今月読んだオススメ本
2016年3月
2015年12月
| 流 |
| (ストーリー) 1975年、偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。17歳。無軌道に生きるわたしには、まだその意味はわからなかった。大陸から台湾、そして日本へ。歴史に刻まれた、一家の流浪と決断の軌跡。台湾生まれ、日本育ち。超弩級の才能が、はじめて己の血を解き放つ!友情と初恋。流浪と決断。圧倒的物語。 (感想) 台湾生まれ、日本育ちの作者が描く波乱に満ちた壮大なヒューマンストーリー。 主人公や舞台がほとんど台湾であり、時代背景も戦後を描いているため、 かなり読みずらいのでは?との予想を良い意味で覆してくれた作品でした! その混沌とした時代がリアルに表現されている文章力! 圧倒的なキャラクターの個性! さらに祖父の死の謎というミステリーが加わり、もう本当にすばらしいの一言! 雰囲気的にはなんとなく「赤朽葉家の伝説」に似てますね。 今年最高作品であること間違いなしです! |
2014年1月
| アリス殺し |
| (ストーリー) 複数の人間が夢で共有する〈不思議の国〉で次々起きる異様な殺人と、現実世界で起きる不審死。驚愕の真相にあなたも必ず騙される。鬼才が贈る本格ミステリ。 (感想) 地球の世界とアリスの世界を融合させたSFミステリー。 アリスの不思議な国のストーリーをかなり知らないと作品に入り込むのにだいぶ時間がかかってしまうためA評価にしましたが、クオリティは断然Sクラス!! 眠っているときに各々の世界のストーリーが進むという独創性もさることながら、 摩訶不思議なこの世界を利用した数々のトリックは圧巻! 最後の何ページかだけグロいのでご注意を。 |
2013年8月
| 殺戮にいたる病 |
| (ストーリー) 永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。犯人の名前は、蒲生稔!くり返される凌辱の果ての惨殺。冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。 (感想) 数多く存在するどんでん返し系の中でも名作と呼ばれている作品! 登場人物が少ないのにこれでどうやってどんでん返しするの?と疑いながら読んでも まったく見抜くことができない、痛快なやられた感がすばらしい☆ 他の小説にありがちな中だるみや尻すぼみもなく、一気読み間違いなしです。 特にクライマックスにかけての緊迫感は素晴らしいの一言! ただひとつ欠点があるとすれば、かなりのグロ系だということ。 はっきり言ってこの作品、グロ耐性がない人や女性の方(グロの内容的に)にはお勧めできません。 |
2013年1月
| 64(ロクヨン) |
| (ストーリー) 昭和64年に起きたD県警史上最悪の誘拐殺害事件を巡り、刑事部と警務部が全面戦争に突入。広報三上は己の真を問われる。究極の警察小説! (感想) 今年このミス1位の評価通りのすばらしい作品でした。 中盤ぐらいまでは展開がゆったりとしていて少しだるさを感じる部分もありますが、 後半のスピード感とピリピリするような神経戦は秀逸です。 組織同士のしがらみや対立を書かせたら横山先生を超える人はいないかもしれません。 この作品はD県警シリーズですが、普通のシリーズものと違って 主人公が毎回変わっているようで、「影の季節」では二渡が主人公となっているみたいです。 今回のように刑事が主人公じゃないのも珍しいですね。 過去のシリーズも読んでから読み始めるとより世界観を味わえるかも☆ |
2012年11月
| ソロモンの偽証 |
| (ストーリー) その法廷は十四歳の死で始まり偽証で完結した。五年ぶりの現代ミステリー巨編! クリスマスの朝、雪の校庭に急降下した十四歳。その死は校舎に眠っていた悪意を揺り醒ました。目撃者を名乗る匿名の告発状が、やがて主役に躍り出る。新たな殺人計画、マスコミの過剰報道、そして犠牲者が一人、また一人。気づけば中学校は死を賭けたゲームの盤上にあった。死体は何を仕掛けたのか。真意を知っているのは誰!? (感想) 大津いじめ事件が話題になった今年、狙ったかのように発刊された本作品。 ある少年の不審死で始まり、中学生たちが自ら事件の真相を知るために奮闘します。 700ページ越え×3冊とミステリー作品としては常軌を逸した大作をサクサクと読ませるのは、 さすが宮部みゆき先生といえます! 学園ものでしかも今話題の内容なのでこの長編に耐えられる人wなら 活字慣れしていない人でも楽しく読める作品だと思います。 (映画化するにはちと地味すぎか。) 中学生の当事者たちが大人過ぎるとかコトがうまくいきすぎとか いちゃもんをつけようと思えばないこともないですが 発刊前からこのミス最有力と謳われた本作はやはりおもしろかった!! |
2012年9月
| 楽園のカンヴァス |
| (ストーリー) ニューヨーク近代美術館の学芸員ティム・ブラウンは、スイスの大邸宅でありえない絵を目にしていた。MoMAが所蔵する、素朴派の巨匠アンリ・ルソーの大作『夢』。その名作とほぼ同じ構図、同じタッチの作が目の前にある。持ち主の大富豪は、真贋を正しく判定した者に作品を譲ると宣言、ヒントとして謎の古書を手渡した。好敵手は日本人研究者の早川織絵。リミットは七日間―。ピカソとルソー。二人の天才画家が生涯抱えた秘密が、いま、明かされる。 (感想) webダ・ヴィンチのプラチナ本にも推されているこの作品。 本当に面白くて最後は読み終えるのがすごく惜しかったです。 この作品は2人のルソー専門家が1枚の絵に対して真贋鑑定の対決をするストーリーですが、 この手の小説にありがちな専門用語まみれの読みにくーい難解小説にはなっていなくて、 美術ド素人の私でもわかるような解説とぐいぐい引き込ませるような内容になっており、 ティムと織江とルソーの情熱がひしひしと伝わってきて一気読み間違いなしです! ラストの終わり方もうまくまとまっていて素晴らしいです。 私が住んでるところは田舎なので無理でしたが、東京に住んでいたら 興奮そのままに美術館に足を運んでいたかも! 正直、評価をSSにするか迷ったぐらいでした。 今後、大きな賞を受賞するか、このミスで3位以内に入ったらSSに格上げすることにしますw |
2012年7月
| 贖罪の奏鳴曲 |
| (ストーリー) 弁護士・御子柴礼司は、ある晩、記者の死体を遺棄した。死体を調べた警察は、御子柴に辿りつき事情を聴く。だが、彼には死亡推定時刻は法廷にいたという「鉄壁のアリバイ」があった―。「このミス」大賞受賞作家による新たな傑作誕生。 (感想) 以前王様のブランチでも紹介された話題作。 作者は、このミス大賞出身の中山七里さんです。 中山さんの作品は今回が初読ですが、なかなかおもしろかったです! リーガルサスペンスだけあって、裁判関連の内容がかなりリアルに描かれています。 特に主人公である御子柴のキャラが立っていてすごくいいです。 (連続ドラマリーガル・ハイを見た方なら分かると思いますが、 小説を読み進めるとすぐに古美門を連想させます。 でもさらに読み進めると実は結構違うところもあってそれも楽しみの1つになります。) 個人的にそんなに意外な展開にはならなかったので 帯のどんでん返しの連続というのは言いすぎな感はありますが、 読みやすくて全体的にうまくまとまった良作だと思います。 今回は宝島ではなく、講談社からの出版なのでこのミスではどういう扱いになるのか それも気になるところです。 |
| 新月譚 |
| (ストーリー) 八年前に突然絶筆した作家・咲良怜花は、若い編集者の熱心な復活のアプローチに、自らの半生を語り始める。そこで明かされたのは、ある男性との凄絶な恋愛の顛末だった―。 (感想) 久しぶりに読むのに没頭した作品でした! この作品はミステリーではなく、人気作家がなぜ執筆活動を始め、 爆発的な人気となり、いきなり筆を折ったのか半生を語った恋愛小説です。 個人的な感覚では同じく半生を描いている赤朽葉家の伝説や警官の血に 共通するような強烈な筆力を感じました! 特に後半での小説家として大成していく部分では、 感情移入する読者が多いと思います。 |
2011年9月
| 真夏の方程式 |
| (ストーリー) 夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平。仕事で訪れた湯川も、その宿に滞在することを決めた。翌朝、もう一人の宿泊客が変死体で見つかった。その男は定年退職した元警視庁の刑事だという。彼はなぜ、この美しい海を誇る町にやって来たのか…。これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは―。 (感想) ガリレオシリーズ長編第3段。 前作の聖女の救済がそれほどでもなかったので正直期待していなかったのですが、 個人的に好きな内容の作品でした。 トリックに関しては、容疑者Xと比較するとかなり弱い感じがしますが、 この作品のもっとも重要な部分は湯川の変化。 これまでの作品では容疑者Xを抜かすと超現実主義の湯川先生でしたが、 本作では、感情論を表に出し、周りの人の未来を想って常に行動しています。 そんなガリレオ先生を味わうだけでこの作品には価値があると言えるのではw それにしても内容的にドラマ化もしくは映画化したら人気が出そうな作品ですね! 容疑者Xよりも重くなくて、万人受けしそうです。 |
| (ストーリー) 亮介が実家で偶然見つけた「ユリゴコロ」と名付けられたノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。創作なのか、あるいは事実に基づく手記なのか。そして書いたのは誰なのか。謎のノートは亮介の人生を一変させる驚愕の事実を孕んでいた。圧倒的な筆力に身も心も絡めとられてしまう究極の恋愛ミステリー! (感想) 今年発刊されたミステリー作品の数々の中でも評価の高い作品。 何者かが書いたノートの内容とそれを読む主人公の行動が交互に進行していきます。 この「ユリゴコロ」と名付けられたノートですが、内容がかなりホラーで悲壮感たっぷりです。 実はこの作品読むか、読まないか判断するためにアマゾンレビューを洗いざらい読んでのですが、 そのおかげで最初からオチを勘繰り、結果的に当たってしまって楽しみが半減してしまいました。 なのでこれから読まれる方のためにあまり内容は書かないようにしたいと思いますw 読む価値のある作品であることだけはたしかです! |
2011年7月
| ジェノサイド |
| (ストーリー) 創薬化学を専攻する大学院生・研人のもとに死んだ父からのメールが届く。傭兵・イエーガーは不治の病を患う息子のために、コンゴ潜入の任務を引き受ける。二人の人生が交錯するとき、驚愕の真実が明らかになる――。 (感想) すごい!すごすぎる作品!! 何年ぶりかにSSランクの評価を付けるに値する作品と出会いました。 もともと高野さんの作品は13階段で読んでおり、そのラストまでの作りこまれた内容が気に入ってましたが、この作品はそういうレベルをさらに超越している感があります。 ストーリーは、3~4の主人公によってそれぞれ進んでいき、 1つは新しい薬を作ろうとする大学院生の専門用語が飛び交うめちゃくちゃ理系なストーリ。 2つめは子供の病気を治そうと単身で危険な地帯に行く民間の衛兵のサバイバルストーリー 3つめは様様な脅威に対応する黒い面たっぷりのアメリカ合衆国首脳陣政治ストーリー 話が進むにつれてこれらが融合していうわけですが、内容があまりにもリアルであり どこからどこまでがフィクションなのか分からなくなってきます。 本作品は人類存亡の危機と人間の価値という壮大なテーマがあり、 読了後はこのテーマについて深く考えさせられました。 ジャンルも多方面から掘り下げているため、サスペンスでもあり、SFでもあり、 政治小説の面もありという感じのジャンルミックス作品となっています。 残念ながら先日の直木賞ではノミネートしたものの、 伝統的なニュージャンル嫌いと出る杭は叩かれる体質から受賞となりませんでしたが、 ミステリ界隈では猛烈な評価の高さで今年の関連賞やランキングを総なめするのでは とさえ言われています。 600P近くあり、専門用語満載のため、ライトな小説しか読まれない方にはちときついですが、 間違いなく読む価値のある作品です! これを読まずに今年の小説は語れない!! |
2011年4月
| マリアビートル |
| (ストーリー) 酒浸りの元殺し屋「木村」。狡猾な中学生「王子」。腕利きの二人組「蜜柑」「檸檬」。運の悪い殺し屋「七尾」。物騒な奴らを乗せた新幹線は、北を目指し疾走する! 『グラスホッパー』に続く、殺し屋たちの狂想曲。 (感想) 今作も伊坂ワールド満載の作品となっていました! 強烈に最悪キャラクター王子に終始ムカつきと苛立ちを感じながらも 天道虫くんの性格いいのにあまりの不運さに少し同情し、 蜜柑と檸檬のかみ合うわけないのにかみ合ってしまうユーモラスな会話を楽しみ、 そしてしっかりと張った伏線も回収するという個人的には大満足の作品でした。 なお、本作品は名作グラスホッパーの続編となっており、 登場人物も役どころも関連性が高いのでより楽しむためには 先に呼んでおいた方がよいかもしれません。 (前作を読んでいなくても違和感なく普通に楽しめます。) ちなみに私は読了後に機関車トーマスが気になって仕方なくなりましたw |
2010年4月
| サクリファイス |
| (ストーリー) 勝つことを義務づけられた〈エース〉と、それをサポートする〈アシスト〉が、冷酷に分担された世界、自転車ロードレース。初めて抜擢された海外遠征で、僕は思いも寄らない悲劇に遭遇する。それは、単なる事故のはずだった――。二転三転する〈真相〉、リフレインの度に重きを増すテーマ、押し寄せる感動! 青春ミステリの逸品。 (感想) 傑作。 もう3年近く前の作品だがすばらしい作品だったのでぜひ紹介したいと思います。 本作品の舞台は日本ではあまり有名ではない自転車ロードレースの世界。 ロードレースが知らない人でもわかるよう書かれており、その奥の深さや面白さを存分に味わうことのできる青春スポーツ小説です。 (私自身もルールもまたく知りませんでしたが、かなり夢中になりましたw) もちろんミステリ的要素も十分に味わうことができ、まさに「サクリファイス」という名にふさわしい作品でした。 読了感もいいです。 続編最近発売されたので早く読みたい!! |
2010年3月
| Nのために |
| (ストーリー) 大学一年生の秋、杉下希美は運命的な出会いをする。台風による床上浸水によって、同じアパートの安藤望・西崎真人と親しくなったのだ。努力家の安藤と、小説家志望の西崎。それぞれに屈折とトラウマ、そして夢を抱く三人はやがてある計画に手を染めた。 すべては「N」のために──。 タワーマンションで起きた悲劇的な殺人事件。そして、その真実をモノローグ形式で抒情的に解き明かす、著者渾身の連作長編。『告白』『少女』『贖罪』に続く、新たなるステージ。 (感想) この作品は湊かなえらしいというか相変わらずの登場人物の語りから始まります。 そこで事件の詳細が語られるのですが、事件の真相は別にあり、名前にNのついている登場人物たちのそれぞれのストーリーによって明らかになっていきます。 それぞれのNが事件について各々のNのために行ったことを当人は知らない。 よって事件の真相を知る者は誰もいない・・・。 そんな何度も読み返してしまうような複雑かつ面白い設定は、名作である「告白」と同じぐらい良い作品だと思います。 |
| 新参者 |
| (ストーリー) もう、彼女は語れない。彼が伝える、その優しさを。悲しみを、喜びを。 日本橋の一角でひとり暮らしの女性が絞殺された。 着任したての刑事・加賀恭一郎の前に立ちはだかるのは、人情という名の謎。 舞台は、日本橋。江戸の匂いも残るこの町の一角で発見された、ひとり暮らしの40代女性の絞殺死体。「どうして、あんなにいい人が……」周囲がこう声を重ねる彼女の身に何が起きていたのか。着任したばかりの刑事・加賀恭一郎は、事件の謎を解き明かすため、未知の土地を歩き回る。 (感想) 前作の赤い指が加賀シリーズで初めて読了した作品でしたが、あまり印象残らず他のシリーズ作品にも手が行かなかったのですが、その印象を一変させる作品でした。 これほど人と人との繋がりの重要性や種類、情の深さを感じさせるミステリー小説は今までになかったと思います。 加賀恭一郎という素晴らしいキャストにサポートされながら、メインの事件の解決の経過とともに語られる下町の人々それぞれの人情ストーリー。 それぞれの章が読み終わるごとに癒されていきます。 この作品には殺人事件の件などいらないのではとさえ思ってしまうこの優しい物語は、読む価値十分です。 |
2010年2月
| Another |
| (ストーリー) その「呪い」は26年前、ある「善意」から生まれた-。1998年、春。夜見山北中学に転校してきた榊原恒一(15歳)は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、いっそう謎は深まるばかり。そんな中、クラス委員長の桜木ゆかりが凄惨な死を遂げた!この“世界”ではいったい、何が起こっているのか?秘密を探るべく動きはじめた恒一を、さらなる謎と恐怖が待ち受ける…。 (感想) まさにホラーのミステリーの融合! 基本主体は学園ホラーでありながら、ミステリー色の強いトリックやどんでん返しも盛り込まれています。700ページ近い長編ですが、まったく長さを感じさせないのは文章の読みやすさや先の読めないストーリーだからだと思います。 私は綾辻先生の作品は今回が初めてでしたが、ほかの作品も読んでみたいと思うほどとても面白く、怖い作品でした。 ・序盤に問われるミサキ・メイの存在の有無。 ・徐々に明かされていく3年3組の呪い。 ・そしてもっとも重要な「who?」にかかるトリック。 トリックについては私は答えが明かされるまで分かりませんでしたが、最初から読み返したとき「こんなに伏線が張ってあったなんて!」と驚きました。 洞察力のある方ならもしかするとトリックを明かすことができるかも。 個人的には「このクラスはどうなったのか?」「そしてその後はどうなっていくのか?」続編をぜひとも読んでみたいです。 |