薬指

 

薬指を鍛える方法なんていうのを、ピアノの弾き方のサイトで結構見かけます。手を鍛えるのに普段からおもりを身に付けて生活しましょう、なんていうのもありますが、反応のよくないピアノを弾かなければいけないならともかくとして、普通に打鍵すれば音が出るピアノでしたら、そこまで筋力を鍛えることに執着しなくても大丈夫だと思います。

 

このようなサイトで気になるのは、薬指のみの上下運動を推奨している場合です。薬指というのは、中指と小指の間の筋肉に挟まれているので、それだけを独立して動かすのは大変難しいのですが、そんなことをしなくてもピアノは弾けます。

 

打鍵をする際、ピアノの鍵盤に向かって(下に向かって)指を動かすわけです。必要以上の高さに薬指だけを上げる必要はないのですね。すなわち、これは手全体を動かす「腕の回転運動」でも述べますが、薬指を使う箇所で薬指が上がらない、とお悩みの方は、ついでに小指、中指(場合によっては人差し指も)上げてお弾きになることをお勧めします。薬指以外の音が打鍵しないように注意すればいいのですが、それはできますよね?

 

シューマンは薬指を独立して動かす訓練中に手を壊し(薬指を骨折でもしたのでしょうか)、ピアノを弾けなくなってしまったそうです。テレビなどで、ピアニストの方が、「ピアニストになるにはこのように薬指の特訓が欠かせません」と(いうことはあまりないと信じていますが)、その方がご自分の演奏の際にその特訓の成果を出しているかどうかは疑問です。というわけで、手を壊す可能性のある特訓ではなく、楽に同じような効果が上げられるようなトレーニングを考えましょうね。