チェックリスト

 

ある箇所をかなり長い間かけて練習しているのに上達が感じられないという方は以下の項目をチェックしてみてください(ただし、体はつながっているので他の項目のチェックポイントが別の部分の痛みの解決に役立つこともあるかもしれません)。

 

      指先に痛みがある方は、以下の点をチェックされてみてください。

o       打鍵をする瞬間、指先が鍵盤に衝撃を与えていませんか?考え方によっては、これは指先をカナヅチでたたいているようなものです。出る音量は多少下がりますが、もう少しゆっくりと打鍵されてみましょう。あとは、中学校で習った理科の圧力の知識ですが、圧力というのは力を与える面積が小さいほど、大きくなるそうです。打鍵をする指の面積を大小させることによって(大きくすることと小さくすることを両方試して)痛みを減らす研究しましょう。

 

      手全体に痛みがある方は(腕も含めます)、以下の点をチェックされてみてください。

o       打鍵をした直後に、指先から力が抜けていますか?人間は全速力で寿命の期間走り続けられないように(いつかは疲れますね)、指に力を入れっぱなしではいつかガタがきます。修理ができる間に気がつけばいいのですが、修理不可まで酷使されては元も子もありません。離鍵の回でお話したかもしれませんが、大切なことなので繰り返します。
ピアノは打楽器で、ある程度の速さで鍵盤を下げればハンマーが弦を打ちます。その速さをコントロールすることによって音の大小を変えるのですが、ハンマーが弦を打ってしまえばあとは鍵盤が下がっていれば音は鳴り続けます。弦を打ったあと力を入れ続けていても力の無駄遣いなんです。下の方法を試してください。
ダンパーペダルを使います。鍵盤に向かって手を自由落下させて、音が鳴ったらスタッカート(この場合、短く切るという意図です)を大げさ(手を自分の頭よりも上の高さぐらいまで上げる)に優雅にやります。そして手が鍵盤から離れたら、余分な力が抜けているか確認します(手をブラブラと揺らすという確認方法はどうでしょう)。それができるようになったらだんだん離鍵の距離を下げていきますが、打鍵の直後に力が抜けていることの確認は忘れずにやってくださいね。
あるいは、これはひじと方の間に痛みがある方向けですが、打鍵して、手の重さだけで鍵盤を下げ続けたままの状態を維持することも考えられます。普段私たちが座るときのおしりのような役目を手に担わすわけです。「ズルしましょう」というコーナーでも書くつもりですが、記譜されている音価分鍵盤を下げ続ける必要はもちろんないわけで(できればそれに越したことはありませんが)、とりあえず休めたと実感されたら次の音符を弾く準備に移っても大丈夫でしょう。

o       かなり広い音程の音を和音で拾わなければいけないとき「外してはいけないわ」と身構えて手に必要以上の力を入れていないでしょうか?これはどちらかというと手全体の柔らかさにも関係するのですが、直前まで手を広げないで、弾く瞬間だけ「ガチョーン」とやって(伸ばす必要があればペダルを使って)すぐに楽な広さに戻すということを練習されてみてください(チャイコフスキーのピアノ協奏曲などは「ガチョーン、ガチョーン、ガチョーン」とやることになりますね。ああ、名曲が・・・。)。

 

      手首と薬指、小指の付け根の間に痛みがある方は、以下の点をチェックされてみてください。

o       その痛みが起こる前と起こる最中の手(小指の付け根)と腕の角度はどうですか。この角度が180度に近ければいいですが、この角度が小さく長い間その状態が続くようでしたら注意が必要です(やむを得ず一瞬だけ小さくなるとしてもすぐに戻せれば大丈夫です)。この角度の調節には手首やひじを左右に移動させる(その結果腕全体が動くことになります)ことで解決します。肘はそんなに早く動かないので、手首を動かすことの方が多くなるでしょう。

 

      肩が痛む(あるいはこる)方は、以下の点をチェックされてみてください。

o       私たちの肩は「気をつけ」をしている状態(手のひらが内側に向いている状態)が標準で、それ以外は「異常事態」となります。鍵盤の上に腕全体の重さをかけられる場合はそれでもどうにかなりますが、そうでない場合、肩に「気をつけの状態なんですよ」と錯覚させる必要があるのです。その方法ですが、ひじの裏側(「肘窩(ちゅうか)」というそうです)がポイントになります。これが上向きのとき、肩は「あ、普通の状態だな」と認識するために、「こってますよ」信号を送らなくなるわけです。逆に言えば、肩がこる前にひじを少し下に動かすことによってこの痛みは回避されます。