てきれないゆえの敗戦。翌日(対横浜戦)は、工藤→ランデル→久保→岡島という継投で8失点。味方が11点取って勝ちを拾ったものの、毎日こんな大味な試合をしていたら観客は飽きてくるに違いない。優勝はおろか、堀内新監督(56)のスピード失脚も充分あり得る。そんなセ・リーグに新たなスターが生まれた。広島の“赤ゴジラ”こと嶋外野手(27)だ。もともとは、94年のドラフト2位で東北高からプロ入りした甲子園出場投手。しかし、97年に巨人戦の先発し、本家ゴジラの松井秀喜(ヤンキース)に2安打を浴び途中交代してから1軍での登板はなく、99年には投手としての選手生命を捨て打者に転向。そして今季、本家と同じ背番号「55」をつけ1軍のレギュラーに定着。今年がダメなら野球をやめる、という危機感が今季の活躍に結びついたようだ。推定年棒700万円という工藤や清原に聞かせたくなるような薄給ながら、恐怖の2番打者として活躍する姿は立派である。それにしても、工藤、桑田、清原、江藤の年棒は高過ぎ。この4人でジェフ市原の年間チーム運営費くらい稼いでるでしょ!?2004.05


#13 2004年のパ・リーグ予想

プロ野球が開幕した。今月はひと足早く開幕を迎えたパ・リーグについて考えてみたい。以前、このコーナーでプレイオフについて否定的に書いた。今でもその考えに変わりはない。どうしてもプレイオフにこだわるなら、セ・リーグ1位とパ・リーグ2位、セ・リーグ2位とパ・リーグ1位という形にして、この勝者が日本シリーズを戦った方がスッキリする(ただ、パ・リーグ同士の日本シリーズなんてこともあり得るが……)。これは無理だとしても、せめてメジャーのようにセパ交流戦はやるべきである。それはそれとして、今シーズンのパ・リーグは2位と3位のチームが戦って(3戦して先2勝した者勝ち)、さらにその勝者が1位のチームと戦い(5戦して3勝した者勝ち)、日本シリーズに進むシステム。優勝してないチームが日本一になる可能性も出てくるので納得できない気もするが、シーズンの最後まで野球が楽しめるのは確かなようだ。最初から2位、3位狙いの下位チームは戦い方を変えてくるだろう。千葉ロッテあたりはダイエー戦や西武戦は小宮山(39)、けれどオリックスには負けられないからミンチー(35)が先発、という風に投手の起用法も違ってくる。前半戦終了時に最下位だとしても、投手陣を建て直し、戦略を練り、戦力を整えれば3位浮上も難しいことではなくなる。逆に、首位だからといって下位のチームに楽に勝たせてもらえなくなったといえる。最後にズバリ予想。優勝は豊富な投手陣と打線を誇るダイエー。近鉄と西武が2位を争い、残り3チームが一斉に3位を脅かすという展開になりそうだ。(2004.04


#12 新庄剛志はミスター??

5年ぶりに横浜に復帰した"大魔人"佐々木(36)、阪神に入団したゴールデンルーキー鳥谷(22)、本塁打アジア記録を引っさげて千葉ロッテに入団したリ・スンヨプ(27)など注目選手はたくさんいるが、中でも目を引くのが早くも"札幌の星"になりつつある新庄剛志(32)だ。野村・元阪神監督が彼のことを"宇宙人"と呼んだことがあったが、何より新庄は"あのヒト"に似ている……。ゴジラ松井(29)のように飛びぬけた筋力があるわけでなく、リトル松井(28)のように身体能力が優れているわけでもない。イチロー(30)のような自己管理能力もない。なのに、メジャーでは"ここで打ってほしい"う場面でよくサヨナラヒットを打った。これって、誰かさんに似てませんか。守備は守備で、なんでそんな球取れるわけ!?という打球をシャーッとジャンプして好捕。テキサスヒット性の辺りも見事にスライディング・キャッチしてお尻の砂をぱんぱんなんて叩いてる姿が絵になるんだな、これが。インタビューを受けても、イチローみたいにピリピリしないし、ひとことでいえば画面がパーッと明るくるなるようなオーラが漂っている。だから、ファンや報道陣も新庄に群がる……とここまで書けばははん、と思った人も多いはず。そう新庄剛志は、ズバリ"リトル長嶋茂雄"なのである。02年のワールドシリーズ(ジャイアンツ対エンジェルス)第7戦ではジャイアンツ3点ビハインドの9回表、1死ランナー1塁2塁で代打新庄。ホームランを打てば同点、という場面で見事に三振! 三振して絵になるのもやはり新庄なのである。(2004.03


11 それゆけカツノリ!

阪神・カツノリ捕手の巨人移籍には笑った。ノムさん&サッチーが大喜びする顔が頭に浮かぶが、明らかに親父(シダックス野村監督)のチームにいる野間口投手(20)を今オフのドラフトで獲得するためだけの移籍である。三山代表がいうように阿部捕手がアテネ五輪に出場する可能性を考えての「捕手の補強」だとしても、昨季1軍出場のないカツノリ捕手が阿部の穴を埋められるとは思えない。そんな選手に給料を払い、巨人軍の選手として食わしてやろうというのだから裏に別の意図があると考える方が自然だろう。これは一企業の経営戦略とみれば別におかしくない話。過去にもオリックスが1位指名した敦賀気比高(当時)の内海投手(21)をどうしても欲しかった巨人は、同じ年のドラフトで彼の大親友の李捕手(21)を8位指名した。彼は星飛雄馬における伴忠太、番場蛮における八幡太郎平のようなもので、内海はオリックスへは行かず東京ガスに進み、2年後のドラフトの自由獲得枠で03年巨人入りした。あざといといわれようが企業理論とはそんなものである。翻って、カツノリ捕手の胸中はいかばかりか。実母(サッチー)は天下の嫌われ者としてマスコミに叩かれ、古賀議員のように学歴詐称で告発され、脱税で逮捕され、ヌード写真集まで出した。親父が監督をする球団(ヤクルト)に入れてもらい、その親父が阪神に移ると一緒にそこ(阪神)に連れてってもらい、親父が移ったチーム(シダックス)の選手がほしいというだけで巨人に移籍。私が彼だったらダン野村を頼ってアメリカに逃げるか、引きこもるかのどちらかだ。彼の精神力に脱帽!(2004.02


10 巨人軍代表の三山という男

読売巨人軍の三山代表がまたやってくれた。入来(31)の日ハムへのトレードの際、入来自身が将来ポスティング(入札)システムによる大リーグ移籍を希望しているという情報を日ハム側に伝えなかったというのだ。三山いわく「副代表が伝えてるかと思ったよ」。伝えてるかと思ったって、それでも球団代表か!? この男、実は原辰徳を辞任に追いやった張本人で、昨シーズンも東京ドームで阪神戦を観戦した際も一塁側のベンチには行かず(原辰徳にあいさつなんかできるか、ということか)三塁側のスタンドをうろちょろして「ジェット風船が飛ぶ様子を見たかった」と報道陣をケムに巻いた。あの"空白の一日〜江川卓勝手に巨人入団事件"を取り仕切った小悪党である彼はいわゆるナベツネの懐刀。「代理人交渉は認めん!」などと公言し、野球をナメてるとしか思えないこの男がナベツネの跡を継いで巨人軍のオーナーになるとすれば、プロ野球の未来はどうなってしまうのだろう!?さて、リトル松井(28)が大リーグへ、小久保(32)とローズ(35)がセ・リーグへ流出したパ・リーグだが、NY帰りの新庄(31)を獲得した日ハムは、ホームタウンを札幌に移して心機一転を図る。また、メッツで新庄の元ボスだったボビー・バレンタイン(53)は、大リーグの他球団の高額オファーを蹴り千葉ロッテの監督に復帰。そして、そのマリーンズには年間56本の本塁打"アジア記録"を持つ男、李スンヨブ(27)も入団。彼はシドニー五輪で日本のメダル獲得を阻止したにくいヤツ。西武・松坂(23)らとの対戦も楽しみだが、日本でホームランを何本打つか興味は尽きない。(2004.01


#9 球界の4番コレクター

監督が誰になろうと読売巨人軍の"4番コレクター"ぶりは衰えを知らない。この"4番ほしがり病"は、あまり知られてはいないが大洋(現横浜)の松原(81年)獲得から始まる。それから、中日の落合(94年)、ヤクルトの広沢(95年)、西武の清原、近鉄の石井(ともに97年)、西武のマルティネス(99年)、広島の江藤(00年)、ヤクルトのペタジーニ(03年)と続き、ダイエーの小久保(04年)に至ってはテキの"おぼっちゃま"オーナーが人身御供のように無償で差し出してきた。近鉄のローズ獲得も時間の問題だ。"和製スタインブレーナー"ナベツネは、まさにカンラカンラの高笑いである。しかし、来季から現場の指揮を執る堀内監督は"守りの野球"を標榜。こんだけ4番ばっかり集めて守りの野球もないもんだが……。一方、日本シリーズを戦った2チームは何だかだらしない。星野監督が勇退した阪神は、オーナーが「金かかるさかい、しばらく優勝せんでええ」と言い出す始末。ドラフトでせっかく鳥谷(早大)が取れたのに今いち盛り上がらない。ダイエーも日本一になったおかげで経営コスト大幅増(選手の年棒アップ!)で頭を抱えてる。そこへ小久保を無償放出という不可解なトレードを強行したせいで村松はFA権を行使してオリックスに去り、松中ら主力選手もやる気をなくしてV旅行ボイコット騒ぎに発展。選手の士気は下がりっぱなしだ。不可解といえば、パ・リーグで来季から導入されるプレーオフというシステム。メジャーの真似をしたい気持ちは分からんでもないが、6チームしかないリーグには無用の長物でしょ。(2003.12


#8 川相が引退を撤回した理由

第7戦までもつれ込んだ日本シリーズでダイエーの日本一が決まり、20年に一度の"阪神フィーバー"も終わりを告げた。星野仙一(56)は監督を退き、岡田彰布(45)が新生タイガースの指揮を執る。星野の古巣・中日は"外様"(元・阪急)の山田久志(55)を追い出して落合"オレ流"博満(49)を監督の座に据え、今季71勝を稼ぎAクラスを確保した巨人・原辰徳は辞表を書き、最下位(45勝)の山下大輔(51)は留任。セ・リーグは上位3チームの監督が変わるという妙な逆転現象だ。そんな中、読売グループ内の人事異動(!?)でできあがった巨人の堀内政権は、原政権下のコーチが全員退団するなどスタートから波乱ぶくみ。だいたいにおいて、この堀内恒雄新監督(55)は現役時代に"悪太郎"の異名をとり、コーチになっても選手をよく殴っていた。一番の標的になっていたのが、中日入りが噂される川相昌弘(39)。堀内がコーチ時代エソードをひとつ。敗戦に怒った堀内が選手全員にランニングを命じた。しぶしぶ雨の中を走る選手たち。ふと清原が「あれ、何んやねん!」と立ち止まった。清原が指差す方向には屋根のあるクラブハウスでコーヒー片手にスタッフと談笑する堀内コーチ。呆れた清原は「あほらし」といってランニングを止めてしまった。怒る堀内コーチもさすがに清原には手が挙げられず、代わりに「ぼけ!」と殴られてしまう川相選手会長(笑)。そんなヤツが監督になったのだ。40づらさげて殴られてる場合じゃないと思っても無理はない。一度は決まっていた巨人のコーチを蹴ってまで現役続行宣言をした裏にはこんな事情もあったのだ。 (2003.10


#7 阪神とダイエーの対決!?

"死のロード"411敗と大きく負け越した阪神タイガースだが、ま、ちょっと夏休みをとったと思えばいいでしょう。「勝ち続ける」というのもある種疲れるものである。これだけ負け越しても2位とのゲーム差が2桁あるんだからリーグ制覇は自明のことだとしても、問題は秋の日本シリーズである。9月上旬現在、阪神の戦力は有体にいえばボロボロ。濱中、桧山、片岡と4番打者が相次いで故障し、八木とか広沢が4番に坐るのはご愛嬌としても……伊良部、下柳などベテラン勢もちとお疲れのようだし、セットアッパー陣も調子を落としてる。この際、戦力を整え、コンディションを上げてくのは勿論のこと、ペナントレースでの勝敗は度外視して、日本シリーズ用のチーム体制の構築していくべきではないだろうか。さて、一方のパ・リーグを制するのは、どうやらダイエーホークスになりそうな気配。ダイエーといえば、フジテレビのバラエティ番組が王監督の顔を使った便器を登場させ、王監督や球団を怒らせた(星野監督もついでに怒ってた!)という騒動があったばかり。さらには、親会社の経営も思わしくない。そんな心配をよそに、今シーズンのダイエーは意外に強い。投打のバランスがよく小久保、松村、新垣の離脱はあっても、ほかの選手がその穴を見事にカバー。篠原、和田、斉藤、寺原、杉内などの若手を中心とした投手陣がいいから連敗をしない。阪神がシーズン中の勢いが出せなければ苦戦を強いられそうだ。ただ、予想通り日本シリーズが「関西−九州」決戦となると、名古屋以東の野球ファンにはグッと淋しい秋になりそうだ。(2003.08


#6 甦るホームラン3連発!

阪神の快進撃を尻目に昨年のセ・リーグ覇者の巨人に元気がない。ほら見ろ、去年の巨人の優勝はまぐれだったのさ、というファンの声が聞こえてきそうだが、清水、工藤、元木、仁志、ペドラザ、久保、ペタジーニとこうも主力にけが人が出ては勝てる試合も勝てない。ペタジーニなどはけがの具合が悪いといって緊急帰国してるし、ペドラザにいたっては事実上の解雇。ほとんど給料どろぼうも同じ。大体、巨人は外人選手になめられ過ぎている。以前も日ハムで抑えのエースだったヒルマンを2年で9億円という大枚はたいて呼んでみたら、けがだ何だと理由をつけ結局何もせずに大金だけ手にして高笑い。六本木のハードロックカフェ(外人選手の溜まり場)あたりでは常識らしい。「ヨミウリジャイアンツなら極上のカモだ!」と。で、阪神タイガースである。優勝の兆候は色々あるが、まずは85年を彷彿とさせる"ホームラン3連発"だ。「浜中・片岡・アリアス」という今年のラインナップは伝説の3人「バース・掛布・岡田」に比べると迫力不足というか小粒な印象も否めないが、この際そんなことはどうでもいいではないか。ホームラン3連発は3連発である。抑えのエース、ウィリアムスもどことなくゲイルみたいだし、安藤、久保田のセットアッパーもいい。代打の神様、八木だっている。伊良部なんか最多勝を狙えるペースだし、赤星、今岡は首位打者だって夢じゃない。そして、この号が出るころには"夢の球宴"でかつての広島カープのようにタイガースの選手が大活躍。そのまま後半戦を一気に戦い抜き、秋には18年ぶりの優勝の瞬間が……! (2003.06


#5 松坂世代の台頭!

どの世界でもある有望新人の“当たり年”。アイドルだと82年組(松田聖子、田原俊彦)、女子アナだと88年組(八木亜希子、永井美奈子)だが、プロ野球だと“松坂世代”になる。松坂大輔投手(横浜高→西武)を筆頭に杉内俊哉投手(鹿児島実高→三菱重工長崎→ダイエー)、東出輝裕内野手(敦賀気比高→広島)、古木克明内野手(豊田大谷高→横浜)と高卒(または社会人)でプロに入った連中は既にレギュラーの座を獲得。今シーズンは新垣渚投手(沖縄水産→九州共立大→ダイエー)、和田毅投手(浜田高→早大→ダイエー)、木佐貫洋投手(川内高→亜大→巨人)といった大卒の有望選手が続々とプロ入り。彼らが生まれた80年は甲子園で荒木大輔投手が活躍した年。野球に才能が集中した背景にはこの“大輔人気”があるようだ。 さて、“松坂世代”の注目株、新垣渚投手(ダイエー)について、半ばタブー視されているがあえて書きたいことがある。4年前、沖縄水産高のエースだった新垣は「プロならダイエー、それ以外なら大学進学」と表明していた。そこへオリックスが強行指名した。新垣一家は指名の挨拶に訪れたオリックス三輪田編成部長(当時)を門前払い(一日中、彼は雨の中立ちつくした)し、やっと挨拶ができたのは空港で立ち話の際だった。数日後、三輪田氏は自殺。新垣は九州共立大を経て自由獲得枠で希望通りダイエーに。この4月、150キロの速球を武器に新垣は初勝利。そのときのお立ち台で、彼は涙も見せたというが……。オリックスの選手よ。新垣渚だけは打ち込んでくれ。多分、イチローも同じ気持ちだと思う。(2003.04


#4 2003年プロ野球開幕

間もなくプロ野球が開幕する。各球団の新戦力を占うキーワードはずばり“メジャー”だ。まずは、“メジャー帰りの男たち”伊良部秀輝投手(阪神=33)、吉井理人投手(オリックス=37)。日米で実績のある2人だけに、そこそこの活躍は期待できるが、伊良部−清原、吉井−中村ノリ(メジャーを蹴った!?)などの対決も楽しみだ。続いては、“メジャーから逆輸入された男”マック鈴木投手(オリックス=27)。日本球界に在籍したことのない彼は規定によりドラフト指名による入団となったが、思い切りのよい投球ができればタイトルも狙える。そして、“メジャーからふられた男たち”もいる。大塚晶文  投手(?=30)は近鉄を説得してポスティング・システムにかけてもらったのはいいが、メジャー球団からは入札がなかった。 斉藤隆投手(横浜=33)もFA宣言してメジャーからの誘いを待ったが契約に至らず、残留。両投手ともシーズン開幕を日本で迎えることになった。また、“メジャー挑戦も実らずアメリカ独立リーグやメキシコでプレイしていた男”佐野慈紀投手(オリックス=34)は、変わり種といえるだろう。彼が入団テストに合格したオリックスは、イチロー、長谷川、田口をメジャーに送り出す一方、メジャー帰りの吉井、マック鈴木両投手を受け入れるなどメジャー球界と縁の深い。ただ、ドジャーズでのコーチ修行経験を持つ石毛宏典(46)が指揮を執っているとなると3Aのチーム化したような印象も否めない。最後に、プロ野球ではないが元・阪神の野村克也監督(67)率いる社会人野球のシダックスにも注目(!?)したい。(2003.02


#3 木田優夫という凡庸

前々号で「阪神・星野監督が大なたをふるう」と書いたが、広島から金本知憲外野手(34)をFAで、日ハムから下柳剛投手(34)、野口寿浩捕手(31)をトレードで獲得するなど文字通りド派手な補強を敢行した。テキサス・レンジャーズを退団した伊良部秀輝投手(33)獲得はその中で一番のニュースだ。野茂英雄投手(33)から松井秀喜外野手(28)まで、日本人スター選手の“メジャー流出”は留まるところを知らないが、伊良部のようにメジャーで“一旗あげた”選手の日本球界復帰はうれしいものだ。昨年12月の入団会見で星野監督は「先発で使いたい」と発言していたが、できればクローサーで使ってほしい。“勝ちゲームの最後は伊良部でシメる”という“勝利の方程式”ができれば、観客動員倍増、優勝も夢ではない。伊良部とは逆に、メジャーと日本球界の間で階段を踏み外した男もいる。元・オリックスの木田優夫投手(34)だ。巨人からオリックスに移籍した98年、「おたくのチームは腰かけ」といわんばかりに神戸で1年間のホテル暮らしをした。翌99年からデトロイト・タイガースでプレイするものの、3A落ちしていた00年のシーズン途中、オリックスに復帰。しかし、せっかく呼び戻してくれた仰木監督(当時)の“男気”に応えることなく、そのオフには「再びメジャーに挑戦する」といって退団。シカゴ・カブスのテストも不合格になり現在浪人中。いうまでもないが、彼に対するオリックス・ファンの態度はおそろしく冷ややかだ。メジャー挑戦も結構だが、ファンあってのプロ野球選手ということを忘れちゃいかん! (2002.12


#2 松井の三冠王を阻んだ男

今月は松井(28=巨人)の三冠王を阻んだ福留(25=中日)の話をしたい。今季の松井の打率は、3割3分4厘(ホームラン50本、打点107)。対する福留の打率は3割4分3厘(ホームラン19本、打点65)。打率こそ9厘の差がつき首位打者を逃したものの、堂々たる二冠王である。しかし、平均株価が9千円前後をウロチョロする不景気な時代にこそ“松井が三冠王を獲得!”という明るいニュースが必要だったのではないだろうか。10/4の対広島戦で福留が3安打を放って打率をトップに立つと、山田監督(中日=54)は「ここまできたら(福留に首位打者を)取らせてやりたい」といって福留をスタメンから外し、連続出場記録の更新のため守備固めのみに起用した。一企業の管理職としては妥当な判断かも知れない。けれど、こうして福留が首位打者になったところで、喜ぶのは本人と中日ファンだけではないのか!? 山田久志の名誉のために、彼の“男気”を伺い知る現役時代のエピソードを紹介したい。彼がかつて阪急のエースとして活躍していたとき、相手チームにセ・リーグから大物バッターが移籍してきたり、鳴り物入りで大物新人が入団すると、初対決のとき、山田はよくワザと必殺シンカーを封印して彼らにホームランをプレゼントした。それもこれも、当時不人気といわれていたパ・リーグを盛り上げるためなのだ(先の日本シリーズ第1戦で松坂から清原が打ったホームランも同じ!?)。山田久志のそんな“男気”を押し殺させたのは、中間管理職(中日ドラゴンズ監督)という“立場”にほかならない。             (2002.10


#1 2002年の日本シリーズ展望

あの原辰徳(44)が監督就任1年目で優勝しようなどと誰が考えただろう。西武の伊原監督(53)にしても、「どうせ伊東政権までのショートリリーフ」という風に考えられていた。ともかく、この2人の新人監督のおかげで今秋の日本シリーズは“巨人−西武”という黄金カードが、94年以来8年ぶりに実現しそうだ。この顔合わせで思い出すのが、クロマティの緩慢プレイを見て西武が一塁走者を一気にホームインさせたプレイ。あのとき一塁走者を走らせたのが何を隠そう当時三塁コーチャーだった伊原監督なのだ。このシリーズは「松坂−松井」、「上原−カブレラ」など迫力ある対決も楽しみだが、両チームのキャッチャーの出来が勝敗の分かれ目になりそう。日本一になって引退の花道を飾りたい西武の伊東(40)に対し、巨人の阿部(23)がリード面だけではなく勝負強いバッティングができれば巨人がやや優位か。さて、東京ドームと西武ドームを入ったり来たりする“首都圏”シリーズを横目に、関西では早くもストーブリーグで盛りあがっている。そう、阪神の星野監督が大なたを振るうという噂で持ちきりなのだ。スタート・ダッシュこそ成功した今季のタイガースだが、藪(33)や檜山(33)の戦線離脱、ホワイトの帰国などをきっかけにずるずると後退。同時に選手層の薄さが露呈し、シーズン途中で現役スカウト部長の首を切るなど星野監督のストレスは最高潮に達している様子。今オフは現有勢力の大量解雇に加え、FAの権利を獲得する檜山を引き留める一方、巨人入りも噂される中村(29=大阪近鉄)、ローズ(34=大阪近鉄)、ペタジーニ(31=ヤクルト)、カブレラ(30=西武)など大砲獲得まで視野に入れているとか。昨季、アリアスをオリックスから引き抜いたフロントの剛腕ぶりがまた見られるのか。(2002.08


 

 

Copyright (C) 2008 HIROMU HOMMA. All Rights Reserved.