離鍵について(テンポの速くない曲の場合)

 

離鍵とは、字のごとく鍵盤から手を離すことですが、私のコンピューターの辞書には登録されていませんでした。あまり知られていない言葉なんですね。

 

音符を必要な長さまで伸ばしたら、離鍵します。その方法を考えていきたいと思います。

 

前回お話したとおり、一度打鍵したら手の重さだけで鍵盤は下がり続けるので、音を伸ばしている間は余計な力は入っていないはずです(これは重要なことなので気をつけてくださいね)。演奏している曲の速さにもよりますが、テンポがそれほど速くなければ、力が抜けていることをチェックする意味でも、以下の方法で離鍵してみましょう。

 

指は鍵盤に触れたまま手首をゆっくり上げます。最終的に指も鍵盤から離れていくのですが、イメージとしてはこんなところでしょうか。

 

指「鍵盤さん、私あなたに会えてよかった。」

鍵盤「何を言っているんだ、まだ行かないでもいいだろう?」

指「いいえ、もう私たちのお別れの時間が来てしまったのよ。」

鍵盤「そんな。せめて君のぬくもりを最後まで感じさせてくれよ。」

指「これまで本当にありがとう。さようなら鍵盤さん。」

鍵盤「指君!さようなら。」

 

名残惜しく鍵盤を離れる指(こんな会話を考えるのもちょっとむなしいですね)。そして、指と鍵盤はまた新たな出会いを繰り返していく。

 

あくまで、優雅に行うことを目標にします。「優雅」であればあろうとするほど、余計な力は抜けるはずです。

 

テンポの速い曲ではそれほど神経質に離鍵する必要はありません(余計な力が入っていないことは重要ですが)。

 

「オレ、ピアニストっぽいな。」(事実ピアニストですから)などと酔いしれてください。これも大切な技術の一つです。