関節放散痛=L−Mリンクペイン(リンク痛)の発見

 関節のロッキングと放散痛領域の関係に翻弄されていた時、まさに羅針盤のような文献に1997年出会いました。それが米国の医学雑誌【Spine】に1996年発表された“ The Function of the Long Dorsal Sacroiliac Ligament ”(副題:腰痛を理解するための示唆)でした。この論文を読んだとき、ほぼ20年間AKAを学んでいて、抱えていた多くの疑問を解くことができました。
  その鍵となった二点を要約します。第一点は、体幹の屈曲または股関節の屈曲を行うとき、仙腸関節を軸にして体幹の屈曲の際には、ハムストリングスが緊張して体幹の屈曲が行きすぎないように制動を行う。その逆に股関節の屈曲を行うとき、脊柱起立筋群が緊張して、その行き過ぎを制動する。この運動生理学的な制動の働きを行う機構を私は靭帯−筋のリンク機構と呼ぶことにしました。
  具体的には、体幹の屈曲が十分に起こった時、仙腸関節から起こる仙結節靭帯の緊張が坐骨結節へ伝わります。その緊張は靭帯停止部が移行する大腿二頭筋腱および半腱・半膜様筋腱へ伝わり、大腿二頭筋・半腱・半膜様筋が緊張します。筋の緊張は腱の停止部へ伝わり、それ以上の体幹の屈強をおこなわせません。
  このことによりリンク機構は、過剰な運動(ここでは体幹屈曲)が起こらないようにする運動生理学的生体防御のための制動機構と考えています。


さらに重要な第二点は、仙結節靭帯には仙骨側から起始をし、坐骨結節外側へ停止する線維束と、腸骨から起始し坐骨結節内側へ停止する線維束があることです。これらの線維束は骨盤のニューテーション、カウンターニュ−テーションの動きにより緊張に違いが起こります。 前者では坐骨結節外則へ緊張が伝わり、外側ハムストリング、同停止部へと緊張が伝わります。後者では坐骨結節内側へ緊張が伝わり、内側ハムストリング、同停止部である鵞足へと緊張が伝わると提示していました。

    

    仙骨の前傾(一部変更) 仙骨の後傾(一部変更)

   

    大腿後面の筋肉    大腿後面の放散 

全身における具体的リンク経路と、各コアジョイントの機節機能異常に対する機能的治療法ソフトコアジョイントモビリゼーション(SCJM)は、希望する医療関連職種有資格者・スポーツトレーナーなどを対象に、講習会で示します。
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