特殊研究(大学院博士課程)

 

講義内容

<到達目標>
 博士課程の修了(すなわち博士論文の完成と学位取得)に必要な知識を修得し,法律学の研究者としての基礎的学力を養う。

<講義の概要>
 民法の研究者となるためには,比較法の基礎的知識と外国法の研究(すなわち原典にあたっての外国文献の購読)は不可欠,少なくともきわめて有益で重要である。そこで,本講義では,その基礎的能力を養成すべく,そのために有益な,基本的文献・代表的文献を購読して,議論検討する。

<講義計画> 前期は日本語の文献,後期は外国文献(原書)を素材とした研究を行う。もっとも,受講者の希望やその研究計画に即した必要性に応じて,その内容を変更する余地もあるので,その場合は相談してもらいたい。

 前期では,主に比較法に関する日本語の文献を購読,検討する。テーマは次のとおりとするが,受講生の予習内容が不十分であったり,また,理解があいまいなままに先に進めることはしないので,進捗状況はこのとおりにいかないこともある(同じテーマが2回以上継続になることもある)。
第1回 前期講義の進め方と比較法に関する文献
第2回 比較法の意義を考える
第3回 比較法学の基礎知識を学ぶ
第4回 比較法を学ぶ目的を考える
第5回 法の継受を考える
第6回 比較法の研究方法を考える
第7回 ツヴァイゲルト(&ケッツ)の法圏論を考える
第8回 ヨーロッパ法の特色を学ぶ
第9回 大陸法と英米法の特徴を押さえる
第10回 比較法からみた日本法の特徴を考える
第11回 日本民法学における比較法の扱い方を考える
第12回 民法の論文における比較法の扱い方を学ぶ
第13回 外国法の調べ方(外国文献の調査収集方法)
第14回 受講者各自の研究論文と比較法
第15回 まとめ(前期で扱ったことの全体を振り返って,ポイントの確認と残された問題・課題の検討)
 

 後期では,主にドイツ法とフランス法,そして英米法の文献(原書)を購読,研究する。特に受講生の希望がなければ,主に時効法(特に取得時効法制)ないし不動産登記法制(ひろく不動産物権変動論)を対象とする予定である。文献はドイツ法及びフランス法,それにオーストラリアを含む英米法における代表的テキスト・代表的コンメンタール,その分野の代表的論文や判例を購読対象にし,ドイツ法とフランス法を各5回ずつ,英米法を3回扱う予定であるが,受講生の語学力や研究関心に応じて,その軽重の置き方や扱う回数は変更することもある(受講生と相談の上,決定したい)。

第1回 後期講義の進め方と外国法文献
第2回 ドイツ法の文献購読(1)
第3回 ドイツ法の文献購読(2)
第4回 ドイツ法の文献購読(3)
第5回 ドイツ法の文献購読(4)
第6回 ドイツ法の文献購読(5)
第7回 フランス法の文献購読(1)
第8回 フランス法の文献購読(2)
第9回 フランス法の文献購読(3)
第10回 フランス法の文献購読(4)
第11回 フランス法の文献購読(5)
第12回 英米法の文献購読(1)
第13回 英米法の文献購読(2)
第14回 英米法の文献購読(3)
第15回 まとめ(後期で扱ったことの全体を振り返って,ポイントの確認と残された問題・課題の検討)

<教科書>
 各回で扱う購読文献は指示して各自で収集してもらうか,それが困難なものについては印刷して配布する。  

 

履修上の注意

1.毎回,指示された内容の報告を求めるので,外国文献の購読など予習が不可欠である。また,報告にあたっては,報告内容を要約したレジュメの作成を求める場合もある(事前に個別に指示する)。
2.英独仏の原書が読めることが望ましいが,少なくとも英語とドイツ語か,英語とフランス語のいずれかが読めることを前提としたい(これらに代えて,その他の言語については,相談してください)。