グループにまとめましょう。

 

人間の集中力には限界があります。ですから、「難しいな」と思われるようなパッセージを楽に弾けるテンポからメトロノームのダイヤルを1ずつ上げてふさわしいテンポまで練習などといったら(忍耐強い人でしたら別ですが)かなりきついですよね(こういう練習方法ももちろんありますが、大曲の場合、私の集中力ではまず無理です)。

 

というわけで、パッセージをグループにまとめることを考えましょう。グループにまとめるにはいろいろな方法がありますが(拍でまとめたり数でまとめるのが一般的でしょうか)、今回は指使いに従ったグループ分けです。

 

親指をくぐらせたり親指以外の指が親指をまたぎ(あるいは手全体を移動させる)速く動くパッセージについて考えます。開始の音から、指をまたがせたりくぐらせたりした音までを一つのグループとします。そして次の音は、またいだりくぐったりした音から同じくまたがせたりくぐらせたりした音までを一つのグループとします。以下同じように続けていきます。このグループ分けですと、2030も音符が続くことはないので、弾きたいテンポにわりと早くもっていきやすいかなと思います。複数のグループが続く場合はその都度、1つめのグループからその直前のグループまで足していきます。

 

たとえば、ハ長調のアルペジオの場合、1231231231235といきますが、1からはじめて、また1が登場するまでを1つのグループとします。手や腕を動かして気持ちよく1231を速く弾く練習をしてまた1231とオクターブ上で同じように練習し、はじめから1231231などと段々にグループを増やしていきます。もっと譜例があったほうがいいのですね。今後の課題として考えておきます。

 

また、指使いとは別に音型で分ける場合もあります。この場合、「山」と「谷」になっている部分がポイントです。ここでいう「山」は上昇する音型が下降に変わる音符まで、「谷」は下降する音型が上昇に変わるまでのことです。具体例をまた言葉で示しましょう。

 

ハ長調のアルペジオ1オクターブを考えます。「ドミソドソミド」指使いは1235321(右手の場合)です。この場合、「山」はドミソドソとなります。これを弾くとき、お読みの皆さんはどのように手全体をお動かしになるでしょうか?

 

私の場合、鍵盤平面上では最初のドを弾いたあと少し後ろに下がりながらミとソを弾きます。そして1オクターブ上のドを弾く際には前に進めます。アルファベットのCを左右ひっくり返して書き順もひっくり返したような感じですね。もちろん、同じくCを左右さかさまにして、書き順は変えないで、という方が弾きやすいという方もいらっしゃるでしょう。それがいい場合もあるでしょう。大切なのは手を痛めずに楽にできる方法でしたらなんでもいいのです。

 

3次元的には、これに高さの動きも加味します。私の場合は、高さの動きもアルファベットのCを左右ひっくり返して書き順もひっくり返したような感じになります。もちろん反対の動き方の方が弾きやすいという方もいらっしゃるでしょう。それも人それぞれです。

 

「谷」に関しては、同じくハ長調アルペジオ1オクターブ、ドソミドミソド(1オクターブ上のドから始めます)指使い5321235を考えます。この場合の谷はドソミドミとなります。以下は私の手の動きの例です。

鍵盤上の平面上ではアルファベットCを書き順そのままに動かします。鍵盤に垂直な平面上の動きもアルファベットCを書き順そのままに動かします。

 

私の場合、この例に関しては鍵盤上平面と鍵盤に垂直な平面での手の動かし方の形は一致しましたが、これが必ずしも一致するものでもないのです。皆さんが練習される際、各グループにあった指や手、そして腕の合理的な動かし方(人によって異なるでしょう)を研究なさってみてはいかがでしょう?

 

根気強くやるのがポイントです。「ああ、もうこのグループ飽きた、次に進もう」となりそうですが、なんとかこらえて「この15分は、このグループだけやろう(それ以上かけてできないということはないと思います)。きちんと弾けるようになったら手の動かし方、指の動かし方をメモしておこう」となれば完璧です(そういえば、私は高校まで完璧の「ぺき」の字は壁「かべ」だと思っていました)。ご健闘をお祈りします。