アルペジオを弾く

 

さて、アルペジオの練習です。アルペジオで失敗しやすいのはやはり「くぐる」際に行きすぎたり、逆に足りなくなったりすることですね。あとは指の間隔が狭すぎたり広すぎたりすることでしょうか。

 

「くぐる」「くぐらせる(この言葉で正しいでしょうか?)」ことを考えてみましょう。両方とも、くぐる前の段階の準備不足が原因なのではないかと考えられます。音階を弾くでも申し上げましたが、親指を弾き終わったら徐々に次の音を弾く指の真後ろに持っていくことをやってみましょう。

 

ハ長調右手を例に取ります。指使いはハノンさんのものを使います。

 

ドミソドミソドミソ・・・と続いていくわけですが、指使いは1231231231235ですね。さて、1を弾きました。次は2です。2で弾いたとき、1はどこにありますか?まだドの位置にありますか?それとも、すでに2の後ろぐらいにありますか?次に3に進みますが、1はどこにあるでしょうか。ドの位置ですか?2の後ろですか?それとも3の後ろに行っていますか?距離としては3センチメートルぐらいの違いですが、結構この3センチメートル、バカになりません。物騒な話ですが、射的をするときには距離が近い方が的に当たりやすいですよね。距離の離れた音を弾く場合も同様で、距離が近ければ近いほど、正しい音を打鍵しやすくなります。あとは、3の真後ろの位置から1で次のオクターヴに移るわけです。これに手の前後と左右の移動を加えます。3を弾き、真後ろにある1を次のドまで移動させます。3から1の移動を失敗しないで3回ほどやってみます。これで、脳はこの感覚を覚えることができました。残りのオクターヴも同じような要領、あとは「速いパッセージ、音を一つずつ増やす」作戦で、何回か繰り返して、感覚を記憶。上昇はこれで終了です。

 

次は下降ですね。

 

やはりドソミドソミドソミといきますが、初めの4つはいいとして、4つ目から5つ目にくぐらせる箇所が生じます。このとき、1をある程度ジャンプ台として使います。1を使った勢いで、3をソの位置(できれば2もミの近く)に移動させます。同じように安心して打鍵できる位置に手全体移動させます。くぐらせるときの移動を複数回失敗しないで繰り返し、脳に感覚を覚えさせ、習慣とします。そしたら、例の「速いパッセージ、音を一つずつ増やす」作戦をやり、感覚を身に付けることで終了。こんな感じです。

 

左の場合は上昇と下降を反対にした練習をします。

 

曲によっては、基本形ではなく展開形でのアルペジオが登場しますが、同じように練習して効果を見てみてください。もしもうまくいかなければ指使いを変えたり、いくつかの音をもう一つの手が空いていればそちらで拾うなどでカバーすれば大丈夫でしょう。あまりにも変なアルペジオや指使いは、私の後学のためにも、お知らせいただければ幸いです。