筋性腰痛症(筋筋膜性腰痛)の本当の原因って?



筋性腰痛症(筋筋膜性腰痛)は腰痛の種類であって、原因ではない

ということをお伝えしました。

そして、筋性腰痛症(筋筋膜性腰痛)に対して

痛みを発している箇所に治療を施しても

根本的な改善には繋がりにくい、
ともお伝えしました。

では、筋性腰痛症(筋筋膜性腰痛)の原因とはなんでしょう?


筋性腰痛症(筋筋膜性腰痛)の本当の原因とは...

それは、大腰筋の拘縮(持続性収縮)です。

筋肉が一時的に縮むのは、関節を動かす為に必要なことですが

縮んだまま伸びにくくなってしまう(持続性収縮)と、いろんな問題が起こります。

そのひとつが
『大腰筋の拘縮が原因の【筋性腰痛症(筋筋膜腰痛】』いう訳です。


大腰筋ってどこにあるの?

大腰筋は、腸骨筋や小腰筋とまとめて「腸腰筋」

と呼ばれている筋肉のうちのひとつです。

その中で長さが最も長く、大きな力を発揮するのが「大腰筋」です。

大腰筋は、真ん中より少し下ぐらいの背骨(第一腰椎)から

一番骨盤に近い背骨(第五腰椎)まで付いています。

その場所から、骨盤の前を通り

太ももの骨の内側(小転子)に付いています。

大腰筋は背骨の左右にあります。


大腰筋は何をする筋肉?


大腰筋は、直立姿勢の時、正常な筋肉の弾力(張り)があると

骨盤を前傾(背骨を前彎)位置に保つ仕事をします。

わかりやすく言うと「猫背気味にならないようにする」ということです。

また、大腰筋を収縮させると、股関節を曲げることができます。

また、両足が地面に付いている状態で左右の大腰筋を収縮させると、上体を前に曲げることができます。

そして、背骨の後ろ側の筋肉「脊柱起立筋・広背筋など」と背骨を前後から引っ張って

前や後ろに倒れないようにバランスを取っています。


なぜ、大腰筋が拘縮すると腰痛になる?

それは

大腰筋が持続的に縮むと

腰の筋肉に負担が掛かるから


です。

大腰筋には上体を曲げる働きがあります。

ですから、大腰筋がずっと縮んだまま伸びにくくなると、

背筋をまっすぐすることがつらくなります。

また、上体を後ろに反らせにくくなったり

前に曲げた上体から起こすことが困難に
なったりします。

それは大腰筋が背骨を前から引っ張るからです。

左図のように、背骨の前後には

体を前に曲げる筋肉(大腰筋など)と

後ろに反らせる筋肉(脊柱起立筋・広背筋など)があります。

これらのバランスが上手く取れているときは

背骨自体にも、前後お互いの筋肉にも何の負担もありませんが

背骨を前に曲げる筋肉(大腰筋など)が縮んだままになると

張力のバランスが崩れ

後ろに反らせる筋肉(広背筋など)への負担が強く
なります。

例えば

筋肉の状態が正常でバランスが取れているとき、背骨を前後とも10の力で引っ張っているとします。

ここでもし、大腰筋が縮んで、前から引っ張る力が12になったとすると

バランスを取る為には後ろからも12の力で引っ張らなくてはなりません。

よく、「掃除機をかけていると腰が痛くなってくる。」と言われるのをお聞きしますが

それは、前にかがんだ上体の重みに加え、大腰筋の引っ張る力が余分に加わるからです。

また、前に屈んだ姿勢から起きあがる時にも(イスから立ち上がる、等)

その度に腰(背中側)の筋肉は余分な力を使わなければなりません。

その結果、腰の筋肉に疲労が溜まり、筋性腰痛症(筋筋膜性腰痛)になってしまうのです。


背骨の前後の筋肉の
バランスが取れているときの姿勢 










大腰筋が拘縮して
バランスが崩れた状態の姿勢







                                  

上の写真のように、大腰筋が拘縮すると、背筋をまっすぐ伸ばすことができにくくなります。

頑張って伸ばすと背中が疲れます。

それは、大腰筋が拘縮しているために、背筋を伸ばすのに余分な力を使うからです。

大腰筋が拘縮している期間が長ければ長いほど

また、拘縮の仕方が強いほど

腰(背中下部)への負担が強くなります。

その結果、筋性腰痛症(筋筋膜性腰痛)になる
のです。

その時の痛みを発生する場所(患部)の状態については

筋性腰痛症、痛いところはどうなってる?

のページをご覧下さい。



ではここで、皆さんの腰痛が、大腰筋の拘縮によるものかどうかを見てみましょう。

大腰筋が拘縮しているときに出る症状は、下記の通りです

当てはまる項目が多ければ多いほど、大腰筋が拘縮している可能性が高くなります。

大腰筋の縮み度合いチェック

少し長くイスに座っていると、立ち上がるときに腰が伸びにくい、または腰が痛む
  (特にソファのように腰が沈み込むイスに座った後はその傾向が強い)

長い時間立っていると腰が痛くなってくる

絶えず腰がだるい、または重い

中腰の姿勢で腰が痛くなりやすい

背筋をまっすぐ伸ばして立つ、または座るのがつらい
  (猫背気味にしているのが楽)

仰向けに寝ると背中が浮いて、手やタオルをそこに入れたくなる

寝るときは横向きで股関節を曲げて寝るのが楽

朝起きたときに痛いことが多い

下腹が出ている

ヒップが下がっている


いかがでしたか?

整形外科などに行かれて「骨には異常ありません」という診断を受けた方で

上記の項目に沢山当てはまる症状のある方は

大腰筋の拘縮が原因の筋性腰痛症(筋筋膜性腰痛)である可能性が高い。

と言っていいでしょう。


大腰筋の他にも

股関節を前に曲げる働きをする

大腿直筋という筋肉があります。

この筋肉の拘縮もまた

筋性腰痛症(筋筋膜性腰痛)の

根本的な原因のひとつです。