ピュタゴラスおよびピュタゴラス派の数学的な業績(3) 幾何学

プロクロスが伝えるものが主たる原典ですProclos.A commentary on the First Book of Euclid's Elementプロクロス「ユークリッド原論第一巻注釈)および、プロクロス「プラトン国家注釈」他には原論への古注

(1)ペリパトス派のエウデモスが、あらゆる三角形は、二直角に等しい内角をもつという、この定理の発見をピュタゴラス派に帰しているProclos、p298)

(2)一点の周囲の角を埋め尽くすことができる正多角形は、正三角形、正方形、正六角形に限る。この定理はピュタゴラス派のものであるProclos、p238)

(3)あたえられた直線上に、あたえられた三角形に等しい平行四辺形を、あたえられた直線角に等しい角にあてはめること。エウデモスおよびエウデモスの弟子たちが主張するところではこれらのこと(面積あてはめ、や超過や不足)太古に発見されたものでピュタゴラス派のムゥサの技によるという・・・・面積当てはめはピュタゴラス派によって我々にもたらせられたProclos、p332ー333)

(4)命題47の注釈において)われわれが古代を探究しようとする人々に耳を傾けるならば、この定理をピュタゴラスに帰し、彼がこのときに牡牛を犠牲にささげたという者たちもいる。・・・その定理を最初に観察した人々を賞賛するとともに、原論の筆者に驚歎する、・・現代では三平方の定理をピュタゴラスに帰することはできない。(三平方の定理のリンク参照)Proclos、p337)

(5)(プロクロスの摘要)ピュタゴラスはこれらの人々の後に現れた人だが、この学問を一個の自由学芸の形に変貌させた。すなわちピュタゴラスはこの学問をいくつかの第一原理から検討し、種々の命題を、具体的な表現を使わず純論理的な思考によって研究しようと努めた。無理量(もしくは比例)の理論や宇宙的立体(すなわち正多面体)の作図も、彼の発見である。Proclos、p53)

(6)プロクロス「プラトン国家注釈」(Thomas P137)(正方形の辺と、対角線の整数の近似値を求める方法)「ピュタゴラス派の人は、辺と対角線についてこのようなエレガントな定理を提示した。対角線は辺を加えると辺になる、辺は自身の辺を加と、対角線を加えると対角線になる。
このことに関してTheon of Smyrna(スミュルナのテオン)は次のように述べている(Thomas P133)有理な対角線をみつける方法を示した。「対角線と辺の比もまた単位の中に見出される。・・・2つの単位をとり、ひとつを対角線、ひとつを辺とする。辺に対角線を加え、対角線には辺を2つ加える。」

12 29 70
対角線 17 41 99
                   
注、辺は 1+1=2 2+3=5 5+7=12 12+17=29 29+41=70
  対角線は 2×1+1=3 2×2+3=7 2×5+7=17 2×12+17=41 2×29+41=99

(7)ユークリッド原論13巻への古注(Thomas p379)正多面体(プラトンの対話編「ティマイオス」にでてくるのでプラトンの立体と呼ばれている)この13巻では5個のいわゆるプラトンの立体を扱っているが、これはプラトンによるものではない。・・・立方体、正正四面体、正十二面体はピュタゴラス派によるものであり、正八面体、正二十面体はティアイトスによる。
注、この古注は、(5)に矛盾する。(5)において、この資料はエウデモスのものではなく、プロクロスがイワンブリコスを用いてその隙間をうめた(Fischler p66)。おそらく5個の立体を最初に作図したのはティアイトスである(Thomas P379)さらに、ピュタゴラス派が正多面体を扱ったというのは確実ではなく、後代の偽造である(Sachs、Fischler p66より引用)従って、ピュタゴラスが正多面体を数学的に作図したということは事実ではないように思われる。しかし、正多面体を知っていた可能性は充分ある(正多面体についてはサイトをつくります)

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