関節関連痛(関節放散痛)の真実
関節機能異常・関節関連痛(関節放散痛)の発生メカニズム
強い衝撃や、弱いが持続的な力が長時間関節に加わった場合、関節周囲の軟部組織(全体または一部)が伸張され、関節の遊びの範囲を超えて関節が動き、いわゆる関節捻挫の状態を起こします。 関節が関節の遊びを超えて動き元に復すとき、関節端が関節周囲の軟部組織の一部を挟み込み、関節端の一部がロッキングしている状態を、関節機能異常の本態と考えました。
関節放散痛(以下放散痛とする)の発生メカニズムとしては、関節周囲の軟部組織には痛覚受容器が有り、関節に挟み込まれることで痛みが発生します。さらに痛みと緊張が挟み込み部から末梢の軟部組織停止部へ放散し、同停止部に起始する靭帯、筋肉へと放散(後紀の“靭帯−筋肉のリンク構造”参照)していると考えました。
関節機能異常(関節のロッキング)を理解するための、よく知られる例の一つに、いわゆる顎関節の亜脱臼(不全)があります。これは本来の意味の脱臼とは違い、まさに顎関節が関節周囲の軟部組織を、挟み込んだためのロッキング状態で、痛みが強く、また口が閉じられなくなるため、脱臼と間違われて命名されているのではと考えています。
このロッキング状態を外すためには、上顎骨を固定し、下顎を把持し関節突起を離解して微圧する(関節生理的整復法)ことで顎関節亜脱臼は改善し、整復されます。
同様に特定のコアジョイントの特定部分のロッキングを、手指による微圧で外すと、四肢の抹梢における特定部にある放散痛が、ただちに著減または消失する事から、限りなく真実に近いと確信しています。
また関節包内に器質的問題がない場合、関節面のロッキング状態が改善すると、多くは結果として関節包内運動も改善します。関節面のロッキングを除去した後、ことさら関節包内運動を改善することを優先すると、“捻挫”状態にある関節は容易に炎症症状や、再ロッキングを起こすことになります。それに加え、前駆症状の“捻挫”状態が強ければ強いほど、放散痛は強く抹梢部に現れ、再発が容易に起こる傾向にありました。
結果、関節包内運動が改善されると、二次的に放散痛が改善するのではなく、関節面のロッキング外れると、放散痛(リンクペインと命名)が改善し、関節包内・外に器質的病変がないとき、関節包内運動は自然に改善することが分かりました。
関節放散痛の真実
放散痛は関連痛としても知られ、内臓由来と関節からとが知られています。内臓由来の放散痛は、心臓から左肩・左上腕へと放散する事がよく知られており、脊柱で近くを通過する神経での乗り換えがその原因と言われています。関節由来の放散痛は、あまり原因の解明がなされておらず、博田らが著書AKAで指摘しているように、痛みが筋・腱、骨・骨膜、靭帯などに放散していると考えられていました。
米国の医学雑誌【Spine】に1996年発表された “The Function of the Long
Dorsal Sacroiliac Ligament” (副題:腰痛を理解するための示唆)を翌年読んだとき、ほぼ20年間AKAを学んでいて、抱えていた多くの疑問を解くことができました。
要約すると、“体幹の屈曲運動または、股関節の屈曲運動が起こる時、仙結節靭帯とリンクする脊柱起立筋群と大腿二頭筋が、互いに屈曲運動をし過ぎないように緊張し、体幹の屈曲時には大腿二頭筋が、股関節の屈曲時には脊柱起立筋群が、其々屈曲を行い過ぎないように制動するように働く。”という内容でした。
臨床を重ねることで、この仙結節靭帯と大腿二頭筋のリンク構造を、仙腸関節からの関節放散領域に重ね合わせると、まさに一致していました。仙腸関節の機能異常(咬み込み)から発生した痛みは、同部の靭帯線維の束に直線的に(仙骨が腸骨の軟部組織を咬みこんだ場合は縦走する仙結節靭帯の長い線維束へ)放散し、それが坐骨結節内側部へ伝わり、さらに仙結節靭帯停止部と接する、大腿二頭筋の内側ハムストリングス=半腱・半膜様筋の起始部の腱へ伝わる。次いで痛みは腱に続く筋線維の束へ伝わり、腱を経て停止部の鵞足部へ伝わっていました。

旧関節機能研究所では、1999年よりこの靭帯−筋肉リンク構造が放散痛の原因と考え、解明に取り組みました。その結果、脊柱の関節および、脊柱に接する関節(2010年トランクコアジョイントと命名)から、頭頂、顔面から手・足の指先まで、全身にリンク構造が張り廻らされている事を発見しました。また特定のコアジョイントから起こる痛みや緊張が、特定の靭帯−筋肉リンク構造上を抹梢へ放散していることが解りました。この事より、脊柱や四肢関節の過使用(オーバーユーズ)・過負荷、誤使用に対する、運動生理学的防御機能の一つであることを確信しました。
全身における具体的リンク経路と、各コアジョイントの機節機能異常に対する機能的治療法ソフトコアジョイントモビリゼーション(SCJM)は、希望する医療関連職種有資格者・スポーツトレーナーなどを対象に、講習会で示します。
詳細は左紀メールアドレスにて、資料をご請求ください。
全身における具体的リンク経路と、各コアジョイントの機節機能異常に対する機能的治療法ソフトコアジョイントモビリゼーション(SCJM)は、希望する医療関連職種有資格者・スポーツトレーナーなどを対象に、講習会で示します。
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