視知覚認知のトレーニング

図形を正しく見る能力と、形を手で表出する技能(運動)の両方がうまく統合されたとき、正確に書ける。文字を読んだり、書いたりするときに次のような様々な能力が求められている。ここでは、その対処法としていままで用いてきた方法や教材を紹介します。

@ものを見つめる(注視)、目で追う(追視)
目が注視する方向によって、見えるものが決まる。ものを見るということは、眼球を思う方向にコントロールすること。追視は、子どもが文字の形を知るときに、その形や線を目で追います、この線を追うという運動は、追視運動を伸ばすことにつながる。
参考書「ビジョントレーニング」(図書文化社)

A視覚と運動の協応(目と手の供応動作ができる)
線を引くとき、目は手をコントロールしている。これが不十分だと思い通りの線にならなくなり、正確な図形や文字が書けない。また、すらすら書けない、運動の場合にみ、転がっているボールを蹴ったり、ハードルを飛び越えるとき目が足の監督している。国語では、文字をすらすら書けない、書字ではトメ、ハライ、ハネがうまくいかない等
教材例
具体物の操作・・・切る、貼る、塗り絵、折り紙、切り絵、版画、刺繍、ビーズ、玉通し
ワークシート・・・線なぞり、点結び、点図形、線図形

B図と地(図形と素地)
新聞を読んでいるときに一文字一文字浮かび上がらせ、選びだして読んでいる。このとき浮かび上がって読んでいる文字が図であり、新聞の他の文字や写真は地である。このような文字を拾い出す力が弱いととばして読んだりすることになる。このように読むということには、図形群や文字群から、図形や文字を拾い出す能力が必要である。また、線の重なり合いや図形の重なり合いにおいて、どちらが上でどちらが下が区別できないと困難を有することがある。例えば、×を書くときは、まづ、\を書くときは用紙が地で\が図、/を書くときは、\が地で/が図となる。これが分からないと、><のように書いてしまう子がいる、書こうとする線が重なっていることが分からない、書こうとする線の順序(書き順)も分からない。文字として書き表せず、線を正しくなぞることも出来ない。さらに、田という字は正方形が四つで出来ていると見てしまったりする。また、絵や写真のように、風景や人物が重なっているときにその輪郭がわからず正確に認識できない。国語では、文字をとばして書いたり、「ま」のように重なり合いのある字の書き間違え、ページのなかで指示された文字や単語が見つけにくい。辞書を引くのが苦手。
教材例
具体物・・・版画、切り絵、絵や写真の分析、塗り絵、切る、貼る、ひも結び
ワークシート・・・重なり合った形の弁別

C恒常性
・大きさや色彩や明るさが見かけに左右されない
・形が大きさや位置、色や明るさや背景にかかわらず認知できる。例えば、単語がちがう活字でも認知できる(図と地にも関わるが)また、「よ」「ょ」がわかる。国語では、似た字を読み違えたり書き間違える。
教材例
具体物で、同じ形で、大きさの比較、同じ大きさを見つける、大きい順に並べる、いろいろな位置や方向から図形を見る。形のパズル、ジオボード、ペグボード、図形のマッチング、図形の分類、作図

D空間の位置、方向感覚
個体の中では、自分の手足の左右、上下、前後、外部では、上下、近い、遠いなど。ここに問題があると、アルファベットのdとpとbの間違えや鏡文字を書いたり、「い」と「こ」を間違えたりする。また、ハネやハライの方向をまちがえたり、偏や旁のうまく合わない、位置を間違える。ラジオ体操なども苦手
教材例
三角形、四角形や立体を用いたパズル(パターンブロッックはおすすめ)、立方体の積み木、図形の分類、マッチング、玉とおし

E空間関係
自分と外部お二つ以上の相互関係
針に糸を通すときや字を書くときの、自分と糸と針、自分と用紙と鉛筆の関係、テニスのとき、自分とラケットとボールの関係。字視写や図形の模写ができない。国語科では、書き順を間違える、長い単語が読めない、文字をまっすぐかけない(目と手の協応にも関係する)
教材例
切る、貼る、塗り絵、折り紙、切り絵、刺繍、テニスや卓球、パズル、版画、点図形、図形模写

最後に、他に良い教材はたくさんあると思います、私は、図形関係では、プレートパズル、マジックブロック、パターンブロック、テトラドン、タングラム、間違えさがし、立方体積み木、立体の点結びをよく使っていました。