ソフトコアジョイントモビリゼーション(SCJM)
私とAKAとの出会いは、1979年理学療法士の学生であった夏、当時国立大阪南病院理学療法科の士長であった宇都宮氏が米国で学んだ、のちにAKAの基になる“ジョイントモビリゼーション”を伝達講習された時です。
AKA創設者博田節夫先生は著書AKAで、関連痛(放散痛)とはその発生源から離れた場所に起こる痛みである。関節機能異常の痛みは障害関節周辺にとどまらず、遠隔部の痛みすなわち関連痛を示すことが多いと述べておられます。
また“関節機能異常”は、関節包内運動の異常状態を総称した広義の関節運動学的機能異常(arthrokinematic dysfunction)と、器質的病変の認められない正常範囲において、関節面の動きという“機能”のみに異常をきたした、狭義の関節運動学的機能異常があるとし、AKAでは狭義を治療対象にしています。 そしてAKAの出発点である関節機能異常と関連痛(放散痛)の関係は、仙腸関節が9割原因であると結論されました。
その上で関連痛のみに着目すると“AKAは失敗する”と言われ、関節包内運動に着目し、関節包内運動を治療する技術へ進まれました。 私は1979年よりMobilization、後にAKAを学ぶ過程で、関節放散痛(以下放散痛と略す)に対し臨床上多くの疑問を持ちました。
その一.包内運動が改善したら、副次的に痛みが改善する。なぜなのか?
もともと関節機能異常は関節面のロッキング状態を言い、関節機能異常がある時には関節包内運動は結果として表れません。包内運動を改善すれば、痛みが副次的に改善されるのではなく、関節のロッキングを外せば、関節が器質的に正常であれば、関節運動(包内運動)は改善されるのではないか?
その二.関節のロッキングを外すのに、関節を動かす技術でよいのか?
AKAでは仙骨の第3・第4棘突起部に、母指・小指球で力を加え関節を動かす操作を行いますが、より関節の近くを指先で(極)微圧することでも機能異常が改善した。
その三.本当に仙腸関節が、全身の関節放散痛の9割におよぶ、一次性原因なのか?
臨床を積む過程で、上半身の関連痛を訴える症例では、仙腸関節の痛みが主観的にも、客観的にも認められない症例が多くみられた。
その四.本当に上位頚椎には、関節機能異常が起こらないのか?
後頭部から頭頂部顔面への関連痛が、上部頚椎機能異常で認められる症例を経験した。
その五.なぜAKA技術の習熟に時間がかかるのか?再現性と普遍性との整合性?
数百名の理学療法士が講習を受けて、1年後に技術として使用できるのは数名である。単に技術習得の優劣のせいなのか?再現性や普遍性を高めるためには、動く方向に動かすのではなく、明確な指標が必要なのではないか?
それらの問題に取り組んでいた時、米国の医学雑誌【Spine】に1996年発表された“ The Function of the Long Dorsal Sacroiliac Ligament” (副題:腰痛を理解するための示唆)という論文に出会いました。“股関節屈曲の際、股関節が動き過ぎない様に、仙腸関節からおこる、仙結節靭帯が大腿の筋肉とリンクすることで、制動する働きをもっている”と言う内容でした。
この靭帯−筋肉リンク機構とも言える運動生理的制動機能が、放散痛の原点ではないかと考え、1999年よりAKAと惜別し、独自に臨床の場として整骨院を開業しました。5年半で約3万例のリンク経路とコアジョイントの微圧整復法=ソフトコアジョイントモビリゼーション(SCJM)の臨床経験をし、全身のリンク痛がほぼ解明できたので、世に問う活動をしています。
全身における具体的リンク経路と、各コアジョイントの機節機能異常に対する機能的治療法ソフトコアジョイントモビリゼーション(SCJM)は、希望する医療関連職種有資格者・スポーツトレーナーなどを対象に、講習会で示します。
詳細は左紀メールアドレスにて、資料をご請求ください。