むかしむかしのはなし

わたくしは古い香炉で御座います。
造られたのは此処から海を渡った遠い国。
造られたのは今より遥か昔。
長い時を経れば、石から造られたものといえども、
魂というものを持つことが有るので御座います。
これから、御話致しますのは、その長い間
わたくしが見聞きした物語。




むかしむかし
いまだ世界が、人のものとも魔のものとも別れていなかった頃、
大陸の小さな国に三人の賢者が訪れました。











それでも三人は満足しておりました。
しかし、幸せな時は長くは続かなかったのであります。
あるとき、隣国とこの国とに戦が起こりました。
隣国は財力も兵力も強大で
とてもこの小さな国では数日と持ち堪えられないで御座いましょう。






隣国の王は老いてはいましたが、強い力を持っておりました。
暗殺計画はすぐに露見し、
両国の間に戦が始まりました。

人身御供となった美しい人は
どうにか領主さまのもとに辿り着くと、静かに息を引き取りました。。






領主さまは三人の遺骸を小さな廟に納め、
その傍らに槍を置きました。
まもなく、領主さまのもとに三人の子供が現れ、こう言いました。
―我々は三人の転生した姿である。
貴方はこの地を離れ、槍術を極めた後に再び此処に戻って来なさい、と
どんなに長い時を経ようとも、我々は此処で待っているから、と

領主さまは、ひとり極東の島国へと向かいました。

残された三人はいつか帰還する主のために、
槍を守ること、
三人の後継者を探し育てること、
それを心に誓いました。