柑橘栽培

2019/1/31 更新
百合華園は、食の「安全・安心」にこだわり、特に柑橘類については、「無農薬に限りなく近い減農薬栽培」を実現し、また、「味」につきましても、果樹本来の味を引き出すために、限界まで樹上で熟成させる「木成り完熟果」などを生産しております。
当園では、現時点で苗木を含めて20種類あまりの柑橘類を育成しております。
※デコポン、宮内伊予柑、大谷伊予柑、ネーブル、ポンカン、はるみ、河内晩柑、紅マドンナ、レモン、せとか、はれひめ、日南、宮川温州、南柑20号、スダチ、ゆず、安政柑、文旦、唐マンダリン、市丸、甘平 ほか
 

Ⅰ.農薬

2019/1/31 更新
一般的(市場に出回っているごく普通の)柑橘類は、病害虫予防のために、年間20種類以上もの薬剤を延べ60回以上(一度に2~3種の薬剤を混合するので年間15~20回程度)散布しており、加えて特定病害虫等の異常発生による応急防除を行うことがあります。
※薬品名や使用時期・回数などは、当ホームページ「参考資料・リンク」をご覧ください。
当園では、新植した苗木については、樹体つくりを目的に病害虫予防薬をごく普通に使用しますが、販売果実を生産する前年以降は、農薬類の使用を極限まで押さえ込んでいきます。
 

1.農薬使用状況

 

2.病害虫の防除

ダニ・カイガラムシ類の防除

百合華園では、残留性がなく人体にもほとんど影響のないマシン油(いわゆる機械油です)を使います。
当園の強力な武器は、厚手のゴム手袋と「歯ブラシ」です。
根気のいる作業ですが、暇あるごとに園内を見回り、見つけた害虫をゴム手袋でブチブチつぶし、洗剤の付いた歯ブラシで枝をゴシゴシ擦り、ダニ類を削り落とします。

かいよう病の予防

かいよう病は、見た目が悪いだけでなく、重傷すると食味にも影響し、商品価値がなくなるため、ICボルドーやコサイドボルドーを散布します。
この薬は、銅剤で残留性がなく、原液を飲んだりしない限り大丈夫のようです。

カミキリムシの防除

カミキリムシ産卵の防除に使用するモスピランは樹体の根元部(地面から50センチ位の幅に)散布します。
接触剤ではありますが劇薬に指定されているため、使いたくありませんが、幼虫が根元部を飽食し樹体を枯死させると、私自身の死活問題となるだけでなく、成虫となり、飛散することによって近隣果樹農家に多大なる迷惑をかけることになりますので、顧客の皆様にはご理解をいただいております。

その他の防除

大概の害虫については人海戦術によって農薬を使わずに対処していきますが、対処不可能な程の異常大量発生した場合、菌の増殖によって樹体に大きく影響する病気、数年間に渡って収穫に大きく影響する病気の場合は、それぞれの専門家(県や農協の技術指導員など)等と相談しながら農薬を使う場合があります。
味に関係なく、消費者の皆様に納得、我慢いただける見栄えの範囲内であれば、農薬は使用いたしません。
当園の果実によく見られる針で突いたような黒い点々、墨を流したようなシミは黒点病です。見た目が悪いことから、農協や生協などでは荷受け拒否されますが、食味には一切関係なく、もちろん人体にも全く影響ありません。
黒点病は、ジマンダイセンという薬剤を6月下旬頃から年に4回程散布することで回避できますが、「見栄え」だけの問題なので、百合華園では使用しません。
当園では、先に述べましたとおり、安全・安心をモットーに不必要な農薬類の使用を極力控えておりますので、近隣の農業者に笑われるほど見栄えの悪い作品になっておりますが、ご理解いただける方々へのみ、ご購入をお願いしております。

Ⅱ.マルチ栽培

2017/12/12 更新
柑橘の種類によっては、ある時期から収穫までの間、樹体の下にタイベックスシート(水の浸透を90%程押さえる白いシート)を敷くことによって、水分補給を調整し、太陽の光を上から浴びるだけでなく、人工的に反射光を下から当てて光合成を促進させ、より糖度の高い、味の濃い作品に仕上げる事が出来ます。
当園では、はれ姫については全木、紅まどんなや温州ミカン(日南、宮川など)の一部について、この「マルチ栽培法」を導入しています。
シートを張り巡らせている期間は雑草も生えないというメリットもありますが、この「マルチ栽培」は、手間がかかり、費用もかかる事から一般的ではなく、一部の農業者が極一部の品種にしか導入をしていないのが現状です。

Ⅲ.木成り完熟果

2017/12/12 更新
果物には、樹体から収穫してすぐに食べられるもの、収穫後に一定期間熟成なければならないものなど色々ありますが、柑橘類にも樹から収穫してすぐ食べることの出来る温州ミカンや、いくつかの理由から収穫後に倉庫などで1ヶ月前後貯蔵・熟成させてから市場に出回る伊予柑やネーブル、デコポンなど様々です。
当園では、消費者の皆様に出来る限り自然の味をお届けしたく、生理落下ギリギリまで樹上で熟成させる「木成り完熟果」を生産しております。
 

1.リスクの多い「木成り完熟果」

現在、伊予柑(生産量の約4割)、ネーブル、デコポン、河内晩柑など一部の柑橘類において「木成り完熟果」を生産しております。
気持ちとしては、全生産果実を木成り完熟させたいところですが、現在の労働力、生産コスト、リスク回避などを理由にそこそこに止めているのが現状です。
  1. 樹上で完熟させると樹体に負担がかかり、翌年の結実に大きく影響する
  2. 越冬という大きいリスク(寒波などで収穫前に全滅することあり)が伴う
  3. 1個ずつ袋かけする大変な労働に反し、長期間露地にさらされるために鳥獣(当園では、猪、ハクビシン、カラス、ヒヨドリなど)被害や自然落下などで収穫率が大きく低下する
  4. 所得(現金収入)が2ヶ月以上ずれ込むだけでなく、出荷が遅くなるほどに他商品・他産地との競合が激しくなって価格が下落する(農産物は他人より1日でも早く出荷するほどお金になる、と言われています)
  5. 畑地総合開発整備事業などによる集落共同防除作業や標準的施肥時期とのギャップが生じ、本来の農作物の最適作業時期から大きく外れてしまう
などの理由により、ほとんどの農家が伊予柑、ネーブルは年内、デコポンは1月中旬に収穫し、倉庫内で1ヶ月(デコポンは2ヶ月)ほど貯蔵熟成させてから出荷する手法を導入しています。
 

2.「木成り完熟果」の収穫とお届け

  1. 伊予柑は2月下旬から採取し、1週間ほど保湿調節し、3月上旬頃に順次発送します。
  2. デコポンは4月上旬に採取し、2週間ほど酸抜き調節し、4月中旬から順次発送します。
  3. ネーブルは4月上旬から採取し、順次発送します。
  4. 河内晩柑は7月下旬に採取し、順次発送します。
※なお、その年の気候により1~2週間ほど前後することがあります。