田園コロシアム

  

 

小僧 〜某月刊誌に連載中のコラム

 




#80 森本貴幸を使いきれない人間のどこが名将なのか 

岡田武史は結局のところ、ひとつのことしか指示していない。守備をかため、奪ったボールを本田圭佑に供給する。それだけだ。かつてのJ2札幌と同じ。違うのはエメルソンが放棄した守備を本田に強いたことだ。おそらくは、守備をする代わりに中村俊輔をベンチに置いて本田を先発させることを約束したのだろう。一方、森本貴幸は守備を放棄した。守備が苦手な内田篤人ともども、南アフリカW杯でピッチに立つことはなかった。それはそれで仕方がない。代表監督は彼なのだ。ただ、ひとつだけ岡田武史は間違いを犯した。決勝トーナメントのパラグアイ戦で延長戦に入ったとき、彼は森本貴幸をピッチに送り込むべきだったのだ。本田圭佑はたった4戦ながら自分のスタイルを譲った。森本貴幸は自分のスタイルを貫いた。あとは、本田圭佑が中田英寿のようなキャリアの終え方をしないように願うだけだ。(2010.07)


#79 チームキャプテ川口能活

この号が発売されている頃、南アフリカW杯の真っ最中。日本代表メンバー23人は次のとおり。■GK 川口能活(34=磐田)、楢崎正剛(34=名古屋)、川島永嗣(27=川崎F)■DF   中沢佑ニ(32=横浜)、田中マルクス闘莉王(29=名古屋)、駒野友一(28=磐田)、 岩政大樹(28= 鹿島)、今野泰幸(27 =東京)、長友佑都(23 =東京)、内田篤人(22=鹿島)■MF 中村俊輔(31=横浜)、稲本潤一(30=川崎F)、遠藤保仁(30=G大阪)、中村憲剛(29=川崎F)、松井大輔(28=グルノーブル(フランス)、阿部勇樹(28=浦和)、長谷部誠(26=ヴォルフスブルク)、本田圭佑(23=CSKAモスクワ ■FW 玉田圭司(30=名古屋)、大久保 嘉人(27=神戸)、矢野貴章(26=新潟)、岡崎慎司(24=清水)、森本貴幸(22=カターニャ) この日本代表選出でサプライズとなったのは第3ゴールキーパーの川口能活である。 能活は熱い男だ。マリノスの頃は、しばしば若い選手を誘って飲み行く(能活自身は下戸)こともあったという。そこで「犬の散歩があるから」と先輩の誘いを断ったのが、若き日の中村俊輔である。 俊輔は能活の友人である金子達仁(スポーツライター)の誘いで大相撲の二子山部屋の稽古を見学に行ったことがあった。その後、貴乃花と食事をすることになったのに、俊輔は「彼女と約束がありますから」といって、帰ってしまったそうだ。これに怒った金子達仁が「俊輔は信用しない」といってるらしい。信用しないって何を信用しないのだろう。そういえば、ジーコJAPANの時、合宿を抜け出してキャバクラに言ってた選手がいた。小笠原(31=鹿島)とか久保(33=北九州)とかね。ま、ユニフォームを脱いだら何してもいいじゃないか。サッカー選手はピッチ上で仕事をしてナンボなんだから。(2010.06)

 


#78 なぜ伸二を選ばない!?

この号が発売されている頃にはいよいよ日本代表メンバー23人が発表されている。われらが日本代表監督・岡田武史(53)は、4月にドイツにいるMF長谷部誠(26=フォルクスブルク)、フランスにいるMF松井大輔(28=グルノーブル)、ロシアにいるMF本田圭佑(23=CSKAモスクワ)を視察。この3人を「ボーダーラインの選手じゃない」と明言。事実上、内定した。あとの20人は誰になるのか!?  それはそうと、ドイツボーフムから日本に戻った小野伸二(30)が元気だ。彼を中心にした清水も好調。彼の古巣・浦和もフィンケ(62)の戦術が浸透し、清水と首位を争っている。稲本潤一(30)も日本に帰って来て、F川崎で存在感を示している。そう、彼らは黄金の世代だ。99年の世界ユース選手権で準優勝したチームのメンバーを黄金の世代という。小野、稲本のほか、高原直泰(30=浦和)、播戸竜二(30=G大阪)・本山雅志(30=鹿島)といったメンバーがいる。 彼らが日本代表の主力になったとき、代表は強くなるだろうと誰もが思っていた。きっと、ボバン(41)やシューケル(42)がいた頃のクロアチア代表のように……。ただひとり、日本代表でがんばっているのは遠藤保仁(30)だけ。誰が黄金世代を殺したのか。トルシエ(55)か、ジーコ(57)か、それともオシム(68)か。違う。黄金の世代を殺したのは日本サッカー協会である。JFAは、世界大会で2位に輝いた才能たちをみすみす潰してしまった。99年以降、黄金の世代を中心にチーム作りを進めるべきだった。小野伸二はオランダやドイツでプレーし、フェイエノールトでは01―02年のUEFA杯を制覇した。稲本はイングランド、トルコ、ドイツ、フランスでプレーし、02年のW杯の日韓大会で2得点を挙げた。高原もアルゼンチンとドイツでプレーし、フランクフルトではシーズンに11得点を挙げた。ほんとうに、宝の山だったのだ。小野、稲本、高原のチームと長谷部、松井、本田のチーム。(2010.05)

 


#77 本田圭佑という最終兵器

オランダからモスクワに移籍した本田圭佑(23)が凄い。先の欧州CLの準々決勝でスペインの強豪セビリアを相手に決勝ゴールを決めて、モスクワをベスト8進出に導いたのだ。準々決勝の相手はインテル。本田はバルサのメッシ(22=スペイン代表)やインテルのエトー(29=カメルーン代表)と並んで世界的に「旬な選手」のひとりとなった。これは快挙だ。さて、9年ぶりにJリーグに復帰した中村俊輔(31=横浜M)にもそんなシーズンがあった。2006−07シーズンである。俊輔はセルティックで欧州CLに出場し、あのマンチェスターUからフリーキックでゴールを奪った。スコットランド・プレミア・リーグでもMVP、ベストイレブン、年間ベストゴールを獲得したほか、バロンドール(世界最優秀選手)にもノミネートされた。こんなふうに、サッカー選手のキャリアの中で、最も輝く時期がある。ベッカムにもジダンにもデルピエーロにもあった。ちょっと前まで、ネドベドとかロナウジーニョがそうだったでしょ。しかし、俊輔は今季移籍したエスパニョールでは、チームにうまくフィットできなかった。小野伸二(30=清水)もボーフムではベンチを温めることが多かったし、稲本潤一(30=川崎)もアーセナルでは出場なしである。そう、新しいチームにフィットするのは思いのほか難しいのだ。そんな中、オランダからシーズン途中でモスクワに移籍した本田は、ものの数試合でチームの王様に君臨してしまった。モスクワのすべての攻撃は本田を経由して行われる。王様たる所以である。ただ、ひとつにチームに王様は2人いらない。日本代表の話だ。 かつて、岡田武史(53)はキングカズ(43=横浜)の頭から王冠をひっぺがし、中田英寿(33)に与えた。「落ちるのはカズ。三浦カズ」果たして岡田武史は、俊輔の頭から王冠をひっぺがすことができるのか。それができれば、ベスト16も夢ではないかもしれない。(2010.04)

 


#76 オシム/ストイコビッチ体制を要望する

南アフリカW杯まであと3ヶ月となった。日本代表の強化試合は、4/7のセルビア戦(長居競技場)、5/24の韓国戦(埼玉スタジアム)、5/30のイングランド戦(オーストリア)、6/4のコートジボワール戦(スイス)の4試合。 しかし、日本代表の監督はまだ岡田武史(53)のままだ。彼は、日本代表監督を一刻も早く辞めるべきである。去る2/14の韓国戦(東アジア大会)で惨敗を喫して監督更迭が取りざたされたとき、JFAの犬飼会長(67)は「W杯本戦まで残り4ヶ月で代表監督を変えるのは得策ではない」などと発言した。何を寝ぼけたことを……(ま、岡田武史が代表監督じゃないと困る理由が犬飼にはあるんだろう。ナビスコ杯でフロンターレの選手の態度の悪さを怒って見せたときのように……)。W杯でたった3試合を戦うのに4ヶ月も準備期間があれば十分だろ。リーグ戦を1シーズンを戦うわけではないのだぞ。確かに日本代表の選手を1から知るには時間が足りない。ならば、よく知ってる監督なら十分に務まるということだ。最右翼は、やはり前監督のイビチャ・オシム(68)だろう。高齢であり、健康面にも不安はあるが、もともと代表はオシムのチームである。選手たちは彼の戦術も分かってる。何度もいうが、W杯はたった3試合である。さらにいえば、強化試合のイングランド戦とコートジボワール戦はオシムの住むオーストリアとその隣のスイスで行われるのだ。それが無理なら、彼の弟子である名古屋のストイコビッチ(44)を監督に据えて、オシムが総監督のようなオブザーバー的な立場でチームを見守ってくれてもいい。そっちの方がスポーンサー受けもいいぞ、犬飼会長。はたまた、鹿島のオリヴェイラ(59)にお願いしてもいい。バンクーバー五輪・女子カーリングでチーム青森がそのまま日本代表になったように、鹿島中心のチーム編成になることも目をつぶろう。犬飼会長、是非ご一考願いたい。(2010.03)

 


#75 岡田武史という男

以前にお伝えした川崎フロンターレの選手たちが昨季のナビスコ杯・表彰式で態度が悪かった事件だが、結局、川崎フロンターレが準優勝賞金の5000万円を川崎市に寄付することで落ち着いた。裏を読むと賞金を返還されると、税制上さまざまな問題が噴出するということじゃないかと思う。だったら、川崎フロンターレの来年のシード権を剥奪するか罰金を科せばよかったのだ。6月に迫ったW杯南アフリカ大会だが、5月には日本代表選手23人が発表される。だが、私は代表監督の岡田武史(53)の手腕を買っていない。なぜならば、彼はW杯本大会未勝利である。過去に2度ほど予選を勝ち抜いたに過ぎない。W杯本大会未勝利の監督が「べスト4入り」を目標にしているのだから、笑止千万である。98年のフランス大会でも、彼は「1勝1敗1分け」という珍妙な目標を立てた。それをいうなら、「勝ち点4以上」というべきだろう。「1勝1敗1分け」ということは「負けることが目標」というおばかなメッセージを世界に向けて発信してしまったことになる。百歩譲っても「1つは負けてもいいのだ」というイメージを選手たちに植え付けてしまったのだ。結果は3戦全敗。あのとき、岡田はMF中田英寿(32)を軸にチームを編成した。「FWは誰がいちばん使いやすい?」と岡田が訊き、中田が「城ですね」と答えたのを受けて、「エースは城!エースは城!」と発言してFW三浦和良(42)をメンバーから外してしまった。結果、城は舞いあがっちゃって『エースのJO』なんて本を書き、背番号「11」をつけたフランス大会では、小学生でも入るシュートを外して無得点。帰って来た成田空港でファンから水を浴びせられた。これが南米だったら撃たれてたよ、きっと。今回も岡田は中村俊輔(31)を中心にしたチーム編成を考えている。とすれば、俊輔が最も評価するFW大久保嘉人(27)を攻撃の軸に据えるに違いない。初戦は6/14。カメルーン戦。(2010.02)

 


#74 カメルーン・オランダ・デンマーク

いよいよW杯イヤー。南アフリカ大会で日本はE組に入り、6/14に対カメルーン 戦(ブルームフォンテーン)、6/19にオランダ戦(ダーバン)、6/24にデンマーク戦(ルステンブルク)が予定されている。岡田武史(53)日本代表監督はあくまでベスト4入りが目標だと強気の発言をしているが、3連敗もあり得る厳しいポッドに入った。ここで、組み合わせを確認しておこう。 ■A組/南アフリカ、メキシコ、ウルグアイ、フランス ■B組/アルゼンチン、ナイジェリア、韓国、ギリシャ ■C組/イングランド、アメリカ、アルジェリア、スロベニア ■D組/ドイツ、オーストラリア、セルビア、ガーナ ■E組/オランダ、デンマーク、日本、カメルーン ■F組/イタリア、パラグアイ、ニュージーランド、スロバキア ■G組/ブラジル、北朝鮮、コートジボワール、ポルトガル ■H組/スペイン、スイス、ホンジュラス、チリ 決勝は7/11、ヨハネスブルク。欧州チャンピオンズ・リーグも佳境に入った。以下、組み合わせ。■A組/ボルドー、バイエルン■B組/マンチェスターU、CSKAモスクワ■C組/Rマドリード、ACミラン■D組/チェルシー、FCポルト■E組/フィオレンティーナ、リヨン■F組/バルセロナ、インテル■G組/セビリア、シュツットガルト■H組/アーセナル、オリンピアコス■優勝候補は、やはり09年バロンドール(世界年間最優秀選手)のメッシ(22)、イブラヒモビッチ(28)、シャビ(29)、イニエスタ(25)といったタレントが揃うバルサだろう。これに、Rマドリード、ACミラン、アーセナル、バイエルンあたりが絡む展開か。ただ、W杯イヤーは選手のコンディション調整が難しい。こうした年は、かつてのリヨンやモナコのような思わぬ伏兵が決勝に残る可能性もある。(2010.01)

 


#73 川崎Fの首位陥落に思う

まずは、ナビスコ杯決勝のあとのセレモニーで川崎フロンターレの選手の態度が悪かったとして、リーグ・鬼武チェアマン(70)や川渕名誉会長(73)が激怒した件についてひとこと申しあげたい。この日、決勝を戦ったのはFC東京と川崎F。東京のFW平山相太(24)の決勝点などで東京が5年ぶりのナビスコ杯制覇となった。問題になったのは表彰セレモニ―で一部の選手が準優勝メダルを外し、表彰台にもたれかかった。これに激怒したJリーグ首脳。要するに「この不況の中、スポンサーのナビスコ様がこんなに大枚をはたいて下さっているのに、その態度は何だ!」ということだ。多分、貴賓席でビール飲んでタバコ吸いながら試合を見てたスポンサーのお偉いさんが、「何かね、あの選手の態度は!」といったんだろうさ。毎年毎年、ン千万円もくれてやってるの何なんだと。鬼武と川渕は「はいはい、けしからんことで御座いまする。あやつらはすぐに処分いたしまする」といったんだろう。筆者が川崎のサポーターだったとして、川崎の選手がニコニコしてFC東京の健闘を称えてたら、すぐにサポやめるね。負けてんのに悔しくね〜のかよ、と思う。ちなみに筆者は浦和レッズのサポーターである。2003年にレッズが初めてナビスコ杯を制した時のことは今でもよく覚えている。鹿島との決勝戦で、MFの山瀬(28=横浜)がヘディングで先制点を決め時、涙が出た。FWエメルソン(31)が3点目を取った時、また涙が出た。サポーターにとって優勝はそれほど嬉しいことだ。Jリーグ首脳のご両人だって、かつてはサッカー選手だった時期があったはずだ(覚えてないかもしれないけれどね)。だったら、悔しい気持ちを見せた選手を庇えよ。自分たちが不肖な後輩たちの代わりにスポンサーに謝れよ。後輩を責めるのはそれからだ。齢70歳を超えてこの程度なんだから人間の器が分かるってもの。川崎は、準優勝賞金の5000万円を返還するという。そんなことより、せっかく首位を走っていたJ1にも影響が出た。こっちの責任の方が大きいぞ。おい、鬼武健二、川渕三郎!(2009.12)

 


#72 南アフリカW杯予選!

先月お伝えした南アフリカW杯の南米予選だが、マラドーナ監督(48)率いるアルゼンチンがペルー戦(10/10)を2−1で下し、さらにウルグアイ戦(10/13)を1−0で勝利して、見事に南米予選4位で突破を決めた。マラドーナは「神のおかげだ」といっていたが、この男、ほんとうに神が見えるのかもしれない。5位になったウルグアイは、北中米カリブの4位とプレーオフにまわることになった。ということで、南米からはアルゼンチン(10大会連続15回目)に加えて、ブラジル(19大会連続19回目)、パラグアイ(4大会連続8回目)、チリ(3大会ぶり8回目)が出場を決めた。南アフリカW杯・予選のほかの地域を見てみよう。ヨーロッパは、オランダ(2大会連続9回目)、スペイン(9大会連続13回目)、イングランド(4大会連続13回目)、イタリア(13大会連続17回目)、デンマーク(2大会ぶり4回目)、ドイツ(15大会連続17回目)、セルビア(2大会連続11回目)、スイス(2大会連続9回目)、スロバキア(初出場)が本大会に駒を進めた。北中米カリブからは、メキシコ(5大会連続14回目)、アメリカ(6大会連続9回目)、ホンジュラス(7大会ぶり2回目)が出場。アフリカからは、開催国の南アフリカ(2大会ぶり3回目)をはじめ、ガーナ(2大会連続2回目)、コートジボワール(2大会連続2回目)が出場権を得ている。残りの出場権をかけて、熾烈を極めるプレーオフ。ヨーロッパは11/14と11/18に行われる。C・ロナウド(24)要するポルトガルはボスニア・ヘルツェゴビナと対戦。強豪フランスはアイルランドと対戦。ほかにも、ウクライナ―ギリシャ、ロシア―スロベニアの計4戦がある。大陸間プレーオフは、バーレーン―ニュージーランド(10/10、11/14)、ウルグアイ―コスタリカ(11/14、11/18)。ホーム&アウェイで行われるプレーオフ、最後の最後に笑うのは果たしてどのチームか!?(2009.11)

 


#71 白熱するリーガ・エスパニョーラ

世界最高リーグといえば、スペイン、リーガ・エスパニョーラだ。昨季はメッシ(22)、イニエスタ(25)、シャビ(29)を擁したバルセロナが優勝。UEFAチャンピオンズリーグとスペイン国王杯も制して3冠に輝いた。一方の雄、レアル・マドリードは、かつてジダン、フィーゴ、ロナウドといったスーパースターを集めて“ロス・ガラクティコス”(銀河軍団)を築いたペレス前会長が3年ぶりに会長職に復帰。さっそく、ACミランから07年FIFA年間最優秀選手賞と欧州バロンドール(年間最優秀選手賞)をダブル受賞したカカ(27)、マンチェスター・ユナイテッドから08年に同じ賞をダブル受賞したクリスティアーノ・ロナウド(24)を獲得。さらには、リヨンからベンゼマ(21)、バレンシアからアルビオル(24)といった若手を獲得。新銀河軍団の誕生を誕生させた。この2チームとも今季絶好調。両雄相まみえるエル・クラシコもさることながら、エスパニョールに移籍した中村俊輔(31)が、彼らと同じリーグでどう戦うのか楽しみだ。気になる南アフリカW杯の南米予選だが、マラドーナ監督(48)率いるアルゼンチンがパラグアイに0−1で敗れ、本大会の自動出場圏内(4位)から5位に転落。国内メディアがこぞって解任報道を繰り返す中、マラドーナ監督は、不仲とされているメッシ(バルセロナ)と会談を持つためにヨーロッパへ出向いたり、ベテランFWクレスポ(34=ジェノア)に声をかけたりとジタバタしてる。この号が出るころには、ペルー戦(10/10)、ウルグアイ戦(10/13)を終えて最終成績が出ているはず。もし、4位以内なら自動的に出場権をゲット。5位なら、北中米カリブの4位とプレーオフを戦うことになる。万が一、この2試合に連敗すると、予選敗退が決定してしまう。アルゼンチンのいないW杯なんて、ものすごく味気ない。4位のエクアドルの結果(コロンビア戦とチリ戦)にもよるが、神の手でも何でも使って(?)、マラドーナ監督の神通力で予選突破を果たしてしてほしいものだ。(2009.10)

 


#70 本田、開幕4試合連続ゴール!!

先月号で紹介したオランダ1部リーグのMF本田圭佑(23=VVV)が開幕4試合連続ゴールを決めた。欧州主要リーグで日本人の3試合連続ゴールは奥寺、尾崎、中村、小野、平山、高原、森本に続いて8人目。ただ、4試合連続ゴールとなると日本人初である。1000万ユーロ(約13億円)という高額な移籍金がネックになってオフでの移籍は実現しなかったが、シーズン・インした現在、アヤックスやPFVアイントホーヘン、フェイエノールトというオランダのクラブをはじめ、リヴァプール、CSKAモスクワ、パリSG、マラガも興味を示している。本田自身は移籍するにしてもオランダに残りたいという意向だが、どのクラブが“悪魔の左足”を持つ男、本田圭佑を手に入れるのか興味深いところだ。Jリーグに目を転じてみると、鹿島が独走態勢に入った。浦和は泥沼の6連敗で失速。開幕当初は、新監督のフィンケ(61)がMF山田直輝(19)やFW原口元気(18)といったユース世代の選手をトップで起用し、その采配が功を奏して首位を走っていた。しかし、DF闘莉王(28)やMF阿部(28)と一緒に山田まで代表に取られ、その山田が代表戦で怪我を負って帰って来るなどチームバランスを乱された。ビッグクラブの宿命といえばそれまでだが、フロントもよく考えてほしいものだ。別の意味でフロントが頭を痛めているのが、ガンバ大阪だ。FWレアンドロがカタールの金満クラブから狙われているのだ。レアンドロにオファーを出しているのは強豪アルサード。かつては浦和のエメルソン(30)を強奪していったあのクラブだ。今回の移籍が成立すれば、ガンバ大阪は07年マグノ・アウベス、08年バレーに続いて、3年連続でエースを失うことになる。リーグ初制覇した05年オフにもMVPに輝いたアラウージョが、ブラジル名門・クルゼイロに電撃的に移籍している。やはり、日本人ストライカーをきちっと育てるべきなのだ。これはガンバ大阪だけではなく、Jリーグ全体が抱える問題である。そこへ、イタリアでプレーするFW森本(21=カターニャ)がセリエA開幕戦でゴールというニュース。日本代表の2トップは森本と指宿(19=ジローナ)に任せることにしょう。(2009.09)

 


#69 09−10シーズンが開幕!!

大分のシャムスカ監督(43)がとうとう解任された。7/12のジュビロ磐田戦で14連敗目を喫してはフロントも黙っているわけにはいかなかったのだ。サポーターが歓喜した昨季のナビスコ杯優勝が夢のようである。崩壊のきっかけは九州石油ドームの芝の養生が失敗したという、ほんの些細なことだった。だが、この劣悪なピッチのせいで、攻撃陣の中心であるFW高松(27)とMF金崎(20)、スリーバックの要たるDF深谷(27)がケガで戦線離脱。今季はベストメンバーを組むことができなかった。大分は、決してレッズのように選手層が厚いわけでも潤沢な資金を持つわけでもない。シャムスカが現有勢力の特徴をうまく掴み、粘り強くディフェンスを固めて、相手チームよりも多く走り回っても結果は出なかった。中心選手が2〜3人離脱しただけでチームは崩れてしまうのだ。後任はポポビッチ(42)。オーストリアのグラーツで前日本代表監督のオシムの指導を受けた男だ。オシム譲りのハードなトレーニングで最下位脱出を図りたいとことだが、果たしてどうなるか。さて、いよいよ欧州で09−10シーズンが開幕する。注目なのは、カカ(27=ミラン→レアル・マドリー)、C・ロナルド(24=マンチェスターU→レアル・マドリー)、アビオル(23=バレンシア→レアル・マドリー)、中村俊輔(31=セルティック→エスパニョール)といった世界的な選手がこぞって集まったリーガ・エスパニョーラ(スペイン1部リーグ)である。それから、サンテティエンヌで出場機会に恵まれずグルノーブルに移籍したMF松井大輔(28)やMF稲本潤一(29=レンヌ)がプレ−するフランス1部リーグ、昨季はリーグ優勝に貢献したMF長谷部誠(25=ヴォルフスブルグ)やMF小野伸二(29=ボーフム)のいるブンデス・リーガ(ドイツ1部リーグ)にも注目したい。さらには、セリエAのFW森本貴幸(21=カターニャ)、スコットランドプレミアリーグのMF水野晃樹(23=セルティック)、ポルトガル1部リーグのMF相馬崇人(27=マリティモ)など海外でプレーする日本人選手の活躍にも期待したい。また、1000万ユーロ(約13億円)という高額な移籍金がネックになっているMF本田圭佑(23=VVV)は、今季どこのユニフォームを着るのだろうか。トルコのガラタサライ!? あるいは、カタールの金満クラブ!?それとも、VVVに残留!?(2009.07)

 


#68 長谷部のフォルクスブルク、本田のVVVフェンローが優勝!

先月号で紹介したMF本田圭佑(23)が10番を背負ってプレーするVVVフェンローが見事にオランダ2部リーグを制した。あわせてリーグMVPも獲得。彼のもとには、来季のV奪還を睨んで名門PSVアイントホーフェンからオファーが届いている。優勝請負人になれるのか、本田! MF長谷部誠(25)とFW大久保嘉人(27)の所属するフォルクスブルクもブンデスリーガ(ドイツ1部リーグ)で初優勝を飾った。あの強豪バイエルン・ミュンヘンに競り勝っての美酒である。ドイツでの優勝を経験した日本人選手としては、奥寺康彦(57)が名門1FCケルンで優勝した77−78年のシーズン以来の快挙。長谷部のポジションは左サイドやや下がり目のMF。ゲームを演出する“レジスタ”(ミランのピルロが代表的)というより汗をかいてなんぼの“ボランチ”である。ほんとに、あの細い体で大型ドイツ人選手を相手によくぞ戦った。そんな長谷部を尻目に、レッズの先輩でもある天才MF小野伸二(29=ボーフム)は同じドイツの地で輝きを失っている。ドイツで活躍中のMF稲本潤一(29=フランクフルト)がジュニア時代、小野少年のプレーを見て「彼にはかなわない」と思いボランチに転向したという逸話があるくらいに、小野は輝いていた。天才はどうしてしまったのか。99年、日本ユース代表は、世界ユースで準優勝を果たした。この時のメンバーにはMF稲本、FW高原直泰(29=浦和)、MF本山雅志(29=鹿島)らがいた。いわゆる“黄金世代”だ。小野は主将としてこのチームを率いた。文字通り、世界2位のチームは伸二のチームだったのだ。しかし、同じ年のシドニー五輪アジア1次予選・フィリピン戦で小野は“悪質な後方からのカニばさみタックル”を受けて左ひざ靱帯断裂の負傷を負い、即入院。この傷が、小野伸二から天才の輝きを奪ってしまった。大差でリードするゲームの後半に、わざわざ伸二にプレーさせる必要があったのか。主力選手はなるべく交代させ、ケガのリスクを回避すべきではなかったか。ちなみに、このゲームで日本代表を指揮していたのは、02年の日韓共催W杯でMF中村俊輔(31)を代表落ちさせたあのフィリップ・トルシエ(54)である。(2009.06)

 


#67 フィンケが浦和を変えた

浦和レッズが生まれ変わった。昨季、無冠に終わったおかげでドイツ人監督のフィンケ(61)のもと、キャンプからじっくりチームを仕上げることができたのだ。今季の特徴は、4−4−2のシステム。これで、阿部(27)がDFラインから中盤に戻り鈴木啓太(27)とWボランチを形成。ケガから復帰した三都主(31)も、馴れた左サイドバックのポジションで水を得た魚のように走り回っている。そして、ユースチームでじっくりと育てたMF山田直輝(18)やFW原口元気(17)がナビスコ杯に先発出場。原口は、名古屋戦でJ1史上6番目の年少初ゴールを決めた。彼はアディダス・ジャパンと個人スポンサー契約(新人としては異例)を結ぶなど、将来の日本代表のエースとして期待されている逸材だ。若手の台頭は浦和だけではない。セリエAでプレーするFW森本貴幸(20=カターニャ)は海外生活6シーズン目に入った。身長193センチの身長を生かした大型FWとして期待されているのは元柏ユースのFW指宿洋史(17=ジローナ)だ。現在スペイン2部リーグでプレー。彼らに、オランダ2部リーグで「10番」をつけてプレーしているMF本田圭佑(23=VVVフェンロー)やMF中村俊輔(30)とともにスコットランドでプレーしているMF水野晃樹(23=セルティック)らが加われば、近い将来、史上最強の日本代表ができる。もちろん、2014年のW杯には、現在ドイツでプレーしているFW大久保(26=フォルクスブルク)やMF長谷部(26=フォルクスブルク)あたりがベテランとなって彼らを支える立場になるわけだが、心配なのはDFライン。闘莉王(27=浦和)にはまだまだ元気にがんばってもらうが、もう一枚、クレバーで高さのある、フィジカルの強い若手センターバックがほしいところだ。それと、もうひとつ。こうした、若いうちから海外のクラブでのプレーを経験している選手をコントロールするためには、これまでのような体育会系な代表監督ではダメ。中田英寿(32)のような欧州のモダンサッカーを皮膚感覚で知る男が必要だ。本当に。(2009.05)

 


#66 ACLの1次リーグスタート!

今季も、ACLの1次リーグがスタートした。Jリーグからは名古屋、G大阪、鹿島の3チームがACLに進んだ。E組に入った名古屋は北京国安(中国)、ニューカッスル(豪)、蔚山(韓国)と、F組のG大阪は山東(中国)、FCソウル(韓国)、スリウィジャヤ(インドネシア)と、G組の鹿島は水原(韓国)、上海申花(中国)、シンガポール・アムード・フォース(シンガポール)とそれぞれ戦う。各組2位以内に入った計16チームが決勝トーナメントに進む。 Jリーグの3チームが入っている組には中東勢がいない。これにより、アウェイで戦う際について回った「長時間のフライトによるストレス」も回避されたわけだ。浦和、G大阪に続き、是非今季もJのチームの優勝を期待したい。さて、注目のW杯アジア最終予選だが、バーレーン(3/28)を1−0で下し、予選突破まであと1勝と迫った。振り返れば、中村俊輔(30=セルティック)のラッキーなFKによる1点を守り切ったゲーム。後半終了間際は、CKのチャンスにもゴール前に選手が上がらず、見方同士でパスを回しあういわゆる「キープ」に入って逃げ切った。日本代表といえば、意思統一が中途半端で「キープ」に入ってるのに勝手に攻め上がる選手がいて、相手にカウンターを食らうような幼いチームだった。その日本代表が「キープ」ができるようになったのだと歓心した人も多いはず。ただ、ゲームを冷静に分析すると、決して楽観はできない。「こんな試合じゃだめだ!」ゲーム終了後、闘莉王(27=浦和)がそういったように、たまたま勝てただけ。俊輔のFKにしても、相手DFにボールが当たってコースが変化した結果の得点。どフリーを外した内田篤人(19=鹿島)を筆頭にシュートの精度が悪すぎる。特に、田中(26=浦和)、玉田(28=名古屋)、大久保(26=フォルクスブルク)の3人は死ぬ気でシュート練習をせよ。さもなくば、W杯ベスト4なんて夢のまた夢だ。(2009.04)

 


#65 かつてのチリ代表がお手本

ちょっと前の日本代表―オーストラリア代表戦(2/11)を見て確信したことがある。日本代表のあるべきスタイルだ。それはずばり、短いパス回しを基本にコンパクトに守るサッカーである。前線はイングランド代表ルーニー(23)のように小柄ながらDFラインの裏をつくいやらしいFW。大久保(26=フォルクスブルク)であり、田中(26=浦和)であり、玉田(28=名古屋)である。セットプレーの際は、DFラインから闘莉王(27=浦和)と中澤(31=横浜M)が攻撃参加するから、日本代表にはイタリア代表のトニ(32)のような長身FWは要らないのだ。あるいは、サモラーノ(42)とサラス(34)の2トップ(ササ・コンビね)を擁していたかつてのチリ代表がお手本といってもいい。ともかくW杯予選は残り4試合。3/28に迫ったバーレーン戦(ホーム)で、勝ち点3を取ることが先決である。Jリーグがいよいよ開幕した。注目は、昨季よもやの無冠に終わった浦和である。ポルトガルに移籍したMF相馬(27)がチームを離れる際、「我々が引き留めるべき選手とは考えていない」と発言したフィンケ新監督(61)。かつてはドイツのフライブルクという弱小クラブをブンデスリーガに昇格・定着させたフィンケの手腕やいかに!? 昨季、アジアCLを制してマンチェスターUとノーガードの打ち合いを演じ、今年元旦の天皇杯も制してわが世の春を謳歌しているG大阪の首を狙うのは、惜しくもリーグ2位に終わった川崎F、MF小笠原(30)が復活した鹿島、ストイコビッチ監督(45)の戦術が浸透しつつある名古屋あたりか。J2から昇格した広島と山形は正反対のチーム。広島はGK下田(33)をはじめ、MFの森崎兄弟(27)、MF柏木(21)、FW佐藤寿人(26)などJ2降格の際もチームを離れなかったサムライたちが健在なのに対し、山形には有名選手がほとんどいない。まずは、J1のスピードについていけるかが課題だろう。(2009.03)

 


#64 欧州CLも佳境に

いよいよ佳境を迎えた欧州CL。決勝トーナメントの組み合わせをここで確認してみたい。●チェルシー(イングランド)−ユヴェントス(イタリア)●ビャレアル(スペイン)−パナシナイコス(ギリシャ)●スポルティング(ポルトガル)−バイエルン(ドイツ)●アトレチコ・マドリード(スペイン)−ポルト(ポルトガル)●リヨン(フランス)−バルセロナ(スペイン)●レアル・マドリード(スペイン)―リヴァプール(イングランド)●アーセナル(イングランド)−ローマ(イタリア)●インテル(イタリア)―マンチェスターU(イングランド)ホーム&アウェイ方式で行われる決勝T一回戦は、2/24、25と3/10、11の予定。残念ながら欧州CLへの出場はないが、UEFA杯の決勝Tには2人の日本人選手が出場する。長谷部誠(24)が所属するフォルクスブルク(ドイツ)は一回戦でパリ・サンジェルマン(フランス)、松井大輔(27)が所属するサンテテェエンヌ(フランス)はオリンピアコス(ギリシャ)とそれぞれ対戦する。国内に目を転じると、思い出すのはFIFAクラブワールド杯・プ準決勝。G大阪はマンチェスターUを相手にノーガードの激しい打ち合いを演じた(3−5)。知将・西野朗(53)にはアトランタ五輪での苦い思い出がある。予選リーグでブラジルを1−0で破った(マイアミの奇跡)ものの守備的な戦術に中田英寿(31)や前園真聖(35)らが激しく反発。10数年後、西野はG大阪を超攻撃的なチームに変えた。マンチェのGKファンデルサールを相手にコロコロPKを決める遠藤(28)を見て、中田や前園はどう思っただろうか。さて、今季からJ1下位3チームとJ2上位3チームが自動的に昇降格するため、最後の入れ替え戦となった昨年末の磐田―仙台戦。第1戦(ユアテックスタジアム仙台)は1−1で引き分け、第2戦(ヤマハスタジアム)は2−1で磐田が勝利したため、磐田のJ1残留が決まった。第2戦のロスタイム、これが決まれば仙台が昇格というシュートを磐田のGK川口(33)が顔面で止めるというドラマチックな結末。古豪東京Vは、またもJ2降格となってしまった。(2009.01)

 


#63 IFAクラブワールドカップ

去る12/11からスタートしているFIFAクラブワールドカップJAPANも、この号が出る頃にはちょうど準決勝。ということで、遅ればせながら出場チームを紹介してみよう。マンチェスター・ユナイテッド(UEFA)、ガンバ大阪(ACF)、アルアハリ(CAF)、アデレード(AFC)、パチューカ(CONCACAF)、リガ・デ・キト(CONMEBOL)、ワイタケレ(OFC)の7チーム。優勝候補はといえば、やはりシードで準決勝から登場する欧州王者のマンチェスター・ユナイテッドと南米王者のリガ・デ・キトだ。G大阪はアデレードとワイタケレの勝者と対戦してこれに勝てば、12/18にマンチェと対戦できる。昨季、この大会でACミランと対戦した浦和の再現なるか!?  さて、W杯アジア予選・カタール戦を圧勝(3−0)した日本代表。これで解任の噂も吹き飛ばた岡田武史監督(52)だが、気になるのは中村俊輔(30)の試合後のコメント。「みんなオシムさんのいうことがやっと理解できてきた」おいおい、監督は誰だ!?   うがった見方をすれば「これはオシムじゃないとW杯は勝てないですよ」という俊輔のメッセージであり、さらにいえば多くの代表選手の総意と考えていい。岡田武史という男は、自分のことを「岡ちゃん」と呼んだ選手は二度と代表には呼ばない。そんな頑固者でありプライドの高い男が俊輔のメッセージをどう受け止めるかに注目したい。続いて、欧州組の近況。ドイツ・ブンデスリーガは長谷部(24)のヴォルフスブルクは8位、稲本(29)のフランクフルトは12位、小野(29)のボーフムは16位。フランスのエール・ディビジは松井(27)の所属するサンテティエンヌが最下位(20位)。森本(20)のプレーするイタリア・セリエAでは、彼が所属するカターニャは7位と健闘中。俊輔と水野(23)のセルティックはスコットランド・プレミアリーグの首位を、本田(22)の所属するVVVもオランダ2部リーグの首位をそれぞれ独走中!(2008.12)

 


#62 カタール戦に進退!?

あのアルゼンチンの英雄、ディエゴ・マラドーナ(47)がアルゼンチン代表監督になるというニュースには驚いた。いくら英雄だとはいえ、監督経験のない人物が、いきなり代表監督とは……。W杯南米予選でアルゼンチンはパラグアイ、ブラジルに次ぐ3位。上位4チームが出場権を獲得する(4位チームは北中米カリブ海地区4位とのプレーオフに回る)ため、W杯でのマラドーナの雄姿を見ることができる可能性は大。まずは、ブラジル代表ドゥンガ監督(45)との顔合わせが楽しみである。アルゼンチン―ブラジル戦は09年の9/5です。さて、日本代表のW杯アジア予選・カタール戦(アウェイ)が、11/19(水)に迫っている。アウェイという厳しい環境ではあるが、欧州でプレーする中村俊輔(30)や長谷部誠(24)、松井大輔(27)らの移動時間が少ない中東での開催は不幸中の幸いだ。カタール代表には、元・浦和で得点王にも輝き、その後カタールのクラブに移籍してカタール国籍を取得したあのエメルソン(29)もいるが、彼はU−20ブラジル代表での代表キャップがあるため、FIFA規定によりカタール代表としてプレーすることはできない。エメが相手チームにいたら、それこそ一大事だった。ただ、よもやこのゲームで負けるようなことがあったら、岡田監督電撃解任もあり得る。カタール戦のあとは、年明けの2/11(水)のオーストラリア戦(ホーム)、3/28(土)のバーレーン戦(ホーム)まで時間が空くため、新しい監督でチームをフィットさせる余裕があるのだ。そこで密かに囁かれているのは、オシム(67)総監督+ストイコビッチ(43)監督というプランだ。オシム総監督というのは、当然彼の健康に配慮してのこと。愛弟子ストイコビッチならばオシムの意向を十分にくみ取ることができる。何よりも、一緒にプレイしたことがあり、ストイコビッチに対するリスペクトも大きい選手が日本代表には多いのだ。そのほか、鹿島のオリヴェイラ監督(57)や大分のシャムスカ監督(43)の名前が挙がっているが、負ければ即クビ。サッカーチーム、とりわけ代表チームの監督は思いのほかタイトな職業である。(2008.11)

 


#61 古豪・ジュビロ磐田、降格の危機

まずは、Jリーグの2チームがベスト4に残ったACL(アジア・チャンピオンズ・リーグ)から。前年度王者の浦和を準決勝で下したG大阪がアジア・チャンピオンに輝いた。さて、この時期になるとJのサポーターたちを悩ませるキーワードはずばり「J2降格」である。 レギュレーションを確認しておくと、J1の17位と18位のチームはJ2に自動降格。逆にJ2の1位と2位のチームは自動昇格。そして、J1の16位とJ2の3位がホーム&アウェイ方式の入れ替え戦を戦う。この場合、第2戦はJ1のチームのホームゲームになるというアドヴァンテージはあるものの崖っぷち感は否めない。そして、名門・ジュビロ磐田もJ2降格圏内の崖っぷちに今いる。古豪たる浦和や東京VもJ2落ちを経験しているが、90年代には鹿島と並んでJを牽引していた磐田に何が起こったのか!?かつては、JリーグのMVPを4人(ドゥンガ、中山、藤田、高原)、得点王も3人(中山が2回、高原1回)輩出した名門チーム・磐田の凋落は、山本昌邦(50)を監督に迎えた時から始まった。03年と04年のゼロックス・スーパーカップ優勝を除けば、磐田は03年の天皇杯優勝以来、タイトルから遠ざかっている。そう、山本こそ磐田から勝つイメージを遠ざけてしまった張本人なのだ。山本に続くアジウソン(40)、内山篤(59)と監督にも恵まれず、とうとうあの元・日本代表監督ハンス・オフト(61)を招聘した。オフトは応急処置だとして、やはり黄金時代に指揮を執った桑原隆(60)を呼び戻すべきだろう。ともかくJ1残留が目下の課題。代表チームの正GK川口(33)をJ2でプレイさせてはいけない。さて、J2は広島がぶっちぎりの優勝を果たし1年でJ1復帰。残りの椅子を、湘南、山形、仙台、鳥栖で争う。C大阪は残念ながら来期もJ2濃厚……。(2008.10)

 


#60 アルゼンチンが北京五輪を制す

ブラジルがまたも五輪の金メダルを逃した。優勝したのはライバルのアルゼンチン。北京でメッシ(21)やリケルメ(30)がキレキレのパフォーマンスを披露している傍らで、ブラジル代表ロナウジーニョ(28)は明らかにコンディション不良。ぼろぼろだった。結局、ロマーリオ(42)もそうだったけど、ロナウド(31)もロナウジーニョも、一度大金を手にしたブラジル人は、もうあくせくサッカーなんかしたくないのだ。さて、いよいよW杯アジア最終予選がスタートした。9/6(土)にアウェイで初戦バーレーン戦を戦っている日本代表は、10/9(土)のキリンチャレンジ杯(ウルグアイ戦)をはさみ、一気に7連戦に突入する。各グループ2位が自動的に出場権を獲得、グループ3位同士が大陸間プレーオフ出場(ラスト1)をかけて戦うこの予選、日本代表の日程を確認してみたい。●10/15(水) ウズベキスタン戦(H)●11/19(水) カタール(A)■2009年●2/11(水) オーストラリア(H)●3/28(土) バーレーン(H)●6/6(土) ウズベキスタン(A)●6/10(水) カタール(H)●6/17(水) オーストラリア(A)そして、初戦のバーレーン戦で召集されたメンバーは次の通り。■GK 川口能活(32=磐田)/楢崎正剛 (32=名古屋)/西川周作(22=大分)■DF 中澤佑二(30=横浜M)/高木和道(27=清水)/田中マルクス闘莉王27=浦和)/駒野友一(27=磐田)/阿部勇樹(26=浦和)/長友佑都(21=東京)■MF 中村俊輔(30=セルティック)/稲本潤一(28=フランクフルト)/遠藤保仁(28=ガンバ大阪)/中村憲剛(27=川崎)/松井大輔(27=サンテティエンヌ)/今野泰幸(25=東京)/長谷部誠(24=ヴォルフスブルク)■FW 玉田圭司(28=名古屋)/巻誠一郎(28=千葉)/佐藤寿人(26=広島)/田中達也(25=浦和)。加油! 日本!!(2008.09)



#59 南アフリカへの道

 

南アフリカW杯アジア3次予選で、日本代表は3勝1敗1分けの勝ち点11でグループリーグを1位で通過。最終予選に進出した。アジアに与えられた本戦出場枠は「4」または「5」。南アフリカ行きのチケットを争って、いよいよ9月から最終予選が始まる。ここまで勝ち残っているのは、オーストラリア、カタール、日本、バーレーン、韓国、北朝鮮、サウジアラビア、ウズベキスタン、イラン、UAEの10チーム。各国がそれぞれ5チームずつ2つのリーグに分かれ、各リーグ2位までに入れば自動的にW杯本戦出場権を獲得。そして、各リーグ3位同士がプレーオフを行い、さらにその勝者がオセアニア地区1位との大陸間プレーオフにまわる。リーグ戦で最低でも3位に食い込めば首の皮一枚つながるわけだが、ま、2位以内に入ってすっきり南アフリカへ行ってほしい。さて、熱戦が繰り広げられた「ユーロ2008」。ダークホースとなったのは、あのヒディング(61)率いるロシアである。準々決勝ではヒディングの母国オランダを破ってしまった。ファンバステン監督(43)も「なぜ負けたのか分からない」と苦笑いする結果となったが、ヒディングはすげー監督なのではないか!? 98年のW杯フランス大会ではオランダ代表を率いて4位、02年にはW杯日韓大会で韓国代表で4位、06年のW杯ドイツ大会ではオーストラリア代表でベスト16への導いた。あのオシム(67)をも軽くしのぐ実績である。そんなヒディングに日本代表をまかせてみたい気もするが、元・韓国代表監督を迎えるだけの度量が日本サッカー協会にあるのか。あるとはとても思えないが……。さて、先日、サッカーの王様・ペレ(67)が車上で強盗に遭った。相手がペレだと気づいた何人かは金品を盗まずに立ち去ったという。ペレから金を盗むことは、ブラジル人にとって教会からマリア像を盗むことと同じなのだ。ひるがえって、わが日本では、長嶋茂雄宅に泥棒が入ったというニュースをたまに聞く(ちゃんとアコムしてなかったのか)。そういえば南米では大事な場面でPKを外したり、OGをしてしまった選手の家が燃やされたり、家族が嫌がらせを受けたりする。日本では城彰二(33)が空港で水をかけられたことがあったが、せいぜいその程度。まだまだ強豪国ではないということか。(2008.07)



#58 欧州CLはマンチェが制覇 

昨季は浦和レッズが制したアジアCL。今季は予選から出場したG大阪と鹿島アントラーズが決勝トーナメントに勝ち上がった。シード権を持つ浦和と合わせJリーグから過去最高の3チームが決勝トーナメントに残ったことになる。組み合わせは次のとおり。サイパ(イラン)−クルブチ(ウズベキスタン)/鹿島−アデレード(オーストラリア)/アルカディシア(クウェート)−浦和/アルカラマ(シリア)−G大阪。さて、アジアよりひと足早くヨーロッパのクラブ・ナンバー1を決めるUEFAチャンピオンズ・リーグ決勝がモスクワで行われた。昨季はイタリア勢同士(ミランが優勝)の対戦だったUCL決勝だが、今年はイングランド・プレミア・リーグ勢同士の「チェルシー対マンチェスターU」。決勝らしくハードなゲームが繰り広げられ、1−1からPK戦にもつれ込んだ末、マンチェスターUが8年ぶりの欧州王者に輝いた。得点王は8得点を稼ぎ出したクリスティアーノ・ロナウド(23)。プレミア・リーグの得点王(31得点)も合わせてW得点王だ。マンチェもプレミア・リーグ制覇も合わせて2冠に輝き、クリスティアーノ・ロナウドは欧州最優秀選手の最右翼となった。そして、ヨーロッパ各国のリーグ戦も最終節を迎えたので、駆け足で結果を見てみたい。イタリアのセリエAはインテルが優勝。ローマが2位、ユヴェントスが3位に入り、昨季の世界クラブ王者・ミランは5位に終わった。どうした、カカ(26)。得点王は21得点のデルピエーロ(33=ユヴェントス)。スペインのリーガ・エスパニョーラはR・マドリードが2連覇を達成した。バルセロナは3位。バルサはロナウジーニョ(28)放出の噂も……。ドイツのブンデス・リーガはバイエルン・ミュンヘンが2位のブレーメンに勝ち点10差をつけて圧倒的な優勝を飾った。得点王は24得点のイタリア代表FWトニ(30=バイエルン)。スコットランドのスコティシュ・プレミア・リーグは、中村俊輔(29)と水野(22)が所属するセルティックが3連覇を成し遂げた。俊輔は来期もスコットランドでプレイする模様。(2008.06)



#57 アジア予選は1位で通過せよ!

2010南アフリカW杯・アジア3次予選。現在、日本代表は2試合を終えた時点で1勝1敗(勝ち点3)の2位。1位は2勝(勝ち点6)のバーレーン。上位2チームが最終予選に進めるとはいえ、組み合わせを考えると、是非とも1位通過したいところ。残り4試合は、6/7〜オマーン戦(アウェイ)、6/14〜オマーン戦(ホーム)、9/6〜タイ戦(アウェイ)、9/10〜バーレーン戦(ホーム)という日程だ。当面のオマーン戦2試合(ホーム&アウェイ)でに向けて、岡田JAPANの新メンバー候補(合宿)が発表された。DF田中マルクス闘莉王(26)、GKに都築(32)、俊足FW永井(浦和=29)と、浦和勢が次々に代表に復帰。初召集組は川崎のDF寺田(32)、C大阪のMF香川(19)、FC東京のDF長友(21)、柏のMF茂原(26)の4人。岡田監督(51)になって初めて召集されたメンバーは、GK都築のほか、横浜MのDF栗原(24)、名古屋のMF中村直(29)、磐田のMF西(27)、大分のFW高松(26)の5人。岡田監督は「ハードワークができる選手を選んだ」というが、やはりDF強化が急務だ。これに、合宿期間とACLのゲームの日程が重なるため不参加になった鹿島とG大阪の選手、それに海外組が加われば、ほぼベストメンバーが組める。岡田JAPANの弟分である反町JAPAN(U−23)代表も、いよいよ本番目前となった。先日、北京五輪の組み合わせも発表された。詳細は次のとおり。●A組〜コートジボワール/アルゼンチン/オーストラリア/セルビア●B組〜オランダ/ナイジェリア/日本/アメリカ●C組〜中国/ニュージーランド/ブラジル/ベルギー●D組〜韓国/カメルーン/ホンジュラス/イタリア。一方、女子の代表はノルウェー、アメリカ、ニュージーランドと同組(G組)に入った。各組2位までのチームが、決勝トーナメント(計8チーム)に進むことになるが、いずれにしろ、男子女子ともに厳しいグループに入った。健闘を祈りたい!!(2008.05)



#56 レッズの新監督にエンゲルス!


昨季アジア王者・浦和レッズがあろうことか開幕2連敗。3/15の対グランパス戦は監督とチームの悪い関係がそのままピッチ上に再現されたようなゲームだった。新監督ドラガン・ストイコビッチ(43)の戦術をきっちり理解し、惜しみなくおとりの動きをするグランパスの選手に対し、どう動いていいのか考えあぐねているレッズの選手。業を煮やしたレッズサポの「タツヤ」コールがさいたまスタジアムを満たした。しかし、ホルガー・オジェック(59=前監督)は、ベンチに置いたままの俊足FW田中達也(25)を見向きもしない……。2−0というスコア以上に両クラブの差は歴然としていた。浦和レッズに、いったい何が起こったというのか!?挙句の果てのオジェック解任劇。開幕2戦での解任はJリーグ記録だとか。だったらシーズン前に何とかするべきだったが、ともかく後任のゲルト・エンゲルス(50)は信頼できる男である。負けたら即消滅という横浜フォリューゲルスを率いて1998年の天皇杯を制し、さらには京都を率いて2002年の天皇杯にも優勝している。迷えるアジア王者を立て直せるのはこの男しかいない。さて、敵地バーレーンに乗り込んだW杯アジア2次予選で0−1と敗れてしまった岡田JAPAN。アウェイなのに3バックというシステムからして無謀だが、さらにいえば、中澤(30=横浜)、阿部(26=浦和)、今野(25=G大阪)という急造DFラインで勝とうという方がおかしい。阿部と今野はディフェンダーではなく、本職はボランチである。優秀なボランチに鈴木啓太(26 =浦和)や中村憲剛(27=川崎)がいるからといって、今野や阿部をDFラインに使うのはおかしい。3人の交代枠を含めてのゲームプランを考えないと……。やはり、両サイドに駒野(26=磐田)と安田(20=G大阪)を配し、タメが作れる遠藤(28=G大阪)を中盤に置かないと、大久保(25=神戸)も山瀬(26=横浜)も生きてこない。ね、岡ちゃん。(2008.04)

 


 

#55 俊輔、バルサと戦う!

 

2月下旬、中国・重慶で行われていた東アジア選手権大会で、女子日本代表〜なでしこJAPAN〜が3戦全勝で見事優勝を飾った。うれしい初タイトルに対して、川渕キャプテン(71)も各選手に対して20万円の特別ボーナス支給を明言(もう少し奮発しろ)。一方の岡田JAPANは、惜しいところで初タイトルを逃した。優勝した韓国と1勝2分けで並び、得失点差でも並んだものの、総得点の差(2点)で2位になった。 最終戦・韓国戦であのシュートが入っていれば……というような場面もいくつかあったが、ま、運も実力のうちだったということだ。FW高原(28=浦和)やFW大久保(25=神戸)、MF阿部(26=浦和)ら主力を欠くメンバーとしてはよく健闘したといえなくもないが、なんだかMF山瀬(26=横浜M)のチームになりつつあるのが気になる。山瀬がいなくなったら得点力・戦力ともにダウンするのは確実。これまでの日本の10番といえばファンタジスタばかりで、ドリブル突破してそのままシュートを打てる山瀬のようなタイプは貴重。ケガだけは気をつけてもらいたい。さて、欧州CLも決勝トーナメントに突入。中村俊輔(30)所属のセルティックは、あのバルセロナとホーム(グラスゴー)で対戦。2−3で敗れた。スコア以上にタイトなゲームだったらしく、俊輔は「ACミランともマンチェスター・ユナイテッドとも対戦したが、バルサは格が違う。まるでブラジル代表と戦ってるみたいだけれど、ブラジル代表よりも強いかもしれない」とバルサ戦を振り返った。この号が出ているころには、ホーム&アウェイの第2戦の結果が出ているはず。バルサ/セルティックの勝者のほか、シャルケ/FCポルト、リバプール/インテル、ローマ/R・マドリー、オリンピアコス/チェルシー、リヨン/マンチェスターU、アーセナル/ACミラン、フェネルバチェ/セリビアのそれぞれの勝者、合わせて8クラブが決勝リーグ2回戦に勝ち上がる。それにしても、欧州CLの大舞台でプレイしている中村俊輔というプレーヤーは、とてつもなく幸せな男だと思う。(2008.03)

 


#54 レッズの天才2人がドイツへ 

アジア王者の浦和から天才MF2人がドイツに渡った。小野伸二(28)と長谷部誠(24)である。小野がボーフム、長谷部がヴォルクスブルグ。彼らと入れ替わるように、ドイツはフランクフルトからFW高原(28)が加入、ザルツブルクから三都主(30)も復帰した。新潟からFWエジミウソン(25)、大分からMF梅崎(20)も移籍。梅崎はフランスのグルノーブルでプレイした経験もある若手のホープだ。浦和は千葉のMF水野(22)やFC東京のMF今野(25)の獲得も視野に入れていたが、水野は中村俊輔のいるスコットランドのセルティックに、今野はG大阪にそれぞれ移籍した。若手世代といえば名古屋のMF本田(21)もオランダのVVVフェンロに移籍。入団即デビューを飾った。彼らの台頭で北京五輪、そして2010年の南アフリカW杯に弾みがつく。伸二や高原というかつての“黄金の世代”も、うかうかしていられない。さて、1/27のチリ代表戦でスタートした新生岡田JAPANのメンバーを列挙してみたい。GK 川口能活(32=磐田)、楢崎正剛(31=名古屋)、川島永嗣(24=川崎)、DF/中沢佑二(29=横浜M)、坪井慶介(28=浦和)、水本裕貴(22=G大阪)、加地亮(28=G大阪)、駒野友一(26=磐田)、岩政大樹(25=鹿島)、内田篤人(19=鹿島)MF/橋本英郎(28=G大阪)、遠藤保仁(27=G大阪)、羽生直剛(28=東京)、今野泰幸(24=東京)、中村憲剛(27=川崎)、鈴木啓太(26=浦和)、阿部勇樹(26=浦和)、山岸智(24=川崎)、山瀬功治(26=横浜M)FW/高原直泰(28=浦和)、播戸竜二(28=G大阪)、巻誠一郎(27=千葉)、前田遼一(26=磐田)、大久保嘉人(25=神戸)、矢野貴章(23=新潟)。これにMF中村俊輔(30=セルティック)や松井(26=ル・マン)といった海外組、けがの田中マルクス闘莉王(26=浦和)らが加われば、ベストメンバーが揃う。予選突破は難波の若きおっさん・大久保がいつ化けるかがカギだ。(2008.02)


#53 岡田JAPAN始動!

まずは、Jリーグの07年シーズンを振り返ってみよう。J1は鹿島、J2は札幌、ナビスコ杯はG大阪が制した。MVPはMFポンテ(浦和=31)。得点王は22得点を稼いだジュニーニョ(川崎=30)、新人王は最下位・横浜FCのGK菅野(23)。何より、浦和のACL(アジア・チャンピオンズ・リーグ)制覇、そして、CWC(クラブW杯)で2勝をあげて3位に輝いたことは賞賛に値する。お疲れさま。そして、08年シーズンはJ1、J2ともに3/6開幕。途中、W杯予選のため5/17と5/18の第13節で休みに入り、6/28に再開。ACLには、Jリーグから3チームが出場する。前年度優勝チームの浦和は決勝トーナメントからのシード、G大阪(天皇杯王者)と鹿島(J1覇者は予選リーグからの出場となる。既に予選リーグの組み合わせが発表されているので紹介すると、ACL決勝とCWCで浦和と対戦したセパハン(イラ)はクルブチ(ウズベキスタン)、アルイテハド(サウジアラビア)、アルイテハド(シリア)とともにグループAに入った。鹿島(日本)はグループFで、クルン・タイ銀行(タイ)、北京国安(中国)、ナムディン(ベトナム)と同組。G大阪(日本)はグループGで、メルボルン・ビクトリー(オーストラリア)、チョンブリーFC(タイ)、全南(韓国)と同組になった。また、07年ナビスコ杯王者のG大阪は、南米杯の覇者・アルセナル(アルゼンチン)と7/30に日本で対戦することが決まっている。日本勢の活躍に期待したい。一方、病気療養中のイビチャ・オシム(61)に代わって昨年末、監督となった岡田武史(51)率いる日本代表も始動している。初戦は1/26のチリ戦(キリン・チャレンジ杯)で、1/30にはボスニア・ヘルツェゴビナ戦(同杯)が控えている。2試合ともに東京国立競技場で行われる。W杯アジア3次予選のホームゲームは、2/6のタイ戦(埼玉スタジアム)、6/2のオマーン戦(日産スタジアム)、6/22のバーレーン戦(埼玉スタジアム)。ブルーのユニフォムを着て、岡田JAPANを見に行こう!(2008.01)


#52 岡田武史ふたたび 

2010年南アフリカW杯・アジア3次予選の組み合わせが決まった。日本はタイ、バーレーン、オマーンと同じ2組。1組には、オーストラリア、中国、イラク、カタールという強豪が顔を揃え、文字通り“死の組”となった。試合はホーム&アウェイ方式。日程は来年2/6のタイ戦(ホーム)を皮切りに、3/26のバーレーン戦(アウェイ)、6/7のオマーン戦(アウェイ)、6/14のオマーン戦(ホーム)、9/6のタイ戦(アウェイ)、9/10のバーレーン戦(ホーム)と続く。3次予選では5つあるグループの上位2チーム、計10チームが2グループに分かれて最予選に進む。そこで2位以内に入れば本大会の出場権を獲得できるわけだ。問題はこの先だ。2位以内を逃して3位になった場合、3位チーム同士が対戦してその勝者がオセアニア代表とのプレイオフに回る。ま、オーストラリア以外のオセアニアの国相手によもや取りこぼしはないとしても3位同士の対戦は熾烈を極める。最終予選で2位以内を確保したいところだ。11月某日、日本代表監督のイビチャ・オシム(61)が梗塞で入院した。病名が病名である。W杯予選が待っている08年に代表チームの指揮を執るのは事実上難しい。後任監督を決める必要に迫られた日本サッカー協会は、いち早く元日本代表監督の岡田武史(51)、に水面下で接触。代表監督就任のオファーをしたとの報道があった。オシムイズムを継承するのか、岡田サッカーを実践するのか。今や、守備重視は世界的なトレンド。アジア王者の浦和もまずは闘莉王(26)を中心にしっかりと守備を固めるゲームプランで過密日程をこなしてきたし、2年ぶりのJ1復帰を決めた東京Vのラモス監督(48)も華麗にパスを回すブラジル型の攻撃サッカーを封印、守備にコストをかけフッキ(21)とディエゴ(23)に攻撃をまかせるスタイルでJ2を戦い抜いた。同様に、岡田サッカーもまずはきちんと守備をするリアクションサッカー。派手さはないが、きちんと詰め将棋ができるサッカー。不用意な失点が命取りになり、アウェイの1点が重みを持つW杯予選にこそ適任だとえいる。(2007.12)


#51 そして、CWCがやってくる 

Jリーグも佳境に入ってきた。J1昇格(復帰)を決め歓喜するクラブ、逆にJ2落ちの辛酸を嘗めるクラブが決まる時期である。07シーズンのレギュレーションを説明すると、J1の17位と18位のクラブが自動降格。J2は1位と2位のクラブが自動昇格。そして、J1の16位のクラブとJ2の3位のクラブが入替え戦(ホーム&アウェイ)を行う。日程は、12/5(水)と12/8(土)。今年もドラマは生まれるのか!? 10月末時点で、J1は横浜FCのJ2降格が確定。甲府は降格濃厚、広島、大宮がボーダーライン上にいる。一方のJ2は、優勝争いを繰り広げている札幌、東京Vのほか、仙台、京都、S大阪あたりまでにチャンスは絞られてきた。そして、Jリーグの熱戦に続いて今年も日本でクラブW杯が開催される。この大会に出場するのは、欧州CLを制したACミラン(UEFA/イタリア)、リベルタ・ドーレス杯を制したボカ・ジュニアーズ(CONMEBOL/アルゼンチン)、CFパチューカ(CONCACAF/メキシコ)、ワイタケレ・ユナイテッド(OFC/ニュージーランド)。これに、アフリカ代表、アジア代表(アジアCLの優勝チーム)、開催国代表(J1優勝チーム)が加わり12/7(金)〜12/16(日の日程で行われる。舞台となるのは、国立競技場(東京)、豊田スタジアム(豊田)、横浜国際総合競技場(横浜)の三会場。今月号が発売されている頃には、既にアジアCLの優勝チームが決まっている。日本のクラブで初の決勝進出を果たした浦和レッズが優勝していれば、ワイタケレ・ユナイテッドとセパハンの勝者と準々決勝(12/10〜豊田スタジアム)で戦い、このゲームに勝利すれば、準決勝(12/13)でミランと対戦する。万が一、アジアCL決勝で敗れてもJ1で優勝すればクラブW杯に出られる。その場合は、開幕戦(12/7)でワイケレ・ユナイテッドと対戦しそれに勝つと準々決勝(12/10〜豊田スタジアム)でセパハンと対戦する。このセパハンに勝って、初めてミランと対戦できるということだ。世界の舞台でレッズがどこまで戦えるのか楽しみだ。(2007.11)


#50 ACLの激しい闘い 

明暗を分けたACL(アジア・チャンピオンズ・リーグ)の決勝トーナメントの浦和と川崎。準々決勝第2戦、浦和はアウェーで全北(韓国)に2−0で勝利し準決勝に駒を進めたが、セパハン(イラン)をホーム等々力に迎えた川崎はスコアレスドロー(0−0)の末、PK戦で破れた。両者の差はもはや選手のスキルとかコンディションでは計り知れない、クラブチームとしての成熟度の差なのかもしれない。韓国の全州に1万3000人の観客を集めて行われた全北―浦和戦など、サッカーの試合かというようなひどい試合だった。明らかに足首を狙ったタックル、意味のない接触プレイ、顔に肘うちを喰らったDF闘莉王(26)は頬に穴が空いた。ベンチのオジェック監督(59)に強烈シュートを打つ全北のFW。敗戦後、4000人の浦和サポを取り囲む現地警備員。ま、これが本当の意味でのアウェーということなんだろう。特に国内ではほとんどのスタジアムをホーム化する浦和にとっては貴重な経験になったということだ。準決勝は10/3(水)と102(水)。相手はまたしても韓国の城南一和。きびしい戦いの先にはクラブW杯がある。一方の川崎だが、ACLがらみで問題が起きている。イランで行われたACL準々決勝第1戦・セパハン戦(9/19)のあとのJ1柏戦(9/23)で先発メンバーを8人も入替えたことが問題視されているのだ。「当該試合直前のリーグ戦5試合のうち、1試合以上先発メンバーとして出場した選手を6人以上含まなければならない」というJリーグのルールには抵触していないし、事前にJリーグに問い合わせ、「問題ない」という回答を得ているという。 しかし、Jリーグの犬飼専務理事(65)が問題視しているのは、イランでのセパハン戦の復路(一部区間)のチャーター便のコスト(数百万円)を日本サッカー協会とJリーグが負担したのに、その直後のゲームでスタメンを8人入替えたことらしい。犬飼専務理事の「ファンを裏切った」という言い分も判らぬではないが、選手のことも考えてくれ。中村憲剛(26)なんて、もうヘロヘロなんだから……。(2007.10


#49 三浦アツ移籍問題

アジア杯による中断を終え、第19節(8/11)からJ1が再開。そんな中、元日本代表MFの三浦淳宏(32)の移籍問題がスポーツ紙を賑わせている。ことの発端は今年6月。サテライト・リーグの名古屋戦で、三浦がJ1神戸監督の松田浩(46)を批判。10日間の謹慎処分を課せられたところから始まる。しかし、三浦は「批判はしていない」と反論。松田監督は三浦を試合から干すカタチで報復。そして7月、三浦が神戸を強行退団する旨を発表。神戸での契約は、来年1月末まで残っているのにもかかわらず……だ。そこで神戸・安達社長は移籍やむなしの結論を出す。それを受けて、J1横浜FCをはじめ複数のクラブが三浦に興味を示したが、神戸側はJ1のチームには移籍させない、という方針を打ち出した。それならばと、三浦はJ2福岡との移籍交渉に入った。そもそも、神戸監督の松田浩とはどんな男なのか。筑波大からマツダ(東洋工業)に入り、サンフレッチェ広島やヴュッセル神戸で選手としてプレイ。 05年にはJ2アビスパ福岡の監督としてJ1昇格を果たし、翌06年にはJ2ヴュッセル神戸の監督として再びJ1昇格を果たした。しかも、神戸監督として入替戦に臨んだ相手が、奇しくも古巣福岡だったのだから面白い。自分でJ1に昇s格させたクラブを翌年、敵になってJ2に降格させたということだ。福岡サポーターの神経を逆なでするに余りある、悪魔の所業である。その入替戦で勝利し、神戸の一員として男泣きしたのが三浦だ。三浦は熱い男である。05年に神戸に移籍してJ2降格。J1のクラブに移籍するとみられていたが、降格は自分の責任だとして神戸に残り、松田監督とともに1年でJ1昇格を果たしたのだ。何やら因縁めいた松田と三浦だが、三浦が福岡に移籍したらどうなるだろう。現在、J2で4位の福岡が来季J1昇格を果たしたら、神戸との対決が実現する。博多の森にしろ、ホームズスタジアム神戸にしろ、戦いの場が修羅場と化すことは間違いない。(2007.08


#48 アジアの夏

最終節までもつれたリーガ・エスパニョーラは、結局レアル・マドリーが優勝。2位バルサは勝ち点でレアルと並んだものの、該当チーム同士の勝敗(レアル1勝1分)により三連覇を逃した。かつては銀河軍団の異名をとったレアルだが、前回優勝した2002年−2003年シーズン以来、4年も優勝から遠ざかっていたことになる。そのころチームにいたフィーゴ(34)もロナウド(30)もチームにはいない。さらには、今季限りでベッカム(32)はアメリカへ、ロベルト・カルロス(34)もジーコ率いるトルコのフェネルバフチェに移籍することが決まっている。その代わりというわけではないが、近年はマンチェスター・ユナイテッドからファン・ニステルローイ(31)、サントスからロビーニョ(23)、ローマからカッサーノ(25)、ユヴェントスからカンナバーロ(33)を次々に獲得。今季、カペッロ監督(61)がベッカムをベンチに置いていた期間があったように“名より実”というチームマネージメントが功を奏した印象の優勝である。アジアでの戦いが佳境を迎えた。まずは、アジアCLの決勝トーナメント。浦和は全北(韓国)と川崎はセパハン(イラン)とそれぞれ9/19と9/26に対戦。これに勝つと、10/3と1026に準決勝を戦う。浦和の相手は城南(韓国)とアルカラマ(シリア)の勝者、川崎の相手はアルワハダ(UAE)とアルヒラル(サウジアラビア)の勝者。決勝は11/と1114。浦和と川崎が決勝を戦う可能性もゼロではない。今から楽しみだ。そして、北京五輪のアジア最終予選。日本五輪代表は、サウジアラビア、カタール、ベトナムとともにC組に入った。8/22のベトナム(H)を皮切りに9/8にサウジアラビア(A)、9/12にカタール(H)、1017にカタール(A)、1117にベトナム(A)、1121にサウジアラビア(H)と対戦する(Hはホーム、Aはアウェイ)。各組ともに1位しか五輪出場権を得られないため、きびしい組に入ってしまった感じだが、ここが反町監督(43)の腕の見せどころ。アジアの夏は多湿にして酷暑。ハードな戦いになりそうだ。朋輩。(2007.07


#47 ミランが欧州CLを制す

 

欧州CL決勝、ACミラン−リヴァプールは、2−1でミランが勝ち、4シーズンぶり7回目の優勝を決めた。2年前の決勝(同じカード)でリヴァプールに3−0から3−3に追いつかれ、挙句の果てにPK戦で敗れたミランが、2年越しの雪辱を果たした。得点王は10得点を挙げたミランのMFカカ(25)。決勝でもゴールこそないものの、ミランの2得点に絡んでいる。1点目は、カカが倒されて得たFKをMFピルロ(28)が蹴り、FWインザーキ(33)の体に当たって(ハンド!?)ゴールインしたもの。2点目もインザーキへのスルーパスを通したカカのアシストによるものだ。これで、ミランは年末に日本で開催されるクラブW杯への出場権を手にした。一方、アジアCLで決勝トーナメントまで勝ち進んでいる浦和か川崎がアジアCLを制すことができれば、ミランと戦うことになるわけだ。スペイン勢同士の顔合わせとなったUEFA杯決勝、セビリア−エスパニョールは、2−2で延長戦を終えたのちのPK戦を制してセビリアが優勝カップを手にした。欧州各国のリーグについてまとめておきたい。セリエA(イタリア)はインテルがスクデッドを手にしたが、来季は欧州CLを制したミラン、セリエBで圧倒的な強さを見せセリエA昇格を決めたユヴェントスという“前門の狼・後門の虎”とも戦わなければならない。プレミア・リーグ(イングランド)はマンチェスターUが4年ぶり16回目の優勝を果たした。ブンデス・リーガ(ドイツ)は、シュツットガルトが優勝。フランクフルトのFW高原(28)は11得点を挙げチームの1部残留に貢献。スコットランド・リーグはMF中村俊輔(28)所属のセルティックが優勝。スコットランド杯も制して国内2冠に輝いた。また、DF宮本(33)とMF三都主(29)が所属するオーストリア・リーグのザルツブルグは見事優勝を飾ったが、MF中田(29)が所属するバーゼルはスイス・リーグの優勝を勝ち点1差で逃した(スイス杯は制した)。そして、我らがジーコ(54)率いるフェネルバフチェは見事、トルコリーグで優勝を飾った。(2007.06


#46 プレミアリーグ最強伝説

今季、欧州CLの準決勝に残ったのはチェルシー、リヴァプール、マンチェスター・ユナイテッド、そして、ACミラン。実に3チームがプレミアリーグのクラブである。これすなわち、イングランド・プレミアリーグが「世界最強リーグ」であることの証明である。かつて、三浦和良がジェノアと契約して1シーズンに1得点しかできなかった頃(94年)、セリエAが「世界最強リーグ」と謳われていた。思えば、ジダンもロナウドもR・カルロスも、みんなイタリアにいた。それ以前にも、ジーコ、マラドーナ、カレッカ、プラティニ、フリット、ライカールト、クライファート、パパンといったスタープレーヤーたちがセリエAでプレイしていたのだ。そうこうするうちに、サッカーの神様はイタリアから去り、スペインのピッチに舞い降りた。90年代末のことである。99年〜00年シーズンの欧州CLベスト4は、レアル・マドリー、バレンシア、バルセロナ、バイエルン・ミュンヘン(優勝はレアル・マドリー)と3チームがリーガエスパニョーラ(スペイン・リーグ)のクラブだった。その2年後の02年〜03年シーズンこそ、ACミラン、ユヴェントス、インテル・ミラノ、レアル・マドリー(優勝はACミラン)とセリエAの3チームが息を吹き返すが、この後、イタリアリーグは八百長事件で失速する。そして今、サッカーの神様はイングランドのピッチにいる。その牽引役はロシアの石油王・アブラモビッチをオーナーに持つチェルシーだ。そして、マンチェスターUとリヴァプールもアメリカの大富豪が買収。潤沢な資金力はスタープレーヤーのほかサッカーの神様をも引き寄せるらしい。さて、中田英寿が未だ自分探しの旅から帰らないうちに、J1の浦和と川崎がACLの決勝トーナメント進出をほぼ確実にした。かつては、鹿島、横浜M、G大阪がアジアの壁に悉く玉砕。勝ち残ったことがあるのは磐田だけだったことを思えば快挙に等しい。その一方、今ひとつ波に乗れないのが鳴り物入りで昇格した横浜FC。早くも高木監督は、選手の補強をフロントに要請したが……。(2007.05


#45 オシムJAPAN、見えてきた

オシムが海外組を召集して戦った国際親善試合・対ペルー代表戦(3/24)は、2−0で日本代表が勝利をおさめた。このゲームには、ドイツ・ブンデスリーガで今季10得点を挙げている高原直泰(27)と欧州CLの決勝トーナメントで世界にその名を轟かせた中村俊輔(28)、それに久しぶりに代表に復帰した中澤(29)が顔を揃えた。彼ら3人が、今やオシムJAPANの顔となりつつある鈴木啓太(25)、闘莉王(25)、阿部勇樹(25)、巻(26)らと化学反応を起こすとこのチームはどうなるのかという興味が湧く、わくわくするゲームだった。結果、海外組の2人が能力の高さを見せつけた。中村俊輔のFKは今更ながらに素晴らしかった。セットプレイが日本代表の大きな武器になることも分かった。阿部勇樹、鈴木啓太、遠藤(27)らが中盤でのプレスを強め→ボールを奪って素早くカウンター→相手のDF体型が整わずファールで止める、というケースがふえれば中村俊輔のFKが生きてくるし、得点力も上がる。高原の持つポテンシャルの高さにも改めて驚かされた人は多いと思う。FKをワントラップして、振り向きざまにシュートできるスキルはまさにワールドクラスだ。しかし、ここまではいってみればジーコJAPANの発展形でしかない。俊輔のFKが凄いことなんて誰でも知ってるし、キレたときの高原は手がつけられないのも周知の事実である。むしろ注目してほしいのは、後半40分からの日本代表の攻撃だ。中村憲剛(26)を中心に、水野(21)、家長(20)、羽生(27)、藤本(23)らが水を得た魚のように自由にピッチ上を動き回り、何度も左サイドを切り裂いた。中盤でボールを奪ってから攻撃に移るとき、ブルーのユニフォームの選手たちがサーッと攻め上がるシーンは衝撃的ですらあった。これぞ、オシムJAPANのほんとうの姿なのだ。オシムは試合前「このチームは中村と高原のチームではない。2人を特別扱いはしない」といった。また「このチームは彼ら2人のチームでもない」とも……。まったくそのとおりである。オシムJAPANがこのまま進化していけば、中村と高原のレギュラーも決して安泰ではない。(2007.04


#44 ダービーマッチについて考える

昨季、J2で7位に終わり1年でのJ1返り咲きが叶わなかった東京ヴェルディは注目だ。磐田からMF名波(34)をレンタルで、MF服部(33)を完全移籍で、昨季はJ2札幌で25得点したFWフッキ(20)をF川崎からレンタルで、J2柏でプレイしていたMFディエゴ(22)をパルメイラスから完全移籍でそれぞれ獲得。今季から、シーズン前の海外キャンプを中止し、宮崎で合宿することにより他チームとの練習試合を多く組んだ。同じドーハ組だった横浜FCの高木監督(39)にJ1昇格で先を越されたラモス瑠偉監督(50)の今季は正念場である。一方、服部、名波に続いてMF福西(30)がFC東京に移籍し、黄金期を支えたメンバーがほとんどいなくなった磐田。3年連続の無冠を返上すべくアジウソン監督(39)に託されたが手腕やいかに。さて、本来のダービーマッチは同じ都市はもちろんのこと、同じスタジアムでホームゲームを行うクラブチーム同士の戦いをいう。そういう意味で元祖ダービーマッチだったあの「横浜ダービー」が帰って来る。横浜フリューゲルスが99年に消滅して以来、実に8年ぶりの「横浜ダービー」だ。横浜Fマリノス−横浜FCという顔合わせで実現する新「横浜ダービー」の舞台は三ツ沢競技場。ライバルの横浜FCに移籍したFW久保(30)やMF奥(31)に対するFマリノスサポの嵐のようなブーイングが今から聞こえてくるようだが、Fマリノスにはレッドスター・ベオグラードを退団したFW鈴木隆行(30)らが加入。古巣に復帰した早野監督(51)が横浜FCの挑戦を受けて立つ。また、大宮が合併してさいたま市になり、ともに埼玉スタジアム2002を本境地とするようになってからは浦和−大宮戦もダービーマッチと呼べる条件が整ったが、この「さいたまダービー」、ミラノダービーのような大相撲の“同門対決”的な緊張感には欠ける。味の素スタジアムを本拠地とするチーム同士の「東京ダービー」(FC東京−東京ヴェルディ)と万博記念公園競技場と長居陸上競技場の2ヶ所で行われる「大阪ダービー」(ガンバ大阪−セレッソ大阪)は、残念ながら該当チームがJ1とJ2に分かれているため今季のリーグ戦では実現しない。(2007.03


#43 ベッカム、ファルカン、セルジオ越後

元イングランド代表のデビット・ベッカム(31)が米国MLSのLAギャラクシーに移籍する。友人のブラッド・ピットの勧めによるアメリカ移籍らしく、その裏にはハリウッド進出を狙うビクトリア夫人の思惑も交差する。この移籍報道に関して、かつてグランパスでプレイしたことのあるゲイリー・リネカー(46)が、「私もかつて日本で同じようにサッカーを紹介する仕事をしたことがあるが、これは半ば引退だ」と発言した。そうか。半ば引退してたから名古屋にいた2年間で通算4得点しかできなかったのか!? また、トルシエが日本代表監督をしていた頃、ブラジル国内向けに放映されていた日本代表のゲームをパウロ・ロベルト・ファルカン(53)がこんな解説をしていた。「このトゥルシエというフランス人は、コートジボワールとか南アフリカなんていう僻地に行っちゃあ代表監督をして稼いでる男だ。今は日本の監督をしてるなんて、よっぽどヒマなんだな。わはは」。おめぇよ、オフトのあとに日本代表監督になってすぐクビになったのって誰だっけ!? ついでにもうひとつ。昨季、スコットランド・プレミアリーグを制したセルティックが優勝セレモニーを行っていたとき、選手のひとりひとりが優勝カップを持って天に掲げたりする様子をアップでOAしていたTV中継が、中村俊輔(28)のときだけ別の絵を抜いた(熱狂する観客)。誰のおかげで優勝できたと思ってんだ!?J1と天皇杯の2冠を達成した浦和レッズを、チェルシーのようだと揶揄するサッカー人がいるのだ。笑止千万である。浦和がいつ石油マネーで選手を引っぱって来た!?いうまでもないが、観客動員をはじめとする企業努力でJリーグ屈指の収益をあげ、その資金で必要な選手を獲得しているだけだ。それから、浦和は外人が5人もいるから優勝して当たり前、などと眠たいことをいう日系ブラジル人がいる。これも笑止。少年サッカー教室ばっかりやってないで、まずはラモスのようにJの監督をおやりなさい。そして、批判を浴び、苦労しなさい。越後屋さん。(2007.02


#42 国内外のカップ戦情報

今月は国内外のカップ戦と欧州CL情報をお届けします。まずは、千葉が2連覇を達成したナビスコ杯の組合せから。●A組/千葉、G大阪、神戸、広島●B組/大宮、柏、横浜、清水●C組/FC東京、横浜FC、磐田、大分●D組/鹿島、甲府、新潟、名古屋。アジアCLに出場する浦和と川崎は、決勝トーナメントからの出場(シード)となる。続いて、今年の7/7〜29にかけて行われる、アジア杯(インドネシア・タイ・マレーシア・ベトナム共催)の組合せ。●A組/タイ、オーストラリア、オマーン、イラク●B組/ベトナム、日本、カタール、UAE●C組/マレーシア、イラン、ウズベキスタン、中国●D組/インドネシア、韓国、サウジアラビア、バーレーン。各組ともにリーグ戦を行い、上位2チームが決勝トーナメントに進出する。日本はカタール、UAEという中東の強豪と同組に入り、苦しい戦いを強いられそうだ。そして、欧州チャンピオンズリーグも決勝トーナメントに突入。第1戦は2/2021、第2戦は3/6、7という日程で、組合せは次の通り。●ポルト(ポルトガル)−チェルシー(イングランド)●セルティック(スコットランド)−ACミラン(イタリア)●PSVアイントホーフェン(オランダ)−アーセナル(イングランド)●リール(フランス)−マンチェスターU(イングランド)●ASローマ(イタリア)−リヨン(フランス)●FCバルセロナ(スペイン)−リバプール(イングランド)●Rマドリード(スペイン)−バイエルンミュンヘン(ドイツ)●インテルミラノ(イタリア)−バレンシア (スペイン)。見どころは、中村俊輔(28)が芸術的フリーキックを決めてサン・シーロを凍りつかせられるか、そして、昨年末のクラブW杯の決勝で惜しくもインテルナシオナルに敗れて世界一を逃したバルサが、欧州CLを再び制して世界一を目指せるかどうかの二点だ。(2007.01


#41 オシムの通信簿

オシム(65)が日本代表の監督に就任してから約半年が過ぎた。当初は好印象だったものの、ここへ来て彼の采配に疑問を投げかけるマスコミも目立ってきた。そもそも、ほんとうにジーコJAPANはだめだったのか。W杯後に漏れ伝わってきたように中田英寿(29)がチーム内で孤立していたとしたならば、ジーコは代表から彼を外すべきだったのではなかったか。スポンサーへの配慮を度外視して三浦和良(39)を切った岡田武史(50)ように、だ。こうした敗戦についての検証を一切行わないまま、日本サッカー協会の川渕某と一緒になって「オシムJAPAN誕生」というトピックスに便乗したマスコミも悪い。しかし、記者会見でオシムの名前を出すことによってマスコミの責任追及をケムに巻いた日本サッカー協会の隠蔽体質は万死に値する。ジーコJAPANには、マンチェスター・ユナイテッドをフリーキック一発で沈めることのできる中村俊輔(28)がいて、親善試合とはいえドイツ代表から2得点した高原(27)がいた。彼らを一度も招集しない代表監督を、我々はどう評価すればいいのか。そもそも羽生(27)や山岸(23)はほんとうに代表キャップを重ねるべき選手なのか。彼らは、田中隼磨(24)や山瀬(25)や長谷部(22)よりもポテンシャルが高いのか。ただ、千葉のサッカーが分かっているだけではないのか。そんなに千葉のサッカーが素晴らしいなら、なぜナビスコ杯でしか勝てないのか。もっというと、千葉のサッカーをそのまま代表に移植して世界で戦えるのか。結論からいうと、この半年で私はオシムに失望した。もちろん、Jリーグで結果を出した若手FWをすぐ召集するあたりはいい。しかし、一方で結果を出していないFWまで先発で使い続けているのはいかがなものか。自らのストラテジーを浸透させたいのなら、むしろ千葉以外のチームの選手を積極的に召集すべきではないのか。千葉の選手はできて当たり前なのだから。いずれにしろ、07年のアジア杯が楽しみだ。結果がでなければ、すぐに監督の去就問題が湧き上がる。もとより日本サッカー協会は、あの老人と心中する気などさらさらない。(2006.12


#40 ユヴェントス好発進!

セリエBがかつてない盛り上がりを見せている。その中心にいるのが手負いの虎・ユヴェントスだ。FWデルピエーロ(32)とFWトレゼゲ(29)の2トップは健在。彼らとともにチームに残ったMFネドベド(34)やMFカモラージ(30)、GKブフォン(28)らと力を合わせ、開幕戦で引き分けたあと6連勝を飾っている。これで本来、勝ち点19になるところだが、不正問題のペナルティであらかじめ勝ち点17を剥奪されているので勝ち点2になるわけだ。それでも、このペースでいけばセリエA自動昇格の権利が与えられている3位以内に食い込むことも夢ではない。1年でのセリエA復帰が今から楽しみである。さて、J1の優勝争いは、浦和レッズとガンバ大阪の一騎打ちの様相を呈してきた。爆発的な攻撃力でゲームを支配してきたガンバに対して、レッズは鉄壁の守りが身上。零封さえできれば勝ち点1を手にすることができるサッカーをいうスポーツのレギュレーションを考えるとき、やはり浦和レッズのアドヴァンテージは動かし難いといえる。いずれにしろ最終節(12/2)の直接対決まで優勝争いがもつれ込むこと必至だ。さらに注目なのが得点王争い。ワシントン(31=浦和)、マグノアウベス(30=G大阪)、ジュニーニョ(29=川崎)と上位3人は優勝争いをする3チームのエース・ストライカーで、いずれも外国人選手。争いは熾烈だ。それに続くのは、播戸(27=G大阪)、佐藤寿(24=広島)、我那覇(26=川崎)という若きストライカーたち。ともにオシムJAPANの定位置を争う逸材である。さて、優勝争いからは少し遅れをとったが、川崎フロンターレは面白いチームになった。FW我那覇を筆頭に変幻自在のMF中村憲剛(26)、野性味溢れる右サイドのMF森(26)など魅力的な選手が多い。特に、ファンタジスタ・中村憲剛はプレイスタイルからフィジカル弱そうな雰囲気まで中村俊輔(28)にそっくり。兄弟か、と見まがうばかりだ。彼らにFWジュニーニョが絡む多彩な攻撃は、少なくとも千葉の“貧乏ヒマなし”サッカーよりも見ていて面白い。(2006.11


#39 欧州CLスタート!

Jリーグ各チームの昨年度の収支決算が発表された。J1で営業収入(広告料や入場料)トップになったのは58億500万円の浦和レッズ。選手の年棒など諸経費を差し引いた経常利益でも3億7100万円の黒字となった。一方、J1でもっとも営業収入が少なかったのは15億200万円の大分トリニータ。しかし、経常利益でワーストとなったのはヴュッセル神戸で、18億5000万円の営業収入に対して10億5400万円の赤字を計上した。経営努力、という言葉の意味を一度あのIT寵児の社長さんに問うてみたい気がする。ここで、海外組の情報をまとめてみたい。セルティック(スコットランド)の中村俊輔(28)は、欧州CLの予選リーグ、マンチェスターU戦でFKからのゴールを決めるなど好調な滑り出し。ウエスト・プロムウィッチ(イングランド)から急遽トルコのガラタサライに移籍した稲本(27)も、さっそく欧州CLの予選リーグに出場。チームの勝利に貢献。フランクフルト(ドイツ)の高原(27)とルマン(フランス)の松井(25)はともに、数試合フル出場を果たすなど、好調なスタートを切った。セリエAには、メッシーナの小笠原(27)、トリノの大黒(26)、カターニャの森本(18)がいる。三人とも今季移籍したばかりだが、セリエAの激しいサッカーに一日も早く慣れることが先決。また、中田浩二(27)はバーゼル(スイス)、鈴木隆行(30)はレッドスター・ベオグラード(セルビア・モンテネグロ)で、それぞれ2季目を迎えた。面白いところでは、昨季まで南米(パラグアイ、メキシコ)でプレイしていた元・名古屋の福田健二(28)がいる。今季からスペイン2部リーグのヌマンシアにレンタル移籍。彼はかつてシドニー五輪・日本代表で活躍した逸材。2部とはいえスペインでレギュラーに定着して大暴することがれできれば、フル代表(01年の日本代表候補)に召集される道もまだある。スペイン語圏をひょうひょうと渡り歩くサムライ・ストライカーに、ちょっと注目してみたい。(2006.10


#38 オシムJAPAN始動

90分間走れること。そして走りながら考えること。日本代表監督オシムの要求は、この2つ。彼が召集した新チームには、田中隼磨(24)や田中達也(25)などよく走る選手が集まった。あとはゴール前でのアイデア不足解消が課題。そこで待望されるのがやはりあの男、MF小野伸二(26)である。オシムが率いた90年のユーゴ代表には、ストイコビッチもサビチェビッチもいた。彼らだってチームが求めれば走ってみせた。伸二、ピルロのように走るべし! さて、欧州CLの1次リーグの組合せが発表されたので列挙する。●A組/バルセロナ(スペイン)、チェルシー(イングランド)、ブレーメン(ドイツ)、レフスキ・ソフィア(ブルガリア)●B組/インテル・ミラノ(イタリア)、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、スポルティング・リスボン(ポルトガル)、スパルタク・モスクワ(ロシア)●C組/リヴァプール(イングランド)、PSVアイントホーフェン(オランダ)、ボルドー(フランス)、ガラタサライ(トルコ)●D組/バレンシア(スペイン)、ローマ(イタリア)、オリンピアコス(ギリシャ)、シャフタル・ドネツク(ウクライナ)●E組/レアル・マドリード(スペイン)、リヨン(フランス)、ステアウア・ブカレスト(ルーマニア)、ディナモ・キエフ(ウクライナ)●F組/マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)、セルティック(スコットランド)、ベンフィカ(ポルトガル)、コペンハーゲン(デンマーク)●G組/アーセナル(イングランド)、ポルト(ポルトガル)、CSKAモスクワ(ロシア)、ハンブルガーSV(ドイツ)●H組/ACミラン(イタリア)、リール(フランス)、AEKアテネ(ギリシャ)、アンデルレヒト(ベルギー)。各組ともにホーム&アウェイ式の総当りリーグ戦を行い、上位2チームが決勝トーナメントに進出する。中村俊輔(28)がいるセルティックは、マンチェ、ベンフィカ、コペンハーゲンと同じF組。本場ヨーロッパの大舞台で、マンチェ相手に芸術的なFKを決める俊輔の姿が見られるかも!?2006.09


#37 イタリアの八百長騒動

中田英寿引退。ジダンの頭突き。そして、W杯が終わった。W杯のトロフィーを手にしたイタリアは八百長疑惑で大揺れで、4チームに厳しい裁定が下った。まずは、名門ユヴェントス。20042005シーズンと20052006シーズンの優勝タイトルを没収。さらには来シーズンのセリエB降格、勝ち点マイナス17ポイントからのスタート。そして、観客試合を3試合行うことが義務付けられた。ジリ会長はこの裁定を不服とし、上訴を表明。ACミランは、セリエB降格の裁定が覆り、一転セリエAに残留。勝ち点マイナス8ポイントからのスタートで、ホームでの無観客試合を1試合。ただ、昨季は3位扱いになり、欧州CLの予備予選3回戦からの出場が可能となった。フィオレンティーナは、セリエB降格は逃れたものの、勝ち点マイナス19ポイントからのスタート。観客試合3試合が課された。ラツィオもセリエA残留。勝ち点マイナス11ポイントからスタートで、観客試合は2試合。ただし、フィオレンティーナとラツィオはUEFA杯出場権を求めて上訴する方針だ。そうなると、どのチームも財政難に陥るため、主力選手の放出を余儀なくされる。ユヴェントスは、イタリア代表DFのカンナバーロ(32)とブラジル代表のMFエメルソン(30)をレアル・マドリーに、フランス代表DFのテュラム(34)とイタリア代表DFザンブロッタ(29)をバルセロナに放出。イタリア代表GKのブフォン(28)とイタリア代表FWのデルピエーロ(31)は残留を表明したものの、大幅な戦力ダウンは否めない。新しくユヴェントスの監督を引き受けたデシャン(37)も、「セリエA昇格どころか、C落ちの危機でもある」と語った。こうなったら、死に物狂いでコッパ・イタリアあたりを獲りにいくしかない。一方で、セリエAに昇格したものの財政難に苦しむ弱小クラブが、世界中の契約金の安い若い選手を物色中で、カターニヤが東京VのFW森本(18)を獲得。トリノもFC東京のMF今野(23)に触手を伸ばしている。彼らがイタリアで経験を積んでくれれば、W杯南アフリカ大会への希望の星になる。(2006.08


#36 ドイツW杯惨敗

ドイツW杯・予選F組。日本1−3オーストラリア/日本0−0クロアチア/日本1−4ブラジル/2敗1分けの勝ち点1。グループリーグを最下位で敗退。これが日本代表の実力である。とにかく、クロアチア―戦以外はちんちんにやられたゲームである。高さ(オーストラリア)にも弱い、テクニック(ブラジル)にも弱い。対戦相手はとうの昔に分かっていたはずなのに準備ができていなかった。ジーコよ、我々日本人はブラジル人ではないのだ。いざとなったときに、中村俊輔(27)は無力でした。なぜならば、俊輔はブラジル人ではないからです。さよならジーコ。さて、今大会での敗因の一つにコンディション不良が挙げられる。そもそも、大会直前にドイツ戦を組む必要があったのか。ドイツ相手に善戦したところで、本大会で勝ち点1しか取れないのでは意味がないのではないか。それから、オーストラリア戦とクロアチア戦の2試合に関していえば、現地時間午後3時スタートという試合時間は妥当なのか。テレビ局が視聴率を稼ぐために日本代表は戦っているのか。酷暑の中でスピードとスタミナを奪われた日本代表が、本来のパフォーマンスを見せられるのか。視聴率のために犠牲をしなければいけないのか。電通は儲かればそれでいいのか。選手のコンディションと引き換えに52%の視聴率を得たテレビ朝日が、選手に対してもっと戦う姿勢をみせろなどと批判できるのか。川淵キャプテン(69)は選手を守るべきではないのか。DF松田直樹(29)とジーコとの仲を取り持ってでも松田をドイツに連れて行くべきではなかったのか。さようなら川淵キャプテン……といいたいところだが、彼は辞任をしないらしい。ならばあえていおう。次期代表監督の人選は、間違っていない。オシム(65)なら適任だ。願わくば、彼の手足となって今度こそ走り回ってほしい。次のW杯まであと4年しかないのだから。(2006.07


#35 いよいよドイツW杯

FW巻(市原=25)がメンバー入りし、FW久保(29)が落選したジーコJAPAN。平均年齢が27歳、もっとも若い選手がDFの駒野(広島=24)とDF茂庭(東京=24)いう脂の乗ったチームになった。ただ、イングランドを見習ってFW平山(ヘラクレス=20)を入れろとはいわないが、せめて長谷部(浦和=22)、松井(25=ルマン)、阿部(千葉=24)あたりはドイツに連れて行ってほしかった。8年前の小野伸二(浦和=26)のように……。彼らを代表入りさせなかったジーコの頭の中には、ブラジル代表監督として4年後の南アフリカ大会で優勝する、という青写真があったはずだ。だから、4年後に自らのクビに刃をつきつける存在にならぬように若い芽は摘んでおく。しれーっとした顔で将来性のある長谷部や松井を切ることができる文化があるからこそ、ブラジルサッカーは強いのだ。さて、この号が発売される頃は、ちょうど日本がW杯予選リーグを戦っているはず。18日のクロアチア戦を終え、いよいよ22日のブラジル戦に臨むところだろう。願わくば、クロアチアには勝利して勝ち点3を取ってほしい。そうすればブラジルがジーコに敬意を表して、勝ち点1をプレゼントしてくれるかもしれない。それにしても、今大会のブラジルは凄い。バルサでリーガとCLを制したロナウジーニョ(26)をはじめ、アドリアーノ(24)、ロナウド(29)、カカ(24)、ロビーニョ(22)とどこからでも得点できる攻撃陣は世界最強を誇る。ただし、ロナウジーニョのコンディションいかんでは、苦戦を強いられる可能性もある。4年前、レアル・マドリーで2冠(リーガ&CL)に輝いたジダン(33)がどんな目に遭ったか思い出してほしい。優勝候補(前大会優勝)のフランスは無得点のまま予選リーグで姿を消したではないか! さらにいえばポルトガルのフィーゴ(33)もイングランドのベッカム(31)もイタリアのトッティ(29)も、横浜(ファイナル)のピッチに立つことはなかった。今大会は誰がベルリン(ファイナル)にピッチに立っているのか。(2006.06


#34 レッズの強さを探る

いよいよドイツW杯が目前に迫った。この号が発売される頃には既に最終メンバー23人が発表されていることだろう。今後の日本代表の予定は、530のドイツ戦(レバークーゼン)、64のマルタ戦(デュッセルドルフ)を経て、W杯本大会に突入。一次リーグは612のオーストラリア戦(カイザースラウテン)、618のクロアチア戦(ニュルンベルク)、そして、622のブラジル戦(ドルトムント)。わが日本代表の健闘を祈ろう! さて、J1は浦和レッズが好調である。その強さの秘密は、まるでチェルシーみたいだといわれる選手層の厚さにある。補強自体はそれほど大掛かりなものではなく、東京VからFWワシントン(31)とDF相馬(24)、京都からFW黒部(28)くらいなもの。むしろ、FWのエスクデロ(17)をはじめ、MF赤星(19)、MF細貝(19)などの有力な新人をユースから育てたという点に注目したい。その結果、ナビスコ杯予選では主力を休ませ、GKの山岸(28)を筆頭に、左サイドに相馬、FWの黒部、MF酒井(26)などがスタメンに顔を揃える布陣を取った。思えば、これほど明確にリーグ戦とカップ戦を使い分けるいわゆる“ターンオーバー制”を実現できたチームは日本にはなかった。こうしたチーム作りができて初めてビッグクラブと呼べるわけで、ACLなどに参加するチーム体力を備えたといえる。今季の浦和はとにかく中盤が凄い。ポンテ(29)、小野(26)、山田(30)、三都主(28)、長谷部(22)といった個人技の高くイマジネーション溢れる選手たちがポンポンとワンタッチでボールをつなぎ、FWのワシントンが重戦車のようにゴールに向かう。チェルシーというよりバルサに近い! 俊足DF坪井(26)を中心にしたDFラインも強固で、浦和から2点以上の得点をするのは至難の業になっている。絶好調の浦和に対抗し得るのは、FWマグノアウベス(30)、MFフェルナンジーニョ(25)らの個人技を中心にした攻撃サッカーが効を奏しているG大阪くらいか。(2006.05


#33 ドイツ遠征のメンバーで占うW杯

ドイツW杯まで3ヶ月を切った。今月30日のエクアドル戦(大分スタジアム)、5月中旬のキリン杯(スコットランド戦、ブルガリア戦を予定)というスケジュールを経て、W杯のメンバーが決まる。メンバー発表には毎回ドラマがある。「外れるのは、カズ。三浦カズ」という岡田武史(49)の名言(!?)が印象的だった8年前のフランス大会。そして、トルシエ(50)がMF中村俊輔を外し、FW中山(38)とDF秋田(34)を急遽召集するという不可解なメンバー選考をした4年前の日韓大会。今年もサプライズはあるのか。ということで、参考までに先のドイツ遠征でのメンバーを列挙してみよう。■GK■#23川口能活(30=磐田)/#41下田崇(30=広島)/#42都築龍太(27=浦和)■DF■ #2田中誠(30=磐田)/#5宮本恒靖(28=G大阪)/#14三都主アレサンドロ(28=浦和)/中沢佑二(27=横浜)#22/中田浩二(36=バーゼル)#6/坪井慶介(26=浦和)#20/加地亮(25=G大阪)#21/#31駒野友一(25=広島)/#24茂庭照幸(24=FC東京)■MF■#15福西崇史(29=磐田)/#7中田英寿(29=ボルトン)/#10中村俊輔(27=セルティック)/#8小笠原満男(26=鹿島)/#29稲本潤一(26=ウエストブロミッチ)/#18小野伸二(26=浦和)/#4遠藤保仁(25=G大阪)/#34松井大輔(24=ルマン)■FW■#9久保竜彦(29=横浜)/#13柳沢敦(28=メッシーナ)/#32高原直泰(26=ハンブルガーSV)/#16大黒将志(25=グルノーブル)〜このメンバーを基本にして、けが人やシステムの不備に対応してメンバーが入れ替わる感じになるだろう。ポイントは、得点力不足が慢性的な課題となっているFWの補強。高さのある平山相太(20=ヘラクレス)やスピードのある田中達也(23=浦和)はドイツのピッチで見られるか!?2006.03


#32 新生・東京ヴェルディに注目!

Jリーグは新シーズンを目前に控え、欧州でも移籍市場が解禁。ということで、日本人選手の移籍状況をチェックしてみたい。J1優勝を置き土産にG大阪のFW大黒(25)がフランス2部リーグのグルノーブルへ移籍。背番号9を背負って、欧州でのキャリアをスタートさせた。一方、J2落ちした柏からFW玉田(25)はJ1名古屋へ移籍。こちらは背番号11。日本代表クラスの若手FWの2人が明暗を分けた形となった。また、鹿島のFW鈴木(29)はセルビア・モンテネグロの古豪レッドスター・ベオグラード(ストイコビッチが現会長)からオファーを受け2年契約を結んだ。彼にとっては4カ国目・通算7チーム目となる今回の移籍は、レンタルではなく初の完全移籍だ。海外組では、中田浩二(28)がマルセイユからスイスのバーゼルへ移籍。レギュラーに定着できればW杯出場も見えてくる。フェイエノールトの小野(26)は浦和に復帰。国内でプレイしながらW杯に備えることになる。今シーズン最も注目なJリーグのチームは、ラモス瑠偉(48)が監督に就任した東京Vだろう。Jリーグ創設当時は常勝を誇っていたこのチーム、今季はJ2の公式戦のほか、05年の天皇杯を制したためACLを戦うタイトなスケジュールを強いられる。しかし、FWワシントン(30)とDF相馬(24)が浦和、MF林(33)が甲府、MF山田(31)がC大阪へそれぞれ移籍するなど、昨季の主力選手8人が離脱。チーム再建の必要に迫られたラモス新監督は浦和から柱谷(41)、J2仙台の監督だった都並(44)をコーチとして呼び戻し、日本代表のフィジカル・コーチだったフラビオ・も加えてスタッフを固めた。そして、川崎のFW飯尾(23)とC大阪のMF広山(28)を期限付き移籍から戻し、柏のMF大野(27)、琉球FCから元日本代表のベテランMF永井(34)を獲得。これに新外人3人を加えた戦力で今季を戦う。「今ある材料でおいしい料理を作ってみせる。ピッチに出たら鬼になる!」とラモスの鼻息も荒い。彼のもとで戦う集団に変身した東京VがJ2とACLを制するところ、ちょっと見てみたい。2006.02


#31 2006ドイツW杯・組合せ決まる

先月に続いて、いよいよ今年となったドイツW杯の話題。ご存じのとおり昨年末、本大会での組合せが決まった。日本はF組に入り、前回優勝のブラジル、クロアチア、オーストラリアと対戦することになった。日程は、6/12のオーストラリア戦(カイザースラウテルン)を皮切りに、6/18にクロアチア戦(ニュルンベルク)、6/22にブラジル戦(ドルトムント)。ともかく、初戦のオーストラリア戦にピークをもっていく努力をするべきだろう。ブラジルが2連勝してくれれば、日本戦でロナウジーニョ(25)、カカ(23)、アドリアーノ(23)といった主力選手を温存する可能性もある。そうすれば、日本の決勝トーナメント進出も見えてくる。他のグループも見てみよう。A組は、開催国ドイツ、パラグアイ、ポーランド、エクアドル。大黒柱のバラック(29)の活躍如何だが、実力で勝るドイツの決勝トーナメント進出は硬いところだ。B組はイングランド、パラグアイ、トリニダート・トバコ、スウェーデン。ベッカム(30)、ランパード(27)、ルーニー(20)といったタレントを揃えたイングランドと予選わずか4失点の堅守スウェーデンにパラグアイの攻撃サッカーをどこまで通用するかだ。C組はアルゼンチン、コートジボワール、セルビア・モンテネグロ、オランアと強豪が集まったいわゆる“死のグループ”。ジーコも「C組に入ってしまったら、という気持ちがあった」とコメントしたほどタイトなグループである。予想は難しいが、ファンバステン(オランダ監督)の「素晴らしいグループで戦えることが幸せだ」というコメントに期待もふくらむ。D組はメキシコ、イラン、アンゴラ、ポルトガル。多少地味なグループだが、メキシコとポルトガルが順当に勝ち上がりそうだ。E組はイタリア、ガーナ、アメリカ、チェコ。イタリアは前回の悪夢を払拭できるか、チェコはネドベド(33)の出場はあるのか。G組はフランス、スイス、韓国、トーゴ。フランスにとって韓国は厄介な相手になりそう。H組はスペイン、ウクライナ、チュニジア、サウジアラビア。スペインの勝ち上がりは確実。シェフチェンコ(29)を擁するウクライナがどれだけ戦えるか――。2006.01


#30 2006ドイツW杯・出場国出揃う

2006年ドイツW杯の出場国32カ国がすべて出揃った。駆け足で紹介してみたい。ヨーロッパは、開催国のドイツ(16)を筆頭に4年ぶりのオランダ(8)、前々回優勝のフランス(12)、3大会連続のイングランド(12)、プレイオフで前回3位のトルコを破ったスイス(8)、これまたプレイオフでスロバキアを下したスペイン(12)、ポルトガル(4)、イタリア(12)、古豪スウェーデン(11)、ネドベドを代表に戻してプレイオフを戦ったチェコ(9)、初出場となるウクライナ(初)、旧ユーゴのセルビア・モンテネグロ(10)、クロアチア(3)の14カ国。ロシア、デンマーク、アイルランド、ベルギー、スロベニアなど前回出場国は惜しくも涙を飲んだ。南米は、前回優勝ながら予選を戦ったブラジル(18)、アルゼンチン(14)、3大会連続の出場となるパラグアイ(7)、エクアドル(2)の4カ国。かつては強力2トップ(サモラーノ、サラス)で鳴らした古豪チリや大スターのバルデラマなきあと低迷を続けるコロンビアは惜しくも予選敗退。北中米カリブ海は、W杯常連になってきたアメリカ(8)、メキシコ(13)、コスタリカ(2)、トリニダート・トバコ(初)の4カ国。アフリカは、前回日本と対戦したチュニジア(4)、コートジボワール(初)、アンゴラ(初)、ガーナ(初)、トーゴ(初)と5か国中、4カ国が初出場。常連だったナイジェリアやエムボマでおなじみのカメルーンは予選敗退の憂き目にあった。アジアは、3大会連続出場となる日本(3)、韓国(7)、イラン(3)、サウジアラビア(4)といういつものメンツ。太平洋をまたいでのプレイオフに出場したバーレーンは、トリニダート・トバコ(北中米カリブ海4位)に破れ、アジア5つ目の枠を得ることはできなかった。前回出場の中国は予選の早い段階で敗退。そして、オセアニア1位のオーストラリアは南米5位のウルグアイをプレーオフ(しかもPK戦)で破り、なんと32年ぶりの出場権を得た。オーストラリアの監督は前回、韓国を率いて3位になったあのヒディングである。オーストラリア―韓国戦が実現したら、ちょっと面白い。※( )の数字は出場回数。(2005.12


#29 世界クラブ選手権

この時期になると、Jリーグも優勝争いのほか、昇格&降格の行方で盛り上がる。現在はJ1の17位と18位が自動降格、その代わりにJ2の1位と2位が自動昇格する規定になっている。さらには、J1の16位とJ2の3位による入替え戦もある。10月末時点では、J1は神戸の降格はほぼ間違いないところで、柏、清水、大宮、東京Vの4チームがボーダーライン上にいる状態。J2は京都が早々と2位以内を確保してJ1昇格を決め、3位に勝ち点10以上の差をつけている福岡も昇格のキップをほぼ手中に収めたといっていい。残る入替え戦の出場権を巡って甲府、仙台、山形、札幌がしのぎを削っているが、実力拮抗の4チーム、どこが3位になってもおかしくない。ただ、J1の16位チームはなかなか勝たせてくれないので、できれば2位以内に入りたいところだ。さて、年末恒例のトヨタ杯は、04年をもって発展的解消。世界クラブ選手権に新装開店した。これまでのように欧州チャンピオン(UEFAチャンピオンズリーグの覇者)と南米チャンピオン(リベルタドーレス杯覇者)は、例年通り参加(今年はリバプールとサンパウロ)。この2チームにOFCクラブ選手権覇者のシドニーFC(オーストラリア)、CONCACAFチャンピオンズカップ覇者のサプリサ(コスタリカ)、そして、AFCチャンピオンズリーグ(アジア)とCAFチャンピオンズリーグ(アフリカ)の覇者を加えた6チームでトーナメント戦を行い、世界一のクラブを決めるのだ。日程は121118、会場は国立競技場、日産スタジアム(旧・横浜国際総合競技場)、豊田スタジアムの三ケ所。Jリーグのチームは既に予選敗退しているので日本人選手の出場予定はなし……と思っていたら、三浦和良(38)のシドニーFC入り(レンタル移籍)で、一転して日本人選手の出場が実現しそうだ。シドニーFCは、初戦のサプリサ戦に勝てば次はリバプールと当たる。リバプールにも勝つとなると、多分、サンパウロとの決勝になるだろう。そこまで行けば最後のカズ・フィーバーでひと盛り上がりできそうだ。がんばれ、カズ。世界の舞台でカズダンス!!2005.11


#28 充実する海外組

今日では多くの日本人選手が欧州のクラブでプレイしていて、先の東欧遠征(10/8〜12)でも彼らはそれぞれのクラブでのゲームを終えてから現地で日本代表チームに合流した。日本人選手がプレイする欧州のリーグをざっと挙げてみると、プレミアリーグ(イングランド)に中田英寿(28=ボルトン)と稲本潤一(25=ウエストブロミッチ)、スコティッシュプレミアリーグに中村俊輔(27=セルティック)、ブンデスリーガ(ドイツ)に高原直泰(26=ハンブルガーSV)、エールディビジ(オランダ)に小野伸二(25=フェイエノールト)と平山相太(20=ヘラクレス)、フランスリーグに中田浩二(26=マルセイユ)と松井大輔(24=ル・マン)、セリエA(イタリア)に柳沢敦(28=メッシーナ)、リーガエスパニョーラ(スペイン)に大久保嘉人(23=マジョルカ)。日本代表はイングランド、スコットランド、ドイツ、オランダ、フランス、イタリア、スペインというヨーロッパの主要リーグすべてに選手を供給しているのだ。代表選手全員が国内でプレイしていた“ドーハの悲劇”(93年)の頃からすれば夢のような状況である。10月の東欧遠征は、平山を除く欧州組全員とJリーグオースターゲームの出場選手を除いたメンバーで編成された。中澤祐二(27=横浜)や宮本恒靖(28=G大阪)がいない分DFラインが脆弱だが、欧州組でW杯も充分戦えるのではという印象を持った人も多いはず。2006年W杯の舞台はドイツ。とすれば、日本代表はできるだけ早い時期にヨーロッパでの拠点を作り(ドイツ国内がもっとも好ましい)、代表召集はそこで行うべきである。ジーコもヨーロッパに住んでもらっていい。W杯の出場権を勝ち取った今、国内で試合をする必要なもうない。国内組に関するスカウティングも、もうそれほど必要ではない。オリンピック組で注目すべき選手――FWの田中達也(22=浦和)、MFの阿部勇樹(24=千葉)、MFの今野康幸(22=東京)――の3人がW杯本大会で武器になるかどうかをチェックすれば事足りる。(2005.10


#27 中田英寿、イングランドへ!

先月号の締め切り直後に、中田英寿(28)のイングランド移籍というニュースが飛び込んできた。新天地はプレミアリーグのボルトン・ワンダラーズ。以前、西澤明訓(29)も在籍したチームなのでおなじみのファンも多いと思う。ボルトンは、チェルシーやアーセナル、マンチェ、リバプールといった強豪に比べると資金力も乏しく、かつて昇格と降格を繰り返す弱小チームだったが、99年に監督に就任したアラダイス(50)がチームを建て直し、プレミアに定着させた。一昨季の8位に続き、昨シーズンは6位に入ってUEFA杯の出場権も手にした。アラダイスは実力を持ちながら前チームでフィットしなかったり、力の出せない選手をリペアして再び活躍させる名人。リバプールでは活躍できなかったセネガル代表FWのディウフ(24)を筆頭に、ナイジェリア代表MFのオコチャ(32)、レアル・マドリーでくすぶっていたスペイン代表DFのカンポ(31)、ミランから来た元フランス代表DFヌゴッティ(34)、メキシコ代表FWのボルゲッティ(32)らがいる。中田が一昨季にシーズン途中で移籍して活躍したボローニャは若いチームだった。ボルトンはベテランが多い。うまくアジャストできるかが鍵になる。イングランドのお隣、スコティッシュ・プレミアリーグに移籍した中村俊輔は、初戦のダンディー・ユナイテッド戦でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれるという衝撃のデビューを飾った。後半39分に交代する際のグラスゴーのサポーターのスタンディング・オベーションがすべてを物語っていた。日本人選手が海外のクラブに移籍し、すぐさま地元サポーターの心を掴むことは滅多にない。数年前、小野伸二(25)がロッテルダム(フェイエノールト)のピッチに立ったとき以来である。さて、中田と中村がいたイタリアだが、セリエBのジェノアが最終戦での八百長が発覚してセリエC落ち。セリエBで昇格圏内だったトリノは資金力不足で昇格なし。ペルージャも資金力不足でセリエBからセリエCに降格。MFフィーゴ(32)がレアル・マドリー→インテル、MFビエラ(32)がアーセナル→ユヴェントス、FWビエリ(29)がインテル→ミランと大物の移籍も相次いだ。(2005.09


26 キングカズ、J2へ

キングカズこと三浦和良(38)が、J1神戸からJ2横浜FCに移籍した。レオンの後任、パベル新監督の構想から完全に外れてしまい、7月に入ってからはベンチ入りすら果たしていなかった矢先の移籍である。サッカー選手は試合に出てなんぼの商売。必要とされているチームに移るのは正解。しかし、松永→レオン→パベルと1シーズンに3人目の監督を迎えなければいけない神戸の選手たちの胸中察するに余りある。三木谷オーナー(40)は、そもそもクラブチームのオーナーの器ではないのでは……。イルハン(30)、エムボマ(34)など小学生でも分かるような有名選手ばかり集めたがる。でも結果は出ない。結果が出なければ数ヶ月で監督はクビ。まったく、どこかの人気野球チームの会長にそっくりではないか。7月末の時点で彼がオーナーの楽天イーグルス、ヴュッセル神戸ともに最下位。楽天は参入1年目なので仕方がないとしても、神戸はこのままでいくとJ2落ち確実。札幌、福岡、湘南、仙台と、ここ数年、下部リーグで辛酸を嘗めているかつてのJ1チームを見よ。一度降格すると、再昇格はなかなか難しいのだ。ともかく、パベル監督とやらのお手並み拝見である。カズに話を戻そう。横浜FCに移籍したカズはいきなり炎天下の中、居残り練習をして周囲を驚かせた。10代のころブラジルで苦労してレギュラーを掴んだ経験を、J2の選手たちに植え付けようとしているのだ。もちろん、プロのサッカー選手はピッチ上のパフォーマンスがすべてである。しかし、ランニングも先頭で走り、誰よりも熱心に練習するカズの姿を見て勇気づけられるファンも多い。横浜には日本代表や神戸でチームメートだった城彰二(32)も在籍しており、元日本代表の2トップが実現する。間違いなく、J2人気の核になる。カズが口にした目標はJ1昇格。40歳までの2年間に昇格はあるのか。海外組の移籍情報。あくまでスペインLOVEを貫いていた中村俊輔(27)は、スコットランドの強豪セルティックに移籍。小笠原満男(26)はセリエAレッチェからオファーが届くも鹿嶋が拒否。天敵プランテッリを再びボスと呼ばなければいけない不運に見舞われた中田英寿(28)は、結局、移籍金の高さがネックでオファーなし。フィオレンティーナ残留。(ボルトン移籍は次号!) (2005.08


25 W杯予選突破!

まずは日本代表のドイツW杯アジア最終予選突破を祝福したい。キリン杯(5/22〜5/27)でペルー代表とUAE代表に2連敗したときには、さすがにやきもきしたサポも多かったと思うが、ま、あの連敗がいい薬になったと今だからいえる。バーレーンにしてみれば「UAEに負けてる日本なんぞ取るに足らない」という過信に加え、ホームでのアドヴァンテージがプレッシャーになった。バーレーン代表が日本代表に追いつくには、50年早い。6月に入って行われたW杯アジア最終予選のバーレーン戦(6/3)、北朝鮮戦(6/8)ともに勝利で飾った日本代表は、晴れて本大会出場のキップを世界で最初に手にしたチームとなった。その勢いを持ってドイツに乗り込んで戦ったコンフェデ杯。緒戦のメキシコ戦(6/16)はあまりいいところがなく敗戦(2−1)。試合後に中村俊輔(レッジーナ=27)のジーコ&中田英寿批判が出るなど雲行きが怪しくなったところで、ギリシャ―戦(6/19)。ここでジーコの采配が冴え渡る。システムを「4−4−2」に変更した結果、DFライン付近のスペースが消え中澤(27)を欠くDF陣でもハイボールに対応できた。そして、1−0で欧州王者を破った。続くブラジル戦も2−2で引き分け惜しくも準決勝進出は逃したが、中田英寿(フィオレンティーナ=28)と中村俊輔を中心に細かいパスをダイレクトでつなぐ中盤は、ギリシャのDF陣をオロオロさせ、ブラジルのDF陣を慌てさせた。まるで、フリット、ライカールト、ファンバステンを擁する「黄金時代」(80年代)のミラン(またはオランダ代表)を見るようで痛快だった。ドイツW杯における日本代表のひとつの完成形が見えた貴重な大会だった。さて、無観客の北朝鮮戦(バンコク)で、試合を見ることができないにもかかわらずスタジアム周辺で90分間応援し続けたウルトラス・ニッポンの諸君にも賞賛の言葉を贈りたい。彼らは6月のコンフェデ杯(ドイツ)と世界ユース(オランダ)でも現地に乗り込み、応援のための幕を警備員に没収されたり地元サポに破られたりしながらも、日本代表&ユース代表をサポートし続けた。東アジア選手権(7/31〜韓国)でもがんばってほしい!(2005.07


24 20042005のシーズンを振り返る

20042005のシーズンが終わり、ヨーロッパ各地でチャンピオン・チームが出揃ったので総括してみたい。まずは、毎年白熱したファイナルが見られる欧州CL(チャンピオンズ・リーグ)。04年はポルト(ポルトガル)−モナコ(フランス)というダークホース同士のある意味地味な顔合わせだったが、今年はACミラン(イタリア)−リバプール(イングランド)という古豪同士の派手な対戦となった。マルディーニ(36)やシェフチェンコ(28)のゴールなどでミランが3−0で前半を折り返したとき、ミラニージャたちはミランの勝利を確信したに違いない。ところが、イスタンブールまで大挙駆けつけたリバプール・サポの熱狂的な応援が功を奏したのか、後半9分にジェラード(25)が1点返すと6分間にリバプールが3ゴールを決め、延長戦後のPK戦を3−2で制して逆転優勝を決めた。ミランがPK戦でユヴェントス(イタリア)を下した2年前のファイナルを彷彿とさせる一戦だった。そのユヴェントスはCLこそ決勝トーナメントで姿を消したものの、2季ぶりにセリエA(イタリア)を制した。中田英寿(28)のフィオレンティーナ、中村俊輔(26)のレッジーナともに最終戦で残留を決め、柳沢敦(28)はメッシーナに完全移籍(3年契約)。ブンデス・リーガ(ドイツ)はバイエルン・ミュンヘンがリーグとドイツ杯を制し国内2冠に。高原直泰(27)のハンブルガーSVは8位。高原自身も契約更新を終え、06年を地元ドイツで迎える。リーガ・エスパニョーラ(スペインリーグ)は6年ぶりにFCバルセロナが優勝。しかし、来シーズン以降スポンサー名の入ったユニで選手たちがプレイする可能性が浮上。そのことがソシオたちの頭痛のタネになっている。大久保嘉人(23)のマジョルカは最終戦で残留を決めた。昨季のC大阪に続き“残留請負人”の面目躍如!フランスリーグはリヨン、エール・ディビジ(オランダリーグ)はPSVアイントホーヘンがそれぞれのリーグを制した。PSVは元韓国代表監督のヒディングが起用した韓国人選手2人ががんばり、CLも準決勝まで駒を進めたのは立派。一方、小野伸二(25)のいるフェイエノールトは4位にとどまり、フリット監督は解雇となった。小野自身も移籍の噂がある。(2005.06


23 J新人監督の受難!

今シーズン、Jリーグに何人かの新人監督が登場した。その中のひとりJ1神戸の松永英機(42)は成績不振で早くも解任された。後任には、元ブラジル代表監督で清水などJのチームを率いたこともあるレオン(55)が就任。波乱の幕開けである。ドーハ組でJのチームを率いることになった2人の新人監督も苦戦を強いられている。J1清水の長谷川健太(39)とJ2仙台の都並敏史(43)だ。清水はJ1の第7節を終えた時点(4/24)で14位。開幕以来の初勝利をやっと掴んだところだ。生え抜きの長谷川監督に対し清水のフロントは「監督には全幅の信頼を寄せている」と発表するなど擁護する方針を表明しているが、開幕三連敗した仙台の都並監督には早くもサポーターによる解任要求が突きつけられた。J2の第8節を終えた時点(4/23)で仙台は12チーム中の10位と低迷。仙台サポにとってかつて仙台を指揮した清水秀彦(50)やベルデニック(56)の采配に一喜一憂した経験から、都並には安定したパフォーマンスを期待しているのだ。ただし、都並はJ1新潟の反町康治監督(41)の「家族で仙台に移り住んだほうがいい」という自らの経験を踏まえてのアドバイスに耳を貸さず、目下単身赴任中。そんな彼を“どうせ腰かけだろう”とサポーターが疑うのも無理はない。J1磐田の山本昌邦(47)も苦戦を強いられている。J1と平行して行われていたアジアCLも1次リーグで敗退。J1でも第7節を終えて14位と今ひとつ。若手とベテランが混在する過渡期に監督を任された不運はあるが、長いシーズンでいかにしてチームを建て直せるかに監督としての手腕が問われる。昨季15得点のFW大久保(22)がスペインに渡ったJ1C大阪も序盤調子が悪かったが、小林伸二監督(44)はFW西澤(28)を1トップにした「1−6−3」にシステムを変更し、中盤での激しいチェックを徹底させて結果を出している。下位チームは、C大阪のようにしっかり守ってカウンターを狙うというストラテジーを実践するのが浮上の早道だろう。優勝候補の一角と目されていた浦和レッズも16位(第7節)と勢いが出ない。昨季得点王・エメルソン(23)のコンディションの悪さが、2年目のブッフバルト監督(45)の頭痛のタネらしい。(2005.05


22 日本代表、いざ正念場!

去る3/25、テヘランのアザディ競技場で行われたドイツW杯アジア最終予選B組・対イラン戦で、ジーコ(52)は「すべての責任は私が取る」といって、フィオレンティーナで出場機会があったりなかったりの中田英寿(28)を先発で起用した。左サイドのMF三都主(浦和=27)とDF田中(磐田=29)を出場停止で欠くこともあって、それまで結果を出していた3−5−2ではなく4−4−2へのシステム変更を行った。無論、中田を先発させるためでもある。この時点で、中田をトップ下の右で起用するのなら右のボランチは攻撃的な福西(磐田=28)ではなく、ホスピタリティのある選手(遠藤)を使うべきだったのだ。かくして、日本代表はイラン代表に2−1で敗れた(日本代表唯一の得点者は福西)。結果的には“1点を取るために2失点するシステム”を採用してしまったのだ。明らかにジーコのミスである。この敗戦で日本代表は予選B組3位に落ち、「今度負けたらジーコ解任」という噂も囁かれる中で3/30を迎えた。埼玉スタジアムでのバーレーン戦である。三都主と田中が出場停止から復帰し、累積警告で小野(フェイエノールト=25)を欠く日本代表は、本来の3−5−2にシステムを戻しFWに高原(ハンブルガーSV=25)と鈴木(鹿島=28)、中村俊輔(レッジーナ=26)をトップ下に置き中田をボランチに下げた。トップ下の俊輔は、きびしいチェックにあいながら中盤で効果的に“ため”を作り、ふんわりと緩い軌道を描く“トラップしやすい”パスを的確に見方につなげチャンスを作った。結局、日本代表は相手のオウンゴールの1点を守って1−0と辛勝。予選B組2位で前半戦を終えた。この2試合で露呈したのは中田のコンディションの悪さだ。イラン戦はまだしも、カウンター狙いで引いて守るバーレーン相手にボランチ位置に入り、フリーでボールを持つ機会が多くありながら、加地(FC東京=25)や鈴木、高原、らとコンビネーションが合わず、なかなかパスがつながらない。かなりの重症とみていい。巷では中田英寿は必要か、否かという話で盛り上がっているが、コンディションの悪い選手は中田に限らず必要ない。中田は精神的支柱なのだ、というならいっそのことベンチに飾っておけばいい。(2005.04


21 ポスト・ジーコは……

旧約聖書にこんな言葉がある。「かつてあったことは、これからもあり、かつて起こったことは、これからも起こる。太陽の下、新しいものは何ひとつない」そうなのだ。8年前の教訓(加茂周日本代表監督更迭)を踏まえ、我々は考えておかなければならないことがある。予選のさなかにジーコが代表を去る、というエマージェンシーへの対応策である。考え得る後任人事でリアリティを持つアイデアは2つ。日本代表監督経験者の再登板、そして日本人選手をオンタイムで見てきたJリーグ現役(外人)監督からの抜擢である。このどちらにも当てはまるのがJ1横浜の岡田武史(48)だ。彼のサッカー哲学は負けないこと。現実に03年から率いている横浜は2年連続でリーグチャンピオンに輝いている。結果を出さなければいけない時には頼りになる男だ。現在、J1磐田の指揮をとる山本昌邦(46)もトルシエ政権下のコーチとして現日本代表の多くの選手と接点を持ち、アテネ五輪代表も率いていたので若い世代の力も把握している。岡田とともに、最切り札として温存しておきたい存在だ。一方、Jリーグの外国人監督ですぐに脳裡に浮かぶのは3人。1人目はJ1東京Vを率いて05年の天皇杯とスーパー杯を制した名将アルディレス(52)である。ジーコでさえ「汚いサッカーをする」と代表に召集しないMF戸田(27)を自分のチームの呼び寄せたように、彼のサッカーは荒っぽさが売りの南米スタイル。中東勢や北中米カリブ予選から勝ち残ったチームとのプレイオフになった場合、このスタイルは武器になる。2人目は、J1名古屋を率いる知将ネルシーニョ(53)だ。彼はかつて日本代表監督をオファーされた経験を持ち、その話が破談になった直後、クルゼイロ(ブラジル)を率いてトヨタ杯に帰って来た。ブラジル人お得意の「4−4−2」システムは時代遅れの感も否めないが、試合の流れを的確に把握する能力には定評がある。そして3人目は、J1市原・千葉を率いる闘将オシム(63)だが、彼は時間をかけてチーム戦術を浸透させ、闘うスピリットを選手に植え付けいくタイプ。むしろ、ドイツW杯以降にじっくり日本代表を任せてみたい気もする。(2005.03


20 いよいよアジア最終予選!

06年ドイツW杯のアジア最終予選進出の8チームが出揃い、いよいよ本大会へ向けての組み合わせと試合日程が決まった。アジアから本大会に進める枠は最大で5。4チームずつ2組に分かれて争われる最終予選で、それぞれ2位までに入れば自動的に出場権が手に入る。そして、3位のチーム同士がプレイオフを行い、その勝者はさらに北中米カリブ予選4位とプレイオフを戦って勝たなければ本大会には進めない。アジアどころか、太平洋をまたいだタイトなゲームになること必至。是非、最終予選で2位以内に入ってすんなり本大会出場を決めたいところだ。さて、B組に入った日本代表の対戦相手だが、イラン、バーレーン、北朝鮮。「逆のグループの方がよかった」と川渕キャプテンが評したA組には、韓国、サウジアラビア、ウズベキスタン、クェートの4チーム。むしろ、B組でよかったといえる。気になる対戦スケジュールは、次のとおり。2/9〜北朝鮮(H) 3/25〜イラン(A) 3/30〜バーレーン(H) 6/3〜バーレーン(A) 6/8〜北朝鮮(A) 8/17〜イラン(H) 昨年末の親善試合・ドイツ戦で0−3の敗戦を喫した日本代表だが中田(フィオレンティーナ)、中村(レッジーナ)、柳沢(メッシーナ)のセリエA勢をスケジュールの都合で、中沢(横浜)、宮本(G大阪)、松田(横浜)などのDFラインをケガで欠いていたことを考えると、そう落胆することもない。万全な準備をして、まずはホーム(2/9)での北朝鮮戦で確実に勝ち点3を取れるかどうかだ。そして、前半戦を首位で折り返せば、ドイツへの切符はグッと手元に近くなるだろう。ただ、ジーコは小笠原(鹿島)のようなハートの弱い選手はピッチに送り出すべきではない。特に、“サンドニの悪夢”(サンドニ・スタジアムでフランス代表に0―5で惨敗!)の例を持ち出すまでもなく、昨年末のドイツ戦でも決定的なミスをしてますます“大舞台に弱い”選手という印象を強めた楢崎(名古屋)は正GKのポジションを川口能活(磐田)に譲るべきだろう。(2004.12


19 天皇杯の行方……  

この号がでる頃には横浜(1stステージ覇者)と浦和(2ndステージ覇者)の間で行われるJリーグ・チャンピオンシップ、柏(J1最下位)と福岡(J2の3位)で行われる入れ替え戦という2つの重要なポストシーズンのゲームも終わっていて、これでJリーグの04年シーズンはすべて終了。残るは、天皇杯・全日本サッカー選手権大会である。毎年元日に国立競技場でファイナルが行われる天皇杯は「元旦にサッカーをするのが最大の幸せ」というくらいサッカー選手にとって重要なタイトル。しかも、Jリーグが運営するナビスコ杯とは違い、JFLが主催するため予選を勝ち抜けば高校生のチームでもチャンピオンになる可能性がある。今年も中京高(岐阜)、帝京三高(山梨)といった高校勢が(結果はすべて初戦敗退ながら)トーナメント1回戦に顔を揃えた。さて、ここ5年間の天皇杯チャンピオンを列挙すると、04年→磐田、03年→京都、02年→清水、01年→鹿島、00年→名古屋だが残念ながら印象に残る試合はほとんどない。これは、代表クラスの選手が海外のクラブでプレイするようになりJリーグの選手が小粒になったこと、Jリーグ発足時の93年からナビスコ杯がスタートし、天皇杯、2シーズン制のJ1と優勝するチャンスが年間最多で4回もあることなどの弊害と考えられる。J1が1シーズン制に移行する来季からは優勝の重みも増すだろうが、それでも90年代には印象深い天皇杯チャンピオンがいた。それは、94年と99年に天皇杯を制した横浜フリューゲルスである。94年のフリューゲルスを率いたのは、ご存じ加茂周。準決勝でカズやラモスを擁するスター軍団・V川崎を破り、決勝でもジーコのいる鹿島を破って優勝。この勝負強さが評価され、加茂はのちに日本代表の監督に抜擢された。99年のフリューゲルスは、負けた時点でチームが消滅するという危機的な状況の中、あれよあれよという間にファイナルに進出。清水を2−1で破って優勝。あのときの監督だったエンゲルスは03年にも京都を率いて天皇杯チャンピオンになっている。そのエンゲルスは今、浦和のコーチを務めている。とすれば05年の天皇杯チャンピオンは……あの赤い軍団!?2004.11


18 カズ、ゴン代表復帰!? 

去る1023にカシマ・スタジアムで行われた鹿島−浦和戦の試合終了後、鹿島イレブンがグランドを一周してサポーターに挨拶をしていたとき、1本の空き缶が心無いサポーターから投げ込まれた。これに怒った元・日本代表MF本田泰人(35)がその空き缶をスタンドに投げ返したのが事の発端。目の前でレッズ(ナビスコ杯は惜しくも準優勝)の猛攻を抑えきれずに、2−3で敗れるというゲームを見せられたサポーターは本田のその行為に激昂し、十数人のサポーターがピッチに下りて本田を取り囲み、暴力行為に及んだのだ。彼らは鹿島サポーター集団の中でも過激といわれている連中らしいが、それにしてもやり過ぎである(たとえばレッズにもリヴァプールあたりのフーリガンを真似したBOYSだの蛇だのという過激なサポ集団はいるが、何があろうと鈴木啓太をボコったりは絶対にしない)。彼らは警察の事情聴取を受け、アントラーズ側も法的な手段は取らないが2名のサポーターの入場を制限するとしている。一方の本田は謝罪の言葉を述べ、チームは彼に厳重注意と一試合の出場停止処分を科した。これで一応の決着はついた形になるが、それにしても後味悪い。どんな状況であれ選手が観客に物を投げてはいけない。スポーツマンシップのないサッカー選手はピッチを去れ。さて、先日のオマーン戦で日本代表はひと試合を残してW杯最アジア終予選進出を決めたところだが、試合直後にジーコ監督からサプライズが発表された。それは、1117の対シンガポール戦(1次予選最終戦)にカズ(37)やゴン中山(37)といったかつての日本代表選手を功労者として呼ぶという仰天プランである。日本サッカー協会の川渕キャプテン(67)は、いち早く賛成を表明したが、協会内部では疑問視する声も多い。Jリーグ発展の功労者を労うのは悪いことではないが、それは別の形(セレモニー)を提供するべきことで、W杯の予選でやることではない。フィリピンとはいえ、相手代表チームに失礼である。むしろ、最終予選に向けて大久保(22)、田中達也(23)、大黒(24)といった若手FWに経験を積ませるなり、手薄な両サイドのMFをテストするなど有効に使ってほしいものだ。(2004.10


17 レッズ三冠!?

世界各国で「2004―2005」シーズンが始まったばかりだが、スタートダッシュに失敗したビッグクラブではさっそくの監督交代劇が演じられている。レアル・マドリードのカマーチョ(49)、ローマはフェラー(44)はそれぞれ辞任。シャルケ04のハインケス(59)も解任された。アルゼンチン、ガーナ、アルジェリア、エルサルバドルでも代表監督が交代している。一方、Jリーグでも磐田の桑原隆(56)が解任され、鈴木政一強化部長(49)が短期的に磐田を率いることになった。そして、来季から前・五輪代表監督の山本昌邦(45)を招聘する予定だったところへ、プロ野球の新規参入で注目されている楽天・三木谷社長が自らかオーナーを務める神戸の後任監督(ハシェックは解任)として山本氏にオファーを出した。プロ野球の参入審査とともにこちらにも注目したい。さて、Jリーグは浦和レッズのリーグ初優勝が目前。エメルソン(23)、田中(21)、永井(25)という強力FW陣の活躍はもとより、アルパイ(31)、ネネ(29)というDFを加入させるなどシーズン途中でも補強を惜しまない編成サイドの努力が奏効している。準決勝まで駒を進めているナビスコ杯の連覇、そして、天皇杯制覇まで視野に入れて、レッズサポの間では早くも“三冠”の声が湧き上がっている。これに、FWエメルソンの得点王も入れれば、2004年は“レッズイヤー”ということになるかもしれない。浦和のエメルソンや磐田のグラウ(27)と得点王を争っているのが、G大阪の大黒(24)や神戸の播戸(25)、C大阪の大久保といった若手日本人Jリーガーというのも嬉しい。日本代表に定着した柏の玉田(24)も加えて、こうした若手の台頭こそリーグを盛り上げるのだ。J1昇格争いも面白い。来季からJ1のチーム数が1618となるためJ2上位2チームが自動昇格し、J2の3位がJ1最下位と入れ替え戦を行う。まずは、J2で圧倒的な強さを見せた川崎が4年ぶりのJ1復帰を決め、残る椅子を巡って大宮、山形、京都が熾烈な争いを繰り広げている状況。逆にJ2降格の危機が迫っているのは柏、C大阪、神戸といったチームだが今季に限って自動降格がない分、少し余裕がある!?2004.09


16 2004-2005シーズン開幕! 

山本JAPAN、アテネ五輪でよもやの予選リーグ敗退。他種目のメダルラッシュ(金メダル16個!)を尻目に、淋しい想いをしたサッカーフリークも多いと思う。すべての原因はパラグアイ戦の負けにあり、那須(23)ひとりを責める訳にはいかないが、しかしながら彼はDFとして「してはいけない凡ミス」を一試合で二度もしてしまった事実は消せないのだ。結局、同じ予選リーグを戦ったパラグアイが銀メダル、イタリアが銅メダルを獲得したのがせめてもの救いだが、それにしても後味の悪い五輪だった。谷間の世代だ、何だといわれながら山本ジャパンは比較的多くの強化試合や合宿期間など環境に恵まれていた。そうした中の予選リーグ敗退は痛い。これで、那須が奮起一発、鉄壁のDFに大化けして日本代表の中心選手になってくれなければ浮かばれない。一方、“敗軍の将”山本昌邦(46)は、そのままA2代表の監督にスライド就任するという噂もあったが、JFAから離れる見込み。さて、世界に目を向けるともう各国でリーグが開幕。イングランド代表FWオーウェン(24)はリバプールから銀河軍団レアル・マドリードに移籍。ベッカム(29)とのイングランド代表“ホットライン”ができた。また、モナコからモリエンテス(28)も戻って来てロナウド(27)、ラウル(27)と世界を代表するFWを4人も抱えた銀河群団は復活を期す。マンチェスター・ユナイテッドもユーロ2004で活躍したイングランド代表FWルーニー(18)をエバートンから約50億円で獲得(ちなみに、日本ではマンチェのことを「マンU」などと呼んでいるがこの呼称を使うのは日本だけ。イギリス在住の友人によると地元サポは皆「マンチェ」と呼ぶ)。最後に、日本人選手の海外移籍情報。五輪代表で10番を背負ったMF松井(23)が、京都からフランス2部リーグのルマンにレンタル移籍。「伸二クンと話しててフランスはいいよっていわれた」などと世界の小野伸二(24)をクンづけで呼ぶ度胸のよさ(!?)がフランスで通用するのか見ものだ。また、プレミア・リーグのフラムからガンバ大阪に復帰した稲本(24)がまたイングランドのウェストブロムウィッチに完全移籍することが決まった。彼はプレミアの水に合ってるようだ。(2004.08


15 アテネ五輪直前

この号が出る頃は、アテネ五輪真っ只中。日本はパラグアイ戦、イタリア戦、ガーナ戦と続くタイトな予選リーグを戦っている。去る7/30の五輪壮行試合・対ベネズエラ戦では大久保(22)、平山(18)、高松(22)、田中達也(21)というFW登録の4人が全員得点して勢いをつけた。このメンバーにしても、すっきり決まったわけではなく、OA(オーバーエイジ)枠の高原(25)が持病のエコノミークラス症候群を再発したため代表登録が見送られ、この4人になったのだ。また小野伸二(24)がOA枠で代表入りしたため、小野の古巣である浦和レッズの山瀬(22)と鈴木啓太(23)がメンバーから外れるという皮肉なめぐり合わせもあった。それにしても、サッカー解説者のセルジオ越後はうるさい。何かというとピッチ解説の堀池を呼ぶ。堀池がいないときは川添を呼ぶ。「ほりいけ〜、ほりいけ〜。今のプレイでヒラヤーマは前を向いてシュート打ってもよかったんじゃないですかね」「そうですね。積極性を見せてほしいですよね〜」こんなこと、今ドキのサッカーファンなら誰でも分かる。わざわざピッチ解説の堀池に話を振るほどのことでもない。90分のゲームの中で「あ、こいつはすぐ後ろにパスを出すチキン野郎だ。長身だからロングボールだけケアすればいい」と相手を油断させておいて、ココ一番でキレキレの足技で得点、なんてことを平山は考えてるかも知れない。そんな想像力もないのに、元コリンチャンスだからってごちゃごちゃいわないで貰いたい。だいたい、越後にしろ堀池にしろ、W杯も五輪も出たことないでしょ。平山なんて世界ユースでベスト8入りしている逸材なのだから! シーズン・オフの移籍情報。まずは中田英寿(27)はレンタル先のボローニャからフィオレンティーナへ完全移籍。久々にセリエAに戻って来てディ・リービオ(38)も残留を決めたこのチームは、レアル・マドリードから若手FWのポルティージョ(22)をレンタルで獲得。いい補強をした。柳沢(27)はサンプドリアからセリアA昇格組のメッシーナに移籍。アジア杯を辞退してチーム練習に参加し、再起を期す。フラムへの完全移籍へ向けて話し合いを続けていた稲本(24)は、結局交渉が決裂し、ガンバ大阪復帰へ。ベルギーのゾルダーでがんばっていた鈴木隆行(28)も鹿島に、またオランダのデンハーグで活躍した戸田(26)も清水にそれぞれ復帰が決まった。(2004.07


14 ユーロ2004を振り返る

 

ユーロ2004(欧州選手権)が終わった。優勝はなんと、開催国ポルトガルを開幕戦、決勝ともに下したギリシャである。大会前、ギリシャの優勝を誰が予想しただろうか。ギリシャはドイツ人のレーハーゲル監督(65)がこの天真爛漫なチームに「規律」と「結束」を持ち込んだことが功を奏した。相手チームの2トップにマンマークをつけるなどオールドファッションな戦略ながら、フランス、チェコを無得点に抑えたのは立派。それだけではなく、決勝でもポルトガルを完封したのだから驚きである。これで来月に迫ったアテネ五輪にも勢いがつく。史上初のユーロ&五輪連覇も夢ではない。ポルトガルも準優勝と開催国としてのメンツは保たれたが、悔しさは残る。ポルトガルを率いたのは、02年W杯を母国に持ち帰ったブラジル人のフェリッペ(55)監督で、彼は02年W杯予選の段階で英雄ロマーリオ(38)を代表から外すという荒治療を実行した男。今大会も開幕戦(対ギリシャ戦)を1−2で落とした後、ルイコスタ(32)とコウト(33)を先発メンバーから外し、準々決勝(対イングランド戦)でフィーゴ(31)に途中交代を命じて、世代交代を促した。かつてワールドユースを連覇(89年と91年)したポルトガル自慢の“黄金の世代”も年齢には勝てないということか。一方、ジダン(23)率いる前回優勝のフランスもよもやの決勝T敗退。フランス地元紙は「フランス黄金時代の終焉」と書き立てた。イタリアも、トッティ(27)が唾はき行為で退場になったのが運のつき。ビエリ(30)も不発で予選リーグ敗退。退陣するトラパットーニ監督(65)は契約を残して退陣を余儀なくされた。優勝候補筆頭のスペインもまさかの予選リーグ敗退。スペイン、イタリア、ポルトガルは、02年W杯で韓国に敗れた後遺症が未だ尾をひいているような気がしてならない。2年後にW杯地元開催が予定されているドイツも予選敗退。チーがチームとして機能しない内臓疾患が露呈した。まずは、ブンデス・リーガの外国人枠を減らして、ドイツ人選手育成が急務だ。03年バロンドール(欧州最優秀選手)のネドベド(31)擁するチェコは、準決勝(対ギリシャ戦)でのネドベド負傷退場が痛かった。ファンニステルロイ(27)が好調だったオランダもチェコ同様優勝のチャンスは充分あったが、強いからといって勝てないのがサッカーなのである。(2004.06


13 03―04シーズンを振り返る

今月は、海外組の活躍を中心にヨーロッパサッカー界の2003―2004シーズンを振り返る。まずはセリエA(イタリア)。優勝はACミラン。24ゴールを決めたFWのシェフチェンコも得点王に輝いた。中田英寿(ボローニャ)は今年に入ってパルマから期限付きで移籍をし復活を遂げた。来季に向けてボローニャに完全移籍する、パルマに戻る、イングランドに行く、など噂は尽きない。中村俊輔(レッジーナ)は膝、足首、腰と満身創痍の状態。16試合出場で2得点は不本意なシーズンを送ったといえる。柳沢敦(サンプドリア)も先発出場はわずか2試合。無得点、言葉を覚えない、やる気が見えないとノヴェリーノ監督も呆れ顔。退団が決定的に。続いて、プレミアリーグ(イングランド)はアーセナルが無敗優勝を達成。稲本潤一(フラム)は開幕から8試合連続で先発。調子を落として徐々に出番が減り2得点に終わったが、マンチェスターU戦(031025日)で見せたゴールが、ファンが選出するチームの「ゴール・オブ・ザ・シーズン賞」に選ばれた。リーガ・エスパニョーラ(スペイン)はバレンシアが優勝。UEFA杯とともに2冠を達成。レアル・マドリードはよもやの無冠に終わり、終盤戦ではチーム創設以来初めてという5連敗を経験。マケレレのチェルシー移籍が思った以上に痛かった。ケイロス監督がこのチームを去り、来季からカマーチョ(元スペイン代表監督)がギャラクシー軍団の指揮を執る。ブンデス・リーガ(ドイツ)は11年ぶりにブレーメンが優勝。ドイツ杯も制して2冠に。高原直泰(ハンブルガーSV)は29試合に出場で2ゴールとちょっと淋しい。エール・ディビジ(オランダ)はアヤックスが2年ぶりに優勝。小野伸二(フェイエノールト)は左足首を痛めて戦列を離れた時期があるものの、24試合に出場して2得点とリーグ3位に貢献した。イングランドのトットナムから移籍した戸田和幸(デンハーグ)は、出場機会は得たがチームになじむのに苦しんだ。ちなみに藤田俊哉(磐田)が一時期在籍していたユトレヒトはアムス杯を制している。ベルギー1部リーグはアンデルレヒトが優勝。鈴木隆行(ゾルダー)は5得点を挙げたがチームは2部降格。リヨンが3連覇を達成したフランス1部でも広山望(モンペリエ)のチームは2部降格が決定。デンマークの川口能活(ノアシェラン)もレギュラー座が掴みきれず、苦しいシーズンだった。(2004.05


12 三都主の勘違い

まずは、女子サッカーがアテネ行きを決めたことを祝福したい。4/24のアテネへの切符がかかった対北朝鮮戦は、前園(30)、城(28)、川口(29)を擁した96年当時のU23日本代表がサウジアラビアを破って28年ぶりの五輪出場を決めた試合を彷彿とさせた。前半開始早々に日本が先制し、前半ロスタイムのオウン・ゴールで慌てた北朝鮮から後半にも追加点を奪って3−0。しかし、後半30分過ぎになると日本代表の足は止まっていた。スタミナ切れである。中盤でこぼれ球を拾ってもボールをキープできず、フリーのボールを競ってもマイボールにできない。北朝鮮の選手のフィジカルの強さときたら男子並みで、MF宮本(25)やFW沢(25)はバックから足首を蹴られるなどチェックも厳しい。気づけば防戦一方。自陣のゴール前に人数を増やし、北朝鮮のアーリークロスに対応するだけで精一杯。サイドに流れたボールを追うのにもダッシュが効かない……というような展開だったが、気力で後半ロスタイムの5分も凌ぎ切った。タフなゲームをものにした見事な勝利である。続いてOAされた、男子の試合(五輪代表の対ギリシャ選抜戦)が緊張感のない凡戦に見えたのはいうまでもない。さて、少し前にオシム(現ジェフ市原監督)が日本代表次期監督を打診されたというニュースが流れたが、ジーコ率いる日本代表は欧州遠征を終えたばかり。この原稿を書いている時点ではハンガリー戦(4/25)の結果しか分からないが、アウェイの洗礼を受けたしょっぱい敗戦(2−3)だった。この試合で分かったことは、欧州組がいなくてもそこそこ戦えること、本山(24)や玉田(24)のようなスピードのある選手は代表に活力を与えること、キレとスピードがなくなった三都主(26)は代表にはいらないという3点だ。前から書こうと思っていたのだけれど、三都主は2002年W杯の決勝トーナメント・トルコ戦あたりから勘違いをしている。左サイドからの鋭くえぐるドリブルは影を潜め、クロスもただゴール前にポーンと放り込むようなものばかり。それよりも、まるでゲームメーカーにでもなったかのようにプレイスキックにこだわり始めた。しかし、三都主のFKがゴールネットを揺らしたシーンはあまり記憶にない。守備もだめ、攻撃も中途半端。こんな選手は目障りだから、いっそ代表でもレッズのようにFWとして使ったらどうだろう。(2004.05


11 ジーコ解任要求!?

ドイツW杯アジア1次予選のシンガポール戦(3/31)は、やっとこさの勝利だった。後半20分に1―1の同点にされた時には日本中が頭を抱えていたに違いない。ベテランの藤田(32)が起死回生の1発を放ってくれたおかげで結果的に勝ち点3を手にして帰国することができたが、試合後に中田英(27)が語った「内容としては最低だった」という言葉がこの試合のすべてを物語っている。そして、またまたジーコ批判の嵐である(新聞、週刊誌、インターネットの掲示板……)。しかし、よく考えてみてほしい。アジア予選はまだ2試合を消化したばかりで、日本代は2戦2勝の勝ち点6(反ジーコのみなさんが大好きなトルシエが指揮をとるカタールは2戦2敗で、縁もゆかりもないブラジル人選手数人を金に物をいわせて帰化させようとしFIFAから怒られたばかりだ)。シンガポール戦で苦戦したのは、W杯フランス大会の城のようにシュートを外しまくったためで、充分な合宿期間と欧州組のコンディションが整っていたら、マスコミやサポーターが望む大量得点で圧勝という展開も難しくなかった。ここであえて問いたい。この時期に、シンガポール相手に6―0で勝つことがそんなに大切なことなのだろうか――。ズバリいうと、ジーコはそんなヴィジョン(目先の大勝)を描いているわけではない。彼はドイツW杯の決勝トーナメントでタフなゲームを戦い抜くために何をすればいいのか、を考えているのだ。クラブの事情で欧州組を召集できないときは、仕方なくキャバクラ組(国内組)でも使う。しかし、欧州組が呼べるならば多少コンディションが悪くても欧州組を使う。なぜならば、欧州組を中心としたメンバーで決勝トーナメントを戦い抜く、という明確なイメージができているからだ。Jリーグレベルの選手でイタリアやフランスやブラジルやスペインに勝てるほど世界は甘くないのだ(Jリーグの選手のみで戦ったフランス大会の結果を思い出してほしい)。思い起こせば、前回の南米予選でブラジル代表は“青息吐息”の状態だった。それでもギリギリで予選を通過し、結果的にW杯をブラジルに持ち帰っている。このように、常にW杯で勝つことを強いられているブラジル人だから、何度も何度もW杯を戦っているジーコだからこそ見えてくる風景があることを、日本のサポーターは忘れてはならない。(2004.04


10 W杯とオリンピック予選

いよいよ、2006年ドイツW杯・アジア1次予選が始まった。2/18に埼玉スタジアムで行われた対オマーン戦は、後半ロスタイムの久保のゴールで勝利を掴んだ。この1点には伏線があって、久保のゴールの数分前、オマーンの選手がピッチに倒れたのを見て中田英寿(27)がボールをピッチの外に蹴り出した。「何で出しちゃうんだよ!」と食ってかかる三都主(26)を中田がなだめるというシーンが印象的だったが、明らかにアウェイでドローに持ち込みたいオマーンの選手の演技。日本ベンチの指示も、「攻撃を続けろ!」だったらしいが、あのとき中田がボールを蹴り出さなければロスタイムの関係上、久保のゴールもなかっただろう。中田のジェントルな行動に“サッカーの神様”が貴重なゴールをプレゼントしてくれたというのは気障すぎるだろうか。ともかくあの試合を見て、日本も強くなった、という感慨を持ったサポーターも多いはずだ。これで、少なくとも1次予選突破は自明である。ところが、そうは思わない連中もいた。日本代表監督のジーコの「解任要求」を求め日本青年館から日本サッカー協会までをデモ行進したサポーターが約70名。こんな頓珍漢な連中が出てくるのも日本にサッカー文化が定着しつつある証拠だというふうに考えられなくもない。が、あえて問いたい。この連中でガラガラの国立競技場のスタンドから横山謙三に「監督ヤメロ!」という罵声を浴びせていた人間がひとりでもいるだろうか。ジョージ与那城や戸塚がプレイしていた日本代表を知る者が何人いるだろうか――。一方、ロシアのフル代表と引き分け、U23韓国代表に快勝(2―0)したU23日本代表も元気だ。先のワールドユースでベスト8入りを果たしたユース代表から平山(18)、坂田(20)という"攻撃の軸"、帰化が間に合った田中闘莉王(22)という"守備の要"が加わりチームとしての完成をみた。UAEラウンドのメンバーから大久保(21)が外されるなどFWのポジション争いも激しく、松井(21)と山瀬(22)がしのぎを削るトップ下、"スピードスター"石川(21)や徳永(20)を擁する両サイドなど各ポジションに才能が揃う。田中闘莉王の無謀な攻撃参加など見ていて楽しい、とてもいいチームになった。是非、予選を突破してアテネ五輪でメダルを狙ってほしいものだ。(2004.03


#9 2004年のJリーグ展望 

新シーズンに向けてJリーグ各チームは戦力補強を充実させた。特に目立った動きをしたのは、横浜と浦和だ。横浜はJリーグの合間を縫ってアジア・チャンピオンズリーグを戦うなどレアル・マドリーやミランのような過密スケジュールを強いられることから、市原から中西(30)、清水からアン・ジョンファン(27)、東京Vから田中隼磨(21)を獲得。選手層を厚くした。また、浦和は元・ドイツ代表で同チームでプレイしたブッフバルト(43)を監督として迎え、清水から三都主(26)、水戸から田中闘莉王(22)という帰化ブラジル人コンビ、名古屋から酒井(24)を補強。これで、フル代表4人、オリンピック代表4人を抱えるビッグクラブになった。ブッフバルトの強い要望により神戸に完全移籍していた"野人"岡野(31)が復帰するというおまけつき。昨季のナビスコ杯制覇に続いて、いよいよリーグ制覇が狙えるところまで戦力が充実してきた。一方、鹿島から戦力外通告された秋田(33)と相馬(32)はそれぞれ名古屋と川崎で心機一転を図り、市原のチェ・ヨンス(30)はJ2の京都にレンタル移籍した。"キング・オブ・トウキョー"の異名をとったFC東京のアマラオ(37)もJ2湘南で再起を期す。そんな中、色んな意味で注目なのが神戸に移籍したトルコ代表のイルハン・マンシズ(28)だ。彼は、女性誌では未だに特集記事が絶えないほどのスター選手で、中田英寿(27)と同じマネジメント会社「サニーサイドアップ」と契約し、ビデオや写真集も発売されるくらいの人気ぶり。Jのピッチに立てば、あの甘いマスクで蜜に群がるカブトムシのように女性ファンをスタジアムに呼び寄せること間違いなし。もちろん人気だけではなく、ゴール前での臭覚の鋭さから"トルコのサラス"と呼ばれ、先のW杯で3得点したその実力は神戸浮上のカギを握る。一方、海外組に目を転じてみると、パルマからボローニャへの期限付き移籍を果たした中田英寿の復活が嬉しい。本来の中央のポジションで生き生きプレイする様は、さながらペルージャ時代に戻ったかのようだ。マツッツォーネ監督(ペルージャ2年目のシーズンの監督だった)をはじめチームメートの信頼を早くも勝ち得た彼は、シニョーリを押しのけ"ボローニャの王様"に君臨する日も近いことだろう。 (2004.02


#8 2003年Jリーグ総括

03年のJリーグの総括をしてみたい。結果的には横浜Fマリノスが1st、2ndともに制し総合優勝を飾ったが不思議と今年のマリノスは強かったな、という印象はない。その裏には各クラブチームの主力選手がこぞって海外のクラブに移籍したせいで、戦力が均等化されたということができる。特に柳沢(26=サンプドリア)、鈴木(27=ゾルダー)という2人の日本代表FWを失い、さらに中田浩(24)、エウレル(32)らの怪我による戦力ダウンを余儀なくされた鹿島の落日ぶりが目立った。何せ、「この試合に勝っていれば優勝だった!」というゲームを2つとも落としているのだから重症である。チンチンにやられたナビスコ杯決勝(対浦和戦/4―1)はともかく、J1最終戦(対浦和戦/2−2)などは後半ロスタイムでの失点で優勝をつかみ損なったのだから泣いても泣ききれないだろう。もし、どちらかのタイトルを手にしていたら、元日本代表DFの秋田(33)&相馬(32)への"屈辱の戦力外通告"も現実にはなならなかったに違いない。また、高原(24=ハンブルガーSV)、藤田(32=現磐田)をヨーロッパに送り出した磐田もしょっぱいシーズンを送った。一方、外国人監督の起用が当たった市原は闘将オシム監督(62)の元、1stステージ3位、2ndステージ2位と健闘した。けれど、クラブの緊縮財政のあおりで元日本代表DFの中西(30)らを放出という窮地に立たされた。財政難といえば神戸が民事再生法の適用を申請し、民間にチームを譲渡するという事態も起こった。元はといえば、阪神大震災のあおりで大口スポンサーのダイエーが撤退したのが痛かった。クラブ経営の難しさを考えさせられるだけでなく、もはや元日本代表という肩書きだけで飯が食えるシアワセな時代はもう終わったことを実感させられるシーズンだった。さて、今年はドイツW杯とアテネ五輪のアジア予選がある。この2つの戦いぬくためのキーマンになるのは若きエース・大久保(21=セ大阪)だ。スピード、キレ、ゴールに向かう姿勢などのスキルは魅力的だが、「藤原紀香なんてオバハンやんけ」といってのけるビッグマウスはときに凶器(=審判への暴言)と化すことがある。昨年末の東アジア大会・韓国戦でのレッドカードがいい薬になってくれればいいが……。  (2004.01


#7 プレミアを襲うロシア・マネー

世界のビッグクラブでも、カンナバーロ、プティ、ブフォン、ムトゥと主力選手をバンバン放出するパルマ(セリエA)のような台所事情の苦しいチームもあれば、ベッカムまで獲得するなど世界選抜と見まごうばかりのラインナップを充実させるレアル・マドリーのような金持ちチームもある。今季、最も派手な補強をして見せたのがプレミアリーグのチェルシーである。チェルシーがロシアのオイルマネーを背景に札束で頬をピシャピシャはたいて獲得した選手を列挙してみると、ウェストハムからコール(イングランド代表)、マンチェからベーロン(アルゼンチン代表)、パルマからムトゥ(ルーマニア代表)、ボルドーからスメルチン(ロシア代表)、ラツィオからクレスポ(アルゼンチン代表)、レアル・マドリーからマケレレ(フランス代表)という錚々たるメンバーだ。同じオイルマネーで思い出すのが、中東のカタールの国内クラブである。昨季のロマーリオ移籍をきっかけに、元スーパースターを集めまくっている様はさながら枯れ木に花、といった風情。カタールのクラブチームは、レアル・マドリ−からイエロ(元スペイン代表)、バルセロナからグラディオラ(元スペイン代表)、ローマからバティスチュータ(元アルゼンチン代表)、グラスゴーからカニージャ(元アルゼンチン代表)を獲得し、さらには元パラグアイ代表のチラベルトにも食指を伸ばしているという。しかし、彼らはあくまで"ひと昔前のスーパースター"たちで、きら星のごときチェルシーの選手たちに比べるとロートル感がグッと増す。それでも、イエロとグラディオラが対決したアルラ−ヤン対アルアリ戦(レアル対バルセロナ!?)は、イスラム教の断食期間なのにもかかわらず1万人近い観客を集めたというから驚きだ。こうした峠を越えたスターを集める作戦はかつてのJリーグ創生期を思わせるが、偶然にも代表監督はあのフィリップ・トルシエ君。なんだか日本のサッカー界のマネをしてるようにも見えるが、いっそのこと元ジェノア(セリエA)&元クロアチア・ザグレブ(クロアチアリーグ)の三浦知良、元バリャドリード(スペインリーグ)の城彰二、元エスパニョール(スペインリーグ)&元ボルトン(プレミアリーグ)の西澤明訓あたりもカタールで引き受けてもらえれば、それはそれで一興かと。(2003.12


#6 浦和レッズ、今季も好調!

ちょうど1年前にも浦和レッズのファンは忙しい、という記事をこのページに書いた。今年も浦和レッズは快調に飛ばしている!まずは去年と同じ顔合わせ(対鹿島アントラーズ)になったナビスコ杯決勝。国立競技場がまたも赤に染まったこの試合、4―0でレッズが勝利して念願の初タイトルを手にした。Jリーグの2ndステージも、首位と勝ち点1差の3位。この際、Jも天皇杯も勝ちまくって、是非とも三冠を達成しちゃってほしいものだ。さて、レッズの今年と去年の主な戦力を比較すると、「in〜山瀬、ニキフォロフ/out〜福田、井原、トゥット」ということになる。両ベテランとFWが減って得点力不足&経験不足が心配されそうなものだが、実はさにあらず。今年のレッズは代表をも凌ぐ強力2トップ〜エメルソン(22)と田中達也(20)がいるのだ。この2人が勢いづくと誰も止められない。極端な話、2人だけで点が取れるのだ。実際、トップ下の山瀬(22)がゴール前で「オレに(ボールを)寄こせ」と目の前のスペースを両手を開げて示しているのに、エメ(または田中)がその脇をドリブルですり抜けてピャーッとゴールしてしまうシーンをよく見かけた。山瀬ともうひとりのFWが相手DFを引き連れてくれるのでゴール前にスペースができるから、強引とも思えるドリブル突破が可能なのだ。さらには、日本代表のスタメンに定着した山田(28/右サイド)&平川(24/左サイド)とというスピードとテクニックのあるサイドアタッカーの攻撃参加によって、相手DFはケアしなければいけない選手が多くなり、その分運動量が増す。それゆえ、後半になると相手DFの運動量が(バテて)ガクッと落ち、ナビスコ杯決勝(対鹿島戦)のようにレッズの大量得点につながるとゆーわけだ。この強力な攻撃陣がいるから、DF陣もCK(コーナーキック)の際も上がることなく守備に専念できる。レッズのDFはセンターバックの2人(ニキフォロフと坪井)が相手2トップにつき、ゼリッチを余らせるという何ともオールドファッションな戦術だが、レッズサポーターは喜んで受け入れよう。なぜならば、我々(サポーター)はレッズが勝利する瞬間のために応援するのだから! (2003.10


#5 日本代表欧州組

ヨーロッパのリーグが開幕した。今シーズンは柳沢敦(26)がイタリア・セリエAの名門サンプドリアへ、藤田俊哉(31)がオランダ1部リーグのユトレヒトへ、鈴木隆行(27)がベルギー1部リーグのゾルダーへ、広山望(26)がフランス1部リーグのモンペリエへそれぞれ移籍。新天地でそこそこのスタートを切った。この4人に、セリエAの中田英寿(26/パルマ)、中村俊輔(25/レッジーナ)、ブンデス・リーガの高原直泰(24/ハンブルガーSV)、オランダ1部リーグの小野伸ニ(23/フェイエノールト)、そしてプレミアシップの稲本潤一(23/フラム)、戸田和幸(25/トットナム)、川口能活(28/ポーツマス)の7人を合わせるとヨーロッパのリーグでプレイする日本人選手は11人。これだけの選手が同時に海外に渡ったの史上初である。こうした状況は日本サッカーが強くなるためには歓迎すべきことだが、心配ごとが2つある。1つは、チームはプレミア昇格を果たしたもののほとんどベンチ入りすらままならない川口能活のことだ。高校時代からスター選手として活躍してきた彼にとって、これだけ長期の下積みは経験がないはず。しかし、それも1〜2シーズンで充分である。途中出場ができるフィールドプレーヤーと違ってGKはポジションが1チームに1つしかなく、正GKにならない限りほとんど出場機会に恵まれない。しかも、実戦が一番の練習になる特異なポジションなので、ポーツマスで得るものはほとんどないといっていい……と書いたとことで、デンマーク移籍のニュース。チームはノアシャラン。完全移籍というからひとまず安心だ! もう1つは、わが日本代表チームのことである。来年早々にスタートする2006年ドイツW杯のアジア予選は、ヨーロッパのリーグ開催中に行われる。レギュラーの大半がヨーロッパでプレイする日本代表チームはヨーロッパに比較的近い中東エリアでの試合ならまだしも、アジアでの試合のたびに飛行機での長時間の移動を強いられる。選手はピッチ場のパフォーマンス以外にコンディション調整に腐心しなければいけないのだ。いっそのこと、Jビレッジをドイツかオランダあたりに移して、代表の合宿もヨーロッパで行うというのはどうだろう。川渕キャプテンよ。うそでもいいから、国内の有名企業を口説いて出資させるくらいのことしてみなさい!(2003.08


#4 DF大論争

この春、朝日新聞に書かれた元・日本代表DF、井原正巳(35)のコラムが一般読者を巻き込んで論争に発展した。発端になった井原の主張はこうだ。「DFにとって反則は必要なプレー。浦和の坪井選手は1対1で抜かれてもすぐ追いつく速さがあるから、反則をする必要がない。でも、カードと引き換えに反則で止めることも覚える必要がある」これに対して一般の読者から、「私は指導者として子供たちにフェアプレイを教えている。手本となるべき井原さんから『反則は必要』と言う言葉を聞いたのは残念」という反論が寄せられた。これが論争の始まりである。しばらくすると、「客はシュートの場面を見たい。それを意図的な反則で見せないのはナンセンス」「FWがどんな形でも点を決めることが求められるように、DFはどんな手段でも失点を防ぐことこそプロフェッショナル!」などという意見が次々に読者から寄せられ議論は盛り上がった。でも、よく考えてみると指導者は指導者の視点、ファンはファンの視点に立って"プロフェッショナル・ファウル"を論じてるだけ。井原は井原で自分のサッカー哲学を声高に主張しているに過ぎない。ところが、この論争に現役のJリーガーが絡んできた。「サッカー経験者とそうでない人で考えが分かれるかもしれない。自分の考えも井原さんと同じ!」(横浜M・松田直樹=26)「ここで止めなければ失点につながるという場面で、厳しくいくのは当たり前。プロは結果がすべて」(清水・森岡隆三=27)日本を代表するDF2人が揃って井原の意見に同調する中、当事者の現役日本代表DFの坪井慶介(23)はこう言い放つ。「カードをもらわないことにこだわっているわけではないが、出来ればファウルをしないで止めたい」。ただ、マリノス松田は1stステージのレッズ戦(5/25)で警告2枚によるレッドカードをもらって試合を台無しにし、坪井は坪井で対セレッソ戦(4/26)、新生FW・大久保と1対1になり、ズバッと振り切られてゴールされた。松田はサッカー経験者がどうのと素人をばかにしている場合ではないし、坪井も口ではきれいごとをいいつつも必要とあらば相手FWを涼しい顔でゴリゴリ削るくらいの懐の深さがほしい。2人ともまだまだ甘い!(2003.06


#3 Jに吹くリストラの嵐

Jリーグ創設から10年が過ぎた。CMなどマスコミに登場していた当時のスター選手たちが今オフ、一様に岐路に立たされている。日本代表クラスでバリバリ活躍するのは中山雅史(35=磐田)くらいなもので、昨シーズンはスタメン落ちも多かった三浦和良(35=神戸)もやっとこさ残留。福田正博(36=浦和)、井原正巳(35=浦和)、北澤豪(34=東京V)、山口素弘(33=名古屋)、城彰二(27=神戸)、といった元・日本代表のビッグネームたちは、それぞれのチーム(城の場合は横浜)から戦力外通告を受けた。まさに“栄枯盛衰”だが、逆に考えればJリーグがプロ・サッカーリーグとしてある程度の成熟をみた、ともいえる(自国開催とはいえ、W杯でベスト16に入ったことが何よりの証拠)。成熟ついでに提言したい。彼らにこそ、J2でプレイしてもらいたいのだ。J1は磐田、鹿島の有力2チームがタイトな戦い方でリーグ全体を引っぱり、他チームもそれなりのレベルアップを迫られている。一方、J2のチームにはさほどのプレッシャーはない。スピードもない。フィジカルが落ちた分、長年培った“経験とワザ”でカバーすることもできる。何よりJ2のゲームは入場料が安い。そして、比較的都市部に集中しているJ1のチームと違い、J2のチームは札幌から福岡まで全国に点在している。そんなリーグで、少年たちがカズや城のプレイを生で見ることができたなら、自ずと下部リーグとしての“存在意義”も見えてくるはずだ。かつてマラドーナと共にアルゼンチン代表を支えた俊足FWクラウディオ・カニージャ(元・レッズ岡野の長髪は彼のマネ)はスコットランド・リーグ(グラスゴー・レンジャーズ)でプレイしているし、元・イタリア代表MFディ・リービオは消滅したフィオレンティーナの新チーム(セリエC)に残ってセリエB昇格を目指している。こうした環境でプレイするというオプションもあるのだ。もちろん、韓国Kリーグ(安養LG)入りという道を選んだ前園真聖(29)のような例もある。安永聡太郎(26)のようにスペイン2部リーグに活路を見出すのもいいだろう。ただ、日本の地方都市でカニージャやディ・リービオように楽しくプレイするのも豊かなサッカー人生のひとつだと思うのだが、どうだろうか。(2002.12


#2 レッズ快進撃の秘密!

レッズ・サポーターは忙しい。3年前によもやのJ2降格。そして1年でJ1復帰したかと思ったら、今度はナビスコ杯に優勝!J1セカンド・ステージでは優勝争いにも加わっている。この原稿を書いている時点(11月上旬)で磐田を追っての3位。今季終了後、引退を表明している福田正博(36)のためにも是非、優勝してほしいものだが……。レッズの好調ぶりを“ドーハ組の意地”とはやし立てる一部のマスコミには片腹痛いところだが、ハンス・オフト(55)の単純明快なストラテジー(戦術)が奏功しているのも事実。オフトは、俊足FW・エメルソン(21)を活かすところからチームを組み立てた。見回せばトゥット(24)、永井(23)、帝京魂・田中達也(19)とスピードと決定力を備えたFWが揃ってる。DF陣には井原(35)もいる。じゃあ、攻撃は3トップに任せ、あとの8人はディフェンスの意識を持ってプレイさせようというシンプルな発想。これは下位チームの戦術(セリエAでいうとカッサーノひとり前線に置いてあとは全員で守りまくった昨季のバーリ)だが、贅沢はいってられない。オフトはおれ様の戦術を理解できる選手だけ残したる、というワケでかつてのオフトJAPANで“同じ釜のメシを喰った”福田や井原を重用し、一方で若手選手を大胆に起用した。堅守・石井を控えに追いやった鈴木啓太(21)、城定をレンタル移籍させた平川(23)、室井を控えに追いやった坪井(23)……といったフレッシュな選手たちだ。一方で、3トップ以外の8人には司令塔のような“中途半端な存在”はいらないとばかりにアリソンを神戸へ放出、貴重なレフティ・阿部までも仙台にレンタル移籍させてしまった。“トップ下”の位置でプレイする福田正博さえも、攻撃時に前線へ飛び出すことはほとんどなく、中盤のスペースを埋めたり、ビルドアップの際にボールを左右にさばいたりする地味な仕事を黙々とこなしている(フォア・ザ・チームに徹する……男だね)。こうして、今季の浦和レッズは「俊足3トップ+福田&井原+若手」というエレメントで構成され、優勝を狙える位置まできた。ただひとつ、ハンス・オフトに文句がある。あの試合中の指笛だけはやめてくれないだろうか。選手たちは犬じゃないんだから。(2003.10


#1 ジーコJAPAN誕生

神様・ジーコ(49)が日本代表監督に就任した。一部には「監督経験がなくて勝てるのか」と不安視する声もあるが、まったくの杞憂に終わると思う。なにしろジーコは、“ジャンケンに負けただけでも機嫌が悪い”くらいの勝負にこだわる人物なのだ。そんなジーコが監督を受けたということは、日本代表に勝てるファクターが充分あるということ。特に日本が世界に誇る4人のMF〜中田英寿(25=パルマ)、中村俊輔(24=レッジーナ)、小野伸二(22=フェイエノールト)、稲本潤一(22=フラム)を82年W杯のブラジルチーム“黄金のカルテット”(ジーコ、ソクラテス、ファルカン、トニーニョ・セレーゾ)のように使いこなせたなら、世界があっと驚くチームになるだろう。ジーコ・ジャパンが採用すると見られる戦術は、ブラジル伝統の「4−4−2」。トルシエが採用していた「3−5−2」よりも攻撃的なシステムだ。「4−4−2」といえば、かつてオフトが代表で採用していたので(左サイドバックの都並敏史がけがドーハの悲劇を生む一因となった)で日本でもなじみが深いが、ヨーロッパスタイルのモダンなサッカーが浸透していた矢先、なんだか「逆行している」印象も否めない。さらには、両サイドバックが前線に上がって攻撃参加するためディフェンス面でのリスクも大きく、(かつて代表を指揮した加茂周も「4−4−2」からディフェンス重視の「3−5−2」に修正している)このためラインの上げ下げよりも相手のFWと真っ向から競り合える強いセンターバックとロベルト・カルロスのようなアグレッシブなサイドバック必要になる(ミスター“フラット3”の宮本が代表に残ることは難しい!?)。このシステムで代表復帰が叶いそうな選手をあげると、かつてファルカン・ジャパンで10番を背負ったことのある岩本(30=仙台)、名良橋(30=鹿島)、山田(27=浦和)といったサイドアタッカーや斉藤(29=清水)あたりか。秋に予定されている対アルゼンチン戦でジーコ・ジャパンが始動する。システムはともかく、日本版“黄金のカルテット”(中田、中村、小野、稲本)が同じピッチに立ち、どんなプレイを見せてくれるか、今から楽しみだ。(2002.08


 

 

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