トレーニングの意義

 

一般的にトレーニングというと、筋肉を鍛えてできないことをするようなイメージがあります。

 

私自身、子供のころは「先生の言うとおりにしていればそのうち痛みもなくなって上手に弾けるようになるだろう」と考えていましたし、負けず嫌いで我慢強かったから(才能があると思われたかったので)痛みがあってもそれを訴えたりはしませんでした。

 

ところが、です。大学時代に勧められたあるビデオを見て、考え方がかなり変わりました。一般的に「才能」というものは、少なくともピアノの演奏に関しては、「方法を説明されなくてもできる能力」ということのようです。ということは多くの人はピアノを弾く才能がないということになります。

 

でも、考えてみましょう。

 

高校で数学を勉強されたかたはご存知かと思いますが、ドイツの天才数学者ガウスさんは、「1+2+3+4+10」(等差数列の和、初項1、公差1)をきかれたとき、瞬時に「55」と答えることができたそうです。彼は順番にたしていったのではなく、「(1+10+2+9+」と11のかたまりを作って、そのかたまりの数を数えて11555と計算しました。説明されれば納得です。そして、この考え方を使えば、1+2+3+1000だってすぐに計算できますよね(公式を利用してもいいですけど)。

 

これと同じことがピアノの演奏でもいえるわけです。ひらめくかどうかは個人差にもよりますが、説明をされれば技術は身につきますし、その技術を応用することができればピアノの曲だったらどんなものも演奏できるようになるんです。才能のあるなしは周囲の人(両親や先生)が決めることではなく、本人がどこで妥協するかということなんです。「指は動いているし(音は出ているし)、このレベルでいいかな、もうこの曲は卒業しようかな」ということなんです。それが妥協になるか「完成」になるかは本人のこだわり次第です。

 

このサイトでいうトレーニングとは、多くの人たちにとって考えもしない当たり前のことです。「なんだ、そんなことか、当たり前じゃん」と言われること請け合いです。私は「多すぎる方が足りないよりもいい」ということを信条としていますので、必要以上にくどいかもしれませんがどうかお付き合いいただければ幸いです。

 

ちなみにお値段は張るんですけれども、私が見たビデオはTaubman Techniquesというシリーズで(10巻組)、Dorothy Taubmanさんが考案、Edna Golandskyさんが講義を行っているものです。卒業した大学ではそれがなかったので、他の図書館から取り寄せてもらったものを見たのですが、なるほどとおもいました。このサイトでは私なりにその内容をアレンジしたものをお伝えしていきますが、このビデオはお金持ちになったらぜひとも手元に持ちたいです。